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チョウの調査に思う…。 こうはちょっとシビアな話。

2013-11-09 | 僕の散歩道
確実に少なくなっていた。
昨日のチョウの話だ…。

ノゲシで吸蜜するモンシロチョウ このシーンだけなら春のよう 2013-11-08 世田谷

11月8日。予想以上に天気が良いため、急遽チョウの調査に出かけることにした。チョウの姿が、最後の、最後は、どんな風に見られなくなるのかと思たのだ。
4日前は、最初のポイントである、花が咲き乱れる公園に行った瞬間、あまりの数に驚いた。ところが、昨日は…。いないのだ。公園内に入ったが、チョウが飛ぶ姿が見られないのだ。
花壇の間を歩き回っていると、陽を遮った僕の動きに驚き、ヤマトシジミが飛びだした。その動きに触発されセセリチョウが飛び出す。まだチョウはいたのだ。ただ、その数は少なく、その動きは極端に小さい。「僕が陽を遮っても、飛び立つものが無くなった時が、本格的な冬というところかな…。」などと小さな独り言を発した。

歩きまわると、それなりの種類は見ることができた。5日は、モンシロチョウ、キチョウ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、ベニシジミ、チャバネセセリ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモンの8種だったが。この日はその中のベニシジミを除いた7種がみられた。ただし、5日は、10頭以上見られたウラナミシジミは、翅がボロボロの個体を1頭のみ。ヒメアカタテハも前回複数頭見たが1頭だけであった。
調査区間全域でも、5日の15種類から、今回の12種と減らしている。
来週は冷え込むという天気予報も出ている。次回調査時には、少なくとも、ウラナミシジミの姿は消えているであろう。こうして、いろいろな種が姿を消していくのであろう。
と言いたいところだが、蝶たちは、一筋縄では行かない。
実は、冒頭に、《予想以上に天気が良いため、急遽チョウの調査に出かけることにした。》と書いたが、実は、書かなかった事実がもう一つある。
この朝、リビングの前のタタキに、ヒメジャノメがきていたのだ。

今シーズは終了と思っていたヒメジャノメ 2013-11-08 世田谷

ジャノメチョウ類は、10月30日に1頭だけ見ることができたヒメジャノメを最後に、僕の心の中では今シーズンの終了マークが付けられていたのだ。
それが、この日現れてしまう。でもそれが生き物なのだと思う。

ここからちょっと堅い話。興味の無い方は無視してください。
調査をする人の間では、チョウのラインセンサスなどが行われている。一定ののルートを歩きながら、そこに出現する蝶をすべてカウントして集計するというものである。
きちんとした数字で出すことが客観的、科学的データだというのだ。
実は、僕は、この様な調査法に疑問を抱いている。今年続けているチョウの調査は、そんな調査法が。あまり有効ではないということを証明しようという意図もあるのだ。

たとえば、渋谷の駅前と、僕の棲む用賀の駅前と、どちらがたくさん人がいるかと言ったら、誰もが渋谷駅前だと答えるであろう。しかし、では双方何人いたかと聞かれたら、どのような答えを出せばいいのだろうか。
ハチ公前交差点を、ビルの上から写真を撮る。がんばって、それらを写真上で数える。でもこれだけでは済まない。同じ時間に、スタバに入っていた客は、従業員は…。同様に、他のお店やオフィスにいた人は…。とても、まともな数字は出せない。さらに、時々刻々と変化するのだ。人間でさ、こんな状況なのだ。人間には発見さえ難しい様々な生き物の数など、どうして数えられよう…。それでも、渋谷は、用賀より多い。そして、ぱっと見た感じ若者が多いとか、女性が多いとか、外国人が多いとか、ある程度のことは言える。さらに用賀との中間点にある三軒茶屋は、用賀よりは多いが、渋谷にはとても及ばないという程度のことは判断できる。
ならば、チョウの調査も、そのレベルでいいのではないかと思っている。ある程度の経験を積んだ調査者の経験値で対応すればよいと思うのだ。
「それは個人の主観での判断で、科学的ではない」という。
しかし、ちゃんとフィールドをやっている人なら、曇り空のもと、チョウの姿がほとんど見られなかったのに、陽が射し始めると、わずか数分で「今まで、どこに隠れていたの!」と言いたくなるほどのチョウが出現するということを知っている。その他にも、風、気温、などさまざまな条件で、今日はたくさん見られる、今日は見られないという判断もしている。つまり、見られるということと、そこに居るということには大きな差があるということを理解し、その上で判断しているのだ。だが、数字で示されたデータはちがう。いくら調査表(元データ)に「曇り」という文字があっても、集計された数字だけが、何月何日、何種何頭のチョウが確認されたというデータだけが独り歩きしてしまうのだ。僕は、このデータの方が、が調査者の主観よりも大きな間違えを含んでいると思っている。

さて、脇道の逸れ過ぎてしまった。
いずれ、今年の調査データをまとめ、今回、書き綴ったような自説を展開するつもりだ。
年に何回かのシビアなログをお許し願いたい。





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