中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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ルートバーン(5):ニュージーランドへ(2)

2011年03月17日 06時06分08秒 | ニュージーランド;ルートバーン

                              <クイーンズタウンの夕景>

           ルートバーン(5):ニュージーランドへ(2)
              (湘南カラビナ隊)
         
2005年1月28日(金)~2月6日(日)

 3.成田国際空港へ

■進まない準備出発前日
 出発前日:2005年1月27日(木).快晴
 いよいよニュージーランド出発前日である.幸いなことに今日は仕事がオフで,終日,旅行の準備に充てることができる.ところが,一向に旅の準備をする気にならない.こんなときは,旅には関係のない余計なことを,敢えてするに限る.そこで,一昨年,ニュージーランドを訪れたときの日記帳や資料をひっくり返しながら,つじつまの合わないいろいろなことを思い出すことにした.そういえば,あのとき,クイーンズタウン(Queenstown)で仕入れた筈の地図が見当たらない.どこかにしまい忘れてしまったらしく,いくら探しても出てこないのが残念である.
 準備をする気にならないので,最近開いたばかりの自分のブログ(注1 )に,雑文を書き込みながら,旅行気分が高揚してくるのを待っている.
 午後,源氏山公園を横切って,ふらふらと鎌倉駅まで出てみる.
 駅前の東京三菱銀行で,念のため1万円相当のドルを購入する.このところのドル安で,1 ドルが102円であった.本当はドルなど準備する必要はないのだが,私のとぼしい海外旅行の経験からいうと,少額のドルを持っていると何かと便利に思える.そこで,多少の現金ドルは絶やさずに持つようにしている.それもなるべく小額の紙幣が良い.
 ついでに,鎌倉駅構内のコーヒー店でぼんやりとコーヒーを味わう.そして,となりのJR緑の窓口に吸い込まれるように入る.成り行きで明日の成田エキスプレスの指定席切符を購入する.出発前日に指定席など空いている筈がないと多寡を括っていた.ところが,買えてしまった.少々戸惑うと同時に,
 「何も成田エキスプレスで行かなくても,エアーポート成田で行けば安くて済むのに・・・」
と損をしたような,得をしたような,妙な気分になる.
 夕方,家に戻る.そして,夕食後,ようやく旅支度を始める.
 「パスポートさえあれば,あとは何とかなるさ」
と安易な気分でいたが,いざ準備を始めると,細かいものがなかなか出てこない.
 何だかんだで,結局,夜の22時を過ぎて,漸く準備が完了した.トレッキングシューズ一足を除く全ての持ち物を40リットルのリュックサックに収めた.トレッキングシューズだけは袋に入れて,リュックの外に括り付けた.
 就寝直前に,同行する仲間たちに,明日,私が成田エキスプレスを利用して成田へ行くことを携帯メールで流した.

■いよいよ飛行機に搭乗
 第1日目:2005年1月28日(金).晴.温暖
 午前,3時頃,目が覚める.もう一度眠って,7時頃起床.昨夜夜更かししたので,多少,目覚めのリズムが狂っている.9時過ぎまで,何となくテレビを見て過ごし,もう一度,持ち物のチェックをする.
 出がけに,本来ならばパソコンを開いて,着信メールのチェックをしなければならないが,どうもその気にならない.昨夜パソコンを開いたばかりなので,もういいやと自分に言い聞かせる.
 10時過ぎ,少々早めに家を出る.大船駅前のヤマダ電気に立ち寄って,60メガバイトのスマートメディア2枚と,乾電池若干を購入し,さらにルミネ大船でボールペンやノートを購入する.そして,いよいよ列車に乗る前に,一呼吸入れようかと思い,わざわざ商店街まで引き返して,「ルノアール大船」でブレンドコーヒーを味わう.
 大船発12時43分の成田エキスプレスに乗車する.7号車8番C席である.大船を発車したときは,車内にほんの数人しか乗客がいなかったが,品川を過ぎる辺りから満席になり,車内が騒がしくなった.私の席の斜向かいに乗り込んだ若い外国人サラリーマン数名が,英語で盛んに何事かを話し合っている.東京を出ると次の停車駅は空港第2ビルである.
 どこをどう通って,列車が走っているのかは良く分からないが,千葉を過ぎて暫くすると,田圃の中を列車がばく進するようになる.それにしても,この辺りには随分と沢山に送電線が走っている.やたらに高圧線の鉄塔が目に付く.
 14時20分,同行のフクロウから,
 「ただ今成田到着・・松の木の下で待っています」
というメールが入る.私もすかさず,
 「現在,成田駅を通過中」
と返信する.
 フクロウとバーダーは,YCATから,リムジンバスで,成田へ向かっていた.消防署長と消防署員は,三浦半島の突端から,京急・京成電鉄を使って,成田へ向かっているはずである.
 今回のニュージーランド行きには参加できなかった残留組の仲間から,
 「行ってらっしゃい・・・」
という趣旨のメールが次々と入ってくる.
 14時27分,空港第2ビルに到着.そして集合場所のHカウンターに14時37分に到着する.
 「松の木なんて何処にあるのかな」
と訝っていると,私を見つけた仁王様が,
 「皆さん,あっちで待っていますよ」
と言いながら,私を案内してくれる.
 まだ,集合時間まで少々時間がある.それに,消防署長と消防署員は到着していない.取りあえず階段上のレストランに入って,コーヒーを味わう.出発前の心地よい緊張感が何とも言えない.15時50分,集合時間の十分前に,Hカウンターへ戻る.ツアーコンダクターの志水さん(以下Sさんと表記)をはじめ,われわれ以外の一般参加者のお2人も居られる.Sさんは小柄で控えめの中年女性.すぐに搭乗手続きをする.幸いなことに東京組十名は,ほぼ同じ場所に連続して確保することができた.私の席は50Hである.キャビンアテンダントのすぐ近くの通路側である.私の隣は消防署長と消防署員である.
 17時25分,搭乗開始.
 沢山の乗客が,搭乗口に集まってくる.特段急ぐ必要もないので,私たちはのんびりと後の方から搭乗した.
  (注) 1 .http://flower-hill.ameblo.jp
    ※現在,主に利用しているブログは,
       http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005


4 退屈な機内

■成田空港を離陸
  17時25分,私たちは,成田国際空港からニュージーランド航空NZ90便オークランド行に搭乗する.満席である.乗客の約90パーセントが日本人のようである.私の席は50H,キャビンアテンダントのすぐ近くの通路側である.通路側はラッキー.ただ,スクリーンがほぼ真横にあるため見にくい.
  18時24分,機内アナウンス.
 「・・・日本人乗務員4名,・・・10時15分,オークランド到着の予定です」
と日本語,英語の順で始まる.
  18時30分,飛行機が駐機場から動き出す.定刻の30分遅れである.かなり訛りの強い英語で機長が挨拶する.機内の気温が少々暑い.ディスプレーに日本付近の地図が映し出される.英語,日本語,韓国語の表示の地図が切り替わる.英語の画面では,なぜか日本海が北東海(North East Sea)になっている.ただし,日本語の画面では日本海である.
  18時45分,漸く離陸.
  18時58分,機内が少し涼しくなる.外気1℃,対地速度575キロメートル/時である.
  19時10分,ベルトサインが消える.キャビンアテンダントがせわしく動き出す.
  19時20分,おしぼりが配られる.昔流に小さな蒸しタオルがロール状に巻かれている.
  19時38分,機内サービスが始まる.
 「赤ワイン,白ワイン,キューイ(Kiwi)ワイン・・・」
と恰幅の良い男性キャビンアテンダントが英語とも日本語ともつかない発音で私に聞く.もちろん,ニュージーランド産のキューイワインを,ほんの少しだけ戴く.
 19時55分,飛行機は気流が悪いところを通過する.飛行機が上下左右に激しく揺れる.


■美味しい機内食
  20時38分,ディナーサービスが始まる.飲めないのに,また,キューイワインを貰う.ディナーは牛肉または魚のメニュー.このどちらかを選ぶ.私のこれまでのとぼしい海外旅行の経験では,日本人の乗客が多いときは,どうも牛肉の方が早くなくなるようである.
 そんな体験から,牛肉を選ぼうかと一瞬思ったが,やっぱり魚を選ぶ.

 小さなお盆の手前左側にフライの魚がライスの上に乗っている.その脇にエビ,貝柱,にんじんなどの和え物が添えてある.その右にドレッシング,バターなどを入れた小さな入れ物が並ぶ.後ろ側には左にデザート,その右にプチトマトや小さなトウモロコシ(なんていう名前なのだろう)などが入ったサラダが盛りつけてある.なかなか豪勢である.
 聞くところによると,ニュージーランド航空の機内サービスは,人気投票で,常に上位にランクされているそうである.そんな評価も何となく頷ける.
 空腹だったために,瞬く間に,このランチを平らげてしまう.
  21時12分,英国紅茶(English Tea)を貰う.少々薄いような気がするが,なかなか美味しい.
 21時25分,夕食が終わる.キャビンアテンダントが,窓を閉めるように言い回っている.機内が少し暗くなるにつれて,機内は次第に静かになる.私は,時間つぶしのために,2年前にミルフォードサウンドを訪れたときの資料を開き,読み返す.
 その後,うつらうつらと時を過ごす.長く座席に座っていたためか,足の血が下がってしまったらしい.何ともだるい.エコノミー症候群になるかもしれないと,少々気になるので,しきりに足を動かしてみる.眠れない.
  22時24分,スクリーン上に,
 「目的地まで後7時間30分(Time to Destination 7:30)・・・」
と英語で表示されている.どうやら飛行機はニューギニア東方を飛行しているようである.
 ここで,現地時間に時計を合わせる.今,ニュージーランドは夏時間.したがって,日本との時差は4時間である.今,1月29日(土),2時24分である.

■機内で一夜を明かす
 第2日目:2005年1月29日(土).機中泊.
 キャビンアテンダントからオレンジジュースを貰う.酸味があって目が覚める.いつの間にか周囲が静かになる.ほとんどの人が眠っている.
  3時50分,一向に眠くならない.私の前の席に座っていた「ノシイカ」が,ストレッチ体操をしている.静かになった客席にゴウゴウというエンジンの連続音が単調に響いている.そんなエンジン音を聞くとなく聞いていると,少しウトウトとしてくる.
 足がだるい,エンジン音がうるさい,何だか腰が重いなどなど,色々な不平不満がもやもやしながら,眠っているような,眠っていないような時間が暫く続く.
 ふと気がつくと,6時丁度になっている.眠気が吹っ飛ぶ.トイレに行く.となりのキャビンアテンダントのブースから,ガチャガチャと色々な音が聞こえてくる.スクリーンではドタバタ喜劇が上映されている.私はスクリーンを見るでもなく,見ないでもなく,チラチラと眺めながら過ごす.
 7時01分,機内に電気が点る.
 7時3分,スピーカーから,鈍った英語のアナウンスが聞こえてくる.「ジャパニーズオムレッツ」という単語だけが聞き取れる.何だか訳が分からないが,朝食のことだろうと多寡を括る.
 しばらくして,
 「みなさま,おはようございます・・・」
と日本語で,朝食の説明がある.
 7時40分,朝食が配られる.どうやらビジネスクラスの乗客には,キャビンアテンダントが,一皿ずつ手配り,われわれエコノミークラス(Pacific Class)にはワゴン配り.要するに旨ければ,食事の配り方など,まあ,どっちでも良い.
 朝食は,オムレツとシャケから一品をチョイスする.私は迷わずオムレツを選ぶ.


 トレイの左手前にベーコンをはさんだオムレツとポテトサラダ,右側にヨーグルトとパン,向こう左手にバターとジャム,キューイ,苺,オレンジのスライスが入ったサラダ,オレンジジュースが並んでいる.
  8時46分,英語,日本語,韓国語の順で,
 「あと,30分ほどでオークランド国際空港に到着します」
とアナウンスがある.飛行機は徐々に高度を下げ始める.
                                 (つづく)

「ルートバーン」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/802339a57f334a808f9c971585a6360b
「ルートバーン」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31e5415814bff6d52bd6706fee1f9b53

[編集後記]

2011年3月16日(水)

 北風の冷たい一日だった.
 東北地方太平洋沖地震(東北関東大地震)が3月12日(金)に起きてから,5日目を迎えている.鎌倉でも,今日までに計画停電を2回経験した.今日から東京23区でも計画停電が始まった.じわりじわりと厳しくなっている感じがする.
 一方,早朝,震度4の地震があった.さらに,夕方,茨城県地方で,かなり強い地震があったようである.いよいよ・・・か.心配が過(よ)ぎる.
 福島第1原子力発電所の事故は,深刻な事態が続いている.収束する気配が全く見られない.
 千葉では,遂に鳥インフルエンザ.
 今日,被災地には無情の降雪.明日も,冬型気圧配置で,被災地は冬並みの寒さになるようだ.杉の花粉の飛散量が極めて多くなるという.正に踏んだり蹴ったり.日本沈没か.
 とはいえ,こんな愚痴ばかり並べていたら,ますます気が滅入るだけだ.
 私達に日本人には,あの戦後の廃墟,どん底から,今の日本まで這い上がってきたDNA.忍耐力と底力が組み込まれているはずだ.日本は必ず立ち直る信じることにしよう.
                                 (ぼやきおわり)



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