さらばレバ刺し―。
生の牛レバー(肝臓)の提供・販売を禁じた食品衛生法の規格基準が、1日午前0時に施行され、焼き肉店から人気メニュー「牛レバ刺し」が姿を消した。施行前日の6月30日は、駆け込み客らのレバ刺し“最後の晩さん”で、各地の店がにぎわった。重い食中毒を引き起こす腸管出血性大腸菌O157による汚染を防止するのは難しく、悪質な違反には2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される。
「合法的」にレバ刺しを食べられる最後の日となった30日、各地の焼き肉店などは、食べ納め客で、いっぱいとなった。
東京・港区の「炭火焼肉かるびあ~の」は、夕方までに予約で全14席が満席に。店によると“レバ刺し禁止法”の施行が決まった6月12日以降、問い合わせが相次いだ。例年なら、この時期は夏季のためメニューから外しているが、客の要望に応える形で、ギリギリまで提供した。
一番乗りで入店し、真っ先にレバ刺し(980円)を注文した都内の会社員・村岸玲さん(29)は「最後に食べなきゃと思って。おいしいです」と大喜び。友人の会社員・岡崎康太さん(30)は「残念です。どうやったら食べられるか(国は)考えてほしい」と寂しそうに話した。
台東区の「ホルモン寺」では、午後5時の開店前に、わずかな空席を求め約40人が行列を作った。同店は4月から「さよならレバ刺しフェア」を展開。連日満席の状態が続いた。「いつか、また食べられる日が来てほしい」というファンの声が響く中、寺田穣店長(37)は「腸管出血性大腸菌が検出される限り、規制は仕方がない」と冷静に話した。
焼き肉の街として知られる大阪・鶴橋では、あちらこちらに「生レバーあります」の貼り紙が貼られ、店頭では店員が「生レバーどうですか!!」と声を張り上げた。「鶴橋ホルモン 金太郎」では、通常の約3倍もの量を取り寄せ、さらに1人1人前までと注文を制限したが、店員は「予約の分と合わせると、もうなくなりそうです」と悲鳴を上げた。別の店に並んでいた東大阪市の会社員・桑野貴司さん(30)からは「生だから危険なのは当たり前。食べたい人には食べさせてほしい」と国に“注文”も。
厚生労働省は昨年の調査で、牛の肝臓内部から腸管出血性大腸菌O157が見つかり、完全に除去する方法がないことが判明したとしている。食肉業界は「リスクを承知して生で食べることまで禁じるのは、国民から食文化を奪う」と撤回を求めている。厚労省も「生で安全に食べる方法が見つかれば、禁止解除を検討する」としているが、現段階では有効な対策が見つかっていない。
鶴橋の焼き肉店「白雲台」の呉龍一店長(42)は「売り上げに与える影響は小さくない。ただみんな同じ土俵に立つのだから、そこからいろいろ考えるのが商売だ」と“レバ刺しなき後”の対応に向け、意気込んでいた。スポーツ報知 7月1日(日)から。
レバー
レバー(独語 Leber、英語 liver)とは、肝臓のことである。日本でレバーというと、食用に用いる家畜や家禽の肝臓を指すことが多い。
日本で主に食用にされているレバーには、牛・豚・鶏、鴨のものがある。 世界の三大珍味として有名なフォアグラも、ガチョウに特殊な餌を与えて脂肪肝にさせた肝臓で、レバーの一種である。
ほかに、地方によっては馬、山羊、羊などのものが食用にされる例がある。アンコウなど、魚類の肝臓も日本でよく食用にされているが、多くは肝(きも)と呼ばれ、レバーと呼ばれることは少ない。
白レバー
フォアグラと同じようなものに、白レバーというものもある。これは鶏の脂肪肝で、レバー臭さが少ないが生産量が少なく、限定メニューなどになっている場合が多い。 一般に白レバーは栄養を蓄えた雌鳥のものである。卵を産まない雄は栄養を蓄える必要がないので、無理に餌を食べさせでもしない限り白レバーとなりにくく、また雄は若鶏のうちに精肉とされるため白レバーは必然的にメスに多くなる。
そして、雌鳥は卵用となり肉用に回るケースが少ないため、必然的に白レバーは出回りにくくなる。
栄養価と調理
栄養価
レバーはビタミンA、ビタミンB群、鉄分、葉酸等を多く含む。なかでも、葉酸、鉄分は造血を助ける働きがあり、貧血防止や妊婦など、多量の鉄分摂取が必要な人には理想的な食べ物であるといわれている(妊婦のビタミンAの過剰摂取は催奇形性がある為、摂取は慎重に行う必要がある)。牛や豚のレバーは消化酵素を加えて加水分解され、肝臓水解物として二日酔いや慢性肝疾患治療の医薬品原料となる。
日本での調理法
主な調理法は、焼肉の焼きレバー、焼き鳥の串レバーなどが挙げられる。牛レバーの料理の定番としては、ニラと合わせて炒めるレバニラ炒めがある。また、レバーを生のまま刺身状にスライスし、塩と胡麻油などにつけて食べるレバ刺しがある(ただし、後述の通り2012年7月から飲食店での提供は禁止となった)。
しかし、血の味がするなど、癖が強く、また、火を通しすぎるとボソボソした食感となるので、好き嫌いがはっきりしやすい。加熱調理の場合には、血抜きをしなければならない。この下処理をしなければ、血の味が強く残ってしまい、美味しく仕上がらない。牛乳などに浸して、マスキングで臭みを消す方法もある。
各国での調理法
中華料理の北京ダック専門店では、コース料理でアヒルのレバーを素揚げして、塩・胡椒などで味付けした料理が定番で出される。
フランスなど、欧米では、レバーペーストにし、パンに塗って食べることも一般的で、瓶詰め、缶詰の製品も多く市販されている。また、ハムやソーセージなどのように、レバーペーストをケーシングに詰めて調理したものもある。
食中毒と寄生虫
生の鶏レバーの大半並びに牛レバーの一部は中にカンピロバクターなどの食中毒菌を含んでいる。またそれ以外に無鉤条虫などの寄生虫に侵されているものもあり、特に個人が家庭で調理する際には十分注意する必要がある。
日本での規制
日本の厚生省は1996年にO157の感染多発を受けてレバーなどの食肉の生食を避けるよう通達し、その後1998年に生食用のレバー及び食肉の加工基準を策定した。日本各地の自治体や保健所は、レバ刺しには生食用基準に沿って加工されたレバーを用いるよう指導している。
2012年3月30日、厚生労働省は飲食店や販売業者が「牛」のレバーを生食用で提供することを禁止する方針を打ち出し、内閣府の食品安全委員会においても「提供禁止は妥当」とする見解が出たことを受け、同年7月1日から食品衛生法に基づき提供禁止とすることとなった。違反すれば2年以下の懲役か200万円以下の罰金の刑事罰が科されるようになる。出典:ウィキペディア フリー百貨辞典より。
生の牛レバー(肝臓)の提供・販売を禁じた食品衛生法の規格基準が、1日午前0時に施行され、焼き肉店から人気メニュー「牛レバ刺し」が姿を消した。施行前日の6月30日は、駆け込み客らのレバ刺し“最後の晩さん”で、各地の店がにぎわった。重い食中毒を引き起こす腸管出血性大腸菌O157による汚染を防止するのは難しく、悪質な違反には2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科される。
「合法的」にレバ刺しを食べられる最後の日となった30日、各地の焼き肉店などは、食べ納め客で、いっぱいとなった。
東京・港区の「炭火焼肉かるびあ~の」は、夕方までに予約で全14席が満席に。店によると“レバ刺し禁止法”の施行が決まった6月12日以降、問い合わせが相次いだ。例年なら、この時期は夏季のためメニューから外しているが、客の要望に応える形で、ギリギリまで提供した。
一番乗りで入店し、真っ先にレバ刺し(980円)を注文した都内の会社員・村岸玲さん(29)は「最後に食べなきゃと思って。おいしいです」と大喜び。友人の会社員・岡崎康太さん(30)は「残念です。どうやったら食べられるか(国は)考えてほしい」と寂しそうに話した。
台東区の「ホルモン寺」では、午後5時の開店前に、わずかな空席を求め約40人が行列を作った。同店は4月から「さよならレバ刺しフェア」を展開。連日満席の状態が続いた。「いつか、また食べられる日が来てほしい」というファンの声が響く中、寺田穣店長(37)は「腸管出血性大腸菌が検出される限り、規制は仕方がない」と冷静に話した。
焼き肉の街として知られる大阪・鶴橋では、あちらこちらに「生レバーあります」の貼り紙が貼られ、店頭では店員が「生レバーどうですか!!」と声を張り上げた。「鶴橋ホルモン 金太郎」では、通常の約3倍もの量を取り寄せ、さらに1人1人前までと注文を制限したが、店員は「予約の分と合わせると、もうなくなりそうです」と悲鳴を上げた。別の店に並んでいた東大阪市の会社員・桑野貴司さん(30)からは「生だから危険なのは当たり前。食べたい人には食べさせてほしい」と国に“注文”も。
厚生労働省は昨年の調査で、牛の肝臓内部から腸管出血性大腸菌O157が見つかり、完全に除去する方法がないことが判明したとしている。食肉業界は「リスクを承知して生で食べることまで禁じるのは、国民から食文化を奪う」と撤回を求めている。厚労省も「生で安全に食べる方法が見つかれば、禁止解除を検討する」としているが、現段階では有効な対策が見つかっていない。
鶴橋の焼き肉店「白雲台」の呉龍一店長(42)は「売り上げに与える影響は小さくない。ただみんな同じ土俵に立つのだから、そこからいろいろ考えるのが商売だ」と“レバ刺しなき後”の対応に向け、意気込んでいた。スポーツ報知 7月1日(日)から。
レバー
レバー(独語 Leber、英語 liver)とは、肝臓のことである。日本でレバーというと、食用に用いる家畜や家禽の肝臓を指すことが多い。
日本で主に食用にされているレバーには、牛・豚・鶏、鴨のものがある。 世界の三大珍味として有名なフォアグラも、ガチョウに特殊な餌を与えて脂肪肝にさせた肝臓で、レバーの一種である。
ほかに、地方によっては馬、山羊、羊などのものが食用にされる例がある。アンコウなど、魚類の肝臓も日本でよく食用にされているが、多くは肝(きも)と呼ばれ、レバーと呼ばれることは少ない。
白レバー
フォアグラと同じようなものに、白レバーというものもある。これは鶏の脂肪肝で、レバー臭さが少ないが生産量が少なく、限定メニューなどになっている場合が多い。 一般に白レバーは栄養を蓄えた雌鳥のものである。卵を産まない雄は栄養を蓄える必要がないので、無理に餌を食べさせでもしない限り白レバーとなりにくく、また雄は若鶏のうちに精肉とされるため白レバーは必然的にメスに多くなる。
そして、雌鳥は卵用となり肉用に回るケースが少ないため、必然的に白レバーは出回りにくくなる。
栄養価と調理
栄養価
レバーはビタミンA、ビタミンB群、鉄分、葉酸等を多く含む。なかでも、葉酸、鉄分は造血を助ける働きがあり、貧血防止や妊婦など、多量の鉄分摂取が必要な人には理想的な食べ物であるといわれている(妊婦のビタミンAの過剰摂取は催奇形性がある為、摂取は慎重に行う必要がある)。牛や豚のレバーは消化酵素を加えて加水分解され、肝臓水解物として二日酔いや慢性肝疾患治療の医薬品原料となる。
日本での調理法
主な調理法は、焼肉の焼きレバー、焼き鳥の串レバーなどが挙げられる。牛レバーの料理の定番としては、ニラと合わせて炒めるレバニラ炒めがある。また、レバーを生のまま刺身状にスライスし、塩と胡麻油などにつけて食べるレバ刺しがある(ただし、後述の通り2012年7月から飲食店での提供は禁止となった)。
しかし、血の味がするなど、癖が強く、また、火を通しすぎるとボソボソした食感となるので、好き嫌いがはっきりしやすい。加熱調理の場合には、血抜きをしなければならない。この下処理をしなければ、血の味が強く残ってしまい、美味しく仕上がらない。牛乳などに浸して、マスキングで臭みを消す方法もある。
各国での調理法
中華料理の北京ダック専門店では、コース料理でアヒルのレバーを素揚げして、塩・胡椒などで味付けした料理が定番で出される。
フランスなど、欧米では、レバーペーストにし、パンに塗って食べることも一般的で、瓶詰め、缶詰の製品も多く市販されている。また、ハムやソーセージなどのように、レバーペーストをケーシングに詰めて調理したものもある。
食中毒と寄生虫
生の鶏レバーの大半並びに牛レバーの一部は中にカンピロバクターなどの食中毒菌を含んでいる。またそれ以外に無鉤条虫などの寄生虫に侵されているものもあり、特に個人が家庭で調理する際には十分注意する必要がある。
日本での規制
日本の厚生省は1996年にO157の感染多発を受けてレバーなどの食肉の生食を避けるよう通達し、その後1998年に生食用のレバー及び食肉の加工基準を策定した。日本各地の自治体や保健所は、レバ刺しには生食用基準に沿って加工されたレバーを用いるよう指導している。
2012年3月30日、厚生労働省は飲食店や販売業者が「牛」のレバーを生食用で提供することを禁止する方針を打ち出し、内閣府の食品安全委員会においても「提供禁止は妥当」とする見解が出たことを受け、同年7月1日から食品衛生法に基づき提供禁止とすることとなった。違反すれば2年以下の懲役か200万円以下の罰金の刑事罰が科されるようになる。出典:ウィキペディア フリー百貨辞典より。