中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ペルー周遊記(46):第13日目(1):山荘の休日

2008年09月30日 11時54分42秒 | ペルー:ブランカ山脈ピスコ山登頂
                      <山荘前の小さな池>

        ペルー周遊記(46):第13日目(1):山荘の休日
            2008年7月13日(月)

<休日の朝>

■やっぱり高度障害か

 高所にも多少馴れたのか,昨夜は比較的良く眠れた.
 6時30分頃,起床する.どうやら今朝も晴れているようである.
 6時40分頃,小屋から外へ出てみる.朝方は多少の霧が発生していたが,日が昇るにつれて,霧が晴れ渡るにつれて,段々と暖かくなる.
 8時頃から,食事小屋で朝食を摂る.自覚的には高度障害はないように思うが,相変わらず食欲は減退している.
 メニューは,ゴハンに味噌汁,それにマスの焼き物,サラダ,チモリア(果物の一種)などである.

                       <山荘の朝食>

■終日自由行動
 朝食後,パルスオキシメーターで血中酸素飽和度と脈拍を測定する.それぞれ,93%と79回/分である.どうも,血中酸素飽和度の値が低い.それに,脈拍も少し多い.自覚症状はないが,やっぱり高度障害を受けているようである.
 今日は終日,特に予定はない.全くの自由行動である.
 KAさんは,お一人でトレッキングに出掛けた.私は特段することもないので,小屋の周辺でノンビリと過ごすつもりである.

            <チーフガイドのクラウディオさんと弟さんのサイン>

■クラウディオさんの一家
 山荘に,何時の間にか,チーフガイドのクラウディオの奥さんが来ている.民族衣装を着ている.何となく凛とした印象を受ける奥さんである.サブガイドのクラウディオさんも来ている.チーフガイドの弟さんである.
 飼い犬も一緒に来ている.白に茶の斑が入った小型犬である.私は,もともとネコ派.大きな声で「ワン・・ワン・・」と吠える犬は,あまり好きではない.とは言っても,一時,家でビーグル犬を飼っていたことはあったが,ネコほどには好きになれなかった.
 話は逸れるが,犬も直感力があるらしくて,犬に好感が持てない私の態度物腰を敏感に察知して,大抵の犬は,私には近付かないだけでなく,吠えまくられてしまうことが多い.だから,ますます犬が苦手になる.
 ところがどうしたわけか,このクラウディオさんの飼い犬だけは,数多い人の中から私を選んですり寄ってくる.私は当惑しながらも,オッカナビックリ,この犬の背中や頭を撫でてやる.
 「・・・犬も,案外,可愛いな・・・」
が率直な感想である.
 
       <クラウディオさんの奥さん>         <クラウディオさんの人なつこい犬>

■観光組とお別れ
 観光組のTさんと,Iさんは,これからリマ経由で帰国する予定である.
 お二人は,昨日,私達が乗っていた専用バスに乗る.
 「えっ・・! 2人で,この大きな車に乗るんですか!」
と当のお二人がビックリする.
 8時36分に山荘を出発.2人の乗客に,運転手が2人.大きな専用バスで“ゆったり旅”である.全く羨ましい限りである.

            <観光組とお別れ(8時36分):写真の2人は運転手>

■周辺を散策
 昼食後,雑記帳を持って,山荘の周辺を一人でブラブラ歩きをしてみようと思う.
 まずは,山荘裏手のガレ場の坂を,稜線まで登ってみる.稜線の向こうがどうなっているのか,私はこの眼で確かめたかった.
 山荘から少し登ると,直径約5メートル,高さ約4メートルほどの大きな岩がある.この岩の脇を通り過ぎて,さらに数分登り続けると,なだらかな稜線に出る.稜線の向こうも同じような風景が続いている.どうやら,私は,東側に見えているU字形の谷から,氷河で押し出されてきた扇状地型モレーンの高い所に居るようである.
 地図で確かめると,このU字形の谷は,コフッフ谷(Cojup)というらしい.

                    <大きな石と山荘>

■素晴らしい眺め
 周辺は礫と砂利が混ざったガレ場が連続している.見通しがよいので迷う心配はない.暫くの間,周辺を散策する.ここは標高3,700メートルを越える高所だが,照りつける日光のために,ジリジリと暑い.ただ,湿度が低いので,真夏の東京のような蒸し暑さではない.
 同じ所を数回行き来してから,大岩に戻る.
 この岩は,山荘に面した南側は垂直に近いので登れないが,北側は岩の割れ目を伝って登れそうである.さらに,西側は,胸の高さくらいまでは,少々登りづらいが,後は容易に上まで登れそうである.
 岩からの見晴は素晴らしい.早速,ノートを取りだして,周辺の印象を書き写す.
 西を見ると,氷河で削られたU字谷の奥に白く輝くプカランカ山(Pucaranra;標高6,156m)の山頂が見えている.その南側には,シュルップ山(Churup;標高5,495)の山頂が顔を出している.シュルップ山は,昨日のトレッキングで,シュルップ湖から見た山である.
 北に見える白い峰は,多分,ランラパルカ山(Ranrapalca;6,156m)ではないかと思われる.

               <U字形のコフップ谷:白い峰が覗く>

■長閑な里山
 南を眺めると,足元に山荘の建物が一列に並んでいる.その向こうには長閑な平原が広がっている.ワラスへ向かう砂利道が,S字になって見えている.その向こうには,稜線歩きをしたら気持が良さそうな丘が連なっている.
 もし,また山荘を訪れる機会があったら,あの稜線を散策してみたいなと思う.
  
                 <長閑な里山(12時31分頃)>

■白く輝く連山
 南西に目を向けると,白く輝く峰々が連なっている.北側から鋭く尖ったワマシュラフ山(Huamashraju;標高5,434m),続いて,雲間にカーシャン山(Cashan;標高5,686m),シャクシャ山(Shaqsha;標高5,703m)である.
 実に見事な風景である.この風景を眺めただけでも,この山荘を訪れた価値はあるといえよう.

         <白い峰々,ワマシュラフ,シャクシャ,カーシャンが見える>

<気儘な午後の一時>

■簡素な昼食

 12時40分頃から,食堂小屋で昼食を摂る.
 献立は,スープ,トウモロコシ,チーズ,ジャガイモ,佃煮各種.
 山荘オーナーの三井さんの話によると,午後からパーティが開かれるそうである.そのパーティのご馳走が食べられなくなるといけないので,昼食はごく軽くしておく方が良いとのことである.

                    <簡素な昼食>

■装備品のチェック
 暫くの間,宿泊小屋の前の広場で,日向ぼっこを楽しむ.ついでに,持参しているロープを取りだして,ロープワークの復習を始める.すると,何人かの方々が集まってきて,一緒にロープワークを楽しむ.
 次いで,明日から始まるピスコ山登頂に備えて,携行する装備品のチェックを,ガイドのクラウディオさんと,サブガイドの弟のクラウディオさんにお願いする.
 アイゼン,ピッケル,ハーネス,スパッツ,カラビナ,フリース,防寒具等々.
 登山班全員の装備品に問題はなさそうである.

                   <山荘前で装備品のチェック>

                              (つづく)
2008年11月5日 転換ミス訂正

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このシリーズの最初の記事
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2 コメント

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I love cats and dogs (suzuka)
2008-10-01 09:57:39
首輪もリードもない犬はストレスも少なく広原を走り回り都会で規制された生活を強いられる犬より天真爛漫。我が愛猫の自由を愛する行動は家の中の襖などは惨憺たる様だった。子犬のように大きな洋猫と日本猫だった。犬を心底気の毒と思う。束縛された生活を強いられ。繋がれ外に居る犬を見ると、かわいそうでならない。小型犬のうるさいのは私も嫌いだ。犬は人のコピー。犬格はそのまま見知らぬ人のはかりになる。それにしても、いつも、絵の素晴らしさに感嘆する。FHさんお気に入りのあの猫も写真ではなく一度描いて
載せて頂けたらと、期待しています。
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me too! (flower-hill_2005)
2008-10-01 10:54:56
suzukaさん
コメント有り難うございます.
ご指摘の通り,ペルーで滞在した山荘で出会った犬は,首輪もリードも付けていませんでした.
人間と一緒にグループを作っていました.正に家畜の原型を垣間見たような気がしました.
彼らは確かに貧しいかもしれませんが,彼らの生き様は,私などより,ずっと豊かだなと思い知らされました.
現場でのスケッチ,お褒め頂き恐縮しています.カメラでは撮れない超広角,超望遠がスケッチなら可能なので,このブログでも写真の補足として,スケッチを流用しております.
尊仏山荘の「営業部長」のスケッチも,機会がありましたら,ご披露致します.
度々のコメント,有り難うございました.
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