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とりかえばや物語 (文春文庫 た 3-51) |
田辺 聖子 | |
文藝春秋 |
2019/9/27
平安時代、男らしい姉・春風と、女らしい弟・秋月が、それぞれ性別を偽ったまま、成長していく話。
もともと気になる作品だったので、マンガで何度か読もうとして地味に挫折していた。
田辺聖子先生の脚色で読んでみたら、面白くてするする頭に入ってくる。
主要四人がしっかり魅力的。名前をつけるのって大事。
残りの主要三人に言い寄る「夏雲」がほんとどうしようもなくてかわいい。
読んでいて「夏雲…お前…」「夏雲…おまえさ…」と何度も思う。
こんなしょうもない人ダメだろと思いつつ、かわいらしさもあって、まあまあモテるのもわかる。そのバランスが絶妙。
そのかわいらしさを踏まえることで、彼にまったくなびかない春風の魅力も引き立つ。
平安時代という舞台装置がうまく機能していて、ギリギリなさそうでありそうなところをついている。
原典にもあたっておきたい。
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