ポーランド訪問記(26):ヴィエリチカ岩塩採掘場跡
(観光旅行)
2001年6月16日(土)~6月25日(月)
2001年6月22日(金)クラコフ5日目(1)
ようやく時差にも多少馴れたのか,今朝は4時半までグッスリと眠れた。爽快な気分でのお目覚めである.まずはシャワーを浴びて,荷物の整理をする.これまで何となく気が重かったコンファレンスも,後若干の行事はあるものの,私達の出番は昨日で終わった.
学会のノルマは,一応終わり.今日は骨休みの予備日である.学会発表も終わった.何とも言いようのない開放感がある.
今日1日はクラコフ郊外を散策して,明日は帰国の途につく予定である.
6時40分頃,ホテルから,外へ出てみる.そして,中央広場の方へぶらりぶらりと散策する.今日は何か催し物があるらしくて,広場にたくさんのテーブルを並べている.何をしているのか興味があったので,会場らしいところまで覗きに行く.丁度そのときF先生とバッタリ出会う.
7時頃,F先生と一緒に,朝食を摂るためにホテルのレストランへ向かう.例によってサラダ,ハム,チーズ,トマト,牛に侑。オートミール,グレープフルーツジュース,コーヒーだけのワンパターンの質素な朝食である.
<レジデントホテルの食堂>
<朝食>
…で,今日の予定.
まずは,世界遺産のヴィエリチカ岩塩採掘跡(Kapalnia Soli Wieliczka)を見学する.ここはクラコフの東南約13キロメートルほど離れたヴィエリチカ町にある100年前の岩塩採掘場である.
勉強好きのS先生は,終日ホテルに籠もって勉強をするという.遊び好きの私は,ロングテイル夫妻,F先生とともに,H坂さんのガイドで,ヴィエリチカ岩塩採掘跡見学に行くことにする.H坂さんは英語に堪能.そして,ロングテイルさんは海外旅の経験が豊富なので,お二人とも実に頼りがいがあって頼もしい.
まずは,クラコフ駅までブラリブラリと散策する.
駅前からヴィエリチカ岩塩採掘跡行の小型乗合自動車が出ている.乗車口で2ズロチを支払って小型乗合自動車に乗り込む.
乗合自動車は,8時55分に発車する.
すぐに昨日道に迷った辺りを通過する.そして,9時05分に川を渡り,電車道に沿って南南東の方向に進む.途中,数カ所の停留所に停まって,9時23分にドリクタ(Dolicta)に到着する.
目の前に1階建ての小さな事務所がある.建物の中央にはリフトの塔が建っている.10名ほどの見物客が発券場の前で並んでいる.説明員が付くが,ポーランド語の説明なら1人29ズロチ,英語だと33ズロチである.それにカメラを持ち込むと,カメラ代8ズロチを支払わなければならない.
ポーランド語を選ぶ観光客の方が若干多そうに思える.本当は英語のグループに入りたかったが,英語グループが出発する時間までかなり待たなければならない.どうせ英語で説明を聞いても良く分からないに違いない.それならば代金が安くて,すぐ出発するポーランド語のチームに入った方が何かと得策である.
そこですぐ出発するポーランド語グループの入場券とカメラ撮影許可のワッペンを購入する.入場券には色々説明が印刷してあるが,ポーランド語なので,何が書いてあるのか,皆目分からない.
9時45分,ガイドが現れる.黒い作業服と白いヘルメットを被っている.私たちグループ約15人はガイドに先導されて採掘場跡へ入場する.するといきなり数百段の木製の階段を下りる.グルグルと螺旋状に階段を下りていくので目が回りそうになる.
<地底の見学コース>
階段を下りたところは広場になっている.早速,ガイドの説明が始まるが,もちろんポーランド語なので皆目分からない.
9時54分,さらに先へ曲がりくねった道を進む.2カ所の木製の扉を通り,次の広間へ進む.そこには「ラポスキー」という人の像がある.彼が何者かは,ポーランド語が分からない私には不明である.
10時丁度に,次の広間に出る.高い天井からシャンデリアが下がっていて,辺りを明るく照らしている.さらに進んで,10時10分に大広間に出る.腕立て伏せをしている人の像やら,作業員が作業をしている様子を人形で再現している像などがある.人力で回す大きな巻き上げ機などが展示されている.
10時23分,階段を下る.縦坑である.百段以上の階段をひたすら下っていく.10時28分に横坑に入る.材木を組み合わせた坑木によって横坑の天井と壁が保持されている.壁に岩塩の層が露出しているところを通過する.人力の排水機が展示されている.
10時35分に岩塩製の採掘現場を示した人形群のあるところに到着する.そこを通り抜けると明るい地底広場に出る.20×50メートル四方もあるだろうか,大きな地底広場である.広場の壁には大きなキリスト像が祭られ,天井には大きなシャンデリアが明るく光っている.とてつもなく大きな空間である.広場の高い位置から,広場を見下ろしながら階段を下りていく.途中にシャンデリアが何台も吊り下げられている。これらのシャンデリアが岩塩の結晶で作られているというから驚きである.
通路や広場の壁には,たくさんの人物像が彫られている.「田谷の洞窟」を何倍にも拡大したような雰囲気である.壁に描かれている絵はどうやら名画の複製のようである.
10時55分,大広間を通り抜ける.そして木の扉を潜ってさらに奥へ進むと大きな地底湖に出る.地底湖の脇には床が板張りの広場が広がる.太い丸太の枠組みが高い天井を支えている.
11時05分,作業中の人物を表現した人形の脇を通り抜けると天井の高さが50メートルほどもあるとてつもなく大きな空間に出る.壁に沿って急な階段が上へ上へと続いている.この階段は観光客には開放されていないが,もし登ったらさぞかしスリルを感じるだろう.
地底湖の対岸には黒い人物像がある.どうやらボルチェスキーという人の像らしい.案内人がポーランド語で熱っぽく説明している.とにかく長い説明である.言葉が分からない私には,ただ長い空疎な時間に感じてしまう.
11時20分に採石場に向かう水平坑道の入口に到着する.そこを抜けて,11時23分に広い展示場に出る.たくさんの写真や絵画が壁面に沿って飾り付けられている.この前でまた長い話が始まる.どうやらヴィエリチカ町の歴史や採掘現場の様子,製塩の仕方などの説明が展示されているようである.
11時32分,ようやく展示場を出発する.そのまま進むと,11時32分に地底レストランに到着する.ここで小休止.私は缶入りペプシコーラ1本3.5ズロチを購入する.
12時05分,リフト前に進む.2階建ての本物のリフトである.ここにギッチリと詰め込まれてすぐに動き出す.そして12時8分に地表に出る.何だかホッとした気分になる.
出たところに売店がある.ここで塩製品を購入することができる.岩塩入り入浴剤に多少の興味を持ったが,貧乏旅行なので何も買わなかった.
<鉱山事務所;縦坑がある>
(つづく)
「ポーランド訪問記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/72b6f4270bab54416eea0c294ebed7ac
「ポーランド訪問記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/341606afdbe2ba9519cb756a68ec6773
*****************
[編集後記]
2011年9月8日(木) 晴
台風12号と13号のダブルパンチで,このところずっと荒れ模様の天気が続いていたが,漸く昨日辺りから,晴天が続くようになった.
明け方が涼しかったためか,何となく心地よい睡眠が続いて,今朝は何時もより20~30分ほど起床時間が遅れた.
4時20分頃,外を見ると,真っ暗.毎日,同じようなことばかり書いているが,夜明けがすっかり遅くなっている.東の空が,ようやく明るくなるのが5時頃,一寸前までは4時前から明るくなっていたのに・・・
とはいえ,朝の冷気が涼しくてとても心地がよい.
天気予報によると,ここ1週間ほどは残暑が続くようだが,この頃になると,暑いと言っても,つい数週間前の猛烈な暑さに較べれば随分としのぎやすくなった.
朝,新聞を見てびっくり!
どうやらブラックホールの所在が,かなり詳しく分かり始めたという.光さえ閉じ込めてしまうブラックホール,何となく雨中のロマンを感じてしまう.
某研究会での私の報告があと2日後にせまった.もう悠長なことをしていないで,早くスッキリと仕上げたいのだが,相変わらずPowerPointの画面を開いたまま,何時間も悶々としている.
「オレの頭も,暫く使わない間に,すっかりさび付いてしまったな・・」
私は天を仰いで,
「こんな筈じゃなかった!」
と嘆き続けている.嘆いたからどうなるものでもないのに・・・
もちろん,どうにもならないことも,先刻“承知の助”なんだが.
(愚痴おわり)
最新の画像[もっと見る]
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
今朝、3時半にこのホテルの火災報知器が鳴って、それから眠れなかったので、他の記事も拝見させていただきました。
わたしもヤフーのブログで徒然なるままに記憶を記録していますが、きちんと記録をされていて頭が下がります。
情報のご提供に感謝します。^^
コメント,ありがとうございました.
私のブログ記事が少しでもお役に立てれば幸いです.
グレイズピーク山頂までの山道は危険な所が全くないですが,何といっても標高4000メートルを越える山です.
1,とにかくユックリ登る(ハアハアになるほどの速度は絶対ダメ).
2.深呼吸を頻繁に行う(もちろん腹式呼吸),
3.水を適量飲む,
の3項目を守ることだと思います.
無事,登頂に成功するよう祈っております.