教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

シナリオプラニングという考え方

2010-01-31 | 番組、記事、書籍コメント
書籍「シンクロニシティ」の著者ジョセフ・ジャウォースキーは、ロンドンのロイヤル・ダッチ・シェルグループの経営戦略グループで、シナリオプラニングのチーフを務めた人物ですが、このシナリオプラニングについてのお話です。

グローバル化が進み、世界のすみずみまでが経済的に複雑な網がかかったような社会では、世界のある地域の社会変化が全く別の地域の経済に波及する(良くも悪くも)ことがありえます。世界的規模で事業展開している会社のリーダーたちは、将来を見通し担当地域の実情にあった臨機応変なシナリオを想定しなくてはなりません。しかし、世界はつながり相互依存していますから自国の状況だけを知っていても力不足です。そこで、グローバルに見た将来のシナリオを誰かが想定せねばならないだろうという考え方です。そこにシナリオプラニングが登場します。

これには膨大なデータの解析などが必要なので、そうしたリサーチ能力・分析能力をもつ集団でないと不可能な作業ですね。資金や人材なども必要です。

では、学校教育にこうしたシナリオプラニング的な考えは応用できないでしょうか?例えば自分の進路を決めるとか、まちづくりを考えてみるといった場合に、少し将来の限定した地域のシナリオをA案、B案つくってみる。高齢化が進む日本において、どのような問題が将来でてくるのか、どのような社会的な要請や産業が生まれてくるのか・・・ こうしたことを学習させることで、問題発見・解決能力を深めていくことができるかもしれません。シナリオがあっていたかどうかではなく、シナリオを作成するというプロセス自体が学習になると考えられます。

「何を題材に、何年後のどんなシナリオをつくるか。」そのためには、社会のことももっと良く知らなくてはならないという意識も生徒の中で生まれると思うわけです。
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