「気候緊急事態」と書かれたバナーボードを持つ女性。2020年1月17日の豪州での気候変動抗議活動にて (Joe Raedle/Getty Images)
昨年の夏、グテーレス国連事務総長が「地球は温暖化から沸騰の時代に入った」と宣言し、その立場を弁えない発言に対して、多くの批判が集まった。このように、複雑な「気候」現象が単純化され、すべてを包含するという終末論的な表現が強まっている。
ロシアのウクライナ侵攻から山火事の管理に至るまで、今日の世界が直面している多くの社会的、政治的、生態学的問題が、すぐに気候変動に結び付けられ報道される。複雑な政治的および倫理的課題が非常に狭い枠組みで捉えられると、気候変動を阻止することが現代の最高の政治的課題であるかのように捉えられ、他のすべてがこのひとつの目標に従属することになる。それが理性的な議論を拒む一方で、説得力のある感情的なマスター・ストーリーを形成している。
こうした流れに警鐘を鳴らす新たな映画が3月21日にオンラインで無料公開された。この映画『Climate: The Movie (The Cold Truth)』は、英国の映画製作者であるマーティン・ダーキン氏が脚本と監督を務めたもので、2007 年の優れたドキュメンタリー『The Great Global Warming Swindle(地球温暖化の大いなるペテン)』の続編である。
この映画は、グレタ・トゥーンベリさんの有名な発言、
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