散歩路地《サンポロジー》      毎日が発見! 身近な自然が見えてくる!


 ☆ 多摩丘陵

 ☆ 世田谷の散歩道

 ☆ ネイチャークラフト

 ☆ 環境学習ゲーム

皇居桜田濠のヨシガモとオカヨシガモ 

2013-12-27 | フィールドノート(その他)
明日は、一眼のカメラを持って行こうと考えていたのだが…。天気が怪しい。
次のログで、さらに美しいヨシガモの写真を乗せられれば良いのだが…。


前回のログの最後の一節だ。学生と一緒に、「皇居一周カモカウント」と言う実習をやる前日のものだ。そして、その結果は…。
残念ながら、最悪の状況になってしまった。カウントを開始した頃はまだ曇り空だったが、ほどなく雨が降り始め、それが霰(あられ)へと変わったのだ。
気温は4℃。しかも風速は10mはあっただろう。強風にあおられ、傘を1本ダメにした。体感温度はかなり低い。
僕はある程度気温が下がることを予測していたが、学生の中には薄着のものもいた。「フィールドをなめるんじゃない。寒いぐらいで、調査はやめられない。」と叱咤したが、内心『だいじょうぶかな…。』と不安が過ぎる。

なんとかカウントは終了させたものの、個体数はずいぶん少ない結果となった。カウントは、いずれ再チャレンジしてみたいと思う。そんな訳で、ヨシガモの写真など取れる状況ではなかった。しかし、なんとか撮りたい…。

その機会はすぐに訪れた。12月25日。日比谷公園まで行く用事が出来たのだ。いや、無理やり作ったというのが真実かもしれない。少し早めに出れば、十分見てこられる位置だ。僕は2時間ほど早く家を出て、前回たくさんのカモが確認できた桜田濠りへと向かった。
水底が見られるところも出出た週間。「やったー」と思った。かなりたくさんのカモが居たのだ。ざっと200頭ほどが集まっていた。
桜田濠は濠が深いため、カモまでの距離は遠いいのだが、長いレンズを付けた一眼カメラでなんとか捕らえることができた。まずはお目当てのヨシガモを狙う。


ヨシガモ♂ 2013-12-25 皇居桜田濠

ヨシガモ以外にも、ハシビロガモ、ヒドリガモ、オオバン、カイツブリ、そしてオカヨシガモがいた。実は僕は、このオカヨシガモが好きなのだ。一見地味なのだが、何というかエレガンスな印象を受ける。僕は、チョウなども、南方系のキラキラのチョウより、北方系のしっとりしたチョウが好きなのだ。基本的に北方指向なのだと思っている。


オカヨシガモ♂ 2013-12-25 皇居桜田濠 次の写真も同所

オカヨシガモ♂(右上)、♀(右下)、オオバン(左上)、ヒドリガモ♀(左下)

写真を撮っていて気が付いた。ヨシガモの頭にピントを合わせようとすると、オートフォーカスがうまく作動していない感じがする。
微妙にフォーカスが動き、なんとなくピンが外れるようなのだ。30年前のマニュアルレンズに、オートフォーカスのアダプターを付け、中古で買ったすでに製造停止になったボディーを使って撮っているためかもしれないのだが…。
ハシビロガモでも同じようなことが起こる。これはひょっとすると、あのキンキラの色が原因ではないかと思うのだ。実際、ヨシガモの頭の色は、光の当たり具合で色合いが変わる。その反射が、オートフォーカスを惑わすのだろうか…?


ヨシガモ 光の当たり具合でい輝きが変わる(構造色) 2013-12-25 皇居桜田濠

思い出したことがある。若かりし頃、ある観察会で、カモぬり絵と言う企画を実施したことがある。その時に、コガモの目の周りを黒く塗っている子どもがいたのだ。「あれーなんで黒く塗っちゃたんだ…。」と僕。「だって、黒いよ!」と子ども。
僕は衝撃を受けた。


コガモ 2013-05-04 世田谷

コガモの頭の色は、茶色と緑と思っていた。おそらく日本で最も普及しているであろう野鳥の図鑑「フィールドガイド日本の野鳥」(日本野鳥の会)のコガモの項にも《雄の頭部は栗色と緑。体は灰色で…》と記されている。しかし、コガモの緑色と表現される部分も、光の当たり具合で色彩が変化する。実際、上に示した写真も、緑と言うよりは青に近い。
観察会の時、子どもの目には確かに黒く見えていたのだろう。もし僕が同じ教材を手にしていたら、中途半端な知識がフィルターを掛け、黒に見えても緑に塗ってしまっただろう。いや、ひょっとすると、黒そのものが見えなかったかもしれない。

皇居のお濠は結構楽しい。2~3時間あれば、カモを見ながらでも十分一周できる。途中で天気が悪くなれば、近隣の飲食店や、地下鉄の構内など、逃げ込める場所も沢山ある。もちろん、カウント中でなければの話だが…。








皇居一周カモウォッチング

2013-12-19 | フィールドノート(その他)
更新の無い間も、多くの方にフォローしていただき。ありがとうございます。まずはお礼申し上げます。
予想以上のフォローの多さが、嬉しくもあり、更新しなくてはというプレッシャーでもあり、複雑な2週間半を送りました。僕の仕事は、納期が年度末と言う役所の仕事がほとんどのため、今後も、忙しくなり、更新があまりできなくなる事があるかもしれませんが、ご容赦ください。


久しぶりにログを書く。
突然小笠原に行くことになり、その直前に更新したのが12月1日。それから2週間半も開いてしまった…。今週の頭で、大きな山を越え、仕事が一息つける状況になった。これで、やっとブログにも手を付けることができた。
実は、小笠原に行っている間に更新をしようと思っていたのだが、なんと、パソコンの電源ケーブルを忘れてしまった。しかも、本体内のバッテリーは50%ほどしかないという状況になり、ログの更新は諦めた。その後向こうの友人を通じて、ケーブルを借りることはできたのだが、時すでに遅し、心のバッテリーが空になってしまったようだ。

さて、言い訳はこれくらいにして、今日の話題は、皇居のカモ。
実は、明日、学生の実習で、皇居一周カモカウントを実施する。皇居の周りを約3時間かけて一周し、出現したカモやその他の水鳥をカウントするというものだ。学生を数人ずつ6チームに分け、それぞれ設定された6ヶ所のスタートポイントから出発する。つまり、同じ場所を、約30置きに6回カウントすることになる。

それに先立ち、下見を、一昨日(12月17日)してきた。13種275個体が確認できた。
このデータは、整理して、いずれ紹介しようと思っている。概要としては、オオバン、ヨシガモ、ハシビロガモ、ヨシガモが多く、13種275個体が確認できた。さらに出現場所にかなりの偏りがあることが分かった。また、おもしろかったのは、コガモ、マガモ、オナガガモが一個体も見つからなかったことだ。

皇居の堀は、東側環す面が近く、西側、北川は、堀が深く水面までが遠い。この東側の堀端の道を歩いていると、鳥たちが寄ってくる。ちょっと立ち止まると、鳥もこちらを見ている。、目が合うと、餌をもらえると思って、鳥たちがすぐに近づいてくる。カモだけでなく、コブハクチョウもいて、その大きな姿がスーッと近付いてくると、ちょっとドキドキする。すぐ足もとまで来たので覗きこんでみると、そこには、堀の縁からロープがぶら下がっていた。その先には木の箱が付いていた。コブハクチョウは、その箱の縁やロープを咥えて、引っ張り出したのだ。

 
ロープを引っ張るコブハクチョウ 2013-12-17 皇居(大手壕)

この箱はハクチョウの餌を入れるためのものなのだろう。たまたま僕がロープの前に立ち止まったので、餌をくれるのだろうと思い、近付いてきたようだ。しかし、一向に餌を入れてくれないので、早くよこせと、ロープを引っ張って、請求しているということなのだろう。
ついでにキンクロハジロも、おこぼれの餌をもらているようで、同じように近づいてきた。

もっと図々しいのがユリカモメ、こちらは、僕が立ち止まると、すぐ脇の手すりに舞い降りてきた。手を伸ばせば届くような位置だ。そして、すぐさま2頭目、3頭目が…。

  
手の届くような位置に舞い降りてきたユリカモメ 2013-12-17 皇居(馬場先壕)

桜田壕には、オオバン、ヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモがいた。こちらは、堀脇の道から水面場で20m位の高低差があり、さらに堀幅も広いことから、しっかりした光学機器が無いと楽しめない。この日は、下見のため、コンパクトカメラしかもっていなかったので、あまりきれいには撮れなかったが、なんとかヨシガモの美しい姿を収めることができた。ハクチョウやカモメのように、近くでしっかり見ることはできないのだが、やはりヨシガモの方が美しく感じてしまうのは、僕のひいき目なのだろうか、それとも、物理的、心理的距離がそうさせているのか…。


ヨシガモ 光の当たり具合で頭部の輝きが変わる 2013-12-17 皇居(桜田壕)

明日は、一眼のカメラを持って行こうと考えていたのだが…。天気が怪しい。
次のログで、さらに美しいヨシガモの写真を乗せられれば良いのだが…。


荒川河口にネッタイチョウ現る?

2013-12-01 | フィールドノート(その他)
「荒川河口でネッタイチョウを発見しちゃた!」友人に話した一言。
カメラのモニターを見せると、最近老眼の進んだ友人が、体を反らせて「うーん・・・。」
まあ、単なるジョーク。正しく言うと、ネッタイチョウのような長い尾をもった鳥を見つけたということなのだ。
その写真がこれ。


ネッタイチョウのような長い尾を付けた謎の鳥 2013-11-14 葛西橋(江東区)

このところ忙しかったため、データや写真の整理を怠っていた。今日は、朝一番でその整理をして、その後あと一歩というところまで来た仕事の続きをして、合間を縫って、関東大学対抗戦グループの早明戦を見ると決めている。実は僕は、大のラグビー、サッカーファン。もうアラ環の年なのだが、昨日もフットサルに参加してきた。

話をもどそう。この写真の話題、ちょっと古い話なのだが、写真を整理していると、11月14日 葛西橋というフォルダーがあった。中には、ただ一枚の写真。見た途端に、「そうだブログにアップしておこう」と思い。急きょ書き始めた。それがこのログなのだ。

その日、週に一度講義に通っている、葛西にある専門学校の帰り道だった。仕事をお願いしている友人に会うため、隣りの南砂町まで歩いて移動していた。荒川を跨ぐ葛西橋を渡り終える直前、河原から鳥の群れが飛び出したのだ。多少でも鳥のことを知っている人ならば、即座にこれがドバトであることはわかるだろう。ただ、その中の1頭が、何やら長い紐のようなものをはためかせながら飛んでいる。僕は即座に、図鑑の上でしか知らない[ネッタイチョウ]を連想した。
慌ててザックからコンパクトカメラを取り出し、なんとか一枚撮ったのがこの写真だ。
低倍率のズームで、さらに白い雲がバックのため、鳥の姿がよく分からない。無理の無い程度に明るさを調整し、トリミングしたのがこの写真だ。


脚に長い紐を付けたドバト 2013-11-14 葛西橋(江東区)

どうやら、長い扁平なひもを、脚に絡ませてしまったようだ。
いろいろな意味で、人間の罪深さを感じさせられた。
勝手に日本に持ち込まれ、ある時は平和の象徴に祭り上げられ、公園や、神社で餌をもらう。またある時は、糞が汚いからと止まりやすそうな場所に針状のハト避け器具やネットが張られ追いやられる。そして、いつの間にか、紐を引きずりながらの生活を強いられる。
人間の都合の良い時だけでハトと付き合っている人々が、こんなハトの境遇をどこまで知っているのだろう…。

カメラの中に浮かんだ幻影 アオリイカ 小笠原レポートⅡ-①

2013-10-13 | フィールドノート(その他)
今僕は、父島に居る。
8月に続いて、今年2度目小笠原だ。
船で知り合った人に、「何回目ですか?」と聞かれ。数えてみたら、初めてきたときから今年で11年目。その間にで24回来ていると分かった。

夜、食事に出た時に、8月に果たせなかった、トビウオ桟橋のシロワにを見に行こうと思い立った。
昼間に聞いた話では、いまでも来ているということだった。
ナトリウムランプのオレンジ色に染まる桟橋へ着いてみると、見物客が一人もいない。


夜のトビウオ桟橋 2013-10-12 父島

ということは、シロワニはいないのか? それとも、もうさすがに見飽きたて、見物客がいなくなったのか? 後者であってくれと思いつつ、僕は海面を覗き込んだ。

残念ながら、シロワニはいなかった。見えるのは、暗い水面に浮かぶたくさんの水クラゲだった。
しかし、その中に、まるで輪郭だけで動いているように見る、小さなイカを見つけた。ストロボをはっこうさ撮影してみると…。


アオリイカ 2013-10-12 父島

地球上の生物は思えない姿と質感。
シロワニに会えなくても、十分に満足させてもらえる、夜の散歩だった。

アサヒエビネ 小笠原レポート③

2013-08-25 | フィールドノート(その他)
今日は、ちょっと忙しい。小笠原に行っていて、その他の仕事が停滞している。
今回は時間がないので、小笠原で見てきた植物の中から、アサヒエビネを簡単に紹介する。

 
アサヒエビネ 2013-08-21 小笠原父島 大神山公園

小笠原にしかない貴重なエビネ(ラン)で、父島の旭山で確認されたことからその名が付いたという。しかし、盗掘に会い、野性状態のものはほとんどなく、現在見られるのは、保護増殖を進め、移植されたものだということだ。
やはり、小笠原の自然を脅かすのは、ヤギでも、ネコでも、アノールでもなく、我々人間ということのようだ。


樹液酒場のいじられキャラ、カナブン。

2013-07-18 | フィールドノート(その他)
7月18日。友人と木場公園で待ち合わせた。僕は時間があったので、2時間ほど先に行き、ドングリの成り具合をチェックしていた。秋にネイチャクラフトの企画を計画しているのだ。
クヌギ、コナラ、マテバシイ、スダジイ、シラカシ、カシワ。とりあえず、クラフト材は十分にありそうだ。
ふとみると、クヌギの幹がなんだか騒がしい。近づくと…。

 
樹液酒場木場公園店(ゴマダラチョウ、カナブン、シロテンハナムグリ) 2013-07-18 木場公園

木場公園にも樹液酒場があった。しかも大入り満員。
数えてみると、シロテンハナムグリが13頭。カナブンガ12頭。さらにゴマダラチョウが居たのにはちょっと驚いた。カナブンより、シロテンハナムグリのほうが体は小さいのに、樹液の中心部は彼ら占領されている。カナブンはどこにでもいるのだが、優位に立っていることはほとんどない。ちょっとかわいそうな存在だ。こんな役回りってどこにでもある。ってことかな…。

小雨の皇居でクワガタと対面

2013-05-30 | フィールドノート(その他)
5月30日。今日は、以前から進めている、「ヒカゲチョウ類による都市の樹林の評価」のための調査に出かけた。
学生に手伝ってもらい、都内各所でヒカゲチョウ類の調査をする。
あいにく、天気はよくない。時々小雨が混じる状況だ。
本日3カ所目。皇居東御苑の二の丸雑木林についた。この林は、昭和天皇のご発意で育成されたとのことだ。開発により、失われる雑木林の表土を二の丸に移し、武蔵野の雑木林を再現したということである。確かに見事な林で、下見に訪れたときには、様々な林床植物が咲き、特にキンランの密度は異常に高かった。管理の方に話を聞くと、最近急激に増えたとのことだった。移植した表土中に存在したものであったようだが、きれいに管理された雑木林の林床が、キンランの生育にうまく合っていたものと思われる。


皇居東御苑二の丸雑木林 2013-05-30

さて、今日の調査だが、小雨の中、サトキマダラヒカゲとヒメジャノメの2種を確認することができた。上々の成果だ。
その他にも、咬まれると腫れあがりかなり痛む、体長15cmを超えるトビズオオムカデや、体長10cmほどのオオゲジなども見つける。断わっておくが、あえて、嫌われものの虫を挙げたわけではない。視線を林の上空に送ると、近代的なビル群が立ち並ぶ、東京の中心地に、こんな生き物がいるということに不思議さと楽しさを感じるのだ。

というわけで、最後は、こんな虫も紹介しておこう。下草にしがみついていたコクワガタのメスだ。もう1カ月もすると、カブトムシも現れることだろう。その時には、また紹介したい。


コクワガタ♀ 2013-05-30 皇居東御苑

おきみやげ

2013-05-24 | フィールドノート(その他)
5月23日。裏高尾へ出かけた。
あれも見たい、こんな写真を撮りたいと、いろいろと目的があったが、ほとんど達成できなかった。
ただし、予想外の収穫もあった。
一丁平で、久しぶりにハルゼミの声を聞いた。ハルゼミは、松林で繁殖する。以前は、多摩丘陵でも鳴き声を聞くことができたが、この10年ほどは全く聞いてない。
酒盛りでにぎわう若者のグループの脇で、”グゥーウィン、グゥーウィン”と、やや控えめに鳴く声に、どれだけの人がセミだと認識してくれているのだろうと思った。久々に来た、裏高尾の尾根道で、こんな光景に出合うとは…。

日蔭沢では、“おきみやげ”を見つけた。ノブキの葉の上に、飴細工の様な翅が3枚。周囲を探すと、ムネアカオオアリの女王アリが…。
大事に育てられた新女王。初めての地上の世界で、思いきり羽ばたいたのだろう。そして、雄アリを見つけると一緒に地上に降り、すぐに交尾。
別の場所で見たことががあるが、この交尾時間はかなり短い。「もうおしまいよ」と言った感じで上体をひねり相手を咬むと、雄アリはすぐに離れていった。
初夏の日差しあふれる明るい世界への未練を断ち切るように、彼女は、後足で翅をもぎ取った。
あとは、暗く長い時間を、地下で過ごすこととなる。それが彼女の一生なのだ。


ノブキの葉の上にあったアリの翅


ムネアカオオアリの女王 体長20mm弱