縁起笑店

縁起の道も招き猫から
陶芸家猫社長のつれづれコラム
横浜の縁起村から伊豆の満腹村に移住

111の上をいく

2010-07-30 | Weblog
111才の、でも本当は81才であの世に逝っていたお爺さんの話をしていたら、カマキリちゃんが
しみじみとした顔をしてカマキリちゃんの幼い頃から今に至る不思議な話を語り出した。
カマキリちゃんの家の近くに毎朝玄関の掃き掃除をするやさしいお爺さんがいたそうだ。ところが
そのお爺さんはカマキリちゃんが小学校に上がる頃ぷっつりと姿を現さなくなった。
お爺さんの奥さんの話によると足が悪くなって外に出られなくなったということだった。
カマキリちゃんが大学に入学した頃区の職員がお爺さんの家に100才のお祝いを持ってやってきた。
でも奥さんはお祝いだけ受け取ってお爺さんとの面会は拒否したらしい。
カマキリちゃんが会社勤めをし始めた頃お爺さんの奥さんの姿が見えなくなった。
その家のお嫁さんの話ではお姑さんは腰が悪くて外に出られなくなったと言うことだった。
カマキリちゃんが結婚した頃お嫁さんのご主人、つまりお爺さんの息子が消えた。お嫁さんの
話では主人は目が悪くなって外出できなくなったということを言った。
カマキリちゃんの子供が幼稚園に通うようになった頃、お嫁さんの姿が消えた。
お嫁さんの息子、つまりお爺さんの孫は母は頭が悪くなって外出できなくなったと言った。
カマキリちゃんの子供が結婚して孫を連れて遊びにくるようになった頃、区の職員がお爺さんの家に
世界一の長寿になったお祝い品と共に大臣を伴ってやってきた。
お爺さんはなんと130才になっていたそうである。
「ほら、これが大臣と一緒に写っている写真よ、ギネスに申請するんですって」
写真にはミイラとしか思えないお爺さんとにこやかに政治的笑みを浮かべる大臣が写っていた。
お爺さんの奥さんも120才、これも世界一の長寿夫婦なのだそうだ。
まるでうそのようなうその話であった。