注目はやっぱりゲストの立川談志。
本当になにか喋ってくれるのか、そもそもちゃんと現れるのか。いくらチラシにそう書いてあったとしても、体調最悪の談志が、こんな遠くて寒いところにわざわざ来ると考えるほうが不自然だ。半信半疑。
まずは志らくの「紺屋高尾」。奇抜さはなく、しっとりたっぷり演じてみせる。うっとり。なんでも、仲入り後に登場する談志がどのくらい話すのか分からないので、先に長い話をやっておくのだそうだ。なるほど。
いよいよ立川談志登場。
上手からすっと現れて立ち止まる。本当に出た!
始まる前から拍手喝さい。
ただ、頭を乗せてる体が柳の枝のよう。
高座に座ると第一声。「えー、こんな声で…」
ひどいカスレ声。CDで聴きなれた声とぜんぜん違う。
お客さんが心配した空気になると、すかさず「医療ミスです」。爆笑。一丁上がり。
それからジョークあれこれに落語チャンチャカチャン。声は聴き取りにくいし、ところどころ固有名詞が出てこなかったりするけど、格が違う。客席全体が言葉のひとつひとつを聴き漏らすまいと集中する。
体調は悪そうだし、お茶を飲むのも一苦労という感じだけど、細かいことは言わない。
ひとしきり聴いて、幸せな時間は終わり。
談志が、生まれたての子牛のように立ち上がろうとする。そういうジョークかなと思ったけど、高座から降りる時、お弟子さんの肩を借りていた。ぎりぎりじゃないか。上手に去る時、また立ち止まって客席を見渡す。万雷の拍手。千両役者。落語家だけど。
そして、そのあとに登場する困り顔の志らく。
「落語チャンチャカチャンまでやられちゃ、もうやるものないですよ」。そりゃそうだ。
それでも、「疝気の虫」のバカバカしさで無理やり自分の世界に引き戻す。くだらない笑いにやられて、せっかく聞いた談志のジョークを大分忘れた。このあたりやっぱりタダの弟子ではない。そりゃ、自分の名前のついた独演会が、ゲストにもっていかれちゃかなわないよなあ。
ナマ談志の神々しさと、中入り後の志らくの熱演が印象に残った。眼福だし、聴福。
本当になにか喋ってくれるのか、そもそもちゃんと現れるのか。いくらチラシにそう書いてあったとしても、体調最悪の談志が、こんな遠くて寒いところにわざわざ来ると考えるほうが不自然だ。半信半疑。
まずは志らくの「紺屋高尾」。奇抜さはなく、しっとりたっぷり演じてみせる。うっとり。なんでも、仲入り後に登場する談志がどのくらい話すのか分からないので、先に長い話をやっておくのだそうだ。なるほど。
いよいよ立川談志登場。
上手からすっと現れて立ち止まる。本当に出た!
始まる前から拍手喝さい。
ただ、頭を乗せてる体が柳の枝のよう。
高座に座ると第一声。「えー、こんな声で…」
ひどいカスレ声。CDで聴きなれた声とぜんぜん違う。
お客さんが心配した空気になると、すかさず「医療ミスです」。爆笑。一丁上がり。
それからジョークあれこれに落語チャンチャカチャン。声は聴き取りにくいし、ところどころ固有名詞が出てこなかったりするけど、格が違う。客席全体が言葉のひとつひとつを聴き漏らすまいと集中する。
体調は悪そうだし、お茶を飲むのも一苦労という感じだけど、細かいことは言わない。
ひとしきり聴いて、幸せな時間は終わり。
談志が、生まれたての子牛のように立ち上がろうとする。そういうジョークかなと思ったけど、高座から降りる時、お弟子さんの肩を借りていた。ぎりぎりじゃないか。上手に去る時、また立ち止まって客席を見渡す。万雷の拍手。千両役者。落語家だけど。
そして、そのあとに登場する困り顔の志らく。
「落語チャンチャカチャンまでやられちゃ、もうやるものないですよ」。そりゃそうだ。
それでも、「疝気の虫」のバカバカしさで無理やり自分の世界に引き戻す。くだらない笑いにやられて、せっかく聞いた談志のジョークを大分忘れた。このあたりやっぱりタダの弟子ではない。そりゃ、自分の名前のついた独演会が、ゲストにもっていかれちゃかなわないよなあ。
ナマ談志の神々しさと、中入り後の志らくの熱演が印象に残った。眼福だし、聴福。