中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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早春の信濃路;旅情の小諸路;第2日目;北国街道与良館と名物蕎麦

2017年02月11日 03時42分14秒 | 関東・伊豆箱根・上信越

                              <北国街道与良館>

   早春の信濃路;旅情の小諸路;第2日目;北国街道与良館と名物蕎麦
             (亡姉一周忌)
       2017年2月5日(日)~6日(月)

第2日目;2017年2月6日(月)(つづき) 晴 

まえの記事
   ↓
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c2d2b4e0d54b71ee26cded2aaee96a77

<小諸郊外の集落訪問>

■小諸の実家で朝を迎える
 小諸の実家(弟の家)に宿泊する.
 寝具が変わると,熟睡できないのかもしれないが,夜中に碌でもない夢を見続ける.毎度のことながら.決まって何か捜し物をしていて,なかなか見つからないでイライラする…といった類の夢ばかり見る.読者の中に,もし心理学に詳しい人が居たら,すぐに私の深層が分かってしまうので,これ以上,夢の中身を書くのはやめるが,夜中に2階ほど目が覚める.何時ものように3時頃からゴソゴソと起き出すわけにはいかないので,7時頃までは二度寝,三度寝を繰り替えず.
 7時半過ぎに,弟と一緒に朝食を済ませる.
 私の今日の予定は,幼少の頃のひとときを過ごした小諸郊外の集落を訪れた後,佐久市の某所で所用を済ませた後,北陸新幹線で帰宅することになっている.

 それにしても,家の中は暖房が利いているので暖かいが,外は如何にも寒そうである.

■長老のFHさん
 9時丁度に,集落の長老であるFH(私と同じ姓)さんが,小型トラックに乗って,私を出迎えに来る.今日,午前中はFHさんの車に乗って,所用や観光をする予定である.
 私はFHさんの小型トラックの助手席に乗車する.
 「…おラッチはホウ,百姓だからヨ,トラックしかねえだヨ…」
とFHさんは生粋の信州弁で私に話しかける.実に懐かしくて,親しみがある言葉である.
 ”方言って…実に良いな!”
 私は,FHさんと雑談をしている内に,やっぱり自分の故郷,信州で暮らしたいなという気持ちが高ぶってくる.現実にはそんなことムリだが…
 なお,FHさんは亡姉の幼友達である.今はこの集落のまとめ役.熱心で飾らない性格,篤志家で人格者であるFHさんの周辺には,FHさんを慕う人達が沢山寄ってくる存在である.

私が幼少の頃過ごした集落
 ほんの4~5分のドライブで,小諸市の西端にある集落に到着する.
 まずは,この集落の西端にあるKBさんのお宅を訪問する.KBさん,FHさん,それに私の3人で,30分ほど仕事の打合せをする.
 その後は.コタツに当たりながら,KBさんの家の漬物を馳走になりながら,茶飲み話に耽る.

<北国街道をちょっと…>

■与良館へ
 30分ほどで,打合せが終わる.
 FHさんが,
 「折角だから,与良館へ行ってお茶飲もうよ…」
と私を誘う.
 私はFHさんに迷惑になるような気がして,お断りするが,
 「折角だから…お茶のみに生きましょう,オラぁ,しょっちゅう行っているダヨ…」
と重ねてお誘いを受ける.
 「…それではお言葉に甘えて…午前中は身を任せます…」
 また,小型トラックの助手席に乗って発車,
 ものの5分ほどで,北国街道の与良にある北国街道与良館に到着する.
 ”あれ,もう着いちゃったの…!”
 私の感覚では,この集落から与良までは,随分遠い感じがする.昔,徒歩でしか移動手段がなかったので,歩いたときの感覚のままである.
 「先に中にへえっていろや…オレ,ちょっと自動車おいて来るから…
 私は与良館に入る前に,与良館の写真を撮る(冒頭の写真).
 序でながら…
 与良館の後ろの小径を2~3分登ると,高濱虚子の住居跡がある.高濱虚子と言えば,鎌倉御成小学校の門札を書いたことで,鎌倉とも縁がある.

<北国街道与良館>

■祇園石
 与良館のすぐ上にある祇園石を眺める(祇園石の由来は,下の説明文をクリック).
 時間があれば,左手の階段を登って高濱虚子旧宅から野岸小学校へ抜ける散策路を歩いてみたいところである.
 
<祇園石>                                                               ↑
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■与良会館
 FHさんを先頭に,  
 「…ンんちゎ~ぁ!」
と挨拶しながら,与良館に入る.
 どうやらFHさんは,与良会館の常連のようである.
 与良会館関係の2人のお年寄りが居られる.私はお二人を知らないが,お二人はどうやら私の素性を良く知っているようである.
 私が街道歩きの仲間と一緒に,昨年,善光寺街道を歩いたときに,この辺りを散策したとお話しする.
 「…なんで,与良館に立ち寄らなかったんですか…」
と言われてしまう.
 あのとき,実際には私も与良館にちょっと立ち寄ったが,自分の素性を明かさずに,すぐに外へ出てしまった.
 コーヒーを馳走になりながら半時ほど四方山話をする.話をしている内に,オレも信州人だな,やっぱり故郷は良いなという思いがますます強くなる.
 
<与良館に立ち寄る>                                          <与良館のコーヒー>

<お蕎麦を食べよう…!>

■ひとまずFHさんのお宅へ
 FHさんが,
 「…そろそろ蕎麦でも食いに行きましょう.家のバアサンも一緒に連れて行くんで,ちょっとえ絵まで戻るよ…」
と私を誘う.
 私,恐縮.
 でも,”施しをするも善行,施しをされるも善行"という曹洞宗の坊さんの説法を思いだして,今日は,FHさんのお世話になろうと思う,何時の日にかこのご恩返しをするつもりである.
 与良館から,また先ほどの集落へ戻る.所要時間は3~4分.
 FHさんのお宅は,先ほど訪れたKBさんの家とは集落の反対側にある.物置の前に愛嬌のある動物の彫刻が2体並べて置いてある.実に面白い.
 庭からは布引観音のある断崖が良く見える.なかなか景勝の地である.
 暫くの間,FHさんのお宅に上がり込んで,お葉漬をご馳走になる.
 「おい,…オラッチのお葉漬,ちょっと持って行けや…」
ということで,沢山のお葉漬を頂戴する.嬉しい.

<FHさんの物置に飾られた2体の彫刻>

■美味しい蕎麦屋
 こんどはM自動車製の四駆の自動車に乗車する.
 FHさんが,
 「…オラッチから小諸駅まで自動車で3分だよ…」
と説明する.
 歩いたら30分ほどの距離である.昔の感覚では随分遠いように思えるが,考えてみれば,私が塔ノ岳に出掛けるときに,自宅から大船駅まで歩く時間が約30分である.そう考えると,この集落から小諸市街地までの距離は実際にはそれほど遠くはないということだ.
 小諸駅前の相生町を少し登った裏手の路地に面した蕎麦屋に入る.私が知らない店である.この店はちょっとしたビルの地下にある.
 店内に入る.
 古い木材などを使ったシックな雰囲気のお店である.
 「今日は一番高い天ぷら蕎麦を食いましょう…」
ということで,1500円也の蕎麦を注文する.
 私,恐縮.

<FH夫妻と一緒;蕎麦屋にて>

■手打ちの天ぷら蕎麦
 馳走になった蕎麦は,完全な手打ち.
 包丁で切った蕎麦なので,蕎麦の太さが微妙に違っているのが面白い.違う太さの蕎麦が絡み合っている風合いが眼を楽しませてくれる.
 正直なところ,これほど美味しい蕎麦は,滅多にお目に掛かれないなと思う.駅からこんなに近い場所に,すばらしい蕎麦屋があるとは…迂闊ながら知らなかった.
 ”これからは,小諸に来て蕎麦を食べるなら,絶対にこの店にしよう…”

<素晴らしい手打ち蕎麦>

<所用を済ませて帰途につく>

■JA佐久付近で所用を済ませる
 一旦,FHさん宅に戻る.ここでFH夫妻とお別れである.
 FH宅まで来てくれたKBさんの自家用車に乗って,所用のあるJA佐久付近まで趨く.
 小一時間ほどで用事を済ませる.これで私の今回の信州路の旅はすべて終了である.法事と懸案の用件を済ませた私は,晴れ晴れとした気分になる.
 KBさんの自家用車で佐久平駅まで送って貰う.
 佐久平の駅について,ホッとした気分になる.

■佐久平駅から富士山を望む
 昼間の新幹線は,1時間に1本しか佐久平駅に停車しない.まだ,時間があるので,駅構内をブラブラしながら,時間つぶしをする.
 駅のテラスから,浅間連山が手に取るように見えている.山頂付近には雪雲がかかっているようである.
 そういえば,毎年欠かさず浅間山に登っていたのに,昨年は胆石症の手術やダウ腸ポリープ切除など2回も入院したこともあって,ついに一度も浅間山に登らなかった.
 ”今年は,果たして浅間山に登れるだろうか…?”
 いささか不安である.自信がない.

<佐久平駅から浅間連山を望む>

■無事帰宅
 佐久平駅14時49分発あさま620号に乗車する.列車は空いている.浅間山が見える窓際の駅に座る.勿論自由席である.
 次の軽井沢駅でほぼ満席となる.
 気が緩んだせいか,無性に眠くなる.高崎を過ぎる頃には白河夜船である.
 上野駅で新幹線から下車,上野東京ライン熱海行の電車に乗車する.4人掛けボックス席の進行方向窓側に座る.東京駅に到着すると沢山の乗客が乗り込んできて,またたくまに立ち席が出る.
 その後も,寝過ごしてしまうのを心配しながらも,ついついウトウトを繰り返す.
 眠いのを我慢して,やっと大船駅で下車する.
 朝晩の日が延びたとはいえ,辺りは薄暗くなり始めている.日が暮れたせいか,信州に比べたら暖かいはずの大船も結構寒い.こんなときはムリをせずに路線バスを利用して帰ろうと思う.
 まだバスの時間まで少々間がある.寒い所で並んでいるのもきついので,ついつい近くのコーヒーショップに入り込む.
 熱いコーヒーを賞味する内に眠気も収まる.
  夕食前に無事帰宅する.
 まずは,熱めの風呂に浸かって,心身の疲れを癒す.
 こうして,久々の信州詣では無事終わった.  
 
<夕暮れの大船>                               <コーヒーで一休み>
  
                                         (おわり)
「関東・伊豆箱根・上信越」の山旅の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0324aa69033e216971bc5f97efa0c158
「関東・伊豆箱根・上信越」の山旅の次回の記事
(なし)

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