教育のとびら

教育の未来を提言 since 2007
presented by 福島 毅

オープンな方法 10の提言

2010-01-22 | 番組、記事、書籍コメント
アダム・カヘン「手ごわい問題は対話で解決する」では、最後に、10の提言を行っています。

p200**** ここから引用
1 あなたの状態や、あなたがどう話し、どう聴いているのかに注意を向ける。自分独自の前提、反応、習癖、先入観、そして想定していることに気づく。
2 率直に話す。あなたの考えていること、感じていること、望んでいることに気づき、それを言う。
3 あなたは真実について何も知らないということを覚えておく。現状について理解していると確信を持っているときでも「私の意見では」という一言を付け足す。自分をあまり確信しないこと。
4 そのシステムの関係者たちとかかわり合い、話を聴く。あなたとは異なり、ときには反対の意見を持つ人を探す。心地よいと感じる状態を超えて自分の幅を広げる。
5 システムの中であなたが果たしている役割を振り返る。あなたがしていること、あるいはしていないことが、現在の状態にどう影響しているかを検討する。
6 共感をもって聴く。他者の目線で、システムを見る。相手の身になって考えて見る。
7 自分の話していることや他者が話していることを聴くだけでなく、全体で何が話されているかに耳を傾ける。一人一人の意見ではなくシステム全体で何が浮かび上がってきているのかを聴く。心の底から聴くこと。心で話すこと。
8 話すのをやめる。質問の横でキャンプする(質問から一歩下がる)ことで、答えが現れるのを待つ。
9 リラックスし、完全にありのままを受け入れる。思考と心と意志をオープンにする。心が動かされ、変わることができるよう、自分自身をオープンにする。
10 これらの提言を試し、何が起こるかに気づく。他の人々との関係や、あなた自身との関係、そして世界との関係において何が変わるかを感じ取る。そしてそれをやり続ける。
**********ここまで引用

1について
自分独自の前提、反応、習癖などを客観的に気づいていくことは本当に難しいですね。こうしたことは他者との対話なしには深まらないことだと思いました。

2について
率直に話すことの難しさ。多様な考え方を持つ個人が集まった集団。誰かの考えに同調することは、敵をつくることにもなるような予感。しかし、一時的にまわりは傷ついても、自分の意志ではっきり話すことが重要だということなのでしょう。

3について
少し知識がついてくると、知ったかぶりをしてしまいますね。これをどう抑えるか。

4について
時に反対な人の意見を聴くことは心地よいものではありません。しかし、そのことが大きな成長をもたらすということですね。これも知っていても、なかなか実行できずらいところです。

5について
システムの中にいてしまうと、ついつい自分がしていることに無頓着になってしまいます。地球環境にいる我々人間たちのふるまいのようですね。

7について
これは新しい視点だと思います。自分や相手がどう考えるかを考える。でもその他に、集まっているメンバー全体がつくっている”場”にも注視し、何がおきつつあるのか、何が生まれつつあるのかにメンバー自身も敏感であることが要求されています。

8について
キャンプするとは、「意見をつるす」「意見を保留する」という言い方もされているようです。ひとたび意見を主張しだすと次々と自分の考えをつらつら述べてしまいがちですが、そうした意見や考えも、一旦保留して、おきていることを横から見るといろいろな洞察も生まれてくるということでしょう。

9について
リラックスし、頭も心も空にすることで、リフレッシュされる。発想も豊富に浮かぶと。

なかなかどの項目も手ごわいそうです。しかし、単なる理論ではなくて、アダム・カヘンが実際にアパルトヘイトなどの困難な民族問題を解決していったことから、実行力ある提言として、たまにふりかえってみたいと思います。 というか・・・コピーして目の前にはっておきますか!(笑)

アダム・カヘンの一連のシリーズはここで一旦おわります。
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