<山上湖を巡る>
オーストリアの山旅:第6日目(3);新雪の山上湖を巡る
(アルパインツアー)
2014年6月26日(木)~7月7日(日)
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http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ef07b5791efcaf4e30486005423ec62c
第6日目;2014年7月1日(火) (つづき)
<ルート地図>
<山上湖周遊>
■二つの湖が見える
9時28分,標高約2,300メートルのコルに到着する.
今登ってきた坂道と反対側を見ると,眼下に小さな湖が二つ見えている.その先には新雪が降り積もった山が見えている.
コルの上に立って,暫くの間,この素晴らしい風景を堪能する.
「…では,この辺りを一回りしましょう…ここにリュックを置いていきましょう…」
と現地ガイドのWGさんが,私たちを促す.
<コルから二つの湖を見下ろす>
■深く降り積もった新雪
私たちは,標識近くにリュックを置いてから,WGさんの後に付いて,コルから二つの池の左手を目指して坂を下る.新雪は膝に届くほど深く降り積もっている.
いくら高緯度のオーストリアとはいえ,まさか夏にこんなに降り積もった新雪を踏んで登山するとは全く想像していなかった.
進行方向右手に,先ほど見下ろしていた二つの湖を眺めながら,やや急な登り坂に差し掛かる(下の写真).
前方にはギザギザした稜線の山が見えている.その脇に大きな雪渓が見えている.私たちはギザギザした稜線の下を廻り込むように歩いて,目の前の山の裏側に向かう.
<右手の山の裏側に回り込む>
■初めて登山者を見かける
目の前の山の裏側に回り込んで,その先を見ると,さらにその先に幾重にも連なる山並みが続いている.辺り一面は深く降り積もった新雪で,すっかり冬景色になっている.
ふと前方を見ると,一人の男性が,こちらに向かって歩いている.私たちは後でこの男性と奇妙な出会いを果たすことになる.
<雪の中男性が歩いている>
■小さな池と三角錐の山
周辺の山々は,どこを撮影しても素晴らしい写真になるほど見事である.私も歩きながら,後で収拾が付かなくなるほどの写真を撮影する.ここで撮った写真の中から,どれをこのブログに収録しようかと,迷いに迷うが,結局どれを選んでも大差ないことに気がつく.
そこで,まずは2~3枚だけ適当に選んで紹介することにしよう.
1枚目は小さな池と山の写真である.
<<小さな池と三角錐の山>
■グライフェンベルグが見える
西の方を見上げると,すぐそこに今日登る予定だったグライフェンベルグ(標高2,618メートル)が見えている.
「…雪山の装備をしてくれば登れそうですね…」
と同行者のどなたかが言っている.私も同感である.
現在,標高約2,300メートルの地点にいる,グライフェンベルグ山頂までの標高差は後約300メートルと僅かである.
正直な気持ちを言えば,折角,ここまで登ったのにグライフェンベルグの山頂まで行かないのは,とても残念である…が,これも致し方がない.
<グライフェンベルグの山頂が見える>
■広大な雪渓を横切る
プラインターラー小屋から登ってきた斜面の丁度裏側に当たるところを歩いている.だれも歩いていない新雪を踏みながら歩き続ける.
稜線からずっと続いている大きな雪渓の麓を横断する.綺麗晴れ渡った青空が心地よい.
辺りには私たち以外に誰も居ない.何の音も聞こえない静寂の世界が広がっている.
<広大な雪渓を横切る>
<湖水で喉を潤す>
■透明な水を讃えた湖
10時28分,透明な水を湛えた湖に到着する.これまでに見た小さな湖は湖面に降り積もった雪が残っていて,湖水の水面は見えなかったが,ここの湖は面積が少し広いためか水面が見えている.
対岸の景色が湖面で反射している.
上流に降り積もった雪が融けて流れ出し,この池に貯まっている様子が良く分かる.
「…この池の水は飲めますよ…」
とWGさんが言う.
<透明な水を湛える湖水>
■岩稜の麓の湖水
10時37分,小さな湖水の岸辺で小休止.
目の前には大きな岩山が屹立している.険しい山容に圧倒される.
“厳しい岩山だな…オレには到底登れないところだ…”
私は自分の登山技術の未熟さを棚に上げて,碌でもないことを連想する.岩山の向こうに白い雲が沸き上がっている.
<湖水の水を試飲>
■湖水の水を試飲
WGさんが湖水の水を一口,二口,飲んでいる.
「おいしいですよ…」
とのWGさんの言葉に誘われるようにして,私も,湖水の水を一口飲んでみる.なるほど,冷たくて美味しい水である.水の中に,何か分からないがミネラルが溶けているらしくて,ほんの微かに硬水っぽい味がする.
同行者の中で,何人かが湖水の水を試飲する.
もう一箇所の湖水の水も試飲してみる.こちらも冷たくて美味しいが,溶けているミネラルの組成が僅かに違うらしくて,先ほどの湖水とは,ほんの少し違った味がする.
<湖水の水を試飲する>
■偶然の出会い
11時02分,沢山の湖水の真っ直中で,立ち休憩を取る.
丁度そのとき,さきほど遠くから見かけた男性とバッタリ会う.この男性は,私たちが歩いたコースとは反対回りに登ってきたようである.
彼は,私たちが日本人だと知って,親しく話しかけてくる.
「私,×月×日の飛行機で日本へ行きますよ…」
詳しく伺うと,私たちの帰国予定日と同じ日,しかも同じフライトである.これは奇遇.
お話を伺うと,彼はウィーフィルのメンバーである,7月初旬に開催される某音楽祭に出演するという.私たち感激!
後日,空港で再開して,彼の名刺とサインを頂戴するが,プライバシィ保護を念頭に置いて,お名前などこれ以上の情報は伏せておくことにしよう.
彼は私たちとお別れした後,グライフェンベルグ山頂を経由して,コップリング小屋(標高1,651メートル)方面に下山したことを,後で空港で出会ったときに伺った.ただ,クライフェンベルグ越えは大変厳しかったとのことである.
<湖水の近くで休憩>
■コルで昼食
11時08分,湖水地方一周を終えて,もとのコルに戻る.
ここで,少々早めの昼食をユックリと摂る…が,微風ながら冷たい風が峠を吹き抜けるので,とにかく寒い.
少しでも風が弱い場所をさがして,蹲るような姿勢で休憩を取る.
まだ時間が早いので,食欲は殆どないが,ランチボックスを取り出して,まずはリンゴを囓る.このリンゴ,見た目は余り良くないが,甘くて美味しい.その後,スナック菓子を少し食べるが,例の茶色のパンのサンドイッチは,全く食べる気にならない.
11時50分,長い休憩時間を終えて下山開始.
往路をそのまま辿って,プラインターラー小屋まで下山する予定である.
<コルに戻る>
(つづく)
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「オーストリア山岳トレッキング」の目次
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