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1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[脂質] 食生活について語ろう

2019年10月23日 | 美容ダイエット
脂質Lipid ししつ
  近年は、メタボリックシンドロームという言葉がよく聞かれるようになり中高年の肥満症が年々増加傾向にあるようです。太る原因になるとして何かと嫌われがちですが、脂質を全く取らないでいることも栄養状態の悪化を招くことになり過剰摂取しないということが大切なことです。
必要量の確保は重要なことです。その重要性については
人体で合成不可能な必須脂肪酸としリノール酸、αーリノレン酸、アラキドン酸(リノール酸より、ビタミンB6が関与し合成される)3つで食物より摂取しなければならなりません。
n-6,n-3系脂肪酸は必須脂肪酸と呼ばれ不足によって皮膚炎、子供の成長障害が見られます。飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、コレステロールは、肝臓で他の炭水化物から合成することができるので必須とはなっていません。これに対してn-3系(αーリノレン酸)はいわゆる善玉コレステロールといわれているHDLを増やす働き、一価不飽和脂肪酸(オリーブ油)はいわゆる悪玉コレステロールといわれるLDLを減らす働きがありn-6系(リノール酸)脂肪酸は両方を減らします。

脂質とは広義では(Lipidリピッド)ないし狭義では(Lipide)に由来し、1925年にBloorによって提唱されギリシャ語のリポス(Lipos)が語源となります。
栄養学的には、油脂と脂肪、脂質のはっきりとした区別は、設けられていません。天然物質でエーテル(エチルアルコール、エタノール、酒精)、クロロホルムに溶け、塩類水溶液、水に不溶といわれるものを一般に脂質としていることもありますが中性脂肪(脂肪)を油脂としているわけ方もあります。常温で固体のものを脂肪、常温で液体になっているものを油脂とすることもあり定まっていないのです。
その大部分が脂肪、脂質で占められて生物に利用されるものです。さらに例外があり、これらの項目に完全に当てはまらないものも存在します。 実際に一般的な分類法として単純脂質(脂肪・ろう)、複合脂質(リン脂質、糖脂質・硫脂質)、誘導脂質(不けん化物:脂肪酸・アルコール・ステロイド・脂溶性ビタミン・スクワレン)の三種に分類しています。これらの主に知っておきたい項目については
◇単純脂質Simple lipid たんじゅんししつ
  グリセライド(グリセリン[甘味のある粘液性物:アルコールの一種]と脂肪酸がエステル結合[アルコールと有機酸:脂肪酸と結合し水が除かれた化合物])したものをいう。
いわゆる脂肪、脂質と呼ばれる植物油脂(大豆油、米糠油、オリーブ油、やし油など)、動物油脂(魚油、豚脂、バターなど)が主に存在する。天然のグリセライドは、トリグリセライド(中性脂肪)が大部分で、水に不溶でその中に含む脂肪酸の種類によって常温で液状のものを油、固体のものを脂としているが明確には区別されていない。
植物油脂で常温で液状であるが空気中に放置しておくと乾燥性のあるアマニ油、クルミ油、大豆油のようなものを乾性油、他に半乾性油(胡麻油、米ぬか油など)、不乾性油(オリーブ油、落花生油など)、固体脂(やし油、カカオ脂など)がある。発煙点(215~235℃)、引火点(250~275℃)、燃焼点(330~350℃)を示す。天然のグリセライドは、単一の化合物でなく、融点が、一定せず測定条件によっても異なって平均して40~70℃程度になる。
ほかにロウ(栄養素として利用されない)がある。

◇複合脂質Compound lipid ふくごうししつ
  リポイド(Lipoid)ともいわれアルコールと脂肪酸以外にリン酸、窒素化合物、糖、硫酸などを含んでいる複雑な脂質でリン脂質、糖脂質、硫脂質に分けられる。
生体中で中性脂肪ほどおおくはないが脳、神経組織、膜、細胞壁に含み特に脳に多く存在している。リン脂質(レシチン・ケファリン[リン酸+エタノールアミン]など)、糖脂質(ケラシン、フレノシン、ネルボンなど)、硫脂質(セレブロン硫酸;脳脂質中にイオウを含む)がある。  

◇誘導脂質Derived lipid  ゆうどうししつ
  脂肪酸を含むさまざまの化合物で単純脂質、複合脂質を加水分解して得られる物質であり、脂肪酸、アルコール、ステロール、有機塩基(水溶液中で水酸化物イオンを生ずる物質)類をいう。テルペン、ステリン類、ステリンエステル(動物に存在するコレステリン[コレステロール]、植物のシトステリン、エルゴステリンなど)の種類、カロチン系色素、ビタミンA、D、E(脂溶性ビタミン)も含まれる。誘導脂質は、血液やホルモンの成分になる。

       ◆脂肪酸 しぼうさん
  脂質のおよそ90%以上は脂肪酸よりなるものが多い。一方の端にメチル基(-CH3)、もう一方の端にカルボキシル基(-COOH)のついた長い炭素の鎖の構造をしている。炭素の鎖のすべての炭素が水素で飽和されているものを飽和脂肪酸、一部が部分的に不飽和(二重結合)のあるものを不飽和脂肪酸という。
誘導脂質(不ケン化物)のひとつで油脂をけん化(脂肪酸とアルコールにする反応)、酸性にすると得られる。脂質の形態、機能に大きく影響しており、飽和脂肪酸(一般に常温で固体、豚脂、牛脂など)、不飽和脂肪酸(一般に液状で酸化されやすい、植物油、魚油)に分けられる。

さらに構成炭素(C)の数、鎖の長さにより短鎖(酪酸、ヘキサン酸:牛乳)、中鎖(オクタン酸、デカン酸:やし油、牛乳など)、長鎖(一般の油脂)にわけられる。中鎖脂肪酸は体脂肪を燃焼させ中性脂肪を増やさない事から高カロリーを得るための腎疾患の治療食に用いられている。

       ◆飽和脂肪酸Saturated fatty acid ほうわしぼうさん
  油脂類をケン化(エステル[脂肪酸などの酸とアルコールといっしょになっている有機酸から脱水された化合物]を加水分解して石鹸とグリセリンを得る反応)して酸性にすると得られる酸のうちパルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸が飽和脂肪酸として多く分布する。融点の高いものは、水に溶けにくく常温で固体として存在する。飽和脂肪酸が多いと脂肪がロウのようになり、舌触りが悪くなる。
飽和脂肪酸は、分子中に炭素(C)の二重結合をもたない脂肪酸をいい、炭化水素鎖のすべての炭素が水素で飽和されていることを特徴とする。飽和脂肪酸の炭素数が増すにつれ水に溶けにくく融点が上昇する。C10以上で常温で固体とし存在する。C10以下は、揮発性のものが多く特有の臭気をもつ。炭素数4~6個の酪酸(ブチル酸)、バレリアン酸(吉草酸)、カプロン酸、炭素数8~16個のカプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、炭素数16~18個のパルミチン酸、マガリン酸、ステアリン酸などがある。蓄肉脂身、バターなどの動物性脂肪、ヤシ油(ラウリン)に多く含み血中コレステロール値を上昇させる。
摂取量の不足10g/1日以下であると脳出血の発症が高まる。18歳以上で飽和脂肪酸エネルギー比率4.5%を下限値とし目標量は4.5%~7.0%の範囲に定めている。10歳以上で、血中LDL-コレステロール値が高い場合、動脈硬化が進行する可能性があるので、飽和脂肪酸摂取量の制限を含めた対策が望まれる。


           ■中鎖脂肪酸 ちゅうさしぼうさん
 ヤシ油、パーム核油、母乳、乳脂(チューダチーズ・ヤギミルク)、ノニジュースに総脂肪酸量の2~10%程度含みあまり多くは、見つかっていない。構成炭素数、鎖の長さがC8~C10であるものでオクタン酸、デカン酸、デセン酸が知られる。いままで高カロリー食を必要とする医療食としゼリー、アイスクリーム、クッキーにしたりして50年も以前からMCT(マクトンmedium chain trigluceride)として長年用いられている。中鎖脂肪酸そのものは、舌触りが軽く、胃も垂れが少なく、普通の油に比べ多く取ることが出来ることから利用している。
独特の汗っぽい匂いと酸っぱさのあるといいオイル、パウダー(白)にしたものがある。消化、吸収が早く、体内で素早くエネルギー源となり燃焼し中性脂肪となって蓄積されにくく分解速度が早いことから特定保健用食品として認められている。
1gで9kcalは、普通の油と変わらない。脂肪を燃焼させるとケトン体が流出し、ケトン体を分解するのにもインシュリンが必要とされる。そのインシュリンがなくなり、体脂肪、体蛋白が使われ体重減少の状態に陥(おちい)る、痩せてくると危険な状態となるので過剰摂取に注意する。



      ◆不飽和脂肪酸Unsaturated Fatty Acids ふほうわしぼうさん
  脂肪酸の炭化水素の鎖にところどころに不飽和(二重結合・炭素同士が二重結合をつくると、この部分は水素で飽和されていない)の状態があるものを不飽和脂肪酸という。二重結合が一個のものをモノエン酸、2個以上含むものをポリエン酸、4個以上含むものを高度不飽和脂肪酸(多価不飽和脂肪酸)という。不飽和脂肪酸を多く含むものは融点が低く普通常温では液体であり結合が弱く酸化されやすい。また二重結合が2つ以上あるものを多価不飽和脂肪酸という。二重結合の数が増えるに従い融点が低下し酸化しやすい。ショートニング、マーガリンは水素添加して二重結合を減少させ融点を上げて常温で固体とさせたもの。 
  脂肪酸は一方の端にメチル基(-CH3)、もう一方の端にカルボキシル基(-COOH)のついた長い炭素の鎖の構造をしていて幾つ目がメチル末端(CH3)の炭素から数えて二重結合であるかによってn-3 n-6 n-9系であるかに分かれている。メチル末端の炭素から数えて3つめが最初の二重結合であるn-3(EPA DHA αリノレン酸)系、 6こめで最初の二重結合のあるn-6(リノール酸 アラキドン酸、γーリノレン酸)系とした。
1930年代の動物実験により不飽和脂肪酸を欠くことで、皮膚障害、不妊などが引き起こされることからG.O.BurrあるいはH.M.Evansによりリノール酸、リノレン酸などが必須の物質であるとしてビタミンFとしその後、高度不飽和脂肪酸が生体を防御するホルモンのプロスタグランジンの原料や血管、気管支、子宮の収縮・拡張、血小板の凝集、抑制、血圧の調整をして体内で生成され血液の粘性に関係していることがわかってきた。
n-3系と、n-6系の脂肪酸とからできるプロスタグランジンの種類、体内での機能性の違いの違いから日本人では、その比をn-6系:n-3系=4:1の割合とするのがよいとしている。
n-3系は不足しやすい油で一日の脂質の摂取量を55gとして脂肪酸摂取比率は、飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸=3:4:3が望ましいことから16.5g:22g:16.5g程度となる。不飽和脂肪酸のn-6(リノール酸など)+n-3(αリノレン酸など)=16.5gで4:1が適正比率とされ13.2g:3.3g=4:1となる。

  脂質の主要成分は単純脂質のトリアシルグリセロール(トリグリセリド)であり、他に複合脂質のリン脂質、誘導脂質のコレステロール、遊離脂肪酸等があります。脂質には、旨みがあり構成している脂肪酸により変化し、味覚、舌触り等に影響します。旨みとの関連にオレイン酸が関連しているといわれます。脂身に含まれるアミノ酸の影響もあります。また、酸化してできる遊離脂肪酸や過酸化物に変化すると風味に変化を及ぼします。
糖質、たん白質に比べ炭素、水素を多く含み酸素が少なく体内で酸化されやすくエネルギー源とし最も効率がよく1gで9Kcalあり炭水化物、タンパク質とともに保全素の役割を果たしています。過剰摂取された炭水化物、たん白質は、動物により異なる脂肪となり蓄積(皮下組織、腹腔内、筋肉結合組織、骨髄)します。
脂肪はグリセロール(グリセリン)1分子に3分子の脂肪酸が結合した構造をしています。食事により摂取した脂肪は胃の中で多少は乳化され吸収されますがほとんどは、十二指腸や小腸内で膵液中のリパーゼによって中和、加水分解を受け、トリグリセリド(中性脂肪)から脂肪酸とグリセロールに分解します。グリセロールは水溶性なのでそのまま小腸から毛細血管に吸収され、解糖系で代謝ないし、糖新生によってブドウ糖に変換します。
脂肪酸は水に溶けないので胆汁酸によって乳化、胆汁(胆汁酸塩・コール酸・タウリン・コレステロール)からのリパーゼによって加水分解を受け消化、吸収されていきます。脂肪酸が腸管から吸収するとき、脂肪酸の大きさ(炭素鎖の長さ)の違いによって代謝の仕方が異なります。
炭素数が13以上の長鎖脂肪酸の場合は、腸壁を通り抜けると、腸管粘膜上皮細胞内で再びグリセロールと結合して中性脂肪(トリグリセリド)になり蛋白質などと一緒になってカイロミクロンというリポ蛋白質粒子になります。カイロミクロンはリンパ管から胸管に入り、鎖骨下静脈から大循環系に入って全身に運ばれます。主に脂肪組織や筋肉組織に取込まれ、一旦貯蔵されてからグリコーゲンが枯渇したときに分解されて、ゆっくりと消費します。
つまり、長鎖脂肪酸はエネルギーとして代謝されにくく、体脂肪として蓄積されやすい脂肪酸です。
中鎖脂肪酸は胆汁酸によるミセル化は不要で、カイロミクロンを作らずに分子が小さいので遊離脂肪酸のまま門脈に入って肝臓へ運ばれ、糖質摂取が少ない条件では、中鎖脂肪酸は肝臓でケトン体を大量に産生することができます。速やかにエネルギー源となります。中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸より約4倍も吸収が速く、代謝も10 倍も速いといいます。

 日本で使われている食用油(菜種油、大豆油、紅花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、コーン油など)は長鎖脂肪酸(炭素数が13以上)が主成分です。一方、中鎖脂肪酸(炭素数が8~12)を多く含む油としてはヤシ油(ココナッツオイル)があります。ココナッツオイルには、60~70%の中鎖脂肪酸トリグリセリド(中鎖脂肪)が含まれていますが、ケトン食療法用の中鎖脂肪酸トリグリセリド85~100%のオイル(キッセイ薬品のマクトンオイルや日清オイリオ社のMCTオイルなど)も市販しています。

余分に摂取した食事、脂肪は、貯蔵脂肪となり必要に応じエネルギー源とし使われたり、内臓の保護、体温調節に大切な働きをしているのです。
欧米では摂取エネルギーの35~40%(100g~150g)が脂肪といわれています。日本人の脂肪摂取量は、総エネルギー1800~2000kcalの23~25%(50~55g)が適当としているのですが最近は、上昇傾向にあり注意が望まれています。食品中に自然に含まれる部分が多く実際に油脂とし摂取し使用できる油の量は、せいぜい10~15g程度となります。
 
体内の脂肪組織は、2つの型(褐色脂肪、白色脂肪)に分類しています。褐色脂肪は、首の後ろ、背中、わきの下、心臓大動脈の周囲、腎臓の周囲に限られ脂肪の1%程度、エネルギーの消費器官として体温調節、過剰なエネルギーを燃焼させ、自由にエネルギーを放出する役目をもっています。白色脂肪は、全身に分布する中性脂肪で皮下脂肪、内臓脂肪です。やせの大食いは、褐色脂肪の機能亢進であることが考えられます。

  脂質、脂肪は、主に単純脂質の中性脂肪(トリグリセリド)のことを捉えていうことが一般的です。.炭水化物、たんぱく質とともに重要なエネルギー源であり必須脂肪酸の給源で、脂溶性ビタミン(.ビタミンA、D、E、K)の吸収をよくしています。
人体で室温で液体でさらさらしているものは、固体のものに比べ、オキシターゼの作用を受けやすく燃焼されやすく脂肪がつきにくいとしています。揚げ物をして次第にからりと揚がらなくなってくると早くに酸化してそのような状態になる油を「腰の弱い油」といわれます。

食物繊維、ビタミンB群が油の燃焼、吸収を抑えます。食品の目安として動物性食品、植物性食品、魚からの脂質を4:5:1の割合でとるのがよいとし食事摂取基準で示される総脂質の総エネルギーに占める割合(脂肪エネルギー比率)は、29歳までは30~25%、30~69歳25~20%、70歳以上で25~15%と示しています。
調理や体に入ってからの脂質の酸化変性は、多価不飽和脂肪酸より1価不飽和脂肪酸のオレイン酸の方が影響が少ないといいます。

  脂質も、適量の摂取がよいのです。バランスの取れた食生活が望まれているのです。健康な身体は、栄養バランスの取れた食生活からです。
 
[2019.10.23]
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