耳順庵日記

60歳を超えて、生き馬の目を抜く首都圏の生活にカムバックした。
浦安太郎が見た、都会の意外な側面を綴ってみたい。

放射性セシウム

2011年07月24日 12時56分05秒 | 都会の風景
 野菜や牛肉などが、原発起源の放射性セシウムで汚染されていると言う。

 放射性セシウムは、何が怖いのだろうか。

 セシウムそのものは、融点28℃のアルカリ金属で、原子時計に使われる
こと以外には日常生活で目にするものではない。放射性セシウムは、原発
事故や核爆発の結果として人工的に生成されるだけである。化学的には他
のアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム)に似ている。セシウムの
化合物の多くは水溶性である。

 放射性セシウム(Cs-137)は、β線を出して半減期30年でBa-137mに変化
するが、このBa-137mは強いγ線を出して半減期3分で崩壊する。この放射
線(β線、γ線)が生体細胞の遺伝子を破壊して、ガンを発症したり細胞分
裂を阻害するのだ。畠の土の中や人体の内部では、他のアルカリ金属
(リチウム、ナトリウム、カリウム)と同じように振る舞う。放射能の半減期
は長いが、ナトリウムやカリウムと同様、すぐ体外に排泄されるので、
人体に対する影響の半減期は短い。

 最近はあまりニュースに出てこなくなったが、放射性ヨウ素は大気中に
大量に放出されるので、原発事故では最も注目される放射性核種である。

 放射性ヨウ素(I-131)は、β線を出して半減期8日でXe-131に変化する。
γ線も出るがわずかである。
ヨウ素そのものは海藻に多く含まれ、消毒剤などで身の回りでも良く目に
する。昇華性があるので大気中に飛散しやすい。

 ヨウ素は体内で甲状腺ホルモンを合成するのに必要で、人にとって必須
元素である。血液中から甲状腺に集まり蓄積されるので放射線(β線)の
影響が大きいが、半減期は短い。

 いずれにしても放射線による放射能は遺伝子を破壊するので、若い人達
には影響が深刻だが、放っておいても余命幾ばくもない老人にとっては、
それほど気にすることでもない。

 この際、風評被害で安くなった野菜や牛肉を、享受しようではないか。

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