横綱部屋

よこづなへや

続・対峙の時

2010-02-10 15:57:31 | おえかき
T:「・・・おや。」


T:「づな殿ではござらんか。
   しばらくぶりのその顔、
   またふっくらとなさったのではないか。」


づ:「いやいや、これは俗に言う「むくみ」というやつじゃ。
   先刻、水を飲んだのでそのせいであろう。気になさるな。
   それよりも見よ、拙者のこの柔軟さを。」


T:「ほう。
   直立したまま床に手の指先を到達できるようになったか。
   近頃始めた、よーがという武術か。」

づ:「左様。
   遥か海を渡った印度王国に古来より伝わるあれじゃ。
   日々の鍛錬の賜物ぞ。以前は全く届かなかった床がほれ、ここまで近うなった」


T:「成程。(笑止)
   まあしかし、多少体が柔らかくなったところで痩身効果が
   全く見られないのは一目瞭然でござるな。いや、愉快」


づ:「いちいち一言多いのじゃそなたは。
   そっちの効果はおいおい表れてゆくことじゃろうよ。」


T:「あいわかった、そういうことにしておこう。
   して、今日はそのふっくらとした顔を見せに参られただけでござるか?」
   

づ:「いや、そうまで言われては拙者も黙っておれぬ。
   勝負じゃ。」


T:「望むところよ。せいぜいひっくり返らぬように気をつけることじゃ」


づ:「・・よかろう。」


いざ!!!































T:「・・・ピッ」































づ:「いやはや、うっかりしておったが拙者これより
   江戸へと物見遊山に出掛けるところであった。
   先刻のあの目方は何だったのじゃ?白昼夢か?成程、今のがそうか。
   いかんいかん、こんな所で油を売っている場合ではないわ、出立の時刻じゃ。それでは御免。」
コメント (4)
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