人間は、心の修練を通じ、何事にも冷静で寛容な心情で穏やかに対処できれば、それこそ智者になれるだろう(イメージ図)
中国の武術界では、「一生武術を習っても、心の修練が無ければなにも得られない」ということわざがあります。一流の武術を身につけるためには、心の修練が決め手であり、動作を習うことよりも遥かに難しいと言われています。古代の一流武道家たちには、やはり穏やかでゆとりある豊かな心の持ち主が多く、心の貧しい人や、気性が激しい人が武術を習得しても、むしろ精神状態が悪循環に陥り、勝負を論じるレベルには達しないといいます。
オーマル氏はイギリス史上最も有名な剣士ですが、彼は強敵のライバルと30年にわたって勝負し続け、いつも勝負がつかないままでした。ある決戦の最中、相手が落馬し、オーマル氏は刺殺するチャンスを得ます。押さえられた相手はオーマル氏の顔につばを飛ばしました。一瞬にしてオーマル氏は手を止め、「起き上がりなさい。決戦は明日に持ち越しだ」と告げます。相手は九死に一生を得て呆然とし、なぜオーマル氏が絶好の勝機を逃したのか理解できませんでした。
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