・酪酸菌Butylicacid bacteria らくさんきん
穀類、牛乳、水、干草、土壌に存在している細菌であり、デンプン、糖質を発酵させることによって生ずる細菌のこと。
蛋白質、脂質、有機酸などをも分解し酪酸、酢酸などを生ずる菌類でアセトンブタノールAcetone butanol生産菌Producing bacteriaがありブタノールButanol(ブチルアルコールButyl alcohol)製造に利用している。
多くは、芽胞をつくり耐熱性、嫌気性でアンモニアを産生し醸造の製品を変敗させる。酸、アルカリには弱く乳酸、乳酸菌を加えることによって防止できる。
でん粉質を糖化発酵させて酪酸のほか二酸化炭素、乳酸、酢酸、ブチルアルコール、エチルアルコール、ギ酸、水素を生成し酪酸発酵が進むと異様な悪臭を生じる。
適温が37度で漬物の空気の流通が不充分であると起こりやすく糠みそ漬けを常にかき回すのも好気性の乳酸菌を繁殖させ嫌気性の酪酸菌を阻止することにある。バター、チーズの臭いには、酪酸発酵で微量の酪酸が入っている。製剤として腸内では、酪酸菌は胃酸に対し芽胞を作り対抗するため、生きたまま腸に届きビフィズス菌などとともに善玉菌として扱われる。
短鎖脂肪酸である酪酸は、病原菌、ウイルスの抑制やガン細胞の増殖を抑えたり、専ら大腸で主要な栄養素として消費されるが、ヒストン脱アセチル化酵素Histone deacetylaseの阻害剤Inhibitorとして、遺伝子の発現に介入することも知られている。このメカニズムを使って癌化した細胞にアポトーシスApoptosis(細胞死)を誘導する能力を証明している。
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