中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ペルー周遊記(47):第13日目(2):ペルー流のお祭り料理

2008年10月01日 09時49分28秒 | ペルー:ブランカ山脈ピスコ山登頂
                   <お祭り料理を作るカマド>

     ペルー周遊記(47):第13日目(2):ペルー流のお祭り料理
          2008年7月13日(月)(つづき)

<食料品の下ごしらえ>

■沢山の人が集まってくる

 昼過ぎになると,何時の間にか沢山の人達が山荘に集まっている.私達,ピスコ山登頂組とトレッキング組に同行する山岳ガイド,サポーター(クッカー兼ポーター)の方々とその家族のようである.それに数匹の犬.
 どうやら,クラウディオさんの指示に従って,饗宴の準備が始まったらしい.
 宿泊小屋の隣にある物置(?)小屋の前で,食料の下拵えが始まる.皆,明るく楽しそうな顔をしている.作業をしている人達に混じって,犬達も興味津々のようである.

          <クラウディオさん(右端)の指示で料理の準備が始まる>
      ※犬まで参加している.日本では,こんな長閑な風景を見ることは,滅多にない.
       何だか,とても羨ましくなる.

■カマドの準備
 広場東側の片隅では,数人の男性が,石積みのカマドを組み立てている.小さなカボチャ大の石を丸いドーム状に組み立てていく.私も組立作業には興味があるので,近くで拝見している.カマド造りはとても面白そうである.それにしても,彼らの手際よさには敬服に値する.何だか物造りの原点を見たような気分になる.
 やがて,土饅頭型のカマドが完成する.そして火口から薪を挿入され,勢いよく燃え始める.

            <石を積み上げてカマドを作る.中で薪を焚く>
 
■クイとジャガイモの準備
 広場の東端を流れる小川では,3人の女性達が,ネズミを一回り大きくしたような動物の皮を剥いでいる.これらのクイという名前の動物らしい.大きな鍋で沸騰させたお湯に,クイを浸す.そして,小川の水に晒しながら,皮を剥ぐ.腹部がふくれた綺麗な紅色の裸にする.
 作業小屋の軒下では,大きな鍋を使って,ジャガイモを茹でている.

                 <小川でクイを捌く:犬が見守っている>


                    <ジャガイモを茹でる>

<カマド料理>

■料理の手順
  
                                      <蒸し料理の手順(1)>
  
                            <蒸し料理の手順(2)>

■のんびりと待つ
 
料理がカマドで蒸し上がるまでには,少々時間が掛かる.
 広々とした場所で,現地の人,私達,数匹の犬が一緒に,料理が蒸し上がるまで,ノンビリと待っている.
 退屈だが,素晴らしい時間である.
 時々,犬達が辺りを駆け回って騒ぎ出す.するとクラウディオさんが,
 「こら~っ・・・静かにしなさい!」
と犬達を窘める(スペイン語で,多分?).
 すると犬達は,いたずらっ子のように,おとなしくなって,シオシオと私達の方に寄ってくる.こんな犬達を見ていると,犬が苦手な私にも,犬も可愛いなと思えてくる.
 

           <ノンビリと料理ができる(蒸し上がる)のを待つ>

■単純明快な料理方法

 どのくらいの時間,カマドで火を焚いていたのだろうか,炊き始めてから数十分経った14時20分頃,カマドは十分に熱くなったようである.
 カマドが熱くなったら,次の手順で料理を進める.
 1.火床を均して,その上に沢山のジャガイモを放り込む.
 2.次いで,カマドの上部の石を崩して,カマドの中に落とし込む.
 3.小さな袋に小分けして入れた肉,エンドウ豆などを,次々と落とし込んだ
   石の上に投げ込む.
 4.その上から,応分の水を掛ける.
 5.カマド全体を葦(?)のような草で覆う.
 6.さらにその上に,カマド全体を包み込むようにビニールシートを被せる.
 7.ビニールシートの上に,もう一度全体を覆うように葦(?)を被せる.
 8.カマド全体を覆うように土を掛ける.
 以上の作業がおわったのが,14時35分である.

          <カマドの上を潰して,袋に入れた肉や野菜を放り込む>

■出来上がり
 カマドで蒸すこと約1時間,15時20分に料理が完成する.
 クラディオさんが音頭を取って,カマドからの掘り出し作業が行われる.

             <カマドから出来上がった料理を掘り出す>
               ※蒸し上がった豆を出している.

 この料理が出来上がる手順を見ていると,ガスもレンジもない.台所もない.水道もない,あるのは,手作りのカマドと薪,それに小川の水だけ.調味料も使わない.きわめてシンプルである.
 皆の共同作業で,楽しそうに進められている(犬も楽しそうだった).
 私は料理作りを見物していて,なぜだか分からないが,彼らがとても羨ましくなった.
 彼らには,私達が,もうとっくに忘れてしまった生き様の原点のようなものが,脈打っているような気がしてくる.
 確かに,彼らは金銭的には,とても貧しい・・・が,私達がもうすっかり忘れてしまった素晴らしい“何か”がある.それが羨ましい.
                              (つづく)
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