遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

田辺聖子『とりかえばや物語』

2019-09-29 00:36:45 | 読書感想文
とりかえばや物語 (文春文庫 た 3-51)
田辺 聖子
文藝春秋

2019/9/27

平安時代、男らしい姉・春風と、女らしい弟・秋月が、それぞれ性別を偽ったまま、成長していく話。

もともと気になる作品だったので、マンガで何度か読もうとして地味に挫折していた。

田辺聖子先生の脚色で読んでみたら、面白くてするする頭に入ってくる。

主要四人がしっかり魅力的。名前をつけるのって大事。

残りの主要三人に言い寄る「夏雲」がほんとどうしようもなくてかわいい。

読んでいて「夏雲…お前…」「夏雲…おまえさ…」と何度も思う。

こんなしょうもない人ダメだろと思いつつ、かわいらしさもあって、まあまあモテるのもわかる。そのバランスが絶妙。

そのかわいらしさを踏まえることで、彼にまったくなびかない春風の魅力も引き立つ。

平安時代という舞台装置がうまく機能していて、ギリギリなさそうでありそうなところをついている。

原典にもあたっておきたい。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 劇団words of hearts『妥協点... | トップ | 海部健三『結局、ウナギは食... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書感想文」カテゴリの最新記事