2023/12/22
・魔法使いの治める国に住む少女アーシャが、王に捕らえられた「人々の願いの力」を解放する話。
・国民は成人すると国王に自らの願いを差し出す。国王は毎月一人の願いを選んで大衆の前で叶える。
・この魔法使いの国王が、欧米のリアリティーショーでよく見かける圧の強いタイプの審査員みたい。
・一見、いいことをしているようにも見えるけど、願いを差し出した国民は、その願いを忘れてしまうから、国を支配するための仕組みでもある。
・外から見ているとこんな危なっかしい仕組みもないんだけど、内側から見るとわかりにくい。
・観たのは字幕版。小さな島国の一少女の歌がとにかく上手い。声質から違う。
・ただの状況紹介なのに、最初のロサス王国を紹介する歌からすごい物語が始まった感じがする。
・国王の正体を知って、追い込まれたアーシャが星に願いをかけると、星の化身みたいな何かが現れる。
・この星の化身、見た目が他となじんでない感じがするのと、ヒロインにとって都合が良すぎるので、あまり好きになれない。
・ヒロインを取り巻く若者たちがほどほどの存在感でよいバランス。口が悪いだけで結局いいやつだった彼と、ステルス性能を持つ彼女が好き。
・ニワトリのシーンは笑った。
・どんなに窮地に陥っても、スターが超自然的なパワーを発揮するか、ヒロインが歌えば何とかなる。
・特に歌が強い。悪役の国王がどんなに強い魔法を使っても、歌の前では力負けしている。
・脚本家がちまちま知恵を絞って強力な魔法を考えても無意味。かなしい。
・普通なら通らないけど、実際に音楽がすごいので通ってしまう。これで通るから話のスピード感もすごい。
・歌こそ真の魔法である(しかもそれは実在する)という作り手側の確固たる信念を感じる。
・ただ、本質的に音楽と悪は対立しないので、音楽が戦意高揚のプロパガンダに使われることだってあるし、結構あぶなっかしいテーマ性をはらんでいる。
・国王がヴィラン化する過程に説得力がある。守る意識が強すぎて、少しでもそれを脅かす存在があると、極端に攻撃的になる。
・完全に悪党扱いされていたものの、出発点は使命感や臆病さだったと思う。なので、何かしらの救済がほしかったけど、甘いんだろうか。
(TOHOシネマズすすきの)
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