五文型分類を通して英文構造を理解するにあたっては、主語と主動詞をしっかり把握することが肝心です。以下の英文では主語を青、主動詞を赤で示してみます。
India allows state governments to appropriate land for use by private companies provided the people displaced are compensated and resettled.
出典はTIMEEchoes of Avatar: Is a Tribe in India the Real-Life Na'vi?
①のprovidedは、「~という条件で」という従位接続詞で、provided以下は従属節になり、文の骨格を探す五文型分類では除外して考えます。
ただこの文は、「第5文型はO=C」という旧来の英文法の考え方では分類不能になってしまいます。
古典的名著と目される「英文法解説」(江川泰一郎著)改訂三版の331頁には、「『S+V+O+不定詞』の構文を8品詞5文型の学習文法の枠内で処理することは不可能なので,本書の旧版においても各動詞の意味と統語的な特徴に基づく分類を試みたが、さらに検討を加えて分類をしてみた。」という記載がありました。
しかし第5文型のOCを主述とみなせば、「S+V+O+不定詞」の構文はまぎれもない第5文型で、こうすれば第5文型の守備範囲が飛躍的に広がります。最近はそのように解説している本もいくつか出ていて、一例を挙げますとシグマベスト「入試英文法問題特講」(西きょうじ著、2004年第一刷発行)が第五文型に関して「この形は基本的にOC部分でひとつの意味のかたまりを形成しており,OC部分に主語+述語の関係があるといってよい」というシンプルな説明に加えて、例文が網羅的に示されていました。
「英文法解説」(江川泰一郎著)改訂三版の193頁には「つまり第5文型の文には第2文型の文が組み込まれており,組み込みにあたっては第2文型のbe動詞が削除されたと考える。」とされています。しかし第5文型のOCを主述とみなせば、第1~第5まですべての文型を組み込めるのが第5文型です。
上記の
India allows state governments to appropriate land for use by private companies provided the people displaced are compensated and resettled.は、
state governmentsとto appropriate landが主述になる第5文型で、
state governmentsがlandをappropriate(接収する)というSVO構造の第3文型が目的語以下に組み込まれています。
文法はしょせん実用の道具で、使いやすい文法が主流になるのが望ましいと思います。大量の分類不能文を出してしまう旧来の「第5文型O=C説」よりは、「第5文型のOCは主述になり、第1~第5まですべての文型を組み込めるのが第5文型」という視点に立った方がはるかに使い勝手のよい五文型分類になります。
(第1文型を組み込んだ第5文型の例) I made her laugh.
(第2文型を組み込んだ第5文型の例) We call him Hide.
(第3文型を組み込んだ第5文型の例) I want you to study English.
(第4文型を組み込んだ第5文型の例) Supreme Court Justice Anthony M. Kennedy wants the teen-agers of America to give this question some serious thought.
出典はTIMEFORKIDS January 28, 2002 Talking About Freedom
(第5文型を組み込んだ第5文型の例) I want you to make workers work hard.
第1文型~第4文型は主語が文末まで行為もしくは状態の主体であるのに対して、第5文型は目的語が第二の主語に転換しOC間での主述関係が成立する特異な文型で、第5文型をしっかり理解すれば英文理解の精度が大幅に高くなります。
前述の西きょうじ氏は代々木ゼミナールの看板講師です。元駿台予備校講師の故伊藤和夫氏、山口俊治氏の著書にも、第5文型ではOC間に主述関係がある旨、明記されています。
いまだに「第5文型ではO=C」という不便な解説がなくならないのは、第5文型は本質的に二重主語の構文で、「象は鼻が長い」とやや似た主語の不明瞭性を帯びているからであろうと私は想像しています。ただ、「目的語が第二の主語に転換する」と考えれば、第5文型は難しくありません。英語を学ぶ際には、単語も文法も英語の発想で理解していく方がはるかに進歩が早いと思います。
India allows state governments to appropriate land for use by private companies provided the people displaced are compensated and resettled.
出典はTIMEEchoes of Avatar: Is a Tribe in India the Real-Life Na'vi?
①のprovidedは、「~という条件で」という従位接続詞で、provided以下は従属節になり、文の骨格を探す五文型分類では除外して考えます。
ただこの文は、「第5文型はO=C」という旧来の英文法の考え方では分類不能になってしまいます。
古典的名著と目される「英文法解説」(江川泰一郎著)改訂三版の331頁には、「『S+V+O+不定詞』の構文を8品詞5文型の学習文法の枠内で処理することは不可能なので,本書の旧版においても各動詞の意味と統語的な特徴に基づく分類を試みたが、さらに検討を加えて分類をしてみた。」という記載がありました。
しかし第5文型のOCを主述とみなせば、「S+V+O+不定詞」の構文はまぎれもない第5文型で、こうすれば第5文型の守備範囲が飛躍的に広がります。最近はそのように解説している本もいくつか出ていて、一例を挙げますとシグマベスト「入試英文法問題特講」(西きょうじ著、2004年第一刷発行)が第五文型に関して「この形は基本的にOC部分でひとつの意味のかたまりを形成しており,OC部分に主語+述語の関係があるといってよい」というシンプルな説明に加えて、例文が網羅的に示されていました。
「英文法解説」(江川泰一郎著)改訂三版の193頁には「つまり第5文型の文には第2文型の文が組み込まれており,組み込みにあたっては第2文型のbe動詞が削除されたと考える。」とされています。しかし第5文型のOCを主述とみなせば、第1~第5まですべての文型を組み込めるのが第5文型です。
上記の
India allows state governments to appropriate land for use by private companies provided the people displaced are compensated and resettled.は、
state governmentsとto appropriate landが主述になる第5文型で、
state governmentsがlandをappropriate(接収する)というSVO構造の第3文型が目的語以下に組み込まれています。
文法はしょせん実用の道具で、使いやすい文法が主流になるのが望ましいと思います。大量の分類不能文を出してしまう旧来の「第5文型O=C説」よりは、「第5文型のOCは主述になり、第1~第5まですべての文型を組み込めるのが第5文型」という視点に立った方がはるかに使い勝手のよい五文型分類になります。
(第1文型を組み込んだ第5文型の例) I made her laugh.
(第2文型を組み込んだ第5文型の例) We call him Hide.
(第3文型を組み込んだ第5文型の例) I want you to study English.
(第4文型を組み込んだ第5文型の例) Supreme Court Justice Anthony M. Kennedy wants the teen-agers of America to give this question some serious thought.
出典はTIMEFORKIDS January 28, 2002 Talking About Freedom
(第5文型を組み込んだ第5文型の例) I want you to make workers work hard.
第1文型~第4文型は主語が文末まで行為もしくは状態の主体であるのに対して、第5文型は目的語が第二の主語に転換しOC間での主述関係が成立する特異な文型で、第5文型をしっかり理解すれば英文理解の精度が大幅に高くなります。
前述の西きょうじ氏は代々木ゼミナールの看板講師です。元駿台予備校講師の故伊藤和夫氏、山口俊治氏の著書にも、第5文型ではOC間に主述関係がある旨、明記されています。
いまだに「第5文型ではO=C」という不便な解説がなくならないのは、第5文型は本質的に二重主語の構文で、「象は鼻が長い」とやや似た主語の不明瞭性を帯びているからであろうと私は想像しています。ただ、「目的語が第二の主語に転換する」と考えれば、第5文型は難しくありません。英語を学ぶ際には、単語も文法も英語の発想で理解していく方がはるかに進歩が早いと思います。
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