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『ゴックン!』 年末の川めぐり-1 カワセミ、キセキレイ、コサギ、ヒヨドリ

2013-12-31 | 僕の散歩道
いつの間にか年末になってしまった。
僕の上さんの実家はケーキ屋を営んでいるため、クリスマスは書き入れ時だ。今年も、上さんと次女が手伝いに行っている。ひとり残った僕は、年末に山を越えた仕事の整理と、家事をちょっとだけ…。
合間を縫って、いつもの散歩道を歩くことができた。ただし、今回は、チョウではなく鳥。陸鳥は、まだあまり見られないので、とりあえず川沿いの道を中心に歩きまわることにした。
自宅を出て、国分寺崖線を下ると、谷戸川、丸子川、仙川、野川が流れる。さらに足を伸ばせば、多摩川へも行ける。
今回は、このブログでも何回か紹介したカワセミやコガモを探しに、丸子川、仙川、野川を歩いてきた。

12月29日。まずはカワセミの姿を求めて、丸子川へ。この川沿い、あるいはこれに注ぐ谷戸川で再三その姿を見たのだが、いまでもまだいるだろうか…。

まず最初に目についたのがキセキレイ。谷戸川が注ぎ込む地点の小さな砂州上でじっとしていた。セキレイ類は、ちょこまか動き回るという印象が強いが、このキセキレイはじっとしている。僕の存在を認めてもくれていないのか、わずかに、振り返っただけだ。このポイント付近は、秋にカルガモが大集結していた場所だが、今は2頭しか見られない。日向ぼっこを邪魔されたとでも言うように、キビタキがやっと動き出した。


キセキレイ 2013-12-31 丸子川(世田谷)

次に姿を現したのが、ヒヨドリだ。
川の上に張り出した、イイギリの実をついばみにやってきていた。
おあつらえ向きの枝で一粒をつまみ取ると、あっという間にゴックンと飲み込み、さっと飛び去ってしまった。型落ちの僕のカメラの連写で、ほんの6枚の間の出来事だった。

  
イイギリの実を啄ばむヒヨドリ 2013-12-31 丸子川(世田谷)

見通しの悪い地点を過ぎると、突然コサギの姿が飛び込んできた。『近い!』 川の中で餌をとている。カメラを向けて、シャッターをきると、シャッター音に警戒したのか、姿勢を低く構えた。『やはり近いよなこの距離は…』と思っていると、ふわっと舞い上がったコサギが、なんと僕に向かって飛んでくるではないか。そして、僕の頭上の電線に止まってしまった。カメラを向けたが、近過ぎて全身を入れることはできない。人間で言ったらちょうどバスとショットといったところだろうか。

 
コサギ 採餌中(左)と、僕の頭上の電線に止まったところ(右) 2013-12-31 丸子川(世田谷)

さて、カワセミである…。
これまでによく見たポイントでは、見付けることができなかった。あきらめて、先へ進むと、突然鳴き声が聞こえた。これまでの確認地点より上流側に約500mほどの地点、かなり開けた場所の、サクラの小枝に止まっていた。僕が近づこうとすると、川沿いの道を、自転車が向かってくる。飛び立つのではないかと冷や冷やしたが、カワセミは我関せずといった感じだ。


桜の枝にとまるカワセミ 2013-12-29 丸子川(世田谷)

しばらく観察できたのだが、その後仙川の方まで飛んで行ってしまった。後で確認に行くと、堤防に取り付けられたコの字型の梯子に止まっているのが見えた。
仙川も行動範囲なのかと思ったのだが、後でパソコンの画面で確認すると、これは今までに見た個体とちょっと違うように見える。同じメスではあるが、下嘴のオレンジ部分が少な。さらに、胸がやや白っぽい。
これまでの確認個体をみると…。

 
カワセミ 左2013-10-08 丸子川 右2013-11-13 谷戸川

どうだろう…。ちょっと違う個体のような気がする…。
解明するのは、かなり難しそうだ。カワセミは仙川を上流に向かって飛び去ってしまった。「追跡は無理かな…。」というわけで、カワセミは一旦諦めて、今日は野川まで足を伸ばしてみることにした。

《つづく》



 

久しぶりの散歩で見た初冬の色

2013-11-27 | 僕の散歩道
10日以上も休んでしまった。公私共に忙しく、散歩に出る機会を作ることができなかった。
今日久しぶりに、野暮用を兼ねて、散歩をしてきた。報告したいことがいろいろあったのだが、いくつかに絞って紹介しよう。

藤 初冬のアサガオ
まずは、チョウの調査で訪れる公園へ…。「いるんだな~。」陽だまりで翅を広げるチョウがいるのだ。ツマグロヒョウモン、キチョウ、そしてヤマトシジミ。「遅くまでご苦労さん」と言った感じだ。そうしている間に、モンシロチョウも現れた。
もうデータは取っていないのだが、種のチェックだけはして先へ進む。これから、昼食をとって、銀行に行かなくてはならない。
住宅街を進んでゆくと、道端のフェンスに光が透けたフジ色の花が見える。まさかと思ったのだが、そのまさかだった。なんと、まだアサガオが咲いていたのだ。11月も終わろうとしているのに…。
逆光のまま、花の裏側からカメラに収めた。


初冬のアサガオ 2013-11-27 世田谷

コンパクトカメラの小さなファインダーをのぞいていると、スクリーンのようなアサガオの花弁に、影絵のような小さな模様が映し出された。アサガオに虫が来てるのだ。スクリーンからはみ出したその姿は、アブのようだ。
回り込んでみると、どうやらナミヒラタアブかエゾコヒラタアブのようだ。後で調べてみたら、フタホシヒラタアブということになった。が、何のことはない、エゾコヒラタアブの別称で、最近は、こちらが標準和名らしい。

 花びらのスクリーンに映し出されたフタホシヒラタアブ 2013-11-27 世田谷

橙 なぜこんなところに…。
たまに使う緑道に入ってみた。僕にとっては、普通の道を行くよりは楽しい。そこにオレンジ色の効用を見つけた。しかし…。しかし、これは…。 どう見ても、ヤマハゼのようだ。今まで、ここに生えているのに気が付かなかった。この色の季節だからこそわかったというところだ。


ヤマハゼの紅葉と実 2013-11-27 世田谷

肌の弱い人はかぶれる恐れがある。これが自治体の管理する緑道にあるとは…。もともと計画して植えたとは思えない。鳥が運んだのか?

朱 砧公園で
昼食と用事を済ませ砧公園まで戻ると、落ち葉が美しい。クヌギ、ムクノキの黄色、サクラの臙脂、そして青空の下、見事な朱色のイイギリの実が鈴なりだった。

 
サクラ、ムクノキなどの落ち葉のパッチワーク(左)とクヌギの黄葉 2013-11-27 世田谷

 
イイギリの実 2013-11-27 世田谷

おまけはやっぱりドングリ
一つ忘れていた。砧公園に4本あるイチイガシのドングリが、今年は実を付けていた。
砧公園には、9種類のドングリの成る木がある。このうちの一種は、ブナなので、気候を考えると、おそらく実を成らせない。それ以外の8種類のドングリが見られるが、イチイガシは最も成る量が少ない。今年は、いくらかでも実を成らせているので、しっかり拾っておこう。

 
イチイガシのドングリ(左)と葉(奥は幹) 2013-11-27 世田谷

途中で、やけに丸いアラカシのドングリも見つけていた。これで、お土産は2種類のどんぐりということになった。
我が家では、今年拾ったドングリを出窓の前に干してあるのだが、「だんだん増えてきた!」と上さんに目を付けられ始めた。今日また2種類分増えると…。うーん、あんまり考えないようにしよう!


今年の秋に拾ったドングリなど 2013-11-27 自宅


今日のお土産 左:やけに丸い形状のアラカシ 右:イチイガシのドングリ 2013-11-27 世田谷 







チョウの散歩から鳥の散歩へ 

2013-11-15 | 僕の散歩道
木枯らし1号の力は甚大だった。
11月13日。今年のチョウの調査は、これで終わりだなと感じた。
最初のポイントの公園は、今が冬であることを造形したような景色だった。フラワーランドの名にふさわしく、確かに花は咲いている。しかし、動き回るものの姿が、全くなかった。チョウも、人も…。空の青さが、より一層の寒さを感じさせた。


花は有るのだが、冬を感じさせる公園 2013-11-13 世田谷

 モンシロチョウ(左)と、ウラナミシジミ 2013-11-13 世田谷

あちこち探し回って見つけたのがこの2匹。前回のログで、「次回調査時には、少なくとも、ウラナミシジミの姿は消えているであろう。」と書いてしまったのに、このありさま。生き物たちは、見事にこちらの思惑を裏切ってくれる。滑稽だ。まったく…。

個体数をカウントしている区間では、チョウは、ムラサキツバメが1頭だけ。光浴するアキアカネの姿が寂しさを誘った。
晩秋の日差しは低く。カウント区間の7割方は日蔭となってしまった。チョウたちが、飛び回る条件ではない。
いきなり暗い日陰の部分で何かが動き、流れの上にかぶさるカエデの下に入り込んだ。しゃがみ込んで、そっと眺めると、そこにはカワセミの姿があった。しばらく見なかったので、どこかに移動してしまったのだろうと思っていたのだが、ちゃんと、留まっていてくれたのだ。この冬は、ここをねぐらにしてもらえそうだ。手持ちのコンパクトカメラでは失礼な気がした。今度は、一眼のカメラで、その凛々しい姿を納めさせてもらおう。

 
チョウのカウント地点 左:2013-11-08 右:2013-07-30 世田谷

 
光浴するアキアカネ 2013-11-13 世田谷       カワセミ 2013-11-13 世田谷

このところカルガモが集結している、丸子川沿いの道へ出た。今日も沢山集合している。1,2,3と指さしながら数を数えたのだが、途中で指が止まった。色の違うのが居るのだ。双眼鏡で眺めると、マガモのオスが混じっていた。

 カルガモに混じるマガモ 2013-11-13 世田谷    マガモ♂ 2013-11-13 世田谷

丸子川沿いをさかのぼり、何カ所かのポイントでチョウを探したが、見られたのは、ムラサキシジミ、ヤマトシジミ、キチョウ、ツマグロヒョウモンがほんのわずか。よくルリタテハや、ウラギンシジミが現れる、熟した柿の木を眺めたが、やはり、なにも見つけられなかった。


熟した柿 鳥がつついたり、チョウが吸汁するのだが、今日はいない。2013-11-13 世田谷

ほとんどノートに記す事が無いまま、仙川に出てしまった。
いつも通り、橋の上から、中州(?)辺りを眺める。今日もいる、大きいのと小さいのが…。
近くまで行き覗き込んでみると、2羽の大きいの(カルガモ)が寄ってきた。御多分にもれず、このあたりから餌を撒く人がいるようで、人が覗き込むと、カモたちが寄ってくるのだ。寝込んでいた小さいの(コガモ)の中の3頭が気が付いて、よちよち歩いてきた。中州を離れ寄ってきた姿を見ると、きたない顔をしている。まるで、日焼けの後に皮膚が剥けるように、夏羽が抜け始めていたのだ。


換羽中のコガモ 2013-11-13 世田谷

最後の砧公園で、念のために今年にぎやかだった樹液を見に行った。さすがい、もう閉店かと思っていたのだが、細々とではあるが、まだ浸み出していた。ただしお客さんは、ちょっと変りもののベッコウバエが3頭だけ。顔を近付けると、確かに樹液の甘酸っぱいにおいが漂っていた。

 まだ浸み出ていた樹液(クヌギ:左)とベッコウバエ 2013-11-13 世田谷

今回で、チョウの調査は終了にしたい。この後は、小春日和に、ムラサキシジミや、ウラギンシジミなどの成虫越冬する蝶たちが、光浴をする姿が見られる程度だろう。

次回からは、長めのレンズを付けた一眼レフカメラを担いで、鳥の姿を探す散歩になりそうだ。


チョウの調査に思う…。 こうはちょっとシビアな話。

2013-11-09 | 僕の散歩道
確実に少なくなっていた。
昨日のチョウの話だ…。

ノゲシで吸蜜するモンシロチョウ このシーンだけなら春のよう 2013-11-08 世田谷

11月8日。予想以上に天気が良いため、急遽チョウの調査に出かけることにした。チョウの姿が、最後の、最後は、どんな風に見られなくなるのかと思たのだ。
4日前は、最初のポイントである、花が咲き乱れる公園に行った瞬間、あまりの数に驚いた。ところが、昨日は…。いないのだ。公園内に入ったが、チョウが飛ぶ姿が見られないのだ。
花壇の間を歩き回っていると、陽を遮った僕の動きに驚き、ヤマトシジミが飛びだした。その動きに触発されセセリチョウが飛び出す。まだチョウはいたのだ。ただ、その数は少なく、その動きは極端に小さい。「僕が陽を遮っても、飛び立つものが無くなった時が、本格的な冬というところかな…。」などと小さな独り言を発した。

歩きまわると、それなりの種類は見ることができた。5日は、モンシロチョウ、キチョウ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、チャバネセセリ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモンの8種だったが。この日はその中のベニシジミを除いた7種がみられた。ただし、5日は、10頭以上見られたウラナミシジミは、翅がボロボロの個体を1頭のみ。ヒメアカタテハも前回複数頭見たが1頭だけであった。
調査区間全域でも、5日の15種類から、今回の12種と減らしている。
来週は冷え込むという天気予報も出ている。次回調査時には、少なくとも、ウラナミシジミの姿は消えているであろう。こうして、いろいろな種が姿を消していくのであろう。
と言いたいところだが、蝶たちは、一筋縄では行かない。
実は、冒頭に、《予想以上に天気が良いため、急遽チョウの調査に出かけることにした。》と書いたが、実は、書かなかった事実がもう一つある。
この朝、リビングの前のタタキに、ヒメジャノメがきていたのだ。

今シーズは終了と思っていたヒメジャノメ 2013-11-08 世田谷

ジャノメチョウ類は、10月30日に1頭だけ見ることができたヒメジャノメを最後に、僕の心の中では今シーズンの終了マークが付けられていたのだ。
それが、この日現れてしまう。でもそれが生き物なのだと思う。

ここからちょっと堅い話。興味の無い方は無視してください。
調査をする人の間では、チョウのラインセンサスなどが行われている。一定ののルートを歩きながら、そこに出現する蝶をすべてカウントして集計するというものである。
きちんとした数字で出すことが客観的、科学的データだというのだ。
実は、僕は、この様な調査法に疑問を抱いている。今年続けているチョウの調査は、そんな調査法が。あまり有効ではないということを証明しようという意図もあるのだ。

たとえば、渋谷の駅前と、僕の棲む用賀の駅前と、どちらがたくさん人がいるかと言ったら、誰もが渋谷駅前だと答えるであろう。しかし、では双方何人いたかと聞かれたら、どのような答えを出せばいいのだろうか。
ハチ公前交差点を、ビルの上から写真を撮る。がんばって、それらを写真上で数える。でもこれだけでは済まない。同じ時間に、スタバに入っていた客は、従業員は…。同様に、他のお店やオフィスにいた人は…。とても、まともな数字は出せない。さらに、時々刻々と変化するのだ。人間でさ、こんな状況なのだ。人間には発見さえ難しい様々な生き物の数など、どうして数えられよう…。それでも、渋谷は、用賀より多い。そして、ぱっと見た感じ若者が多いとか、女性が多いとか、外国人が多いとか、ある程度のことは言える。さらに用賀との中間点にある三軒茶屋は、用賀よりは多いが、渋谷にはとても及ばないという程度のことは判断できる。
ならば、チョウの調査も、そのレベルでいいのではないかと思っている。ある程度の経験を積んだ調査者の経験値で対応すればよいと思うのだ。
「それは個人の主観での判断で、科学的ではない」という。
しかし、ちゃんとフィールドをやっている人なら、曇り空のもと、チョウの姿がほとんど見られなかったのに、陽が射し始めると、わずか数分で「今まで、どこに隠れていたの!」と言いたくなるほどのチョウが出現するということを知っている。その他にも、風、気温、などさまざまな条件で、今日はたくさん見られる、今日は見られないという判断もしている。つまり、見られるということと、そこに居るということには大きな差があるということを理解し、その上で判断しているのだ。だが、数字で示されたデータはちがう。いくら調査表(元データ)に「曇り」という文字があっても、集計された数字だけが、何月何日、何種何頭のチョウが確認されたというデータだけが独り歩きしてしまうのだ。僕は、このデータの方が、が調査者の主観よりも大きな間違えを含んでいると思っている。

さて、脇道の逸れ過ぎてしまった。
いずれ、今年の調査データをまとめ、今回、書き綴ったような自説を展開するつもりだ。
年に何回かのシビアなログをお許し願いたい。




カルガモの合コン? 新参者のコガモ? 集まる話

2013-11-07 | 僕の散歩道
チョウのデータを取りながらの散歩も、ついに11月を迎えた。さすがに、チョウの数は減り始め、今回(11月5日)は12種類となった。チョウのデータはあと2,3回とるつもりでいる。

さて今回は、鳥の話をしよう。
9月~10月にかけて、カワセミが居座っていた丸子川だが。小笠原出張から帰って以降その姿を見ていない。それに代わって、カワセミをよく見た辺りには、カルガモが集結していた。
集結。という言葉がふさわしいほどの数だ。

カルガモの集結(25頭が集まっていた) 2013-10-30 世田谷

10月30日には27頭、11月5日も16頭が、20~30mほどの区間に集まっているのだ。理由は分からない。すぐ上に実をびっしり付けたスダジイがあることから、その実を食べに来ているのか、あるいは、カルガモの合コンなのか…。いずれにしても、丸子川沿いのカルガモが全部集まったような状態だ。

それから仙川。10月8日に渡来した10頭のコガモの小集団を確認したが、その後もずっと10頭のままだった。ところが、11月5日には13頭になっていたのだ。これまでの観察で見落としていたのか、あるいは3頭の新参者が加わったのか? こちらもわからない。でも、わからないことが沢山あるからオモシロイ!

  コガモ 集団で休息 2013-11-05 世田谷

最後に、集まりの話しのおまけ。
鳥の話ではないが、砧公園のクヌギの樹液は、細々とではあるが、まだ出ていた。
11月5日には、さすがにチョウもスズメバチも見られなかったが、代わりにヨコズナサシガメの幼虫が10頭集まっていた。

  11月の樹液の周りに集まるヨコズナサシガメ 2013-11-05 世田谷

冬が近づくと、生き物たちは集まる傾向がある。3年前の冬。砧公園に、数百頭のアトリの群れが3集団居座った。もう一度眺めてみたいものだ。



 

ビオトープなんていらない。パンジーとセイタカアワダチソウ。

2013-10-31 | 僕の散歩道
昨日、3週間ぶりに、散歩に出た。
小笠原に2週間。帰って来てからも、天気が悪い日が続き、たまに晴れたときは、逆に仕事の都合が付かず、気が付くとこんなに間が空いてしまった。
久しぶりの散歩道は、かなり様相を変えていた。さらに気温も下がり、これではチョウもかなり姿を消しただろうと思ったのだが…。
最初のポイントにしている公園に足を踏み入れると、パンジーがずらりと植えつけられ。チョウが所せましと舞っていた。


新たな花が植え付けられた公園 2013-10-30 世田谷

 
パンジーで吸蜜するヒメアカタテハ(左)とウラナミシジミ 2013-10-30 世田谷

ここで確認できたチョウは8種で、小笠原に出かける前と変わらない。しかも個体数もほとんど変わっていない印象だ。
数を減らしているだろうと予測していたため、これにはちょっと驚いた。

次のポイントへ向かう。しばらく住宅地の中を抜け、大きな樹林地脇へさしかかる。さすがに樹林地内や林縁部では、チョウの数はぐっと減っていた。チョウの季節の終わりは、樹林地から始まるということだろう。そんな中で、木々の梢には、越冬をまじかに控えたウラギンシジミの白い姿が、かなり目立っていた。

結局、確認したチョウの種数は15種だった。小笠原へ行く前は、20種ほどだったので、落ち込みは予想したよりは小さい。ただし、この間に明らかな変化があった。それは、
 ①アゲハチョウ類がまったく見られなくなった。
 ②ヒカゲチョウ類がほとんどいなくなった。
の2点だ。

これとは反対の意味で驚いたことがある。それは、まだゴマダラチョウがいたことだ。それもルート内の2地点で確認できた。さらに言うなら、そのうちの1地点は、まだ樹液が出ていたのだ。10月の上旬ならば、間違えなく確認できる。しかし、11月間近のこの時期に見られるとは思わなかった。

もうひとつ面白いことが分かった。いたるところで、草刈りがされ、道端の雑草などが無くなっていたのだが、わずかに残ったセイタカアワダチソウが虫だらけだったことだ。


セイタカアワダチソウで吸蜜するベニシジミ 2013-10-30 世田谷

 
セイタカアワダチソウに群がる虫(ハラナガツチバチの一種、ハエの一種など)2013-10-30 世田谷

セイタカアワダチソウは、大きな河川敷、山中の荒れ地などにはよく見かけるが、都会では、そのような放置された荒れ地が少なく、あまり見られない。それが、道脇にわずか3本ほどしかないのに、たくさんの虫が集まっているのだ。
仙川沿いに、茎が3本だけ立っている所と、2m×3mほどの手入れの悪い民地の2カ所。ここで、ベニシジミ、チャバネセセリ、キマダラセセリ(この時期居ることが不思議だが)、モンシロチョウ、の4種が確認できたのだ。
この区間は、見通しは効くが、まとまった緑は無く、散歩ルート全区間の中で、最も出現種数が少ない区間のひとつだ。9,10月期の平均出現種数は、4種ほど。それが今回は、セイタカアワダチソウのおかげか、8種を記録してしまった。

チョウの季節の終わりの兆候をしっかりととらえたかったのだが、長期の出張と、次々と日本を襲う台風の影響で、調査が進まず、逃した感が拭えない。
いずれ今年の総括を出そうと思っているが、最後に、今年の感想の一部を紹介したい。

その1 年に数回しか行われないチョウのルートセンサスは、ほとんど意味をなさない。
最近は、客観的=数量化という図式がやや誤った成長を遂げ、どのようなジャンルにおいても、報告書に、もっともらしい数値データを乗せたがる傾向がある。僕は、生物のデータ、特に昆虫類のような小型の生物のデータは、現段階では、定量的な調査に向かないと考えている。今回、そのあたりも考慮して、いろいろとデータを取ってみたが、チョウの出現傾向は、あまりにも偶然的な要素が大きく、年数回程度のデータでは、あまり物が言えないと感じている。ましてや、面積当たりの数量などといったデータで、他所と比較するなどほとんど無謀だと言えるだろう。

その2 都会の生物相を豊かにするには、ビオトープはいらない。
ビオトープ作りを否定しようというのではない。都会の緑地は、人間による管理が、チョウ達に相当強いインパクトを与える。これをしっかりとコントロールするることで、生物相は飛躍的に向上すると確信した。特に、草刈りの程度やタイミングは、相当大きな影響を与える。このあたりを理解した管理ができれば、少なくとも、目にする蝶たちの種数も個体数も飛躍的に増えるであろう。ビオトープ作りに金をかけるよりも、適切な管理をすることの方が効果が大きいと判断できる。

今後、細かなデータを分析し、これらの主張を補強してみたい。意見のある方は是非ご指摘いただきたい。






チョウ、カワセミ、コガモ、そして樹液。 盛りだくさん。実はテーマなし。

2013-10-08 | 僕の散歩道
久しぶりの散歩。忙しいこともあるが、それ以上に、チョウのデータを取れる天気ではなかった。
実は、明後日~22日まで、小笠原に出張する。帰ってきてから重要な仕事があり、続けて26日~11月2日までは、木場公園でネイチャークラフトの作品展。11月3日は、町田市の野津田公園で開かれる、《丘の上の秋祭り》で、ネイチャークラフトのブースを持つことになっている。
というわけで、あまりゆっくりログを書いている時間がない。今日の散歩報告は、何のテーマもなく、目立ったものだけ紹介することにする。


ウラナミシジミ 2013-10-08 世田谷

とにかく目立った。日の当る花壇では、最も多かったかも。やはり、ここら辺では秋のチョウの指標的な存在だ。

 
アカボシゴマダラの産卵 2013-10-08 世田谷

いつも通っている道なのに、そこにエノキがあることを知らなかった。ネットフェンス越しに、このチョウが産卵しているのを見て初めて知った。

 
強い光を浴びたカワセミ 2013-10-08 世田谷

いつものカワセミだが、今日は光が強く、やけに輝いていた。逆に影になった部分は、全く光らない。フォルムが変わってしまったようだ。

 
風のいたずら ムラサキツバメ 2013-10-08 世田谷

ササの葉にとまったところを撮影した。ちょっと暗かったため、ストロボをたいて撮ったのだが、2枚目のシャッターを切った瞬間強い風が…。「振れた!」と思ったのだが、さすがストロボ、後で見てみると…。「どきっ」。振れていない。それどころか、チョウの翅が少しまくれ上がり、内側の光沢が見事に映し出されていた。


 
コガモの群れがやってきた 2013-10-08 世田谷 仙川

遠くからカモの群れが見えた。小さい。カルガモとは明らかに違う。ドキドキしながら近づいてみると、予想通りコガモだった。
今年の春から夏まで、翼を傷めて、一緒に北へ向かえなかった、「ひとりぼっちのコガモ」を消化したが、実は、8月4日を最後に姿を見ていない。戻ってきて、すぐに様子を見に来たのだろうか…。ひとりぼっちのコガモが、あと2カ月そのまま居続けてくれてたら…。と、考えてしまう。この10羽が、傷ついた仲間を置いて北へ向かった群れだとは言わないが、ついついそんな想像をしてしまう。


樹液に集まるオオスズメバチとルリタテハ 2013-10-08

最後は、この夏見続けてきた樹液。まだ出続けている。塞がりそうになるのを、オオスズメバチ達が咬み続け、樹液を無理やり絞り出しているかのようだ。あと何日もつのか。小笠原から帰っても、まだ出ているなんてことはないだろうけど…。

さて、次のログは、小笠原からになりそうだ!



 

懺悔  昨日私はムラサキツバメの尊い命を奪ってしまいました

2013-09-29 | 僕の散歩道
昨日、僕は、ムラサキツバメの尊い命を奪うことになってしまった。

昨日は、久しぶりに、多摩丘陵へ行くことを決めていた。一応、朝、ムラサキツバメの蛹の状態を確認してみると。
「やばい、これは今日、羽化してしまうかもしれない」と思ったのだ。そこで、羽化した時にチョウが掴み安いように、飼育している水槽の中に、タオル地のハンカチを垂らしておいたのだ。「何とか、今日の夜以降、できれば明日羽化してくれれば、その瞬間を見ることができるんだけどね…。」というと、上さんは、「それなら、その水槽首にぶら下げて歩いたら、途中で出てきたら、その場で写真も撮れるし、その後すぐ逃がしてあげられるじゃない」
「それはさすがに…。」
と言うわけで多摩丘陵へ出かけたのだ。

16:30 帰宅した。すぐに水槽を覗き込むと…。まさに今羽化している最中! 荷物を放り投げ、水槽を明るい場所へ移動させた。カメラを引っ張り出し、再び覗くと、羽化最中だと思った個体は、翅の先端側を蛹の中に入れたまま、うまく抜け出せず、ひっくり返ったカメの仔状態で脚を動かしていた。「これはまずい」と思った僕は、水槽の蓋を開けた。この時、チョウが、パッと飛びだし、窓に向かって飛んで行った。気が付かなかったが、もう一頭はうまく羽化していたようだ。カメの仔状態の蛹が付いた葉っぱを取り出し、足先をハンカチに当ててやると、なんとか翅を抜き取り、這いだしてきた。

 
ムラサキツバメ 掴まれるようにハンカチを当てる(左)翅を抜き這い出てはきたが…。 2013-09-28

残念ながら、この状態で、相当時間が経っていたようだ。翅は、丸まったまま固まり、伸ばすことはできないようだ。
このチョウは、死刑宣告を受けたようなものだ。どうやってもチョウとして、空を飛ぶことはできない。
「僕が、今日一日羽化を見守っていたなら、早く異常に気付き、掴まれるように動かしてやれたのではないだろうか」そう思うと、気分が暗くなる。

気を取り直して、もう一頭のチョウを見た。こちらは美しく翅を伸ばしていた。
翅の表側が見たいのだが、翅を開いてはくれない。
「室温も低いし、強い光が当たると、体温を上げるために、翅を広げる行動を取るのでは…。」と考え、明かりを当ててみることにした。すぐ手元にあったのは、LEDライトだったが、LEDはほとんど熱を出さないから無理かと思ったのだが、とりあえず当ててみた。
ほんの数秒。ムラサキツバメはパット翅を開いた。

  翅を閉じて窓にとまる(左)実験的にLEDライトを当ててみた 2013-09-28 自宅(世田谷)


翅を開いたムラサキツバメ LEDライトを照射 2013-09-28 自宅(世田谷)

LEDライトのせいで、異常に青く輝いた。本来なら、翅の中央部は青いのだが、周辺部は黒く見えるはずだ。だが、その黒い部分にも青い鱗粉が存在していて、光の反射次第で、この様に青く見えるのだろう。

一頭のチョウを犠牲にして、なおかつ羽化の瞬間を見ることができなかった。
ここに、我が家に連れてきてからの姿を記すのは、僕の義務だろう。

2013-09-13
 
野外で採集                 水槽の中で飼育開始 

2013-09-16  
  2頭とも前蛹になる。

2013-09-23
  前々日(9月21日)完全な蛹になった。

2013-09-27
  蛹の色が変わり始めた。羽化は近い。

2013-09-28
  8:13 羽化直前                     16:50 すでに羽化していた


窓を開けると、元気な個体は外へ飛んで行った

羽化に失敗したチョウを葉っぱの上に戻すと、たどたどしい歩みで脱殻に近づいく。匂いでもあるのだろうか、脱殻の上に静止した。
時々触角をゆっくり動かしなが、物言わぬチョウは、じっと僕を見つめていた。


忙しい一日の演出家。 ゴイサギ、ノコギリクワガタ、ムラサキツバメ

2013-09-27 | 僕の散歩道
明日は多摩丘陵に行くことになった。そうなると、今日は何としても散歩に出かけデータを取っておかなければならない。
このところ、ちょっと冷え込んでいるし、台風20号も通過したし…。
チョウの数は、今度こそ減っているのではないかと思ったのだ。
ただ、今日は13時から打ち合わせがある。チョウのデータは決まった時間に取っているため、終了時間は通常12時。面白いやつが出てきたり、写真撮りに手こずると、すぐに12時半くらいになってしまう。
打合せに間に合うには、12時11分発の電車に乗らなければならない。駅までは急ぎ足で10分。ちょっと厳しい。となれば、「脇目も振らず、写真も撮らず、データだけをしっかり取って帰ろう。」そう心に決めて出発した。

このところ、クロアゲハや、ナガサキアゲハと言った、黒色系アゲハが出てこなくなった。ところが、こんな日に限って、姿を現したのだ。それも、ちょっと離れたところで、しかも翅はボロボロ。ぱっと見ただけでは種類がわからなかった。仕方なく追いかける。やっとの思いで確認してみればジャコウアゲハだった。この段階で3分ロス。

仙川に出た。今日は川の中はあまり覗かないで行こうと思ったのだが、なんと、ゴイサギらしいシルエットが見える。コサギやアオサギなら無視して通過したのだが、ゴイサギはそれほど頻繁には見られない。このコースでは、年に1,2回ほど。「これは一応写真に収めておこう」と思い、そっと近づいた。カメラを構えたところへ、自転車が通りかかりベルを鳴らした。そのとたん、ゴイサギは飛んでしまったのだ。そのまま見えなくなるのならあきらめもつくが、50mほど上流に移動したのだ。仕方なくそれを追いかけ僕も移動。なんとか撮影はできたが、ここで、また3分のロス。

  ゴイサギ幼鳥 2013-09-27 世田谷(仙川)      ゴイサギ成鳥 2013-02-24 井の頭公園

調査に戻ろうとしたのだが、なんと、上流から、カルガモとは明らかに違うカモが2羽泳いできたのだ。
実は、あの翼を痛めたコガモが、8月4日を最後に見られなくなっていたのだ。ひょっとした、今泳いできているのがそのコガモかもしれないと思い。観察を続けた。
残念。泳いできた2羽は、どちらも翼に損傷はないようだ。しかも、オナガガモのようだった。またまた3分のロス。

アスファルトの道を行くと、黒っぽい虫が転がっていた。またいで通過したのだが、その時見た映像が、無意識のうちに頭の中で再現されていた。そして、「今のはクワガタ?」と問いかけてきた。
振り返り後戻りをする。再現映像は正確だった。そこにはノコギリクワガタの♀がいた。


歩道に転がっていたノコギリクワガタの♀ 2013-09-27 世田谷

拾い上げるとかすかに前脚を動かした。しかし、踏みつぶされたようで、回復の見込みはない。まさに虫の息常態。急いでいるのにしゃれが浮かんでしまう。どうなっているのだ!
このメス、きっとたくさんの卵を産んでくれたのだろうと、感謝の意を込めて、道脇の植え込みの中に葬ってやった。またまたロス3分。

ここまで10分以上時間を食ってしまったが、最後の砧公園を出たのが11時46分。ここからは4分で自宅につく。「何とか間に合った」と思った瞬間。目の前を紫色のチョウが通過した。公園と歩道を隔てる柵をすり抜け、草の上に止まったのだ。ムラサキシジミより明らかに大きい。おそらくムラサキツバメだ。しまいかけたカメラを取り出し。柵越しに撮影した。翅が傷んでいて、どちらか判別が付かない。双眼鏡でのぞこうとすると、飛び去ってしまった。どちらだったかは、後で判別すればよい。とにかく急ごう。調査終了時間を11時48分に書き換え自宅に戻った。

なんとか1時の打ち合わせには間に合った。その後もう1件の打ち合わせを終えて、自宅へ帰りついたのは21時。
一休みしたところで、データの整理と、ムラサキツバメの判別に取り掛かった。
翅がボロボロだったが、右後翅に尾状突起の破片が残っていた。それに、前翅の先端が尖らない。この2点からムラサキツバメと判別した。良かった…。やはり最後に撮影したのは、ムラサキツバメだったのだ。

  ムラサキツバメ 2013-09-27 世田谷       ムラサキシジミ 2013-07-30 世田谷

結局、今日もチョウの種類はほとんど減らず20種類も出現した。まあ、既に12時を回っているので、正確には、「昨日は…、であるが。 忙しい1日は日を跨いでやっと終了した。

極上の瑠璃色 カワセミの次はミヤマカラスアゲハ!

2013-09-20 | 僕の散歩道
9月の散歩が増えてきている。
8月の暑さに負けて、4日に散歩した後15日と11日間開いてしまった事があった。その間にチョウ相ががらりと変わり、12~13種程度しか見られなかったのが、一気に20種以上も見られるように変わってしまったのだ。その兆候を、まったくつかめなかった事への反省が、そろそろ出現種数が減るであろうこの時期に、僕を散歩道へ引き寄せる磁力のような力になっている。
台風が来た、気温が下がった、など、チョウが少なくなりそうな要因が出てくると、すぐに確認に出る。そんな日々が、ここ2週間ほど続いている。9月はあと2回は調べることになりそうだ。
こんな書き出しだと、「今日も変化がなかった」ネタを明かしているようなものだが…。

しかし、今日の散歩は、色鮮やかだった。
最初は、ウラナミシジミ、前回(9月17日)から見られるようになったチョウ。チャバネセセリ、ヒメアカタテハなどと一緒に、このチョウが現れると、夏も終わるなという気がしてくる。

 
ウラナミシジミ 2013-09-20 世田谷

キバナコスモスも、チョウが良く集まる花だ。そこに、同じような翅の色をした、ツマグロヒョウモンとヒメアカタテハがきていた。

 
ツマグロヒョウモン♀(左)とヒメアカタテハ 2013-09-20 世田谷

「今日は、なんだか色彩が派手だな」と思いながら先を行く。
いつものチョウのカウントコースまで来ると、「ビッ、ビッ、ビッ」と声が聞こえ、何かが飛び去る影が見えた。またカワセミがきていたのだ。その後、カワセミが飛び去ったと思われる方へ移動し、橋の上から眺めると、予想通り、途中が段になった、側壁に止まっているのが見えた。距離は20m以上あるので、撮影は諦めた。双眼鏡を合わせていると、また鳴き声が聞こえてきた。しかし、今回は、ちょっと鳴き声が違う。不思議に思っていると、カワセミの奥20mくらいの位置にキセキレイが止まっていた。鳴き声の主はこっちだったのだ。

ルリ色のカワセミと別れ、散歩を続ける。花期が終わり、花がわずかになったクサギの前で立ち止まる。ここでは、クロアゲハや、ナガサキアゲハ、ときにはカラスアゲハなどを見かける事がある。しかし、さすがに花が少ない、もう駄目だな…。と思いながら歩きはじめると、正面から、黒っぽいチョウが飛んできた。クロか、ナガサキか…。いや、ルリ色が見える、カラスだ!
そのチョウは、わずかに残ったクサギの花に近寄った。
衝撃が走った。翅の内側のルリ色が尋常ではないのだ。まるで、カワセミのルリ色を写し込んだようだ。素人が見ても、ここら辺に居てはいけない蝶なのでは、と思えるような鮮やかさを放っているのだ。なんとミヤマカラスアゲハだった。

 
ミヤマカラスアゲハ翅はボロボロだがルリ色の光沢は異次元の輝きだ 2013-09-20 世田谷

このチョウは、本来「ミヤマ=深山」の冠が付くように、ある程度山の中に行かないと見られない。僕がフィールドにしている多摩丘陵でさえ見たことがない。それが、なぜここに? おそらく先日の台風に運ばれてきたのではないかと思った。
その証拠に翅はボロボロだ。
しかし、そんなボロボロの翅でも、異次元の色彩を放っている。腐っても鯛、ならぬ、破れてもミヤマ、と言うところだろうか。
しかし、こんなボロボロの姿を人目にさらすのは、チョウに申し訳ないような気がする。そこで、他の場所で撮った、美しい姿を紹介して、勘弁してもらおう。


ミヤマカラスアゲハ 2008-07-30 北軽井沢

最後に、砧公園の彼岸花を見てきた。17日には、咲き始めだったが、今回は、見事な咲きっぷりだ。
明日は、土曜日なので、たくさんの人に見られ、カメラの収められることになるのだろう。
一応、僕も何枚か…。 カシャリ!
 
色鮮やかな散歩だった。

 
ヒガンバナ 2013-09-20 世田谷(砧公園)