◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
中央アルプス:木曽駒ヶ岳・宝剣岳・空木岳縦走(3)
(アルパインツアー)
2007年9月28日(金)~30日(日)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
第1日目 2007年9月28日(金)(その2) 曇後強風雨
<宝剣山荘に到着>
■けやきだいら駅を出発
「けやきだいら」駅付近(標高2,620m)には,こんな荒天なのに沢山の観光客が訪れている。登山者も結構沢山居るようである。冷たい霧雨が絶え間なく吹き付けてくる。沢山の観光客が雨を少しでも避けたいと思って,駅舎の狭い屋根の下で座り込んでいる。ビッショリに濡れた人達が千畳敷カールの方から帰ってくる。駅のマイクが,絶え間なく,ロープウェーの発車時刻をがなり立てている。兎に角,うるさい。
私達は,13時38分に宝剣山荘を目指して,歩き出す。まずは,駅前にある神社の鳥居を潜って,分岐を北に向かう。細かい雨が絶えず雨具を濡らし続ける。こんな悪天候でも,沢山の登山客とすれ違う。
カールの中をほんの少し下ると,いよいよ坂道になる。
<霧の中の「けやきだいら」駅前>
■千畳敷カールを登る
坂道は登るにつれて,急勾配で岩礫混じりのジグザグ道になる。参加者の女性1人の足取りが,歩き出した直後から遅い。まだ,歩き出してから,それ程時間が経っていないのに,呼吸が荒れている。そして,徐々に隊列から遅れ出す。
14時23分,標高2,730メートル地点,急な坂道の途中で,7分ほど休憩を取る。そして,14時30分に再び歩き出す。件の女性の足取りがフラフラしはじめる。そして,間もなく,道端に座り込む。この女性は100名山登頂を目指していて,今回の空木岳が100番目で,満願成就になるとのことである。
Kガイドが,この女性に,列の先頭に来るように言うが,後から自分のペースで登ると頑迷に言い続ける・・・が,結局,不承不承ながら,列の先頭になる。そして,リュックをKガイドに持って貰って,登り続ける。私は心の中で,
「団体行動の場合は,チーフガイドの言うことに,100パーセント従うべきだ・・・ぐずぐず言うのならば,ツアー登山に参加するな・・・」
と,静かに,無言で,罵倒する。
もし,見通しが利くならば,私達は素晴らしい風景を眺めながら登っている筈なのだが,あいにく,辺りは濃い霧雨に覆われ,何も見えない。ただ,ロープウェーのアナウンスだけが,しつこく聞こえてくる。私達は雨の中を,ほとんど無言のまま,やけにユックリとしたペースで黙々と登り続ける。
■宝剣山荘に到着
14時35分に,ようやく稜線(2,825m)に出る。稜線に出た途端に,西から吹き付ける強風をまともに受けるようになる。辺りは雨混じりの霧に,すっかり覆われていて,ほんの数10メートルしか見通せない。
両川に沿って,左折し,南に向かう。暫く進むと,濃い霧の中に,ぼんやりと宝剣山荘の建物が見え始める。そして,14時38分に,何とか無事に宝剣山荘(2,865m)に到着する。
<霧の中に宝剣山荘が見え出す>
<宝剣山荘の玄関>
私が,この宝剣山荘に立ち寄るのは,今回で2回目である。かれこれ10年ほど前に,十王岩グループの「仙人」,「師匠」(現:鎌っこ倉ぶ講師)達と訪れたときのことを,つい昨日のことのように思い出す。小屋の中では,沢山の登山客がくつろいでいる。こんな荒天なのに,物好きの方が多いなと感心するが,自分たち自身も物好きだったことに気が付いて思わず苦笑する。
Aガイドの先導で,まずは今夜泊まる部屋に案内される。私は,女性3人と同室になる。部屋に入ると,中央の通路を挟んで,2段ベッドが8人分並んでいる。私は入口近くの下段に陣取る。マット,毛布,枕,それに柔らかい掛け布団が備え付けられている。山小屋にしては,とても良い寝具である。広さも十分。これならば,スイスやオーストラリアの山小屋に引けを取らない。
これから,私達は,当面不要なものを小屋に置いて,木曽駒ヶ岳山頂を往復する予定である。
(つづく)
中央アルプス:木曽駒ヶ岳・宝剣岳・空木岳縦走(3)
(アルパインツアー)
2007年9月28日(金)~30日(日)
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
第1日目 2007年9月28日(金)(その2) 曇後強風雨
<宝剣山荘に到着>
■けやきだいら駅を出発
「けやきだいら」駅付近(標高2,620m)には,こんな荒天なのに沢山の観光客が訪れている。登山者も結構沢山居るようである。冷たい霧雨が絶え間なく吹き付けてくる。沢山の観光客が雨を少しでも避けたいと思って,駅舎の狭い屋根の下で座り込んでいる。ビッショリに濡れた人達が千畳敷カールの方から帰ってくる。駅のマイクが,絶え間なく,ロープウェーの発車時刻をがなり立てている。兎に角,うるさい。
私達は,13時38分に宝剣山荘を目指して,歩き出す。まずは,駅前にある神社の鳥居を潜って,分岐を北に向かう。細かい雨が絶えず雨具を濡らし続ける。こんな悪天候でも,沢山の登山客とすれ違う。
カールの中をほんの少し下ると,いよいよ坂道になる。
<霧の中の「けやきだいら」駅前>
■千畳敷カールを登る
坂道は登るにつれて,急勾配で岩礫混じりのジグザグ道になる。参加者の女性1人の足取りが,歩き出した直後から遅い。まだ,歩き出してから,それ程時間が経っていないのに,呼吸が荒れている。そして,徐々に隊列から遅れ出す。
14時23分,標高2,730メートル地点,急な坂道の途中で,7分ほど休憩を取る。そして,14時30分に再び歩き出す。件の女性の足取りがフラフラしはじめる。そして,間もなく,道端に座り込む。この女性は100名山登頂を目指していて,今回の空木岳が100番目で,満願成就になるとのことである。
Kガイドが,この女性に,列の先頭に来るように言うが,後から自分のペースで登ると頑迷に言い続ける・・・が,結局,不承不承ながら,列の先頭になる。そして,リュックをKガイドに持って貰って,登り続ける。私は心の中で,
「団体行動の場合は,チーフガイドの言うことに,100パーセント従うべきだ・・・ぐずぐず言うのならば,ツアー登山に参加するな・・・」
と,静かに,無言で,罵倒する。
もし,見通しが利くならば,私達は素晴らしい風景を眺めながら登っている筈なのだが,あいにく,辺りは濃い霧雨に覆われ,何も見えない。ただ,ロープウェーのアナウンスだけが,しつこく聞こえてくる。私達は雨の中を,ほとんど無言のまま,やけにユックリとしたペースで黙々と登り続ける。
■宝剣山荘に到着
14時35分に,ようやく稜線(2,825m)に出る。稜線に出た途端に,西から吹き付ける強風をまともに受けるようになる。辺りは雨混じりの霧に,すっかり覆われていて,ほんの数10メートルしか見通せない。
両川に沿って,左折し,南に向かう。暫く進むと,濃い霧の中に,ぼんやりと宝剣山荘の建物が見え始める。そして,14時38分に,何とか無事に宝剣山荘(2,865m)に到着する。
<霧の中に宝剣山荘が見え出す>
<宝剣山荘の玄関>
私が,この宝剣山荘に立ち寄るのは,今回で2回目である。かれこれ10年ほど前に,十王岩グループの「仙人」,「師匠」(現:鎌っこ倉ぶ講師)達と訪れたときのことを,つい昨日のことのように思い出す。小屋の中では,沢山の登山客がくつろいでいる。こんな荒天なのに,物好きの方が多いなと感心するが,自分たち自身も物好きだったことに気が付いて思わず苦笑する。
Aガイドの先導で,まずは今夜泊まる部屋に案内される。私は,女性3人と同室になる。部屋に入ると,中央の通路を挟んで,2段ベッドが8人分並んでいる。私は入口近くの下段に陣取る。マット,毛布,枕,それに柔らかい掛け布団が備え付けられている。山小屋にしては,とても良い寝具である。広さも十分。これならば,スイスやオーストラリアの山小屋に引けを取らない。
これから,私達は,当面不要なものを小屋に置いて,木曽駒ヶ岳山頂を往復する予定である。
(つづく)