「蝉たちの声」
あまりの暑さのせいで
ずっと蝉の声がなかった
さっき久しぶりに
通り雨が降って行った
そしてあの蝉たちが
一斉に鳴き出した
元気よく鳴き出した
蝉の声は樹木の中で
響き会う
樹は蝉の声を聞いて思う
僕はさっき雨に打たれ
そして蝉の声を聞いた
僕はこの森の中で
自然の愛を美しさを
味わっている
なんと素晴らしい瞬間であろうか
「蝉たちの声」
あまりの暑さのせいで
ずっと蝉の声がなかった
さっき久しぶりに
通り雨が降って行った
そしてあの蝉たちが
一斉に鳴き出した
元気よく鳴き出した
蝉の声は樹木の中で
響き会う
樹は蝉の声を聞いて思う
僕はさっき雨に打たれ
そして蝉の声を聞いた
僕はこの森の中で
自然の愛を美しさを
味わっている
なんと素晴らしい瞬間であろうか
「猫の丸さ」
猫の丸さは誰もが心地好く感じるものだ
なぜだろうか
人が本質として求めている
形や質感がそこにあるのだが
どうもそれだけではない様に思う
絶対的なる根源へのヒントが
そこにある様に思えてならぬ
そうだね 例えば物に
フォーカスする時にその特徴を
人は探す 探した中にいつも人は
その共通する自分の中にある
心地好さとを比較しているのだ
自分の中にはあるが
まだ見付けていない本当の
安らぎとなるひとつを
見付けようとしているのだ
「空と淡水を分けているもの」
湖水と夕空をどっしりとした
比叡の山々が夕空を分けていた
湖に浮かべて遊ぶ幾つもの船は
その間をゆっくり漂う
ここは淡い海
水もここで憩う
夏の日射しが夕陽になり
空に映し出されるひととき
これ以上の時間はあるだろうか
ここでこの時間を味わう
「飛び魚」
暮れ掛かる空
波静かな海に
飛び魚が翔んだ
あまりに静かに水面から
飛び出たので
そこに音もなく波もなく
まるで空に貼り付いて
いたかのように
君の翔ぶ姿は
なんと綺麗で見事だね
ずっと海の中に居て
ほんの一時姿を海面に出す
暮れ掛かる空の色に憧れ
見に飛び出したのだろうか
「落し物は拾い合う」
本当の平安とは何か
君はわかるかね
そうだよ君の心が本当は
知っていることを
思いだした時に心の平安を
感じるものだ
遠い遠い昔に
辿って来た道の道端に
幾つもの落し物をしてきた
その落し物は落としたままでいい
それは別の人が拾ってくれたからいい
だから君は、今この側に見えている
道端の落し物を拾い、ひとつひとつ
少しずつでも良いから
光で包んでいくんだ
ただそれだけだよ
落ちる物は仕方ないよ
でも拾える物は拾うんだ
それがみんなで一緒に
人の世を進んでいると言うこと
実感して味わう事が大切なんだ
以上