Aちゃんは2歳の時、高熱で脳炎を起こし、脳を損傷したのですが、
脳損傷により、様々な身体システム、知的システムが作動しなくなりました。
A.M.ちゃんのシステム(機能)障害は、たとえば、
立てない、ハイハイできない(いざりで動く)
強い振動音で倒れる、左手が機能しない。
泣き声は出るが、発声は出来ない。 言葉を理解できない・・などetc.
中でも、珍しいシステム障害があって、興味を持ちました。
それは、Aちゃんの動きに、右回り法則があるということでした。
右回り法則とは、左方向へは動かず、右へ右へ動く体癖です。
たとえば、オモチャをAちゃんの左側に置いてみます。
Aちゃんはオモチャを見て、動き(いざり)を開始します。
オモチャは左側にあるのだから、左へ進めばいいものを、
Aちゃんは右へ右へと進み、右回転して左側のオモチャに到達するのです。
・・何故 だ?・・・ふしぎだ。
Aちゃんが Miz 整体室に来始めて、半年後の6月、
Aちゃんは、立って歩くことが出来るようになりました。~~ちょっとですけど。(ハイハイはできません)
でも、大きな音がすると、立ったままバタンと倒れます。
~~いわゆる、てんかん発作でしょう。
立っているといつ倒れるか分からないので、
かえって立てない方が、危険がなくて良かったんじゃないかと、考えさせられました。
11月には、右回りしか出来なかったAちゃんが、
左回りもするようになりました。
また、両手でオモチャに手をだし、オモチャをいじり始めました。
両手が協力的に動く兆しが見えてきたのです。
(関連するの体の変化としては、Aちゃんの冷たかった後頭部(特に左側)がほんのり温かくなっていました。組織の修復が進んだのでしょう)
11月の後半には、もう一つのうれしい兆しが・・。
Aちゃんが、「ハッハッハ」と笑い声に似た声を出したのです。
それまでAちゃんは、泣き声を上げることは出来ました。
Aちゃんの泣き声は、吸気発声でした。息を吸いながらの発声。
「ハッハッハ」は、呼気発声です。
呼気発声ができれば、いつの日か言葉も・・・と希望が芽生えました。
その年の暮、Aちゃんは施設に入ることが決まり、
以来、Miz 整体室を訪れることはなくなりました。
天使のように無垢なAちゃんのほほ笑みを、今も思い出すことがあります。
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今、再生医療が夢の治療法として、注目を集めています。
再生医療が目指すのは、組織の再生→→システム障害の再生 というプロセスですが、
Miz が行なっている整体の仕事が目指すのは、システム障害の回復→→組織の再編成、というプロセスです。これは再生医療の逆バージョンに当たるでしょうか。
もし、Aちゃんの損傷した脳に再生医療が適応されたとしたら、
Aちゃんは左回りもするようになるのでしょうか?
呼気発声が出来て、言葉を話し、バタンと倒れなくなるのでしょうか?
・・・・・・、
う~ん、・・いずれ、再生医療の時代が訪れるとしても、
今は、Miz は、自分の路線を進みます。
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