英検準1級&東大・京大・早慶の英語(英単語)は英英方式で突破できる!

英英思考を制するものは英語を制す。英英辞典とネイティブ向け読み物への早期移行が異次元の高速学習を可能にした。

翻訳家も拠り所にする英英辞典

2009年02月19日 | 英英辞典
 英語同好会というサイトで、以下のようなエコノミストの記事の解釈をめぐって熱い議論を交わしたことがあります。(全文はThe Pakistan connection
を参照してください)

But there are two huge obstacles to India's mounting a robust response. First, to the extent that the attackers can be said to have anything that can be dignified with the name of a strategy, it must be to provoke just the sort of confrontation that followed the 2001 raid on parliament. Pakistan has already said it would move troops to its frontier with India if need be. That would ease pressure on the Taliban and their allies on the other border.

 特に問題になったのはto the extent that the attackers can be said to have anything that can be dignified with the name of a strategy, it must be to provoke just the sort of confrontation that followed the 2001 raid on parliament.のくだりで、私はコウビルド英英辞典を使って以下のように解してみました。

「To dignify something means to make it impressive. (LITERARY)というコウビルドの定義から、ここのdignifyは『僭称する』くらいに解するのが文脈に合うと思います。

 『まず最初に、attackersが戦略の名を僭称できるような何かを持っていると言えるならば、それは引き起こすことであるに違いない / ちょうど2001 raid on parliamentに続いたような種類のconfrontationを。』という意味になると思います。

 itはstrategyでしょう。to the extent thatにはジーニアス英和辞典にあった『・・・ならば(if)』という意味がぴったり合います。
 少々意訳すれば『attackersに戦略と言えるほどのご大層なものがあるならそれは・・・』という話の流れになるでしょう。言うまでもなくattackersはテロ攻撃をかけた側です。」

 後日別な英和辞典および英英辞典を調べてみたところ、

「リーダーズ英和辞典
(引用開始)
dignify a school with the name of an academy
学校を学院と偉そうな名で呼ぶ。
(引用終了)

ジーニアス英和辞典
(引用終了)
dignify the school with the name of ‘college’
権威をつけて学校をカレッジと呼ぶ。
(引用終了)

ロングマンオンライン
(引用開始)
to make something or someone seem better or more important than they really are, especially by using a particular word to describe them

dignify somebody/something with something
I cannot dignify him with the name 'physician'.
(引用終了)」

という用例がごそごそ出てきました。複数の辞書に当たる手間を惜しんだことは反省材料とはいえ、英英辞典の定義の正確さを実感しました。プロ翻訳者が最後の拠り所にするのも英英辞典であると言われています。
 発展途上の英語学習者に意訳を要求する入試英語問題には大いに問題があります。しかし受からなければ困るわけです。ただ、だからといって英英辞典を避けて通る必要はありません。普段から英英辞典に親しんでいれば、英和辞典しか使ったことのない受験生よりも達意の訳文が書けるでしょうし、英語の語感も鋭くなります。昨日本屋で立ち読みした受験英語の有名講師の新刊でも、英英辞典を使うようになってから訳文が変わったという趣旨の受験生の声が紹介されていました。
 以下のTIME FOE KIDS Grade4-6 2001年秋の記事は、英英辞典を片手に読む教材としておすすめできます。

The Joy of Learning (実用英検準1級、TOEIC750点レベル)
 発展途上国の子供たちへの就学援助についての記事で、昨日紹介したGrade2-3の記事を併読すると理解が深まります。
☆必修単熟語 barrier, eliminate, commit, solution, embarrass, guarantee, illiterate, migrant, needy, alternative

Summer of the Shark(実用英検準1級、TOEIC750点レベル)
 サメの現状を伝える記事で、昨日紹介したGrade2-3の記事を併読すると理解が深まります。
☆必修単熟語 creep, identity, pack, prey, threaten, confident, account for, method, roam, detect, exert
 
Play Smart!(実用英検準1級、TOEIC750点レベル)
 子どものスポーツ障害の現状と予防策についての記事です。
☆必修単熟語 dominate, competitive, suffer, offender, tip, caution, consequence
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8 コメント

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Unknown (鈴木康)
2009-02-23 11:55:03
Takaさん、お久しぶりです。

First, to the extent that the attackers can be said to have anything that can be dignified with the name of a strategy, it must be to provoke just the sort of confrontation that followed the 2001 raid on parliament.

 におけるitは意味的にはa strategy、文法的に厳密に考えればanythingだと私は思います。ただ、それほど重要なポイントではないでしょう。
 大事なことは、プロ翻訳者やネイティブの意見だからといって鵜呑みにはせず自分の頭で考えることだと思います。
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Unknown (Taka(英語同好会))
2009-02-22 17:22:48
お久しぶりです。お元気でしょうか。英語同好会では御意見頂き、ありがとうございました。あれから私もitのことがずっと気になり、二人のNativeに聞いて見ました。結果は、「anythingからstrategyだと思う。」が一人、もう一人は「strategyだと思います。anythingからstrategyでもいいけれど、結局内容はstrategyのことですよね。」というものでした。

それから、to the extent thatの扱いですが、やはり気になり、いろいろと辞書を当たって見ましたが、英和辞典Proceedでは「接続詞」に分類されています。節である以上、省略して考えることはできないと感じています。

今日、たまたまこちらで例の件についてのコメントを目にしまして、その後の経過をこちらに持って来る事にしました。
今後のご活躍をお祈りいたします。
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Unknown (鈴木康)
2009-02-22 10:47:55
 昨年、遠藤周作著「沈黙」を再読しました。苛酷なキリシタン弾圧に対する神の沈黙、それから外来の宗教さえも日本化してしまう社会への洞察が示された興味深い作品です。
 見方を変えれば、何でも器用に日本化してしまうのは大変な才能なのでしょうけれども、こと言語習得に関してはマイナスです。日本語混じりの単語カードよりも、コウビルドの定義文で単語を覚える方がはるかに効率がよく記憶も定着しますね。英英辞典を使って単語を覚える受験生が増えることを願わずにいられません。
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Unknown (DAITA)
2009-02-21 20:55:22
ほとんどの大学が英文和訳/和文英訳が主体ですね。特に難関といわれる大学ほど、そのような古びた問題形式が多いのは残念です。

Joe Kleinというジャーナリストについて今調べてみましたが、Primary Colorsという小説で有名な方だそうですね。文学といえば、たまには文学作品にも目を向けてみようかなとかなり前に買ってみた、ティム・オブライエンの小説が本棚にあるので、英英辞典を片手にちょっと読んでみようかなと思います。

僕は英英辞典が結構好きなので、勉強する気がないときは、とりあえず英英辞典に目を通すことから始めます。日本語混じりの単語カードは本当に能率が悪いですね。単語帳についても同様で、覚えられる単語の数に限界を感じますね。この前机の引き出しにあった単語カードを見てみたところ、見事にすべて忘れているのには驚きました。英語のみならず、さまざまな言語および文学で、和訳癖は感じられますね。翻訳が昔からさかんなことを考えると、日本人の「和訳癖」という国民性は今に始まったことではなさそうですね。
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Unknown (鈴木康)
2009-02-21 12:56:47
 約四半世紀前の私の受験生時代ですと東工大の英語が英問英答でした。あまり増えていない状況は残念です。
 「ジャーナリズム英語は文学とニュース英語のいいとこどり」というのは言い得て妙ですね。TIME誌に充実した記事を寄稿するJoe Klein について調べてみたところ小説家でもあるのを知ってなるほどと思ったことがありました。
 英英辞典によるテストの自作は非常に有効な学習法ですので、ぜひ普及させたいです。ただいまだに昔ながらの日本語交じりの単語帳や単語カードがないと気が済まない英語学習者を見ると、「和訳癖は国民性の問題なのかもしれない」と思うこともあります。
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Unknown (DAITA)
2009-02-20 22:30:08
コウビルドはすごく使いやすいですね。毎日簡単な定義後の説明をenglish x englishのStage2のような穴埋め形式にして一日4問テストを作っているのですが、何回も見返すたびに、自然な英語が溶け込むというか、英語が英語のままで入ってくるように読めるようになって、とても楽しいです。

英英辞典は本当にすばらしいですね。コウビルド中級辞典には、定義後を使った百科事典的なコラムが随所についていて、脳の構造、ミステリーサークルなど、読んでいて面白いものばかりです。まさにYMOです。

入試英語の中でもICUの入試問題はやや特殊で、英問英答でリスニングの比重が高くて量も多く、ややTOEICに近い感じですね。ああいう英英方式で大量の英語を消化していくタイプの試験は、堅苦しい和訳を作ることよりはるかに重要かつ難しいことではないかと思います。

ジャーナリズム英語は文学とニュース英語のいいとこどりですね。書き手と対話しているような臨場感のある記事を何回も味読することによって、英語力という「手段」のみならず、読み手の国語力の向上という「目的」が真に達成されるのかなと感じます。
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Unknown (鈴木康)
2009-02-20 14:11:55
 コウビルドのネイティブが説明するようなスタイルの定義文は私も好きです。ただ、TIME,NEWSWEEKの記事に出てくる単語で掲載されていないことがありますね。以前はロングマンにもそんなことがありましたが、最近は少なくなりました。英英辞典は日々進化しているようです。それに比べ大学入試英語問題ときたら・・・。せめて英文和訳や和文英訳はやめて、英問英答にすればいいのにと思わずにいられません。
 ジャーナリズム英語は鮮度がいいだけにインパクトがあります。生きのいい面白いものを読みこんでいけば、社会や国語のセンスも良くなるでしょう。日本語の訳語がないジャーナリズムという言葉を私は「批判業」と理解しています。
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Unknown (DAITA)
2009-02-19 23:19:09
dignifyを手元にあったコウビルド中級辞典で調べてみたところ、ありませんでした^^;

dignifiedならあって(?)、
If you say that someone or something is dignified, you mean they are calmly impressive and worthy of respect.
とのことでした。かなり意味が違ってきてますね。

難しい単語を調べるときは中級辞典では少し物足りないですね。電子辞書にOALDが入っているので用途によって使い分ける必要がありそうです。ちなみに、僕はコウビルドのほうが好きなので、日常学習では紙のコウビルドを使ってます。

入試英語については、京大英語が特に顕著にその傾向が現れてますね。古臭いとうか、なんというか・・・。大学のメンツもかかわってくるのでしょうね。

The joy of learningについては昨日、今日ともに読みましたが、同じ学生として、考えさせられる面がありますね。働きながら学ぶ、といような学生は周りにはほとんどいませんが、自分はいかに恵まれているのかを再認識しました。


英語を学ぶことによって、ジャーナルの世界が広がるのはうれしいです。文章というものは、志を持った書き手のものを読むと、感動するものですが、とりわけジャーナルに関しては特に身近な問題なので、生きた文章というか、生きた英語のようなものを感じます。
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