2022/7/10
・社会人になった元野外活動サークルの面々が協力しながらキャンプ場を作ろうとする話。
・何気に『ゆるキャン△』は、アニメとマンガ、実写ドラマまで見ている。気が付いたら全部見てた。
・とはいえ、映画に関する前情報は一切入れてなかったので「この妄想シーンはいつ終わるんだろう」とエンドロールが終わるまで疑っていた。
・「なでしこが重機を使い始めたあたりが怪しい」とか。
・本シリーズは、タイトルどおり、高校生女子たちがゆるふわキャンプをしている様子を楽しむ作品。
・なのに、今回の映画版では、原作にはない社会人になった彼女たちを描いている。
・もともと、本シリーズは犯罪もセクハラも存在しないある種の理想郷での話。
・永遠に続くぬるま湯を楽しむ作品があってもいいんだけど、映画版はそういう方針で作られていない。
・厳しいはずの大人の現実社会は結構ぬるま湯化しているし、見た目から行動から学生時代との境界線があいまいで、最初のうちは居心地が悪かった。
・それでも、見ているうちに「大人の現実社会=厳しい」と反射的に結び付けてしまうことのほうが思考停止なんじゃないかという気もしてくる。
・ゆるふわマスコットとしての役割も果たす一方、彼女らは強い意志と欲望を持った一大人として行動し、知恵や技術、仲間を増やしていく。
・これは社会人でなければできないこと。
・『魔女見習いをさがして』や『アリーテ姫』を思い出した。まさに、こころのちから。
・ここまで大人になることを全面的に肯定している作品はあんまりないんじゃないだろうか。
・結局、箱庭的な世界だし、現実ではそう簡単にいかないのは百も承知で、堂々と理想を描いている。理想を描くのもフィクションの役割ではある。
・子犬とはいえ、本作で「老い」を描いているのもびっくりした。えなパパとチクワの組合せが切ない。
・繰り返し映る集合住宅や廃校寸前の学校のひなびた感じ。女の子たちのかわいらしさと別のベクトルでものすごく絵作りに気合が入っているのが良い。
・いぬこの「ウソやで~」の使い方がうまい。
(札幌シネマフロンティア)
※もらったはいいけど、どうしたらいいのかわからない色紙。
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