散歩路地《サンポロジー》      毎日が発見! 身近な自然が見えてくる!


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ドングリとコミスジ 長らくお休みしましたが、やっと日常に戻れそうです。

2014-09-09 | 僕の散歩道
やっと日常が戻ってきました。
このところ、仕事が忙しく、個人的にも様々なことが重なり、毎日の、あるいは週に数度の、と言った僕の日常が壊れたまま日々が進んでおりました。
でも、本日、上さんの用事のついでに、ほんの1時間ほど家の周囲を歩きまわってみると、季節は例年通り、しっかりとした時を刻んでいました。

まずは、水辺へ。
9月になると、トンボが種類個体数共に増えてきます。今日は時間も少ないので、オニヤンマと赤トンボ類がチェックできればと向かいました。

大きな影が、僕を通り越して行きました。ふと見上げつと、道の上を飛ぶオニヤンマが僕を通り越して、道脇の樹の枯れ枝に『すーっ』と止まりました。「カメラに収めるには、ちょっと距離があるなぁ」と思って見上げていると、もう1匹飛んできたのです。雄か雌かはわかりません。オス・メスならば、連結する可能性があります。オス・オスならば、すぐに追い出しにかかるだろうと思い、すぐにカメラを構えました。飛んできた個体は、先に止まっていた個体のすぐ下に『すーっ』と止まったのです。


オニヤンマのツーショット 2014-09-09 世田谷


帰宅後、データをパソコンに移し、じっくりと見てみると、この2頭はオス・オスでした。なんでこうなるんでしょうかね…?
そういえば、以前に多摩丘陵で、2頭が30㎝程離れて、同じ枝に止まっているのを撮影したことがありました。
古いデータを探してみると、


1980年代に撮影した、オニヤンマのツーショット (ポジフィルムをスキャン) データは不明


撮影データはあるはずなのですが、探すのに時間がかかりそうなので、今回は勘弁してください。

いずれにしても、基本的に単独で行動するオニヤンマが、こんな状況になることもあると言うことですね。枝にとまった2頭のオニヤンマが、何か話しているとしたら、どんなことを話すのでしょうね。敵対的なのか、友好的なのか、あるいは…。 どなたか楽しそうな会話が浮かんだら、ぜひ披露してください。

さて、次は、ドングリを探しに。

気になっていた、ドングリの成り具合を見に行くと、日当たりのよい所では、すでにドングリを落とし始めていました。
まさに今通過中の台風14号の影響でしょうか、時々強く吹く風に、トチの実がぼろぼろとおちてきます。トチの実の果皮は、クラフト材料として独特の趣を発揮します。拾って帰ろうと手を伸ばすと、目の前にボトンとおちてきました。

 
マテバジイのドングリ 2014-09-09 世田谷


 
トチの実 今年は結果数が多いようだ 2014-09-09 世田谷


落下したトチの実 2014-09-09 世田谷
 
とりあえず拾ってきた 2014-09-09 世田谷


この他にも、すでに、シラカシとコナラも落ちていました。コナラは、小枝が切り落とされたハイイロチョッキリの仕業によるものも多く見られました。
カシワも実をつけ始めています。まだ緑色が濃く、落下までには時間がかかりそうですが。


カシワの若いドングリ 先端の長い柱頭が目立つ 2014-09-09 世田谷


ふとみると、コミスジが巴飛翔をしていました。巴飛翔とは、オス、メスがくるくる回るように飛び回る求愛行動のことです。アゲハチョウなどで見たことがある方が多いと思います。多くのチョウが、忙しなくクルクル回るのですが、コミスジは、ほぼ水平に、ゆっくりと回ります。そして、あまり羽ばたかず滑空するので、まるでアイスダンスでも見ているかのような優雅さです。
それが、だんだん近づいてきます。ついに、僕の頭上にさしかかりました。僕は、とっさにシャッターを切っていました…。



コミスジの巴飛翔(上)と滑空のアップ 2014-09-09 世田谷

撮ってみたいと、これまで幾度か挑戦したのですが、満足ゆくものが取れたことはありませんでした。しかし、今回の画像で、とりあえず、荷物のひとつを下ろしたような気分になれました。

朝、全米オープンで錦織は負けてしまったけど、これから、アギーレジャパンの初勝利を、ノンアルコールビールを飲みながら見届けたいと思います。
「ああ、これで、僕の日常が返ってきた!」

蝶の吸水 ゴマダラチョウ カラスアゲハ テングチョウ モンキアゲハ

2014-06-02 | 僕の散歩道
先週半ばあたりから、急に暑くなりました。
我が家から最寄りの用賀駅には、駅ビルの中にパティオのような所があり、そこに小さな噴水とプールがあります。先週のある日、暑さの中、子どもが、そのプールに手を伸ばし、ピチャピチャやっていました。子どもは正直です。暑い時には本能的に、水に手を伸ばしてしまうのでしょう。そんな光景を横目で見ながら、駅ビルに向かうと、僕の足元に、何か黒いものがまとわり付くように動いたのです。


カラスアゲハの吸水 2008-05-18 新潟県長岡市

カラスアゲハでした。見事な青と緑の光沢を輝かせながら、地上低くをヒラヒラと飛ぶのです。しばらく見ていると、噴水の飛沫が飛び散った地面に降り、口吻を伸ばすのです。カラスアゲハは、給水に来ていたのでした。

翌々日の土曜日。気温が30度を超えました。
午前中に、このところ忙しくて、やれていなかった、チョウの調査をしてきました。チョウ相はだいぶ変わってきていました。最後の調査ポイントになる砧公園に来ると、足下からチョウが飛び立ちました。ゴマダラチョウでした。しばらく見ていると、再び地面に降り、飛ぶでもなく歩くでもない体勢で、せわしなく動き回るのです。しばらくすると、お気に召したのか、動かなくなりました。給水をはじめたのです。


ゴマダラチョウの吸水 2014-05-31 世田谷(砧公園)

同じ日の午後、地元の小学校の校庭にサッカーをしに行っていました。時間の取れる土曜日は、たいがいサッカーをやっています。練習前、スプリンクラーが盛大に水をまきはじめました。すると、どこからともなく、茶色いチョウが飛んで来て、校庭の土の上に舞い降りてきたのです。テングチョウでした。水がまかれた校庭で、テングチョウが早速給水を始めたのです。

残念ながらカメラを持っていなかったので、カラスアゲハとテングチョウの吸水の様子は写真が取れませんでした。どんな時でもカメラは持ち歩かないといけませんね。

今ログを書きながら、ストックしてある写真を引っ張り出してきました。古い写真で恐縮ですが、カメラ不携帯の失態をカバーさせていただきま。


テングチョウの取水 2012-07-18 北軽井沢


カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハの吸水 2008-07-30 北軽井沢

カラスアゲハの写真を見ていて、その当時の事を思い出しました。北軽自然学校を開校していた時のことです。近くを流れる川の探検に行くと、岸辺にたくさんのカラスアゲハが給水に来ていました。子どもたちと一緒に、すこし上流に歩いて行くと、堰堤(土砂だめに小さなダム)がありました。堰堤から焚きのように水が落ちるすぐ脇に、何とカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハの大群が集団給水していたのです。その数は、おそらく数百頭に及ぶものと思われます。僕はこんなに大きな蝶の群れを見たことはありませんでした。滝に向かって子どもたちがワーッと走り出すと、蝶たちが一斉に舞い上がったのです。見事でした。青緑の光沢を輝かせた黒いチョウが、ヒッチコックの鳥のように舞いあがったのです。感動しました。茫然と見守りました。手にしていたカメラの存在を忘れてしまうほどの出来事でした。それ以後、何度か同じ場所を見に行くのですが、いまだに、同じような光景に葉で会っていません。もちろん今年も見行くつもりです。

さて、場所は変わって、今度は多摩丘陵。もう6年も前に事にないますが、7月の暑い日、谷戸の用水脇で、モンキアゲハが給水をしているのに出会いました。



モンキアゲハの吸水(ポンピング) 2008-07-16 多摩丘陵

こちらは、吸水ではなくポンピングでした。ポンピングと言うのは、チョウが体を冷やすために、口吻から水を吸い上げ、お尻から排出する行動のことです。
2枚目の写真にご覧ください。お尻の先から、勢いよく飛び出す水柱を捕らえることができました。まるで…。
決してチョウのお○○○○なんて言わないでくださいね。



今年最初のコクワガタ ムシヒキアブのお食事

2014-05-23 | 僕の散歩道

コクワガタ 2014-05-20 世田谷


今年初のクワガタを見つけました。
5月20日。いつもの散歩道で、僕が勝手に「チョウ調」と呼んでいるチョウの調査をしている際のことでした。

今年は、昨年とちょっとコースを変えました。新たな調査ポイントを2ヶ所加えたのです。
そのうちの1ヶ所は、昨年世田谷で初めてコムラサキを見つけた場所です。数は少ないですが、世田谷区内でもコムラサキは確認されています。初めてというのは、あくまで僕にとって初めてという意味です。

もう一カ所は、大きなお屋敷の跡を、そのまま緑地として管理している場所です。ここでは、オナガアゲハ、ジャコウアゲハ、カラスアゲハなど、世田谷であまり多くはない黒色系のアゲハチョウの仲間を何度か確認しています。

そのお屋敷跡の緑地を歩いてゆくと、白っぽいムクノキの幹に、黒い模様が目につきました。「なんかクワガタみたいな形の模様だな…。」と独り事を言いながら近づくと、それは樹の幹についた模様ではなく、本物のコクワガタでした。世田谷では、これまでにノコギリクワガタ、ヒラタクワガタ、そしてこのコクワガタと3種類のクワガタを確認していますが、いずれも、クヌギの樹液での確認で、まさかムクノキの幹にしがみついているとは思いませんでした。

ここまで書いて思い出しましたが、数年前、新宿の都庁周辺の街路樹で、ケヤキの幹に害虫を駆除するためのトラップを掛けていたら、その中に、大きなコクワガタが入っていたのを思い出しました。

さてムクノキのコクワがですが、カメラを近づけると、急に大顎を振り上げるのです。体長わずか3cmほどのくせして、ポーズだけはいっちょ前です。この見事なポーズをすかさずCasha! かっこいい姿をカメラに収めることができました。


今年初めてのコクワガタ(ムクノキの幹で) 2014-05-20 世田谷


今日はもう一つ、ちょとユーモラスな奴をご覧にいれましょう。何といっても、この漫画顔がチャームポイント。まずは彼らの声を聞いてみましょう。


『おいお前! 食べながらあんまりこっちばかり見るんじゃねぇ』


「そーですか、そーですか。それならあっち向いて食べますよ~だ。」
『お、今度はケツ向けやがったな。おい!そっちは風上なんだからな。わかってるな! なっ!』

こんな会話が聞こえてきちゃうんですよね。このひょうきんな漫画顔を見ていると…。
2頭のムシヒキアブ(マガリケムシヒキ♂)がフェンスのワイヤーの上で食事中でした。食べているのはヤマトシロアリのようです。この時期どちらもよく目立ちます。食事中の彼らを見ていると、こんな会話が聞こえてきちゃうんですよね。このひょうきんな漫画顔のせいでしょうか。

ムシヒキアブと言うのは、名の通りアブの一種で、この写真でわかるように、小型の虫を捕まえて、その体液を吸って生きています。そう聞くと気味の悪い奴のように思われますが、多くの虫はこのようにして生き、この様に他の生き物に食われ、適当に個体数調整されているわけです。

 
マガリケムシヒキ♂ 2014-05-20 世田谷



街路樹の切り株に発生するヤマトシロアリ 2014-05-01 世田谷


こちらは♀。もう少し大きな獲物を捕食中です。捕まえたのは、キンバエの仲間でしょうか。これまでに出た雄と違い、おなかの先端がとがっているのがよくわかります。


マガリケムシヒキ♀ 2014-05-20 世田谷


人間には危害を加えません。食事中の彼らを見つけたら、そっと顔を覗き込んでみてください。
僕が勝手に書いた会話が聞こえてくると思いますよ。









桜の花吹雪の下で…。世田谷のスミレ

2014-04-08 | 僕の散歩道
桜は、満開を過ぎ、見事な華吹雪になってきました。


満開を過ぎたサクラ(ソメイヨシノ) 2014-04-08 世田谷

桜の花びらで、白くなった地面に目を向けると…。


さて、何が見えますか 
ちょっとわからない?
では、もう少し寄ってみると…。


ところどころに見える緑色は何でしょう。
もう一歩近づいてみましょう。


これでわかってもらえたでしょう!

丸い葉っぱに白い花びら。ケマルバスミレです。


ケマルバスミレ 2014-04-08 世田谷

スミレと言えば、スミレ色という言葉まであるくらい紫色が定番ですが、白もまた美しい。僕は結構好きなのです。
前回までに、タチツボスミレと、ノジスミレを見つけていましたが、これに加えて、今日は3種類を見ることができました。
と、今原稿を書きながら、今日見つけたのは、全部白いスミレだと気が付きました。
次を紹介しましょう。


アリアケスミレ 2014-04-08 世田谷

このスミレを始めてみたのは、里山のクリ畑でした。世田谷で見付けたのは、駐車場のフェンス下など、比較的人工的な環境。今回のは、川沿いの歩道のコンクリートの割れ目。
いったいどういう好みなのかわかりません。


ツボスミレ(ニョイスミレ) 2014-04-08 世田谷

ツボスミレは、かなり小さなスミレ。世田谷で見るのは、この写真のような、茎がやや寝た感じの個体が多いのですが、多摩丘陵では、結構茎が立っていて、もう一回り大きな花をつけています。ちょっと違った系統なのでしょうかね…。

それからもう一つ。


ニオイスミレ 2014-04-08 世田谷

こちらは、Viola odorat と言うスミレで、ニオイスミレと言われています。栽培種が野生化したもので、昨年まで見られなかった公園の一角で見付けました。ちょっと残念です。最近では、里山にまで見られるようになっています。側弁(5枚の花弁のうち左右に位置する2枚)の付け根にモサモサと白い毛が生えているのが特徴的です。

明日は、今季初めて多摩丘陵に出かけるつもりです。また違うスミレを照会できると思います。





スミレと、カタクリと、野イチゴの話になってしまいました。

2014-04-03 | 僕の散歩道
サクラだけが花見ではありません。
天を覆い咲き誇る桜の木の下で、踏みつけられそうになりながら咲く野の花も、またおつなものです。


天を覆うソメイヨシノ 2014-03-31 世田谷


僕のフィールドワークの対象は、季節と共に変わってゆきます。
春3月~5月は、主に花を。5月~9月が虫。9月~11月はドングリ。そして冬は鳥です。もちろんこれだけではありませんが、その時期時期に僕なりに楽しめるものを見て歩いているうちに、これが習慣のようになってしまいました。といっても、かたくなにこの習慣を守っているわけではありません。これを再構築したくなるような、魅力的な出来事に出合えればと、絶えず触手を伸ばしているのですが…。

さて、前回のログで、スミレを見て歩くということを書きました。といっても、これまでに僕が見たスミレは約30種。変種や色変わり、外来逸脱種を含めても50種にはならない程度です。それでも、僕の棲む周りに8種類もの野生スミレが咲き、僕のメインフィールである多摩丘陵では、これまでに19種類ノスミレが確認できています。これを毎年一つ一つ見て歩くのは、年に一度懐かしい友達と会っているような楽しみがあります。

今年のスミレ第1号は、3月25日のことでした。
仕事に向かう途中、世田谷の住宅地内の道を歩いていると、アパートの前にコンクリートの割れ目に紫色の花が…。近づくと、それはコスミレでした。我が家の近くでも、やはり古いアマートの石段で咲いていたのですが…、親、コスミレは古いアパートが好きなのでしょうか? そころが、アパートが取り壊され、その後姿が見えなくなりました。
・・・あっ!
と言うことは、僕の家のそばでは8種と言っておりましたが、現在は7種なのだと言うことに、今気が付きました。


コスミレは古いアパートがお好き? 2014-03-25 世田谷



こちらは我が家の近所にあったコスミレ 2001-03-25 世田谷


それからこちらは、ノジスミレ。ただし、多摩丘陵でよく見るノジスミレは、植物体全体に微毛が生えているのですが、世田谷の葉、ほとんど無毛でした。東名高速の東京(用賀)インターの周りで、結構見られます。ほとんどが、コンクリートの割れ目に咲いています。


東名高速下の歩道に花を咲かせるノジスミレ 2014-03-31



このほか、目立つ花をいくつか紹介しておきましょう。


カタクリ(植栽) 2014-04-01 世田谷


カタクリは、僕の家の近くにある2カ所の公園・緑地で見られます。いずれも植栽されたもので、できることなら、野生のものが見たいのですが、都界では無理ですね。まあ、春の花の象徴的存在ですので…、まあちょっと嬉しいかな。


クサイチゴ 2014-04-01 世田谷


モミジイチゴ 2012-04-12 多摩丘陵


こちらはいわゆる野イチゴ。クサイチゴは、ちょっとミントのような香りがある独特の味です。モミジイチゴは、3月28日に開花を確認していたのですが、写真を撮り忘れました。参考に多摩丘陵のものを乗せてあります。
モミジイチゴは、僕がこれまでに食べたのイチゴの中で、2番目においしいイチゴです。一番おいしかったのは何か…、それは、とりあえず伏せておきましょう。いずれ機会があったら紹介します。
あっ、すみません。花が咲いたばかりだと言うのに、思わず実の話をしてしまいました。

これからは、どんどんフィールドへ出かける機会が増えそうです。春の便りをたくさんお送りするつもりです。

 







 

屋外映画「泥遊び」 出演:シロハラ、ツグミ、ムクドリ。友情出演:カワラヒワ

2014-02-21 | 僕の散歩道
「あんた何やってきたの、そんなに泥だらけにして!」
子どもの頃、外で遊んできたとき、よく母親にそう言われました。
その頃は、まだ僕の家に風呂は有りませんでした。雑巾を渡され、裏口にあった水道で手足を洗ってから、家の中に入っていたのを思い出します。
雪の後、ちょっと足を伸ばして昼食に出かけてみました。帰りに、いつもの散歩道を通ると、カワラヒワの群れが、集団で採餌をしていました。雪が解け始めて、地面が顔を出しはじめた道脇です。人が近くを通るたびに、《ピッピーッ》と鳴いて、一気に木の上に飛び去ってしまいます。しかし、人が歩き去ると、また降りてくる。しばらくの間、雪の中で餌が食べられれない状況だったのでしょう。何度も、何度も繰り返していました
大胆に泥をこねくり回して、小さな種などを探しているようです。カメラのズームを望遠一杯にして眺めると、嘴には泥の塊が付いていました。


大きな泥の絡まりを付けたカワラヒワ 2014-02-17 世田谷

《ギョ、ギョ、ギョ》という鳴き声に上を見上げると、こちらはツグミ。
僕には関係ないと言った顔で、木の枝に止まっているのですが…。こちらも嘴がチョコレート色に…。


嘴に泥を付けたツグミ 2014-02-19 世田谷

「あんた、なにしてるの!」
「僕何もしてないよ…。」
「あら、テーブルの上にあったお菓子食べたでしょ!」
「食べてないよ。僕、チョコなんて食べてないもん」
口の周りにチョコレートを付けて、一生懸命母親に言い張る、子どもの頃の自分の姿がよみがえります。

こちらは大胆。人が近くに居てもお構いなしに、餌探しに余念がありません。

 

土中の虫を探すムクドリ 2014-02-19 世田谷

最後はシロハラです。凛とした表情に、如何にも優等生に見えます。
「私は、そこらの鳥とは違います。泥なんか突いていません。ただ散歩しているだけです」と紳士を装っているのですが…。


キリリと引き締まった表情のシロハラ 2014-02-19 世田谷

カメラはちゃんと捉えていたのです。


土中から幼虫をつつきだしたシロハラ 2014-02-19 世田谷

昼食に出かけた帰り道、雪の溶けはじめた公園で、ちょっとした映画でも見たような気分です。子どもの頃の記憶を呼び起される、楽しい時間を過ごさせてもらえました。
出演してくれた鳥たちに感謝!



雪の中…。 いつもと違う、キジバトとドバト。

2014-02-15 | 僕の散歩道
雪、すごいですね。
我が家は、賃貸のテラスハウス。隣りの家とは庭続きで、境目は30㎝程の小さな柵があるだけなのですが、今回の雪で、お隣さんとの境目が分からなくなっていました。

さて、雪が降ると、鳥たちが餌をとれる場所が無くなるため、特定の場所に集まってきます。
以前、八王子自然友の会元会長、故金井郁夫さんから聞いた子供の頃の話です。

「雪が降ったら子どもたちは大喜びだったね。田んぼの真ん中の雪をどけて、つっかえ棒して大籠を立て掛ける。あとは、田んぼの隅でたき火して待ってたよ。雪の上じゃ餌が取れないもんだから、土の出ている所に鳥が集まるんだな。適当に集まってきたら、紐を引いて鳥を捕まえたよ。その場でたき火であぶって食べちゃったね。子どもにとっちゃ良いおやつだったよ。やっぱりツグミは美味かったね!」

今は、野鳥を捕まえて食べるわけにはいきませんが、確かに雪が降ると植え込みの下など、土の出ている所に鳥が集まってくるので、そこを狙ってゆけば、観察しやすいのは事実です。
ということで、雪があがって、ちょと明るくなってきたところで、砧公園に出かけてみました。


さすがに、ほとんど人が居ません。見える範囲では一人だけ。
いきなり、ヒマラヤシーダの大きな枝が折れていました。今回の雪は、水分が多くて重い雪いのでしょう。


雪の重みで枝が折れたヒマラヤシーダ 2014-02-15 世田谷(砧公園)

さすがに雪が深く、常緑樹の下でさえ、土がのぞくところはありませんでした。最初の目論見は空振りです。
そこで、少し先の梅の木があるところまで行くことにしました。花はすでに咲いているので、蜜を吸ったり、花弁を食べに小鳥が来ているかもしれません。


白梅と雪景色 2014-02-15 世田谷(砧公園)


紅梅と枝に残る雪 2014-02-15 世田谷(砧公園)

行ってみると、予想通り! きていました。
その場で20分ほどまってみたのですが、その間に来た鳥は、

メジロ カワラヒワ ムクドリ ヒヨドリ キジバト  《餌を食べに来ていた》
ツグミ、ビンズイ、ハシブトガラス、モズ、ドバト   《ただ立ち寄っただけ》


蜜を吸いに来たメジロ 2014-02-15 世田谷(砧公園)

この中の、ビンズイは僕にとって、砧公園での初記録でした。
梅の木の横にある樹林に目をやると、枝にキジバトが止まっていました。遠目に見ると、アカハラかと思うほど、オレンジ色に見えました。曇天だったのですが、積もった雪がレフ板の働きをしてくれて、ちょとオドロオドロしい色合いに見えるのです。
さらに、しばらく見ていると今度はドバトが…。
こちらも怪しいし雰囲気を漂わせた色合いをまとい、赤い目を光らせていました。


キジバト ちょっとオレンジ色っぽく見える 2014-02-15 世田谷(砧公園)


ドバト 怪しげな雰囲気をまとっている 2014-02-15 世田谷(砧公園)

明日は日曜日、きっと野鳥観察向けの雪の溶け具合になるのでしょう。でも、たくさんのちびっこが雪の中を駆け回り、大賑わいになることは間違えないでしょう。
というわけで、明日はあきらめ。チャンスがあれば、月曜日にもう一度のぞいてみようかな。
 

大空劇場 -不思議な絵(ノスリ) 解答編-  

2014-01-26 | 僕の散歩道

川縁の枝にたたずむカワセミ 2014-01-24 砧公園(世田谷)

一昨日、思わせぶりに乗せた不思議な絵。その解答の前に、これまでのいきさつを紹介しておきましょう。
前々回、ノスリ探索というログを書きました。それ以降のいきさつは、

1月20日 昼食帰りにノスリが、カラスに追われる姿を発見。砧公園方向に移動
     「ことしもきていたか! 後で確認に行こう。」
  21日 午前。ノスリ探索に出かける。残念ながら発見できず。
     「ノスリどころか、他の鳥も少ない」ショック!
  24日 午前。気を取り直して再び探索。カワセミ、アオゲラ、カワラヒワ。21日と比べると、鳥が多い。
     しかしノスリ発見できず。諦めて帰りかけたところ、騒がしいカラスの鳴き声が…。

といった流れで、ついにノスリを確認できたのです。

さて前回の問題に移りましょう。掲載した写真に対し、「不思議な絵と書いてあったんですが、私には何が不思議なのかよくわかりません。」というメールが届きました。メールのやり取りで、そのかた(Mさん)は「影がゆがんでいるということ?」という程度に思われていた事がわかりました。そういった方もいるようですね。最終的に「今度のログを見てください」と言っておきました―Mさん見てる!― 。でも今はもう気が付いているのではないかと思います。

それでは回答です。以下のの3枚の写真(連写)を見ていただければ一目瞭然です。




ノスリとカラス 2014-01-24 砧公園(世田谷)

お気づきの通り、影のように見えたのは、ノスリの上に重なったカラスだったのです。よく考えれば、青空に影が映るはずはありませんからね…。でも、自然に影だと思ってしまうほど、うまく重なったのですね。撮影した本人は、たんに連写した中の一枚ですので、その瞬間は何も思いませんでした。つまり偶然の産物というわけです。
自然界は、見事な演出をしてくれるものです。さながら《大空劇場》といった感があります。何点か、見事な演舞を紹介しておきましょう




見事な演舞 ノスリとカラス 2014-01-24 砧公園(世田谷)

もちろん、実態はそんな優雅なものではありません。テリトリーに侵入してきたノスリにカラスが寄ってたかって攻撃を加えているのです。いったいどこまで追うのだろうかとみていると、ノスリは、上昇気流に乗ってかなり高くまであがってゆくのです。ある程度の高度まで行くと、徐々にカラスはあきらめ、追跡体から離脱してゆ来ます。しかし、先の影のように見えたカラスだけは、何時になってもかなりしつこく追っていました。
そして、観察が困難になるほど上昇し、カラスの追撃を振り切ったはずなのですが…。
10分ほどすると、再び、低い位置カラスの鳴き声が…。 そちらを見ると、再び空中戦が始まっていたのです。

 ①何時の間に降りてきたのでしょう?
 ②そうまでして、ここに居たいわけ?
 ③いや、ひょっとしたら別の個体?

など、など、いろいろな疑問が頭の中を渦巻きます。かくして、ノスリVSカラスの第2ラウンドが開始されたのです。

さて、パソコンで見ていて気が付きました、腹面の模様を見ると、このノスリは、21日に見つけた個体とは明らかに違うのです。ということは、先ほどの③のように、第2ラウンドのバトルは、違った個体だった可能性があります。
都内においては、比較的大きな公園ではありますが、わずか40ha程のこの公園に、ノスリが2羽居付いているとするならば、あまり普通の現象だとは考えにくいと思います。近いうちに《大空劇場》第2幕を見にに行こうと思っています。

最後に、大空劇場ハプニング編を紹介しておきましょう。主演:ノスリ、取り巻き:カラス そして通行人(エキストラ)が…。


ノスリとカラスのバトルだが…。 2014-01-24 砧公園(世田谷) 



 







不思議な、ふしぎな、ふ・し・ぎ・な絵!

2014-01-24 | 僕の散歩道
今回は、いつものログとはちょっと違います。
まず、この写真を見てください。
本日(1月24日)午前中に撮影したものです。写っているのは、ノスリという鷹の一種なのですが…



この写真、果たしてどういう状況だと思います?
ちょっと考えてみてください。

誠に棲みませんが、答えは後日!

ノスリ探索 

2014-01-21 | 僕の散歩道
昨日、昼食に外へ出た帰り、空が何やら騒々しいのです。ふと見上げると、東名高速東京インターの真上をカラスが8頭大騒ぎで飛んでいるのです。そしてその中心に、白い鳥が居るではありませんか。
飛翔形を見て、すぐにノスリだとわかりました。持っていたコンパクトカメラでとりあえず「カシャリ!」


カラスに追われるノスリ 2014-01-20 世田谷

ノスリとカラスの一群は、少しずつ北へ移動し、すぐ隣の砧公園の方に移動して行きました。
砧公園には、冬の間ノスリやオオタカが居座ることがよくあります。今年はいないなとは思っていたのですが、やっと現れたというところでしょうか。
「よし、明日はノスリの確認に出かけよう!」

翌日。つまり今日、午前中に砧公園に行ってみました。猛禽類がよく居座っているサンクチュアリーを中心に探すのですが、見つかりません。ノスリが動けば、小鳥類や、カラスが騒ぎ出すのですが、公園は至って静…。というより、鳥の鳴き声があまり聞こえないのです。
実は、これまでも何度か見に来たのですが、今年は鳥が少ないと感じていました。
しかし、このところの冷え込みや、降雪などにより、街場へ移動してきているのではと思っていたのですが、やはり居ません。種数ももさることながら、個体数が極端に少なく感じます。

今日確認したのは、

南の入口~サンクチュアリーまでの間
ツグミ、ヒヨドリ、モズ、シジュウカラ、スズメ、ドバト、キジバト、メジロ、カワラヒワ、コゲラ
サンクチュアリーで
アオサギ、ヒヨドリ、キジバト、モズ、アオジ、シジュウカラ、ハクセキレイ、アカハラ、シメ、メジロ
帰り道で、
コゲラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ドバト、ツグミ、キジバト、カワラヒワ、モズ

以上僕のフィールドノートに記載された順。つまり観察順ということです。

一番最初に見つけたツグミ 2014-01-21 砧公園
モズ 結構目にすることが多い 2014-01-21 砧公園

例年ですと、ツグミは、あちこち走り回っているのですが、ほんの数頭しか目にしません。シメも落ち葉をひっくり返して餌探ししているのをよく見るのですが、今日は、サンクツアリー内で、数頭の群れを見ただけです。どの鳥も、「今年は少ないな」というのが僕の感想です。ただ、モズだけは「多い」という印象があります。散歩道の途中などで、砧公園以外でもよく見かけています。

このところ、カモの渡来が減ったと感じていたのですが、陸鳥も減少傾向だと感じています。
特に今年は…。
ほかの地域で歩かれている方、あなたのフィールドではいかがでしょうか? 感想をお聞かせください。
わずか1時間半ほどの《ノスリ探索》でしたが、ちょっと淋しい気分になりました。
近いうちに「やっと来てくれました」なんて、報告ができるといいのですが…。