散歩路地《サンポロジー》      毎日が発見! 身近な自然が見えてくる!


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久しぶりの散歩で見た初冬の色

2013-11-27 | 僕の散歩道
10日以上も休んでしまった。公私共に忙しく、散歩に出る機会を作ることができなかった。
今日久しぶりに、野暮用を兼ねて、散歩をしてきた。報告したいことがいろいろあったのだが、いくつかに絞って紹介しよう。

藤 初冬のアサガオ
まずは、チョウの調査で訪れる公園へ…。「いるんだな~。」陽だまりで翅を広げるチョウがいるのだ。ツマグロヒョウモン、キチョウ、そしてヤマトシジミ。「遅くまでご苦労さん」と言った感じだ。そうしている間に、モンシロチョウも現れた。
もうデータは取っていないのだが、種のチェックだけはして先へ進む。これから、昼食をとって、銀行に行かなくてはならない。
住宅街を進んでゆくと、道端のフェンスに光が透けたフジ色の花が見える。まさかと思ったのだが、そのまさかだった。なんと、まだアサガオが咲いていたのだ。11月も終わろうとしているのに…。
逆光のまま、花の裏側からカメラに収めた。


初冬のアサガオ 2013-11-27 世田谷

コンパクトカメラの小さなファインダーをのぞいていると、スクリーンのようなアサガオの花弁に、影絵のような小さな模様が映し出された。アサガオに虫が来てるのだ。スクリーンからはみ出したその姿は、アブのようだ。
回り込んでみると、どうやらナミヒラタアブかエゾコヒラタアブのようだ。後で調べてみたら、フタホシヒラタアブということになった。が、何のことはない、エゾコヒラタアブの別称で、最近は、こちらが標準和名らしい。

 花びらのスクリーンに映し出されたフタホシヒラタアブ 2013-11-27 世田谷

橙 なぜこんなところに…。
たまに使う緑道に入ってみた。僕にとっては、普通の道を行くよりは楽しい。そこにオレンジ色の効用を見つけた。しかし…。しかし、これは…。 どう見ても、ヤマハゼのようだ。今まで、ここに生えているのに気が付かなかった。この色の季節だからこそわかったというところだ。


ヤマハゼの紅葉と実 2013-11-27 世田谷

肌の弱い人はかぶれる恐れがある。これが自治体の管理する緑道にあるとは…。もともと計画して植えたとは思えない。鳥が運んだのか?

朱 砧公園で
昼食と用事を済ませ砧公園まで戻ると、落ち葉が美しい。クヌギ、ムクノキの黄色、サクラの臙脂、そして青空の下、見事な朱色のイイギリの実が鈴なりだった。

 
サクラ、ムクノキなどの落ち葉のパッチワーク(左)とクヌギの黄葉 2013-11-27 世田谷

 
イイギリの実 2013-11-27 世田谷

おまけはやっぱりドングリ
一つ忘れていた。砧公園に4本あるイチイガシのドングリが、今年は実を付けていた。
砧公園には、9種類のドングリの成る木がある。このうちの一種は、ブナなので、気候を考えると、おそらく実を成らせない。それ以外の8種類のドングリが見られるが、イチイガシは最も成る量が少ない。今年は、いくらかでも実を成らせているので、しっかり拾っておこう。

 
イチイガシのドングリ(左)と葉(奥は幹) 2013-11-27 世田谷

途中で、やけに丸いアラカシのドングリも見つけていた。これで、お土産は2種類のどんぐりということになった。
我が家では、今年拾ったドングリを出窓の前に干してあるのだが、「だんだん増えてきた!」と上さんに目を付けられ始めた。今日また2種類分増えると…。うーん、あんまり考えないようにしよう!


今年の秋に拾ったドングリなど 2013-11-27 自宅


今日のお土産 左:やけに丸い形状のアラカシ 右:イチイガシのドングリ 2013-11-27 世田谷 







チョウの散歩から鳥の散歩へ 

2013-11-15 | 僕の散歩道
木枯らし1号の力は甚大だった。
11月13日。今年のチョウの調査は、これで終わりだなと感じた。
最初のポイントの公園は、今が冬であることを造形したような景色だった。フラワーランドの名にふさわしく、確かに花は咲いている。しかし、動き回るものの姿が、全くなかった。チョウも、人も…。空の青さが、より一層の寒さを感じさせた。


花は有るのだが、冬を感じさせる公園 2013-11-13 世田谷

 モンシロチョウ(左)と、ウラナミシジミ 2013-11-13 世田谷

あちこち探し回って見つけたのがこの2匹。前回のログで、「次回調査時には、少なくとも、ウラナミシジミの姿は消えているであろう。」と書いてしまったのに、このありさま。生き物たちは、見事にこちらの思惑を裏切ってくれる。滑稽だ。まったく…。

個体数をカウントしている区間では、チョウは、ムラサキツバメが1頭だけ。光浴するアキアカネの姿が寂しさを誘った。
晩秋の日差しは低く。カウント区間の7割方は日蔭となってしまった。チョウたちが、飛び回る条件ではない。
いきなり暗い日陰の部分で何かが動き、流れの上にかぶさるカエデの下に入り込んだ。しゃがみ込んで、そっと眺めると、そこにはカワセミの姿があった。しばらく見なかったので、どこかに移動してしまったのだろうと思っていたのだが、ちゃんと、留まっていてくれたのだ。この冬は、ここをねぐらにしてもらえそうだ。手持ちのコンパクトカメラでは失礼な気がした。今度は、一眼のカメラで、その凛々しい姿を納めさせてもらおう。

 
チョウのカウント地点 左:2013-11-08 右:2013-07-30 世田谷

 
光浴するアキアカネ 2013-11-13 世田谷       カワセミ 2013-11-13 世田谷

このところカルガモが集結している、丸子川沿いの道へ出た。今日も沢山集合している。1,2,3と指さしながら数を数えたのだが、途中で指が止まった。色の違うのが居るのだ。双眼鏡で眺めると、マガモのオスが混じっていた。

 カルガモに混じるマガモ 2013-11-13 世田谷    マガモ♂ 2013-11-13 世田谷

丸子川沿いをさかのぼり、何カ所かのポイントでチョウを探したが、見られたのは、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、キチョウ、ツマグロヒョウモンがほんのわずか。よくルリタテハや、ウラギンシジミが現れる、熟した柿の木を眺めたが、やはり、なにも見つけられなかった。


熟した柿 鳥がつついたり、チョウが吸汁するのだが、今日はいない。2013-11-13 世田谷

ほとんどノートに記す事が無いまま、仙川に出てしまった。
いつも通り、橋の上から、中州(?)辺りを眺める。今日もいる、大きいのと小さいのが…。
近くまで行き覗き込んでみると、2羽の大きいの(カルガモ)が寄ってきた。御多分にもれず、このあたりから餌を撒く人がいるようで、人が覗き込むと、カモたちが寄ってくるのだ。寝込んでいた小さいの(コガモ)の中の3頭が気が付いて、よちよち歩いてきた。中州を離れ寄ってきた姿を見ると、きたない顔をしている。まるで、日焼けの後に皮膚が剥けるように、夏羽が抜け始めていたのだ。


換羽中のコガモ 2013-11-13 世田谷

最後の砧公園で、念のために今年にぎやかだった樹液を見に行った。さすがい、もう閉店かと思っていたのだが、細々とではあるが、まだ浸み出していた。ただしお客さんは、ちょっと変りもののベッコウバエが3頭だけ。顔を近付けると、確かに樹液の甘酸っぱいにおいが漂っていた。

 まだ浸み出ていた樹液(クヌギ:左)とベッコウバエ 2013-11-13 世田谷

今回で、チョウの調査は終了にしたい。この後は、小春日和に、ムラサキシジミや、ウラギンシジミなどの成虫越冬する蝶たちが、光浴をする姿が見られる程度だろう。

次回からは、長めのレンズを付けた一眼レフカメラを担いで、鳥の姿を探す散歩になりそうだ。


スズメの食事

2013-11-12 | ガーデン博物記
昨日、木枯らし1号が吹いた。これで、チョウたちは姿を消し、今シーズンの調査を終了にしようと考えていた。
だが、残念なことに、天気がすっきりしない。基本的に日差しのある状態で調査をしているので、この天気では…。
そう思いながら、外を眺めていると、数羽のスズメが、庭にやってきていた。
毎年、冬になると、庭に下りて、イネ科の実をついばむ姿が見られる。今日の散歩はあきらめて、スズメの食事を眺めることにした。



昼過ぎに見ると、今度は、我が物顔で庭を闊歩するノラ猫が、草の上に居座っていた。これではスズメは降りてこられないな。

 庭に居座るノラ猫

窓ガラスをコツコツと叩いたが、振り返るだけで、逃げようともしない。まあ、いいか、スズメの食事はまだまだ続くのだから…。

チョウの調査に思う…。 こうはちょっとシビアな話。

2013-11-09 | 僕の散歩道
確実に少なくなっていた。
昨日のチョウの話だ…。

ノゲシで吸蜜するモンシロチョウ このシーンだけなら春のよう 2013-11-08 世田谷

11月8日。予想以上に天気が良いため、急遽チョウの調査に出かけることにした。チョウの姿が、最後の、最後は、どんな風に見られなくなるのかと思たのだ。
4日前は、最初のポイントである、花が咲き乱れる公園に行った瞬間、あまりの数に驚いた。ところが、昨日は…。いないのだ。公園内に入ったが、チョウが飛ぶ姿が見られないのだ。
花壇の間を歩き回っていると、陽を遮った僕の動きに驚き、ヤマトシジミが飛びだした。その動きに触発されセセリチョウが飛び出す。まだチョウはいたのだ。ただ、その数は少なく、その動きは極端に小さい。「僕が陽を遮っても、飛び立つものが無くなった時が、本格的な冬というところかな…。」などと小さな独り言を発した。

歩きまわると、それなりの種類は見ることができた。5日は、モンシロチョウ、キチョウ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、チャバネセセリ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモンの8種だったが。この日はその中のベニシジミを除いた7種がみられた。ただし、5日は、10頭以上見られたウラナミシジミは、翅がボロボロの個体を1頭のみ。ヒメアカタテハも前回複数頭見たが1頭だけであった。
調査区間全域でも、5日の15種類から、今回の12種と減らしている。
来週は冷え込むという天気予報も出ている。次回調査時には、少なくとも、ウラナミシジミの姿は消えているであろう。こうして、いろいろな種が姿を消していくのであろう。
と言いたいところだが、蝶たちは、一筋縄では行かない。
実は、冒頭に、《予想以上に天気が良いため、急遽チョウの調査に出かけることにした。》と書いたが、実は、書かなかった事実がもう一つある。
この朝、リビングの前のタタキに、ヒメジャノメがきていたのだ。

今シーズは終了と思っていたヒメジャノメ 2013-11-08 世田谷

ジャノメチョウ類は、10月30日に1頭だけ見ることができたヒメジャノメを最後に、僕の心の中では今シーズンの終了マークが付けられていたのだ。
それが、この日現れてしまう。でもそれが生き物なのだと思う。

ここからちょっと堅い話。興味の無い方は無視してください。
調査をする人の間では、チョウのラインセンサスなどが行われている。一定ののルートを歩きながら、そこに出現する蝶をすべてカウントして集計するというものである。
きちんとした数字で出すことが客観的、科学的データだというのだ。
実は、僕は、この様な調査法に疑問を抱いている。今年続けているチョウの調査は、そんな調査法が。あまり有効ではないということを証明しようという意図もあるのだ。

たとえば、渋谷の駅前と、僕の棲む用賀の駅前と、どちらがたくさん人がいるかと言ったら、誰もが渋谷駅前だと答えるであろう。しかし、では双方何人いたかと聞かれたら、どのような答えを出せばいいのだろうか。
ハチ公前交差点を、ビルの上から写真を撮る。がんばって、それらを写真上で数える。でもこれだけでは済まない。同じ時間に、スタバに入っていた客は、従業員は…。同様に、他のお店やオフィスにいた人は…。とても、まともな数字は出せない。さらに、時々刻々と変化するのだ。人間でさ、こんな状況なのだ。人間には発見さえ難しい様々な生き物の数など、どうして数えられよう…。それでも、渋谷は、用賀より多い。そして、ぱっと見た感じ若者が多いとか、女性が多いとか、外国人が多いとか、ある程度のことは言える。さらに用賀との中間点にある三軒茶屋は、用賀よりは多いが、渋谷にはとても及ばないという程度のことは判断できる。
ならば、チョウの調査も、そのレベルでいいのではないかと思っている。ある程度の経験を積んだ調査者の経験値で対応すればよいと思うのだ。
「それは個人の主観での判断で、科学的ではない」という。
しかし、ちゃんとフィールドをやっている人なら、曇り空のもと、チョウの姿がほとんど見られなかったのに、陽が射し始めると、わずか数分で「今まで、どこに隠れていたの!」と言いたくなるほどのチョウが出現するということを知っている。その他にも、風、気温、などさまざまな条件で、今日はたくさん見られる、今日は見られないという判断もしている。つまり、見られるということと、そこに居るということには大きな差があるということを理解し、その上で判断しているのだ。だが、数字で示されたデータはちがう。いくら調査表(元データ)に「曇り」という文字があっても、集計された数字だけが、何月何日、何種何頭のチョウが確認されたというデータだけが独り歩きしてしまうのだ。僕は、このデータの方が、が調査者の主観よりも大きな間違えを含んでいると思っている。

さて、脇道の逸れ過ぎてしまった。
いずれ、今年の調査データをまとめ、今回、書き綴ったような自説を展開するつもりだ。
年に何回かのシビアなログをお許し願いたい。




カルガモの合コン? 新参者のコガモ? 集まる話

2013-11-07 | 僕の散歩道
チョウのデータを取りながらの散歩も、ついに11月を迎えた。さすがに、チョウの数は減り始め、今回(11月5日)は12種類となった。チョウのデータはあと2,3回とるつもりでいる。

さて今回は、鳥の話をしよう。
9月~10月にかけて、カワセミが居座っていた丸子川だが。小笠原出張から帰って以降その姿を見ていない。それに代わって、カワセミをよく見た辺りには、カルガモが集結していた。
集結。という言葉がふさわしいほどの数だ。

カルガモの集結(25頭が集まっていた) 2013-10-30 世田谷

10月30日には27頭、11月5日も16頭が、20~30mほどの区間に集まっているのだ。理由は分からない。すぐ上に実をびっしり付けたスダジイがあることから、その実を食べに来ているのか、あるいは、カルガモの合コンなのか…。いずれにしても、丸子川沿いのカルガモが全部集まったような状態だ。

それから仙川。10月8日に渡来した10頭のコガモの小集団を確認したが、その後もずっと10頭のままだった。ところが、11月5日には13頭になっていたのだ。これまでの観察で見落としていたのか、あるいは3頭の新参者が加わったのか? こちらもわからない。でも、わからないことが沢山あるからオモシロイ!

  コガモ 集団で休息 2013-11-05 世田谷

最後に、集まりの話しのおまけ。
鳥の話ではないが、砧公園のクヌギの樹液は、細々とではあるが、まだ出ていた。
11月5日には、さすがにチョウもスズメバチも見られなかったが、代わりにヨコズナサシガメの幼虫が10頭集まっていた。

  11月の樹液の周りに集まるヨコズナサシガメ 2013-11-05 世田谷

冬が近づくと、生き物たちは集まる傾向がある。3年前の冬。砧公園に、数百頭のアトリの群れが3集団居座った。もう一度眺めてみたいものだ。