中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

アンナプルナ・ダウラギリ展望紀行(11)タダバニへ(1)

2008年01月30日 12時12分48秒 | ネパール:アンナプルナ展望
                   ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
                アンナプルナ・ダウラギリ展望紀行(11)
                           タダバニへ(1)
                     2001年3月27日(火)
                   ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
               ←これまで公開したアンナプルナ紀行(1)~(10)
                 の記事をご覧になる場合は左の『CATEGORY』欄から
                 『アンナプルナ紀行』を選んでクリックして下さい。


<シャクナゲの群生地を行く>

■ガンドルンの朝

 何となく寝付きが悪くて,真夜中に目が覚める。その後は,ウトウトしたようなしないような状態で朝を迎える。5時に目が覚める。何となく寒いので,シュラフの中でグズグズと過ごす。その内に,隣で寝ている仙人も目を覚ます。
 現地スタッフがお湯を配り始める。熱いお湯で顔を洗うと,何となくスッキリした気分になる。
  6時頃,テントの外に出る。朝靄が立ち込めているが,今日も天気が良さそうである。外に出た序でに,テント場の周辺を散策する。北の方に真っ白な雪に覆われたアンナプルナが,靄の中から浮き上がるように見えている。やっぱりヒマラヤの山は違うなと感心させられるほど圧巻である。

                       <テント場の上からの眺望>
       ※ヒランチュリ南峰(6,441m),ガングブルナ(約7,000m),アンナプルナ3峰(7,450m),
           マチャプチュリ(6943m)の峰々が連なっている。

 6時56分より朝食である。テント場の広場の一角にテーブルを置き,そこで朝食である。周辺の景色を眺めながら,露天で朝食とは,なかなか風流である。朝食はお粥に梅干し,それにチーズ入りオムレツとチャバティク(スポンジケーキのようなもの)である。チャバティクには蜂蜜が掛けてある。
 朝食後,出発までまだ少し時間があるので,私はテント場周辺のスケッチを楽しむ。

         <朝食>                     <朝食を食べた広場>

■いよいよトレッキング開始
 8時丁度にガンドルン(標高1,951m)のテント場を出発する。今日は,これから樹林帯を登ってタダバニ峠(2,890m)へ向かう予定である。約4時間の行程である。
 まずは,ガンドルンの集落を抜ける坂道を登る。暫く進むと一旦集落が途絶えるが,暫く進むと,また次の集落に入る。こんなことを繰り返しながら,8時18分,集落の一角で衣服調整のために小休止する。
 小休止後,ふたたびなだらかな登り坂を進む。進行方向右手には,白く輝く大きな山脈が見えている。先頭を行く現地ガイドに山の名前を聞くと,
 「ユムチャン・・」
と言っているように聞こえるが,日本語とは異なる発音なので,上手く聞き取れない。 8時36分,私達はシャクナゲが群生する林の中に入り込む。
 8時40分,”Lonely Planet Guest House Restaurant”という素晴らしい名前のレストランで小休止する。たまたま居合わせたカナダ人1人,アメリカ人2人のトレッカーと,片言の英語で雑談する。彼らはネパールに20日間滞在して,彼方此方をトレッキングしているとのことである。

               <シャクナゲに囲まれた広場で小休止>

■見晴らしの良い広場で休憩
 8時48分に「素晴らしい名前」のレストランを出発する。私達は鉄平石を敷き詰めた田舎道を,ノンビリとしたペースで歩き続ける。そして,9時09分,ガンドルンの外れにある小さな広場で休憩する。
 広場の周辺には,シャクナゲの大木が群生している。正確な方角は分からないが,多分,北を眺めると,アンナプルナ3峰(7,241m),ヒランチュリ(6,441m)などの高山が,白い城壁のように見えている。何という素晴らしさ,神々しさなのだろう。私はこの美しい山の姿に感動して,すぐさまノートに,スケッチをして,脳裏に深く仕舞い込もうと思う。

            <広場からアンナプルナ3峰を望む>

<タダバニがもう近い>

■沢沿いの広場で休憩

 9時15分に広場を出発する。辺りにはシャクナゲの大木が沢山自生している。谷間の右岸に沿って,鉄平石の生活道路が続く。私達は現地リーダー,ノルブさんの後について,ユックリとした速度で歩き続ける。
 9時40分頃,進行方向右手に白いモクレンの花が咲いている。とても綺麗。どこからともなく川の音が聞こえてくる。私達は沢の左岸沿いに広がる雑木林に囲まれた道を歩いている。
 私達は下り坂を進み,9時40分に沢まで下る。沢沿いの平地で,休憩を取る。辺りは密林に覆われている。小さな橋が架けられていて,その先に急傾斜の階段が見えている。密林の上に,ゴツゴツとした奇怪な岩山が頭を覗かせている。
 例によって,私は辺りの風景をそそくさとノートにスケッチする。
                   
               <木製の橋を渡ると急勾配の階段が続く>

■丘の天国ロッジ
 9時58分に広場から歩き出す。すぐに木製の端を渡る。そして急な上り勾配の階段道を進む。川沿いの谷間を進む。そして,10時06分,大きな滝の近くにある橋を渡る。滝壺を回り込むようにして,滝の反対側に渡ってから,滝の脇の階段を登る。
 10時10分,滝の上段付近から,道は滝から遠のく。ここからは,やや急な登り坂になる。長い登り坂を見上げながら,同行の女性,TAさんが,
 「うわぁ~,・・・凄いところね~ェ・・・」
と悲鳴を上げる。
  
                 <滝に沿って急な階段を登る>

 10時29分,「丘の天国ロッジ(Hill-side Paradise Lodge)」に到着する。早速,現地ガイドに,ここの地名を聞く。母音・子音の発音が日本語と異なるために,なかなか正確には聞き取れないが,どうやらここはバイシガルバ(Bhaisi Khapka)という所らしい。
 鉄平石が敷き詰められた狭い広場の周囲に,数軒の土産物屋やレストランが並んでいる。粗末な建物だが,青い色の柱が印象的である。広場には数脚のテーブルが置かれている。結構,沢山のトレッカーが休憩を取っている。色々な国からここを訪れているらしくて,国際色が豊かである。

■再びシャクナゲの群生地を行く
 10時50分,私達は「丘の天国ロッジ」を出発する。すぐにシャクナゲの群生地の中に入り込む。ここのシャクナゲは,日本で見るシャクナゲの可憐さは全くなく,まるでブナの大木のように威風堂々の大木である。
 シャクナゲの林に入ると,辺りの空気がヒンヤリとしてくる。そして,小鳥の鳴き声が賑やかに聞こえ始める。
 先頭を行く現地ガイドが,時折,
 「チャ~・・ハオ~・・・」
と大きな声を出して,隊列の後にいる仲間と交信する。
 長い登り坂が続く。
 11時13分,また広場に到着する。広場の中央に数脚のテーブルが並んでいる。例により広場の周囲には,土産店やホテルが並んでいる。ここで現地スタッフから暖かいオレンジジュースが配られる。

■タダバニへ到着
 11時40分頃,1羽のカラスが,私達の頭の上で,やたらにカアカア啼いている。気になって仕方がない。長い登り坂が連続する。それもかなりの上り勾配である。一行の中には少し遅れ出す人も出てくる。
 11時46分,大きな集落の中に入り込む。集落の中の階段を登り詰めると,大きな広場に出る。ここが今日の宿泊地,タダバニ(2,600m)である。
 広場一杯に露天が並んでいる。沢山の観光客が露天を見物している。広場を囲むように土産店やホテルが立ち並んでいる。

                     <タダバニの市場>

 私達のテント場は,この広場から数メートル登った丘の上にある。
 テント場の広場に大きなゴザが敷いてある。取りあえずは,その上にリュックを降ろし,暫くの間,休憩を取る。同行の仙人は,私達から少し離れたところにある薪小屋に入り込み,薪に腰を下ろしている。
 これから昼食。午後は,自由行動の予定である。

                         <タダバニ寸景>
                左上:タダバニの市場   右上:広場付近のジャングル
                左下:タダバニの市場   右下:テント場で休憩
                       (つづく)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。