61番辻標「榴ヶ岡(つつじがおか)/二十人町(にじゅうにんまち)」は、榴ヶ岡の婦人会館・NPOプラザ入口付近に設置されています。
もっとわかりやすく言うと、榴ヶ岡公園の北西角の向かい側、電柱と電柱の間です。
「榴ヶ岡」は、古くは、歌枕にも詠まれたツツジの名所、また、源頼朝の平泉攻めに備え、藤原泰衡は陣を置いた場所ともいわれています。藩政時代にはこの付近には米蔵もありました。
”名称榴ヶ岡”の碑もあります。
元禄の頃には、藩主伊達綱村が、馬場の両サイドに、京都からシダレザクラなど千本取り寄せ植え込み、その後開放しています。仙台の桜の名所ですね。公園内の歩兵第四連隊の兵舎は、県内最古の木造洋風建築で、現在、仙台歴史民俗資料館として活用されています。
「二十人町」は、二十人衆と呼ばれた足軽鉄砲組が置かれたことに由来します。名掛丁の東端、旧小田原車町東角から榴ヶ岡までの通りを指しています。
通りの中ほどに矢先神社が祀られていて、この境内が砲術の稽古場でもありました。またこの道筋は、まっすぐ仙台城大手門に通じる道筋でもあり、町割りを鈎型にしたり、道幅を狭くするなど、城下町特有の街づくりをしています。明治以降は、少しずつ商店街を構成しつつも、戦後の再開発で仙台駅東側は、風景が一変しました。
参考資料・引用
「辻標」 仙台市文化財パンフレット第三十五集 編集発行 仙台市教育委員会文化財課
「仙台城下の町名由来と町割」定価1,500円(税別) 著者 古田義弘 発行所 本の森