中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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紅葉が始まりネコが寒がる丹沢;塔ノ岳(今年53回目)

2012年10月18日 05時02分28秒 | 丹沢の山旅

                            <馬瀬付近の紅葉>

    紅葉が始まりネコが寒がる丹沢;塔ノ岳(今年53回目)
           (単独山行)
      2012年10月17日(水) 晴後曇

■1週間ぶりの塔ノ岳
 先週末から2泊3日の中山道六十九宿の旅に出掛けていたので,1週間ぶりの塔ノ岳である.
 めっきり秋らしくなったが,夜が明けるのもめっきり遅くなっている.何時ものように5時10分に家を出発するが,外が真っ暗なので,いざ出発となると,どこからともなく”いやだな”という感情が湧いてきて,出掛けるのを躊躇する.そんな気持ちを振り払って,“エイッ”と玄関を出る.外は無風,真っ暗で物音一つせずに静まり返っている.
 今日の天気予報は,午前中晴時々曇,午後遅く雨.山の中で余りノンビリとはしていられないなと思いながら最寄りの駅に向かう.
 今日は平日.例によって小田原駅で乗換時間2分を,階段2段跳びで登り下りして,小田急小田原6時23分発新宿行の電車に飛び乗る.心臓ドキドキ,息ハアハアの難所をクリアーする.朝から曇り空.残念ながら富士山と矢倉岳の合体写真は撮れない.
 渋沢発大倉行のバスは,パラパラと座席が埋まる程度の混雑である.丹沢ウッズさん,韋駄天のTさん,三角髭のTさん,Y内さん,N村さん,M田さん,S藤さん,K大Nさん,ホッシーさんなどのご常連が乗車している.
 私は丹沢ウッズさんの隣の席に座る.そして,つい2~3日前にNHKで放映していた日本横断山岳マラソン(正式な名称忘れた)の話で盛り上がる.

■ご常連より少し遅れて歩き出す
 バスは6時58分にバス停大倉に到着する.大方のご常連は,すぐに歩き出されたようである. 私は水飲み場付でモタモタしているうちに,少々出発がおそくなる.
 7時06分,ご常連の皆さんより3~4分後にK大Nさんと一緒に歩き出す.山麓の気温は20℃.かなり暑い.
 歩き出して間もなく,丹沢ウッズさんが,例によって,私達に”ヤッ”と挨拶して,追い越していく.今日の丹沢ウッズさんは橋本まで走るとのこと,正に超人である.
 この所,陽気が涼しくなったためか,平日にもかかわらずかなりの登山客で賑わっている.

<大倉付近>

■見晴階段
 丹沢ベース付近までは,K大Nさんと雑談しながら歩く.その後は失礼して1人で先に歩かせて貰う.
 観音茶屋手前のトラバース道でホッシーさんに追い付くが,そのまま先に行かせてもらう.
 7時46分,見晴山荘を通過して,見晴階段に差し掛かる.今日はどうしたことか坂に人影が見えない.1人の中年男性が,私の後にピッタリと付けてくる.
 「うるさいなぁ~・・・サッサと先へ行ってくれ・・・」
と心の中で悪態をつくが,一向に私を追い抜く気配はなく,そのままズルズルと遅れ出す.
 “…んなら,最初から追いかけてくるなよ・・・”
と私は無言で悪態をつく.
 見晴階段を登る頃から,今日の私の体調がかなり良いことに気がつく.


<人影がない見晴階段>

■堀山の尾根道
 きつい駒止階段を登って,8時15分に駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してからの所要時間は1時間09分.雑談をしながら登ったのが響いたのか,ちょっと遅いようである.
 堀山の尾根道に差し掛かる.残念ながら富士山は雲の中で全く見えない.それでも,儀式として見えない富士山の写真を撮る.

<見えない富士山を撮る>

■堀山の新しい木道
 1週間前に作り始めた堀山付近の木道がすっかり綺麗に出来上がっている.随分と長い木道である.雪解けの頃になると泥んこになっていたところが,全部も駆動になった.とても歩き易くなったので有り難い.

<堀山付近の新しい木道>

■事故の怖い話
 堀山を過ぎて下り坂になる.ここでバッタリKシゲさんと鉢合わせする.
 「やあ,やあ,山頂は随分寒かったよ・・・S藤さんからブログの写真良く撮れていたと言われましたよ,ハハハ・・」
で雑談開始.
 Kシゲさんによると,この間の日曜日.78歳の男性が花立山荘から堀山の家までの下り坂で,転倒して,肩と眼の辺りに重傷を負ったとのこと.あいにくの霧でヘリコプターも飛ばないので,堀山の家で一晩過ごしてから県警の方が背負って下山したとのこと.負傷したご本人はかなり痛がっていたという.
 「ひょっとしたら,知っている人かも知れない・・・」
とKシゲさんが言う.気の毒に.誰だろう?
 痛ましい事故の話を聞くと,ゾクゾクと寒気がする.
 山岳ガイドから良く聞かされていた,
 
“一に安全,二に安全,三四が無くて,五に安全”
を改めて心に刻みつける.
 山は確かに魅力があり,気を付けて登れば,健康にも良いけれども,常に危険と隣り合わせだなと改めて思う.事実,これまでお世話になった山岳ガイドや登山家で,山の事故でなくなった方が4人も居る.
 “注意をしなければ・・・”
と改めて自分に言い聞かせる.“無理はしないぞ.下りは急がないぞ.”

<Kシゲさんと一緒に・・>

■萱場平
 雷のように下ってくるY沢さんと堀山の家付近ですれ違う.今日は小草平からも富士山は全く見えない.
 人影が全くない小草平を通過して,いよいよ長い登り坂に差し掛かる.今日の体調は案外良いので,ほどほどの速度で登り続ける.私の前後には登山者の姿が無いので,マイペースで気分良く登り続ける.
 8時53分,萱場平に到着する.例により定点観測の写真を撮る.萱場平に人影はない.
 木道の真ん中に自生しているアザミを見るのが楽しみである.ところが,どうしたことか,アザミの花がすべて無くなっている.
 後でY内さんに伺うと,シカが食べてしまったようである.
 “妙なものを食べるな・・・バカシカめ!”
と心の中で怒るが,
 “でも,どんな味なんだろう”
と早くも自分の関心が妙な方向に逸れてしまう.

<人影がない萱場平>


<シカに花が喰われてしまったアザミ>

■花立山荘
 相変わらず考え事をしながら登り続ける.大岩の下で,青い雨具を着た男性とすれ違う.この男性,2本ストックで,屁っ放り腰.オッカナビックリ足を絡ませそうになりながら超スローペースで下っている.その姿を見て大丈夫かなと心配になる.
 やがて,後7分坂.
 坂に差し掛かるところで,下ってくるN村さんとすれ違う.相変わらずあやかりたいほどの快速である.
 いろいろ考えると,この坂を登るのが辛くなるので,何も考えずにブラブラと登ることにする.すると妙なもので,何時の間にか,何となく登り切ってしまう.
 9時17分,花立山荘に到着する.大倉からの所要時間は2時間11分.Kシゲさんとの5~6分(もっとかな)の雑談時間を除けば,まあ,まあ,の所要時間である.急いで登ってもユックリ登っても所要時間に大差がないことが分かる.
 上からS藤さんが降りてくる.
 花立山荘から上は雲の中である.気温が一段と下がり始める.
 富士山はおろか辺りは霧で真っ白である.それでも,向きになって山は何も写っていない写真を撮る.“バカみたいだな”と自分でも思いながら・・・

<花立山荘から見えない富士山を撮る>

花立山
 濃い霧が立ちこめているガレ道を花立山に向けて登り続ける.私にとって,大倉尾根の中で一番辛いところである.
 霧が出ようが出まいが,撮るべき写真は撮るぞで,下らない写真を撮りながら登り続ける.
 後ろに人の気配がしたので振り返るとF田さんである.私より30分後のバスで来られたのに,もう追い付かれる.
 ”後ろ姿からFHさんかと思っていましたよ・・・”
 私には,F田さんとご一緒する脚力はないので,先に行ってもらう.F田さんの姿はたちまちの内に霧の彼方へ消えていく.

<花立山山頂>

紅葉が始まった馬の背
 花立山荘を過ぎると気温が一段と下がって寒くなる.この辺りから上では,少しずつ紅葉が始まっている.もうすぐ紅葉の見頃になりそうである.
 霧の中の紅葉を撮りながらノンビリと山頂を目指す.
 美しい木々の紅葉を眺めていると,心が癒される・・・でも,山麓に比較して,気温がかなり低くなっていて,汗をかくどころか寒くて堪らなくなる.

<馬瀬付近の紅葉>

■金冷シ
 9時33分,金冷シを通過する.
 山頂直下の階段道で,下山してくる韋駄天のTさんとすれ違う.Tさんとは,12月1日からの常連会に出席予定の猛女お三方が出席するかどうか確認して欲しいという依頼を受ける.
 注;帰宅後確認を取ったところ,お三方とも出席とのことだった.
   3人の猛女は山旅スクール5期出身で私と同期の方々である.
 つづいて,下山してくる三角髭のTさんとすれ違う.早速,肩を組んでパチリ.
 「なんだ! (FHさんは)てっきり先を歩いているんかと思っていましたよ・・・」
 三角髭のTさんが,近々,facebookの「大倉尾根の掲示板」に現れることを期待しながらお別れする.

<三角髭のTさん>

■霧の塔ノ岳山頂
 9時47分,塔ノ岳山頂に到着する.大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間44分も掛かっている.でも,まあ,途中でいろいろな人との雑談で延べ10分以上のロスタイムがあることを考えれば,まあ,こんな所だろう.
 山頂は濃い霧に覆われている.気温は9.0℃.冷たい風が吹いている.体感温度は正に冬のようである.大倉を歩き出したときの気温が20℃だったので,実に19℃の温度差である.
 私は馬鹿馬鹿しいなと思いながらも,意地になって山頂からの何も見えない写真を数枚撮る.
 その内に寒くて居ても立っても居られないほどの寒さに根負け.早々に尊仏山荘に入る.

<塔ノ岳山頂>

■尊仏山荘
 尊仏山荘に入る.花立山で私を追い越したF田さんや,同じバスに乗り合わせていたY内さん,T田さんが先客.今日の小屋番はW田さん.
 例によって300円也のお茶を所望する.
 小屋のまわりには,建築用の資材が沢山置かれている.伺うところによると,尊仏山荘の増築が始まるようである.

<尊仏山荘>

■寒そうなネコ
 小屋番がW田さんなので,ネコ(華伊達美弥雄氏)がフロアーまで降りている.寒いのか床で身体を丸めてジッとしている.多分,
 「早くストーブに火を付けてくれ・・・」
とおねだりしているに違いない.
 折角なので,ネコの写真を連射する.そのうちにストーブを諦めたのか,2階へスタスタと登り掛ける.
 「おい,ミャ~や,一寸待て・・」
と声を掛けると階段の途中で立ち止まる.その姿が可愛いので,またパチリ.



<華伊達美弥雄さん>

■ノンビリ下山
 10時5分頃,K大Nさんが尊仏山荘に入ってくる.
 「あれ・・・今日は随分早いご到着ですね・・・」
 「そう・・途中から涼しくなったんで,登りやすかったですよ」
 K大Nさんと雑談をしていると,間もなくホッシーさんがご到着である.

 今日の天気予報は夕方から雨.したがって,あまりユックリもしていられない.
 実は,大倉12時52分発渋沢行のバスに乗りたいなと思う.逆算して,10時25分,尊仏山荘を出発する.ホッシーさんと,ほぼ入れ替わりである.
 外は冷たい風が吹いている.とにかく寒い.でも,花立山荘付近まで下山すれば暖かくなるのが分かっているので,薄着のまま下山し続ける.
 10時50分,花立山荘を通過する.案の定,気温が上がって,暑くも寒くもなくなる.
 花立階段の改修工事が始まるらしく,作業員の方々が山荘前の広場から材料を背負って急階段を下っている.花立階段は大倉尾根一番の危険な所である.この階段の改修は実に有り難いことである.
 花立山荘まで下ると雲の下に出たのだろう.ややもやっているが相模湾が良く見えている.

<花立階段>

■綺麗なススキ
 時計と睨めっこしながら,バスの時間に合わせて,なるべくユックリとしたペースで下り続ける.
 12時丁度に一本松を通過する.そして見晴階段の手前で,青い雨具で見覚えのある男性に追い付く.登りの途中,後7分坂から少し下のガレ場ですれ違った方である.
 私は内心で,
 「まだ,こんなところを下っているとは・・・どこか足でも痛いのかな・・・」
と気になるが,ウッカリ声を掛けても,
 「放っといてくれ・・・」
と言われそうなので,そのまま声を掛けずに追い越す.
 「これで良かったのかな・・・」
とチョッピリ反省する.
 12時28分,予定通りの時間に見晴山荘を通過する.山荘前のススキがとても綺麗である.

<見晴らし山荘前のススキ>

■雨の前に帰宅
 予定時間ピッタリの12時49分にバス停大倉に到着する.
 丁度,バスが到着したところである.身辺の片付けを済ませて,バスに乗車する.バスの中でY内さんと一緒になる.
 Y内さんと雑談をしている内に,バスは13時07分,渋沢駅に到着する.
 私は何時も通り小田原で東海道本線に乗り換えて14時23分に無事大船に到着する.
 12時45分頃,無事,帰宅.
 すぐに風呂を沸かして,ザブン! 気分最高!
 充実した1日を過ごすことができた.ばんざい.

<ラップタイム>

 7:06  歩き出し
 7:29  観音茶屋
 7:46  見晴山荘
 8:15  駒止茶屋
 8:32  堀山の家
 9:17  花立山荘
 9:33  金冷シ
 9:47  塔ノ岳山頂着(9.0℃)
10:25     〃   発
10:38  金冷シ
10:50  花立山荘
11:29  堀山の家
11:48  駒止茶屋
12:13  見晴山荘
12:28  観音茶屋
12:49  大倉 着

[山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:06
  塔ノ岳  着       9:47
  (所要時間)  2時間44分(2.73h)
  水平歩行速度    7.0km/2.73h=2.56km/h
  登攀速度       1269m/2.73h=464.8m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
  塔ノ岳  発       10:25
  大倉   着       12:44
  (所要時間)  2時間24分(2.40h)
  水平歩行速度    7.0km/2.40h=2.92km/h
  下降速度       1269m/2.40h=528.8m/h
                               (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/63f6bd474b59c315abcd0841dbd7456a
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6d9fc044eda3ac641108ae574d110c2d



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