散歩路地《サンポロジー》      毎日が発見! 身近な自然が見えてくる!


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 ☆ 世田谷の散歩道

 ☆ ネイチャークラフト

 ☆ 環境学習ゲーム

懺悔  昨日私はムラサキツバメの尊い命を奪ってしまいました

2013-09-29 | 僕の散歩道
昨日、僕は、ムラサキツバメの尊い命を奪うことになってしまった。

昨日は、久しぶりに、多摩丘陵へ行くことを決めていた。一応、朝、ムラサキツバメの蛹の状態を確認してみると。
「やばい、これは今日、羽化してしまうかもしれない」と思ったのだ。そこで、羽化した時にチョウが掴み安いように、飼育している水槽の中に、タオル地のハンカチを垂らしておいたのだ。「何とか、今日の夜以降、できれば明日羽化してくれれば、その瞬間を見ることができるんだけどね…。」というと、上さんは、「それなら、その水槽首にぶら下げて歩いたら、途中で出てきたら、その場で写真も撮れるし、その後すぐ逃がしてあげられるじゃない」
「それはさすがに…。」
と言うわけで多摩丘陵へ出かけたのだ。

16:30 帰宅した。すぐに水槽を覗き込むと…。まさに今羽化している最中! 荷物を放り投げ、水槽を明るい場所へ移動させた。カメラを引っ張り出し、再び覗くと、羽化最中だと思った個体は、翅の先端側を蛹の中に入れたまま、うまく抜け出せず、ひっくり返ったカメの仔状態で脚を動かしていた。「これはまずい」と思った僕は、水槽の蓋を開けた。この時、チョウが、パッと飛びだし、窓に向かって飛んで行った。気が付かなかったが、もう一頭はうまく羽化していたようだ。カメの仔状態の蛹が付いた葉っぱを取り出し、足先をハンカチに当ててやると、なんとか翅を抜き取り、這いだしてきた。

 
ムラサキツバメ 掴まれるようにハンカチを当てる(左)翅を抜き這い出てはきたが…。 2013-09-28

残念ながら、この状態で、相当時間が経っていたようだ。翅は、丸まったまま固まり、伸ばすことはできないようだ。
このチョウは、死刑宣告を受けたようなものだ。どうやってもチョウとして、空を飛ぶことはできない。
「僕が、今日一日羽化を見守っていたなら、早く異常に気付き、掴まれるように動かしてやれたのではないだろうか」そう思うと、気分が暗くなる。

気を取り直して、もう一頭のチョウを見た。こちらは美しく翅を伸ばしていた。
翅の表側が見たいのだが、翅を開いてはくれない。
「室温も低いし、強い光が当たると、体温を上げるために、翅を広げる行動を取るのでは…。」と考え、明かりを当ててみることにした。すぐ手元にあったのは、LEDライトだったが、LEDはほとんど熱を出さないから無理かと思ったのだが、とりあえず当ててみた。
ほんの数秒。ムラサキツバメはパット翅を開いた。

  翅を閉じて窓にとまる(左)実験的にLEDライトを当ててみた 2013-09-28 自宅(世田谷)


翅を開いたムラサキツバメ LEDライトを照射 2013-09-28 自宅(世田谷)

LEDライトのせいで、異常に青く輝いた。本来なら、翅の中央部は青いのだが、周辺部は黒く見えるはずだ。だが、その黒い部分にも青い鱗粉が存在していて、光の反射次第で、この様に青く見えるのだろう。

一頭のチョウを犠牲にして、なおかつ羽化の瞬間を見ることができなかった。
ここに、我が家に連れてきてからの姿を記すのは、僕の義務だろう。

2013-09-13
 
野外で採集                 水槽の中で飼育開始 

2013-09-16  
  2頭とも前蛹になる。

2013-09-23
  前々日(9月21日)完全な蛹になった。

2013-09-27
  蛹の色が変わり始めた。羽化は近い。

2013-09-28
  8:13 羽化直前                     16:50 すでに羽化していた


窓を開けると、元気な個体は外へ飛んで行った

羽化に失敗したチョウを葉っぱの上に戻すと、たどたどしい歩みで脱殻に近づいく。匂いでもあるのだろうか、脱殻の上に静止した。
時々触角をゆっくり動かしなが、物言わぬチョウは、じっと僕を見つめていた。


忙しい一日の演出家。 ゴイサギ、ノコギリクワガタ、ムラサキツバメ

2013-09-27 | 僕の散歩道
明日は多摩丘陵に行くことになった。そうなると、今日は何としても散歩に出かけデータを取っておかなければならない。
このところ、ちょっと冷え込んでいるし、台風20号も通過したし…。
チョウの数は、今度こそ減っているのではないかと思ったのだ。
ただ、今日は13時から打ち合わせがある。チョウのデータは決まった時間に取っているため、終了時間は通常12時。面白いやつが出てきたり、写真撮りに手こずると、すぐに12時半くらいになってしまう。
打合せに間に合うには、12時11分発の電車に乗らなければならない。駅までは急ぎ足で10分。ちょっと厳しい。となれば、「脇目も振らず、写真も撮らず、データだけをしっかり取って帰ろう。」そう心に決めて出発した。

このところ、クロアゲハや、ナガサキアゲハと言った、黒色系アゲハが出てこなくなった。ところが、こんな日に限って、姿を現したのだ。それも、ちょっと離れたところで、しかも翅はボロボロ。ぱっと見ただけでは種類がわからなかった。仕方なく追いかける。やっとの思いで確認してみればジャコウアゲハだった。この段階で3分ロス。

仙川に出た。今日は川の中はあまり覗かないで行こうと思ったのだが、なんと、ゴイサギらしいシルエットが見える。コサギやアオサギなら無視して通過したのだが、ゴイサギはそれほど頻繁には見られない。このコースでは、年に1,2回ほど。「これは一応写真に収めておこう」と思い、そっと近づいた。カメラを構えたところへ、自転車が通りかかりベルを鳴らした。そのとたん、ゴイサギは飛んでしまったのだ。そのまま見えなくなるのならあきらめもつくが、50mほど上流に移動したのだ。仕方なくそれを追いかけ僕も移動。なんとか撮影はできたが、ここで、また3分のロス。

  ゴイサギ幼鳥 2013-09-27 世田谷(仙川)      ゴイサギ成鳥 2013-02-24 井の頭公園

調査に戻ろうとしたのだが、なんと、上流から、カルガモとは明らかに違うカモが2羽泳いできたのだ。
実は、あの翼を痛めたコガモが、8月4日を最後に見られなくなっていたのだ。ひょっとした、今泳いできているのがそのコガモかもしれないと思い。観察を続けた。
残念。泳いできた2羽は、どちらも翼に損傷はないようだ。しかも、オナガガモのようだった。またまた3分のロス。

アスファルトの道を行くと、黒っぽい虫が転がっていた。またいで通過したのだが、その時見た映像が、無意識のうちに頭の中で再現されていた。そして、「今のはクワガタ?」と問いかけてきた。
振り返り後戻りをする。再現映像は正確だった。そこにはノコギリクワガタの♀がいた。


歩道に転がっていたノコギリクワガタの♀ 2013-09-27 世田谷

拾い上げるとかすかに前脚を動かした。しかし、踏みつぶされたようで、回復の見込みはない。まさに虫の息常態。急いでいるのにしゃれが浮かんでしまう。どうなっているのだ!
このメス、きっとたくさんの卵を産んでくれたのだろうと、感謝の意を込めて、道脇の植え込みの中に葬ってやった。またまたロス3分。

ここまで10分以上時間を食ってしまったが、最後の砧公園を出たのが11時46分。ここからは4分で自宅につく。「何とか間に合った」と思った瞬間。目の前を紫色のチョウが通過した。公園と歩道を隔てる柵をすり抜け、草の上に止まったのだ。ムラサキシジミより明らかに大きい。おそらくムラサキツバメだ。しまいかけたカメラを取り出し。柵越しに撮影した。翅が傷んでいて、どちらか判別が付かない。双眼鏡でのぞこうとすると、飛び去ってしまった。どちらだったかは、後で判別すればよい。とにかく急ごう。調査終了時間を11時48分に書き換え自宅に戻った。

なんとか1時の打ち合わせには間に合った。その後もう1件の打ち合わせを終えて、自宅へ帰りついたのは21時。
一休みしたところで、データの整理と、ムラサキツバメの判別に取り掛かった。
翅がボロボロだったが、右後翅に尾状突起の破片が残っていた。それに、前翅の先端が尖らない。この2点からムラサキツバメと判別した。良かった…。やはり最後に撮影したのは、ムラサキツバメだったのだ。

  ムラサキツバメ 2013-09-27 世田谷       ムラサキシジミ 2013-07-30 世田谷

結局、今日もチョウの種類はほとんど減らず20種類も出現した。まあ、既に12時を回っているので、正確には、「昨日は…、であるが。 忙しい1日は日を跨いでやっと終了した。

どんぐりマウスの屈辱  ネイチャークラフト新作登場

2013-09-25 | ネイチャークラフト
昨日、ちょっとした思い付きで、どんぐりマウスを改良した。
一昨日紹介した、どんぐりマウス(木製クリップ付き)のクリップ部分に、マグネットを埋め込み、金属に留められるようにしたのだ。
上さんに見せると、早速冷蔵庫の扉へ…。
ネコ好きの彼女は、あろうことか、お気に入りのネコの絵葉書を留めてしまった。
 

冷蔵庫の扉に留められたネコの絵葉書。どんぐりマウスにとっては屈辱だろうな…。

ただのクリップより、この方が利用範囲が広がり、喜ばれそうだ。
マグネットは、100円ショップで買ったものを使った。僕のクラフトは、自然素材と100円ショップ。とにかく安上がりがモットーだ。

 
木製クリップの裏側にマグネットを埋め込んだ     ステンレスのコップに留めてみた

※ 今度、クラフト講座でお会いすることがあったら、「マグネット付きもできますか?」と尋ねてください。うまくいくと、この新作が作れるかもしれません。

どんぐりマウス。 目は口ほどに…性格が出る!

2013-09-23 | ネイチャークラフト
僕の工房は、自宅のダイニングテーブルの上だ。下にカッティングマットを敷き、準備を始めると、上さんが録画しておいたTVドラマを見始めた。僕はドラマを耳だけで楽しみながら、クラフトに打ち込む。

いろいろな方に差し上げてしまったため、どんぐりマウスの見本が無くなってしまったので、いくつか作っておくことにした。
どんぐりマウスは簡単で、マテバジイの胴体にオシロイバナの耳、テグスの髭、打紐の尻尾を付ける。あとは、目の穴をあけるだけだ。脚はなく代わりに木製ピンチを付けてある。


今日作ったどんぐりマウス 2013-09-23 自宅

こんな単純なクラフトだが、出来上がるネズミは、みな違う顔つきになる。目と耳の位置できつい顔になったり、おっとりしたリ。見事に性格が作り出されるのだ。まさに目は口ほどに…ものを言うのだ。


ネズミたちの性格の違い、分かってもらえます 2013-09-23 自宅

多くの方に人気のどんぐりマウス。今度一緒に作りましょう! 本日これまで。

※ 興味のある方は、作り方を5月17日【最近、ちょっと危ない…。 忘れもの のち ネイチャークラフト】のブログに掲載しておいたので、そちらを参考にしてください。また、わからないことがあれば、気軽に連絡ください。





小枝とドングリ 台風あとは宝の山

2013-09-22 | ネイチャークラフト
公園に行くと、先日の台風で折れた木の枝や、ゆり落とされたどんぐりなどが散乱していたのだが、1週間ほどの間にかなり掃除されてしまった。「しまった」と書いたのは、落ちた材を利用しようと考えている僕には、「まだ拾ってないので、もう少し待ってて…。」と言いたいからなのだ。

昨日(9月21日)、早めに提出しなければならない書類をメールで送り、午前中に2時間くらいの時間ができた。早速、近所の公園に、クラフト材料を拾いに出かける。
途中、見事な白花の彼岸花が咲いていた。ここには、毎年咲くのだが、今年2株とちょっと少ない。

 
ヒガンバナ(白花)2013-09-21 世田谷         ヒガンバナ 2005-09-29 世田谷

公園についてみると、昨日より、さらに掃除が進んでいた。しかし、僕が毎年拾うマテバジイの樹の下には、ドングリがいっぱい。
だが、一杯成りすぎたせいか、サイズはやや小さい。

 一面に広がるマテバジイのドングリ 2013-09-21 世田谷

ドングリのサイズは、その実を付ける木の素生(遺伝的特性)と日当たりや土壌の肥沃度などの環境条件で決まると考えられる。そのため、樹毎に大きさや形は変化し、同じ樹でも年により大きさは変わる。


マテバジイのドングリ 様々な形やサイズがある 2013-09-21 世田谷

この写真の左上は、僕が勝手に「カブトサイズ」と言っているもの。上段右の二つは「ネズミサイズ」、下段左は「クワガタタイプ」、右は「ちびサイズ」と呼んでいる。
カブトサイズは、その名の通り、どんぐりカブト、どんぐりクワガタ、どんぐりの鹿のボディーに使う。ネズミサイズは、どんぐりマウス、小型のどんぐりカブトなど、そしてクワガタタイプは、その細長さを利用して、クワガタのボディーに使う。

 
どんぐりカブト、どんぐりクワガタとどんぐりマウス(再録)

 
どんぐりカブトのバッチ 普通はトントン相撲用に作るが、ピンを付けてバッチにしてみたもの

話はそれるが、「こっちのどんぐりつやつやですね」などと言われることがある。クラフトに使うマテバジイは、落ちた段階では、表面にろう質の膜があり、粉をふいたように見える。しかし磨いてやると、それがワックスのように働きピカピカになるのだ。
僕は、ドングリを見つけると、ついつい拾って、ポケットの中に入れてしまうのだが、家でポケットから出してみると、磨かれて、つやつやになっていることが多い。

 
落下したマテバジイ 2013-09-21 世田谷   拾ったままのもの(左)とポケットに入れておいたもの

カブトムシを創るには、ドングリより小枝が重要だ。
脚と角の形が、カブトムシの出来栄えを決めるといってもよい。これまでの経験では、ケヤキの枝が最も使いやすい。
実は、カブトよりクワガタの方が難しい。と言うのは、2本突き出た大顎が、左右対称でないと不格好に感じてしまう。しかし材量は所詮小枝だ。2本見事に同じ形をしている材料を見つけるのには時間がかかる。
樹の枝など何時でもありそうな気がするが、そうとは限らない。都会の公園は、綺麗好きで、すぐに片付けられてしまいう。
いやいや、それ以前に、そもそも、小枝はいつでもあるものなのか? 
僕の経験では、小枝を拾うには、夏から秋の台風シーズン。もちろん台風の後が良い。それから、5,6月が意外に多いのだ。これは、冬の間、葉を落とし裸の状態でいた木々が、春になり葉を付けると、急に風の抵抗が大きくなり、枝を落としやすくなるのではないかと思うのだ。


折れた枝が集められている所 枝先をちょっといただいた 2013-09-21 世田谷

クラフトの話しを始めると、止まらなくなってしまう。続きはまた後日にさせてもらおう。
最後に、僕のコレクションの中から、東京都内で拾い集めたドングリの見本をお目に掛けよう。
全部で20種類。中には日本産ではないレッドオーク(左下)、本来の分布ではないハナガガシ(中央3段目)などもあるが、すべて、東京都内の公園などで集めたものだ。 
都内の公園には、実にたくさんのドングリの木が植えられているということだ。







    

極上の瑠璃色 カワセミの次はミヤマカラスアゲハ!

2013-09-20 | 僕の散歩道
9月の散歩が増えてきている。
8月の暑さに負けて、4日に散歩した後15日と11日間開いてしまった事があった。その間にチョウ相ががらりと変わり、12~13種程度しか見られなかったのが、一気に20種以上も見られるように変わってしまったのだ。その兆候を、まったくつかめなかった事への反省が、そろそろ出現種数が減るであろうこの時期に、僕を散歩道へ引き寄せる磁力のような力になっている。
台風が来た、気温が下がった、など、チョウが少なくなりそうな要因が出てくると、すぐに確認に出る。そんな日々が、ここ2週間ほど続いている。9月はあと2回は調べることになりそうだ。
こんな書き出しだと、「今日も変化がなかった」ネタを明かしているようなものだが…。

しかし、今日の散歩は、色鮮やかだった。
最初は、ウラナミシジミ、前回(9月17日)から見られるようになったチョウ。チャバネセセリ、ヒメアカタテハなどと一緒に、このチョウが現れると、夏も終わるなという気がしてくる。

 
ウラナミシジミ 2013-09-20 世田谷

キバナコスモスも、チョウが良く集まる花だ。そこに、同じような翅の色をした、ツマグロヒョウモンとヒメアカタテハがきていた。

 
ツマグロヒョウモン♀(左)とヒメアカタテハ 2013-09-20 世田谷

「今日は、なんだか色彩が派手だな」と思いながら先を行く。
いつものチョウのカウントコースまで来ると、「ビッ、ビッ、ビッ」と声が聞こえ、何かが飛び去る影が見えた。またカワセミがきていたのだ。その後、カワセミが飛び去ったと思われる方へ移動し、橋の上から眺めると、予想通り、途中が段になった、側壁に止まっているのが見えた。距離は20m以上あるので、撮影は諦めた。双眼鏡を合わせていると、また鳴き声が聞こえてきた。しかし、今回は、ちょっと鳴き声が違う。不思議に思っていると、カワセミの奥20mくらいの位置にキセキレイが止まっていた。鳴き声の主はこっちだったのだ。

ルリ色のカワセミと別れ、散歩を続ける。花期が終わり、花がわずかになったクサギの前で立ち止まる。ここでは、クロアゲハや、ナガサキアゲハ、ときにはカラスアゲハなどを見かける事がある。しかし、さすがに花が少ない、もう駄目だな…。と思いながら歩きはじめると、正面から、黒っぽいチョウが飛んできた。クロか、ナガサキか…。いや、ルリ色が見える、カラスだ!
そのチョウは、わずかに残ったクサギの花に近寄った。
衝撃が走った。翅の内側のルリ色が尋常ではないのだ。まるで、カワセミのルリ色を写し込んだようだ。素人が見ても、ここら辺に居てはいけない蝶なのでは、と思えるような鮮やかさを放っているのだ。なんとミヤマカラスアゲハだった。

 
ミヤマカラスアゲハ翅はボロボロだがルリ色の光沢は異次元の輝きだ 2013-09-20 世田谷

このチョウは、本来「ミヤマ=深山」の冠が付くように、ある程度山の中に行かないと見られない。僕がフィールドにしている多摩丘陵でさえ見たことがない。それが、なぜここに? おそらく先日の台風に運ばれてきたのではないかと思った。
その証拠に翅はボロボロだ。
しかし、そんなボロボロの翅でも、異次元の色彩を放っている。腐っても鯛、ならぬ、破れてもミヤマ、と言うところだろうか。
しかし、こんなボロボロの姿を人目にさらすのは、チョウに申し訳ないような気がする。そこで、他の場所で撮った、美しい姿を紹介して、勘弁してもらおう。


ミヤマカラスアゲハ 2008-07-30 北軽井沢

最後に、砧公園の彼岸花を見てきた。17日には、咲き始めだったが、今回は、見事な咲きっぷりだ。
明日は、土曜日なので、たくさんの人に見られ、カメラの収められることになるのだろう。
一応、僕も何枚か…。 カシャリ!
 
色鮮やかな散歩だった。

 
ヒガンバナ 2013-09-20 世田谷(砧公園)




嵐の後 オニヤンマの日向ぼっこ、カワセミの大あくび、そしてヒガンバナの開花

2013-09-18 | 僕の散歩道
この連休は、台風で予定が狂ってしまった人が多いことだろう。僕もその一人。だけど、僕にはひそかな期待があった。
9月17日。「これだけの風雨の中、チョウたちはどうしているのだろう。これでチョウ相ががらりと変わり、一気に秋の様相となるのだろうな…。」 こう思い、何としても早めにデータを取ろうと家を出た。

結論から言おう。何も変化していなかった。出現種数は、ここ3回22種だったのが1種減って21種に。
少なくなるどころか、花のたくさんある公園では、チョウの姿はいつもより多く感じられた。しばらく何も食べずにいたため、一気にレストランに集まってきたというところだろうか…。

しかし、光が強い。今まで通りの設定で撮った写真は、コントラストが強く、白が飛んで、色彩が失われた絵となった

  アゲハチョウ(左)とツマグロヒョウモン 光が強すぎて色彩感が無くなった絵になってしまった 
2013-09-17 世田谷

嵐の後は、いろいろ不思議な光景が見られる。

まずはオニヤンマ。
金網フェンス越しに、大きなトンボが飛んできたのが見えた。金網フェンスに近づいてホバーリングを始めた。「大きな身体じゃ、その隙間は通れないだろう」と思っていたら、金網にふっと止まったのだ。双眼鏡を当てると、それはオニヤンマだった。オニヤンマが、こんなところに止まるのを、見たことがない。まるで日向ぼっこだ。「雨にぬれて冷えたもんで…。」とでも言っているかのようだ。


ネットフェンスに止まったオニヤンマ 2013-09-17 世田谷

次はカワセミ。
チョウの個体数をカウントしている区間でのこと。カワセミは、脇を流れる小川で、時々見かけるのだが、たいがいは、こちらの姿を見ると、すぐに飛んで行ってしまうのだ。それが、僕がゆっくり歩く脇7.8mの所に、向こうから飛んで来てくれて、石の上に止まったのだ。僕は、チョウのカウントを中断して、そっとカメラを向けた。
彼女は、全く逃げない。少し近付く。まだ逃げない。さらに近付く。距離は6mほどだ。なんとカワセミは、逃げるどころか、そこで伸びを始めたのだ。! 背を伸ばすようにすると、大きな口がググッと開いた。まるで大あくびだ。


石の上で伸びをしたカワセミ まるで、あくびをしているように見える。 2013-09-17 世田谷

この個体は、このところづッと見られる若いメス個体のようだ。新参者が、とりあえず居所を見つけたというところだろうか。

最後は、ヒガンバナ。4日前には、見られなかったのだが。3ヶ所で開花している。次の連休には、見事に満開になるだろう。まさに彼岸花だ。


ヒガンバナの群生 手前の日が良くあたると頃から開花している 2013-09-17 世田谷

嵐の前後のデータが取れると、無理して出かけ、途中で2回仕事の電話に対応しながら歩いてきた。チョウは、逆の意味でよいデータが取れた、そして、嵐が掃除してくれた、キラキラの空気の中で、生き物たちが、より華やいで見えた。満足できる散歩だった。さて、昼から、仕事に戻るか!



ムラサキツバメが蛹(前蛹)になった!

2013-09-16 | 僕の散歩道
先日連れて帰ったムラサキツバメの幼虫が、昨日、今日と、相次いで蛹(前蛹)になった。
こちらの思惑通り、水槽の下に敷いておいたマテバジイの落ち葉の上で…。


  ムラサキツバメ前蛹 2013-09-16 自宅(世田谷)

これなら、野外で見つかりそうな気がするのだが、例の繁殖木の周りでは見つけられなかった。いったいどこへ行ってしまうのだろう…。
次の報告は、もちろん羽化。おそらく今月末頃かな。

某高校ネイチャークラフト! カップラーメン博物館と少女の笑顔。

2013-09-15 | ネイチャークラフト
昨日、今日と、さる高校の学園祭に、ネイチャークラフトをやりに行ってきた。
そこのおやじたちの店は面白い。焼きそばと、カップラーメンやがメインなのだ。
「親父たちは、出張などで、地方に行く事が多い。そこで、御当地のカップラーメンを買って帰り、学園祭で、食べざかりの高校生に食べさせよ」というのだ。売り場は、ちょっとしたカップラーメン博物館状態。ざっと数えると、100種類くらいはある。


カップラーメン博物館 2013-09-14 都内某高校

ところが、本日は、台風の影響を考え中止になってしまったため、在庫が180個ほど残ってしまった。かたずけに行ったおやじたちの昼食は、おやじラーメンセット200円。好きなカップラーメンとゼリーと飲み物ということになった。あるおやじの一言「一人でカップラーメンにお湯を注いでいると、惨めな気になるんですけど、こうやって、みんなで食べてると楽しいですね!」

さて、ここからが本題。
ここで僕はネイチャークラフトの担当をした。今回は、ドングリマウスとドングリの帽子のティーカップ。小学生を連れた母親というのが参加者の最も多いパターンだが、なかには現役高校生それもバトミントン部や、こんなに小さなクラフトの作業大丈夫かな(失礼)と思ってしまうお年寄りの方もいらっしゃった。


ネイチャークラフトのコーナー 2013-09-14 都内某高校

二組の母子が連れ立ってやってきた。
「クラフト、この子たちで、できますか~」
「はい、はい。お嬢ちゃんは何年生かな?」と聞くと。
「1年生です」と母親。
「そうですか、それでは、お母さんに頑張ってもらわないと難しいですね。だいじょうぶですか?」
「はい。じゃあやらせてください」
ということになったのだ。

ところが、この親が、ちょっと問題。あんまり積極的にやってくれないのだ。その時僕は、この二組の親子を含め同時に6人の参加者に対応しているので、この問題親子に関わり切にはなれない。
「ここはお母さんがやらないと、ちょっと難しいですね」と言っても、真剣にやってくれない。
そのうち、子どもの方が、うまくいかなくて、べそをかいてしまうありさま。
すると、「どうしたの、もうやらないの、やめる!」というのだ。
いろいろな参加者がいるが、これはちょっといただけない。
子供はますます泣き出してしまう。
僕は、「くそ! なんとしても完成させてやる!」という気になった。

結局、僕が手を差し伸べて、なんとか完成にこぎつけた。
笑顔で接しつつも、僕の腹の中は、怒りで煮えくり返っていた。
しかし、最期に、完成したどんぐりマウスを胸に付けてやると、子どもはにっこりと笑ってくれたのだ。
嬉しそうに笑う子供の笑顔が、落ち込みそうな僕を救ってくれた。
今、この文を書きながらも、その笑顔が甦り、目頭が熱くなってしまう。
「お母さん。この笑顔をちゃんと見てやってよ!」


 マテバジイ+人間=ムラサキツバメ  なるほど。里山方程式! 

2013-09-13 | 僕の散歩道
9月13日、いつもの散歩道を行く。
最初のうちは、薄曇りで、ちょっとチョウの出が悪いかと思ったのだが、終わってみれば22種が確認でき、ここ3回、全く同じ種数になった――構成種はそれぞれ数種ずつ変わっている。

さて、この結果は、後にまとめて報告することとして、最近気になって仕方がないマテバジイの孫生え(ヒコバエ)に立ち寄ってみる。ずっと見てきた幼虫が、そろそろ蛹になる頃のはずだ。覗きこんでみると、思った通り終令幼虫になっていて、ここ数日で蛹になりそうだ。写真を撮ろうとすると、別の孫生えで、何かがチラチラ動いた。はっとして、すぐに回り込むと…。
ついに見つけた。まさに産卵に来ていると思われるムラサキツバメだ。それも2頭いる。飛び出す瞬間に見える翅の内側(表)は、やや暗い林のもとで幼絶な紫色を湛えていた。これだけ卵があるのだから、見られないはずはないと思っていただ、ついにその姿をとらえた。残念ながら、持ち歩いているコンパクトデジタルカメラでは、この妖艶な紫色をとらえることはできなかった。

 
ムラサキツバメ アリがたかる幼虫(左)と産卵に来た成虫 2013-09-13 世田谷

ムラサキツバメは、終令幼虫になると、葉っぱなどに貼りつくように蛹になるらしい。直接観察したことはないのだが、多くは地面に降りマテバジイの落ち葉で蛹化すると聞く。

夕方、一仕事終わらせ、幼虫を採集に行ってみた。おそらく、もうほとんど餌も食べず、蛹になると思う。なんとか蛹と、羽化が見てみたい。

予定通り、終令幼虫を2頭枝ごと採集し、地面に落ちている、落ち葉も何枚か持ち帰る。帰り道で、ふと「まだ餌を食べるかもしれない」と思った。採集した枝には、もう葉っぱは付いていないかった。ふとみると、目の前に最近切られたと思われるマテバジイの切り株があり、うまい具合に萌芽が出ていた。これは好都合と、若い葉が付いた枝を一枝持ち帰った。

早速、小さな水槽に落ち葉を敷き、取ってきた枝の切り口をティッシュで包み、水を含ませてラップで覆い設置した。


ムラサキツバメ飼育セット あとは蛹になるのを待つだけ 2013-09-13 自宅(世田谷)

明日、明後日は、朝から出っぱなしだ。おそらくその間によ羽化するだろうと…。
「あっ・・・。」
大変なことになった。
餌用にと思い採ってきた枝に卵が付いているのだ。しかも3卵。まいったなと手に取ると、さらに1卵。そしてまた…。結局7卵も付いていたのだ。採ってきた以上、これらの面倒も見なければならない…。上さんに言うと「ほんとに、もう、やめてよね」

  水槽の中のムラサキシジミ幼虫(左)と新たに見つかった卵(3卵) 2013-09-13 自宅(世田谷)

上さんから逃れて、風呂に入った。そこで考える、「あんなに日当たりのよい場所の切株から出た萌芽に、こんなにたくさん産卵しているのか…。」

ひらめいた、以前仕事で房総南部の山中に行った時のことだ。そこには、マテバジイの薪炭林があった。薪炭林とは、まきや炭にするための林で、10~20年くらいで切り倒され、切株から出た萌芽で林を再生しているものだ。多摩丘陵などでは、クヌギやコナラの落葉樹だが、さすが房総、常緑のマテバジイを薪炭林にしているのかと思ったものだ。

ムラサキツバメは、関東では、房総や三浦半島の海岸側に多い。つまり、このマテバジイの薪炭林、それも萌芽再生途上の林が大発生地なのだろうと。これこそが、ムラサキツバメとマデバジイの素敵な関係なのだろう。ただし、そこには、薪炭林として利用する人間の行為が加わり、それがムラsキツバメの繁栄を左右しているということなのだろう。まさに里山だ!
おおっ。自ら納得。シャワーの水を浴びながら、心身ともにスッキリした!