・パパイヤPapaya ぱぱいや
パパイヤ科、熱帯アメリカ原産。熱帯、亜熱帯地域で広く栽培している代表的トロピカルフルーツ(熱帯産果物)の位置を占める。常緑樹高7~10m、花は、乳白色、果実は、頂部、大きさ40cm掌(てのひら)状で切れこみのある葉の下の周囲に密生する。長さ15~35cm、重量300g~2kgでとっくり型、楕円形果肉が黄色、黄紅色多汁で、中心にゼラチン質に包まれた粒粒の種子が多数ある。
乳白色の液汁がでることからチチウリ、瓜に似ているが木になることから木瓜(もくか)の和名をもつ。独特の芳香、風味、甘味がある。日本では、明治時代に導入、1970年代から輸入量が増加、ハワイ産、フィリピン産が主流を占めるが、沖縄、小笠原、奄美諸島、宮崎でも産出している。
熱帯産、輸入品で旬が定まらず年間を通じ入荷、日本で栽培する完熟の旬が5~8月ごろとなる。沖縄県の栽培で台風とウィルス病が完熟フルーツとしての経済栽培が成り立ちにくいといわれている。
適温が通年で23~28℃であり県下では露地栽培でも枯れないが、生育が緩慢で、甘味が少なく温度管理が難しい。
熟すると黄色になり特有の香りをもち食感がメロンに似る。生食の他缶詰、シロップ漬け、ジュース、ジャムにしている。沖縄などの産地で9月下旬頃の未熟果をサラダ、ピクルス、塩漬けとしている。
100g中の成分は、エネルギー38kcal、水分89.2g、タンパク質0.5g、脂質0.2g、炭水化物9.5g、灰分0.6g、ナトリウム6.0mg、カリウム210mg、カルシウム20mg、マグネシウム26mg、リン11mg、鉄0.2mg、亜鉛0.1mg、銅0.05mg、マンガン0.04mg、
ビタミンA:79μg、ビタミンD:(0)μg、ビタミンE:0.3mg、ビタミンK:0μg、ビタミンB1:0.02mg、ビタミンB2:0.04mg、ナイアシン0.3mg、ビタミンB6:0.01mg、ビタミンB12:(0)μg、葉酸44μg、パントテン酸0.42mg、ビタミンC50mg 、食物繊維2.2gを含む。
果肉の黄色の色素は、クリプトキサンチン(カリカキサンチンCaricaxanthin)を主としほかにカロテン、ビオラキサンチンViolaxanthinを含む。果汁(未熟果に多い白い汁)には蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)であるパパインPapainを含み肉類の消化を助け、ビール、醤油の清澄(せいちょう)に用いられる。
メラニン色素を分解する働きがあるので乾燥粉末にしたものを洗顔にも利用している。葉、種子に含むカルパインCalpain(アルカロイド)は、薬用とし強心剤、駆虫に用い食用には適さない。
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