<フラワーセンター大船にて>
夏の鎌倉:フラワーセンター・上町屋・深沢を一巡り
(山旅スクール5期「鎌倉トレッキング会」)
2011年7月30日(土)
<散策地図>
水平歩行距離 7.0km
累積登攀高度 26m
累積下降高度 27m
※高低差がほとんどない平坦なプチ散策ルート
■大船駅からノンビリと歩き出す
前回の定例会のときに,次回7月の定例会は,納涼会中心.まずは神奈川県立フラワーセンター大船でユックリしてから.平らな所を少し歩いて,深沢の「天狗」で納涼会をしようということになっていた.そこで,企画担当の私としては,大船駅からフラワーセンターまで適当に歩く.そして,フラワーセンターでは全員が飽きるまでノンビリ過ごす.その後は,時間を調節しながら,最終的にはバス停深沢に15時30分頃到着するように歩くことを提案した.
そして,今日はいよいよ納涼会の開催日である.でも,あいにくの空模様である.鎌倉付近ではそれほど強い雨は降らなかったが,明け方,神奈川県央や横浜ではかなりの土砂降りだったようである.
もちろん,主宰する私は,このグループに関しては,よほどの悪天候でなければ,中止などしない.案の定,出席予定者の全員が,悪天候にもかかわらず,何の疑いもなく集合場所の大船駅に現れた.今日の参加者(敬称略)は,ホッシー,野菜漬物,mako,N本,Kトウ,ノシイカ,それにFHこと私の7名である.
1人が事情で遅延したので,定刻を少し過ぎた9時45分に大船駅から歩き出す.
まずは大船駅西口から柏尾川沿いに川下へ歩き出す.玉縄首塚の少し先で右折して,小さなトンネルを潜って,玉縄小学校前を通過して,玉泉寺前の通りに突き当たる.前回,この辺りを歩いたときに,突き当たる一寸手前のガレージで,青物市場が開かれていたので,今回も,この市場に立ち寄ろうかと思っていた.しかし,今日は市場が開かれていない.
たまたま私たちの近くを通った女性から,この市場が毎週水曜日に開かれていることを教えて頂く.今日は土曜日.当然市場は開かれていない.
今日は歴史や社寺のお勉強はしない.従って,道の突き当たりにある玉泉寺には立ち寄らずに右折,そのままフラワーセンターへまっしぐら.ただ,道の途中に気になるものや花が咲いていたら,そこでストップ.私は決してせかしたりしない.とにかく気が済むまで道草をして貰う.
いくらユックリの歩行速度でも,歩いてさえいれば間違いなくどこかには到着する.それならば,特段,どこ行かなければいけないということもない.徒然に歩いていればそれで良い.こういう散策は,私の性分に実にぴったりと合う.
<フラワーセンター大船に到着>
■フラワーセンター大船の見事なハス
ブラブラ歩きでも,歩いて居さえすれば,やがて目的地のフラワーセンターに,10時40分に到着する.
参加者7人の内,2人は65歳以下,つまり若手である.残りの5人は65歳以上のロートルである.申し訳ないが若手の2人には,入場料350円を支払って頂く.そしてロートルどもは,年齢を確認できる資料を提示して@100円の入場料で園内に入る.
園内の散策は,皆さんの足の向くままに任せる.当然,ルートは目の前にある美しい花に惹かれて先へ進むので,全くのデタラメ歩きになる.ときには,また振り出しの位置に戻ることもある.それでも,こんなデタラメな歩き方が,散策には一番好ましいと私は思う.
途中,見事なハスが群生している小径を通る.朝方の雨がハスの葉っぱに堪っていて,葉っぱに手が触れると,滴になってこぼれ落ちる.雨水を貯めているのにハスの葉の表面は,とても良く水を弾いている.凄い!
“ハスの葉のような素材で作った雨具なら絶対に濡れないな”
なんて余計なことを考えながら,ハスを眺める.
ところどころに大きなハスの花が咲いている.薄いピンク色で実に美しい花である.中にはまだ堅いままの蕾もある.
「ハスの花は咲くときに『ポン』という音を立てるって言うけれど,本当ですかね・・」
と私が独り言を言う.どなたかが,
「それは嘘だそうですよ・・」
と教えてくれる.そういえばハスの花が咲く瞬間を見たことがない.
■二つの展示場を廻る
暫く歩いていると,一同の顔に“大分歩き回ったな”という表情が見て取れるようになる.そこで私が,
「まだ,(入場料100円の)20円分ぐらいしか歩いていませんよ・・」
と忠告する.
若手は入場料を350円も支払っている.入場料100円の人が20円分しか歩いていないのならば,350円支払った人は,70円分しか歩いていないことになる.
「・・まだ,280円分も残っているよ・・・」
と350円組が試算する.
・・で,園内をまだ歩くことになる.成り行きで展示場の方に足が向く.二つの展示場では『食虫植物展』と『こども絵画展』が開催中である.
まずは『食虫植物展』の会場へ出口の方から入る.そして,さまざまな食虫植物を眺めながら入口へ向かう.もともと植物のことに疎い私には,これらの植物の名前を覚えるなど,到底,無理だが,自然界には実に奇妙な植物があるんだなと驚嘆する.
次いで『こども絵画展』を見学する.ここも出口から入って入口に向かう反対コースで見て回る.鎌倉市内の幼稚園,小学校の児童の絵が数百枚飾られている.いかにも幼児らしい絵が並んでいる中で,“これは凄い”と感嘆してしまう絵も少なからずある.
私は,この頃,水彩画に目覚めた孫娘に,この展覧会を是非見せてあげたいなと思いながら,子ども達の絵を鑑賞する.
<食虫植物展示場>
<こども絵画展>
■木陰で昼食
大船駅を歩き出してから,まだ一度も休憩を取っていないことに気がつく.そこで,私は,展示場脇のベンチを指さしながら,
「・・・ここで,ちょっと休憩しましょう・・」
と提案する.
すると,誰からともなく,
「・・一寸早いけれど,お昼にしませんか・・」
と提案がある.もちろん賛成.
まだ,11時25分.時間は随分早いが,早速,ベンチに野菜漬物さんが持参した自家製の珍味を始め,主婦の皆さんが持参した総裁が並ぶ.特に野菜漬物さんは,ご自身で農業をしておられる.採りたての野菜ばかりなので,それはもう珍味.新鮮なカボチャや枝豆は滅多に味わえないほどの美味しさである.
「このご馳走だから,この会は止められないな・・・」
と意地汚い私は胸の内で思っている.
山旅スクールのこと,スクールで知り合った仲間のこと,ガイドの消息など,食事をしながらの雑談のネタは尽きない.私は絶対に急かせることはしない.皆さんが“もう良い”と感じるまで昼食を続ける.
そして,昼食の時間は1時間ほど続いた.
■熱帯植物園
昼食後,あちこちと寄り道しながら,緑のトンネルのようなところを通り抜けて,熱帯植物園に入る.ここは温室になっている.夏以外の季節に,この温室に入ると暑さと湿気でムッとするが,今日は気温も湿気も高いので,温室の中も外も体感的にはほぼ暑さに感じる.
温室の中には,猛々しくて原色が強い草木が沢山植え込まれている.名前は到底覚えられないので,名前が書いてある案内板はほとんど読まずに素通りする.
好みは人それぞれだが,私には熱帯の花がどうも猛々しくてあまり好きになれない.やっぱりたおやかな日本の花が好みに合っているようである.
■ソフトクリームを賞味
熱帯植物園を一回りした後,フラワーセンター内のレストランに立ち寄る.
今日は蒸し暑いので,一同,思い思いに冷たいものを注文する.私も釣られて1個250円也のあずき入りソフトクリームを賞味する.ソフトクリームを味わいながら,数年前にニュージーランドを訪れたときに賞味したポキホキソフトクリームのことを思い出す.
ここでも,一同は丸いテーブルを囲んで,ソフトクリームを嘗めながら,長時間,おしゃべりを繰り返す.私たちのグループのおしゃべりでフラワーセンター全体が賑やかになったような錯覚に陥る.
■兜松
14時05分,フラワーセンターを出発する.
10時40分にフラワーセンターに入ったので,実に3時間半もフラワーセンターで過ごしたことになる.こうなると入園料100円也は実に安いことになる.
私は,頭の中で,どのコースを通ったら,15時30分頃,深沢に到着できるかを素早く計算する.その結果,まずは玉縄中学校沿いの閑静な道を辿り,武田薬品の研究所を通り過ぎた所で,東海道本線のガード下を潜って,神戸製鋼の敷地内にある鎌倉権五郎影政の兜松のある所まで歩こうと決める.
東海道本線沿いの道を藤沢方面に向けて歩き出す.単調な直線道路である.武田薬品を通り過ぎてすぐの所にある信号を渡る積もりでいる.ところが,何人かが案内役の私を置いてきぼりにして,とんでもない方向にドンドン歩いて行く.
「オ~イ・・戻れ!」
と大声を出しても,おしゃべりに夢中で,全く気がつかない.一体,皆さんはどこへ行くつもりなのだろう.
若いノシイカさんが,おしゃべり元娘を追いかけて連れ戻す.ここで5分ほどロスタイム.私は頭の中で組み立てていたコースの一部を端折(ハショ)ることにする.
14時56分,史跡鎌倉古道(上の道)の分岐に到着する.もし見学希望者が居たら10分ほど費やして,御霊神社付近まで案内しようかと思ったが,皆さん鎌倉古道などに興味なし.
そこで,兜松の史跡を神戸製鋼の金網越しに一別しただけで通過する.
■上町屋天満宮
柏尾川に架かっている神鋼橋を上町屋側に渡る.交通量の多い自動車道に出る.
まずは適当に狭い路地に入る.この路地は私も始めて通る所である.果たしてどこに出るのか分からないが,まあ適当である.ところがこの路地は,数十メートル入った所で板金工場に突き当たる.たまたま外で作業していた男性に,
「・・この道突き当たりで終わりですか・・?」
と聞いてみる.男性はにこにこしながら,
「突き当たりで抜けられません」
と答える.
仕方なく少しばかり引き返してから,道幅が1メートルあるかどうかの狭いどぶ板道に入る.袋小路かも知れないがとにかく先へ進む.すると数分で元の自動車道に出る.
自動車道を長島の方に100メートルほど歩いてから右折,最初の枝道に入る.すぐにJRの引込線の踏切を渡る.ここまで来れば,私にも細かい所まで道が分かる.
くねくねとした上町屋の集落を通って,上町屋天満宮に到着する.そのまま,JRの工場跡地に沿って歩き続ける.
本当は泣き塔にも寄ろうかと思っていたが,先ほどの迷い道でロスタイムがあったので,泣き塔は省略する.同時に州崎古戦場の説明も省略.湘南モノレール下の道を素直に歩いて,今日の終着点,バス停深沢に予定時間ピッタリの15時30分に到着する.
めでたしめでたし.
<上町屋天満宮>
■「天狗」で納涼会
すぐに深沢の居酒屋「天狗」に入る.
一寸時間が早いために,うまい具合に奥の角の席を確保する.
各自,ビール中ジョッキ,グラスビールなど適宜ドリンクを注文.さらに数品の肴を共同で注文する.かなりの食べ出のある量を注文したが,単純割り勘で,お一人様910円で済んだ.なかなか良いぞ!
たった,910円で,2時間45分も粘った.その間,山旅スクール関係の仲間やガイドの噂話が次から次へと出てくるが,全員が知っている人たちが酒の肴になっているので,興味が尽きない.ついつい話に熱が入って大声になる.
何しろ山旅スクール5期で,騒がしい人ランキングで上位を独占する方が2人も同席しているので,席は大いに盛り上がる.
幸いなことに(あるいは店員が気を利かせたのか),私たちのテーブルの近くには客が居ない.
そんなこんなで,17時15分,漸くお開きになる.
■にわか雨
「天狗」を出た途端に,雨が降り出す.
鎌倉は雨が少ない所である.散策の途中で度々西の空に雨雲が立ちこめたが,
「鎌倉には(雨雲は)来ませんよ・・みんな東京へ流れて行っちゃいますよ・・」
と,私は,冗談とも本気ともとれる言いぐさを繰り返していた.
事実,これまでは雨雲が見えても全部鎌倉を逸れて,東京か横浜の方へ移動していたが,今回ばかりは鎌倉を直撃してくる.
バス停前の八百屋が安いというので,主婦でもある皆さんが買い物をしている間に,ザアザアと強い夕立が降り出す.
皆さんには,17時23分発の藤沢行のバスに乗って貰おうと思っているが,バスは数分遅れている.バスを待っている内に,夕立も小降りになる.
17時27分,ようやくバスが到着する.
バスに乗った一同を見送ってから,テクテクと坂道を15分ほど登って,17時40分頃,自宅に辿り着く.
ヤレ,ヤ・・・案内疲れだ.山登りとは違った疲労感がある.
でも,まあ,参加された皆さんに満足して頂ければ,こんな嬉しいことはない.
<ラップタイム>
9:30 大船駅歩き出し
10:40 県立フラワーセンター大船(14:06まで散策・昼食)
14:56 兜松
15:20 上町屋天満宮
15:30 深沢
=================================
15:33 深沢「天狗」(17;15まで納涼会)
17:20 バス停深沢(17:27まで見送り)
[散策記録]
■水平歩行距離 7.0km
■累積登攀高度 26m
■累積下降高度 27m
■所要時間(休憩時間込み)
大船発 9:30
深沢着 15:30
(所要時間) 6時間00分(6.0h)
水平歩行速度 7.0km/6.0h=1.17km/h
(おわり)
「鎌倉あれこれ」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e05760b56f53326120c1e3631a8d62fd
「鎌倉あれこれ」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c1b95fa4e2b8925c670640c1af0eae2c
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