2025/2/21
・1860年、使節団の一員としてサンフランシスコにわたってきた武士の上條健吉が、強盗に父親を殺されたサム少年の敵討ちを手伝う話。
・チャンバラと西部劇、東洋文化と西洋文化の融合と言うとわかりやすいけど、そんな単純な構図ではない。
・色々あって上條自身も追われる立場になるので、追っているのが少年の仇なのか、強盗に盗まれた三千両なのか、追っているのか、逃げているのか、案外複雑。
・忍者の為次郎や、原住民の女、元士官の教師、街のゴロツキたちもそれぞれの思惑で行動を共にする。仲間とも言い難い属性の違う人たちが、真の悪党と戦うというのがおもしろい。
・上條役が真田広之。立っているだけでもかっこいいし、喋っても動いてもかっこいい。白人の老婦人が「いい男だ」と言っても、違和感がない。
・江戸時代末期の話なので、武士と言えども実際に人を斬ることはほとんどない。
・鍛錬だけはしていて、実際に戦うと強い。人を斬ったあとは腕が震える。このバランスがいい。
・のちにバディっぽい扱いになる為次郎は竹中直人。
・幕末の世なのに侍に憧れる忍者で、のちの展開も含めてとても味わい深い役柄。歌声の説得力はさすが。
・ただ、自分の感覚ではかなりオーバーアクトで、受け入れにくい。セックスしたら相思相愛になるという展開もなんかイヤだ。
・19世紀の話だからそういうこともあるんだろうし、作品自体も30年前だから倫理観がゆるいのはわかるけど、それにしても。
・ジョン万次郎の指導が適当すぎるのも悪い。
・岸部一徳の声で、日本語の中にネイティブに近い外国語がまざっていて楽しい。
・何気にサム少年の演技が上手い。演者はスコット・バッチッチャ。聞いたことないけど、真田広之と横並びになってしっかり絵になる。
・本来なら、タイトル通り、上條の刀と少年のピストルで戦うのがバランス良いように思える。
・あちこちで馬が躍動している。今こういうのを日本で作るのは難しいというか、たぶん無理。
・荒っぽいところも見られるけど、製作的にかなり難しい題材だと思うので、しっかりエンタメ作品として捌き切ったのはすごいことだと思う。
(U-NEXT)