教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

これからの合意形成ワークショップ報告(3/3)

2014-01-02 | マインド、メソッド、ツールなど
これからの合意形成ワークショップ
全般的な感想や意見です。


まず、なぜ今、合意形成にフォーカスするかということですが、インターネットやスマホ・タブレット端末の発達などで、個人の学びやできることの幅はだいぶ広がってきたわけです。
それは、学びにしろ、仕事にしろ同様です。

しかし、組織(家庭から国家まで)において、何かアクションするためには、何らかの意思決定をする必要があり、人と人との間で合意形成というプロセスを経なくてはなりません。しかし、ここにあまり研究の目が向けられたことはなかったように思うのです。

また、この合意形成がうまくいくかどうかで、不要な争いが発生したり、無駄な労力やお金が使われたりするわけで、とてもこのことが人々や組織の運命を握っているともいえるわけです。

単純に多数決できめればいいという問題ではないはずなのに、ついつい大勢の人がいうことなら正しいのではないか? それでいいのではないかと思考停止になっているのかもしれません。

例えば、全会一致で賛成という現象が現れたとしても、個人の心情では、「本当は賛成したくないんだけど、その後の自分の立場を考えるとなぁ。」ということもあるでしょうし、心の中では賛成6割反対4割としての賛成かもろ手を挙げて賛成10割による賛成かにも、機械的に決を採るだけではわかりません。

合意形成に当たっての気づきとして大切なこととは、

1)対話の機会を多く持ち、ひとりひとりの気持ちやニーズに丁寧に向き合うこと。また、対話におけるルールを確認してからはじめること。

2)意思決定のプロセスを明示すること、決定に必要な信頼できる事実をみんなで共有すること

3)ある決定において、反対意見や反対の立ち位置を取る人へのフォローをきちんとすること。しかもそれは決定後ではなく、決定前にある程度条件提示しながら、それを結論として盛り込めるようにすること。

4)意思決定段階に至っても大きく5対5に分かれそうなときは、長期的未来の影響を視野にいれた決定をすること

トータル6時間に及ぶ対話をしてきたのですが、メンバーにあまり疲れはみられませんでした。
それも不思議です。

実際の政治などの意思決定システムなど実践に応用していくには、また別の対話の機会が必要だと思っていますが、今回出てきた結論をうまく活かしながら、進めていく展望が見えてきていますので、引き続き、2014年、合意形成ワークショップを続けていきたいと思います。


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