
<フェス郊外の風景>
モロッコ訪問記(32):第9日目(4):フェスへ(2)
(アルパインツアー)
2009年6月7日(土)~18日(火)
第9日目:2009年6月15日(月) つづき
<避暑地イフレン>
■ミデルトを出発
オテルカサバアマアのレストランで昼食を済ませた私たちは,13時55分,再び専用バスに乗車,出発する.このホテルのある町,ミデルトはなかなか大きな町である.暫くの間,何となく埃っぽいミデルトの市街地が続く.
14時15分頃,漸くミデルトの郊外に出る.するとまた,赤褐色で単調な風景が続くようになる.振り返ってアトラス山脈の方を見ると,雨雲らしい真っ黒な雲が沸き上がっている.単調な風景を眺めていると,たちまちの内に睡魔に襲われる.私は,また,暫くの間,ウトウトとしながら過ごす.
15時10分頃,強い雨が降り出す.車窓に大粒の雨が叩きつけらる音が激しく聞こえてくる.
■夏の宮殿と素晴らしい森
辺りの風景を見ていると,次第に緑が増えてくる.同時に民家の数もだんだんと増えてくる.どうやら大きな町の郊外に入ったようである.地図で確かめると,イフレン(Ifrane)という町らしい.ガイドブックによると,この町の標高は1650メートル.意外に高い.どうやら有名な避暑地のようである.
やがて,進行方向右手に素晴らしい森が現れる.森の中に綺麗な小川が流れている.所々に制服を着た守衛のような人が立っている.バスは,暫くの間,この森に沿って走る.公園にしては,森の中に人の気配がないので,辺だなと思って,現地ガイドのアブダラさんに,
「・・・この公園みたいな所には,誰も居ないですね・・・」
と聞いてみる.
「ああ・・ここ? ここは公園じゃなくて,王宮ですよ.夏の宮殿です・・・」

■オテルシャモニー
16時05分,私たちはイフレン市内のオテルシャモニーに到着.ここでトイレ休憩.
バスを降りる.涼しい.モロッコらしからぬ所である.
広い歩道に面した目立たないホテルである.ホテルの中に入る.何となく薄暗い感じがする.トイレの側に立っている集金係の男性に1DH支払って,トイレを済ませる.トイレは余り綺麗ではなかった.
どうも長居をするところでもない感じがするので,用事を済ませたら,直ぐに外に出る.

<オテルシャモニーの外観>
<今日の宿泊地:フェズ>
■カンダの露店
16時14分,バスはすぐに出発.イフレンは,それほど大きな街ではなさそうである.直ぐに郊外の草原地帯になる.
15分ほど草原を走り続けると,なだらかな起伏のある緑豊かな所に入る.近くに見える小高い丘は,丘の上まで緑の木々で覆われている.山麓には畑,林が点々と続く,この辺りはモロッコらしからぬ別天地である.
16時38分,私たちのバスは,カンダ(スペル不明)という街を通過する.大きな街路樹の下に沢山の人たちが集まっている.どうやら小さな露店が建ち並んでいるようである.

<カンダの並木道:と天が並び,たくさんの車が駐車している>
■フェズに到着
17時頃,大きな街の郊外らしいところに入る.地図で確かめると,どうやら今日の宿泊地フェズ(Fez)の郊外のようである.車窓から大規模な宅地造成地が続いているのが見える.
アブダラさんの話によると,ヨーロッパの人たちが,明るい太陽を求めて,この辺りの住宅を購入するようである.
やがて街灯が連なる綺麗な街並みに入る.
どこをどう通ったか,地図では追えなかったが,17時24分,今日の宿泊場所であるオテルメンゼザラ(Hotel Menzeh Zalagh)に到着する.
<オテルメンゼザラ>
■ホテルにチェックイン
ホテルは,交通量の多い道路に面して建っている.第一印象で,落ち着かないところだなと思う.
ツアーリーダーのMさんを先頭に,ホテルの中に入る.第一印象とはかけ離れた重厚な雰囲気のロビーである.内装はなかなか凝っている.
現地ガイドのアブダラさんが,チェックインの手続きを行う.
私は,例によって,自称名古屋の百姓Kさんと同室になる.まずは部屋に入る.大きなベッドが2台置いてある.

<オテルメンゼザラにチェックイン:右がアブダラさん,左がMさん>


<ホテルの部屋>
■熱いお湯がたっぷりのバス
同室のKさんとは,毎日,バスを使う順番と.ベッドの位置を交替することにしている.今日は,私が最初にバスに入る順番である.
早速,バスにお湯を張る.今日のホテルは,これまでのホテルと違って,蛇口から熱いお湯が迸るように出てくる.ベリーグッド!
ただ,今日は,終日,バスに揺られていたので,全く汗をかいていない.下着もあえて着替える必要もなさそうである.
ゆっくり入浴した後,荷物と日記帳の整理をする.
■醤油が味を引き立てる夕食
19時25分,1階のレストランに向かう.
例によって,私たちのグループは,レストランの一角にあるテーブルに団体で座らせられる.
型どおりのメニューで食事が始まる.まずは飲み物,下戸の私は,今日のように汗をかかない火にはビールなど飲みたくない.そこで,1人だけコーラを注文する.
メインディッシュはヒラメを油で焼いたもの.料理の正式名称など,田舎者の私には分からない.とにかく,私が持参した醤油を掛けると,天下一品の味に変身する.私の醤油が,参加者全員に大好評である.ついで,豆,細かく切ったジャガイモなど,数種類の野菜を炒めたものが一品.これも醤油が合う.最後がケーキ.
醤油が料理の味を引き立てることが,飲み助どもの話題になる.そして,私がたまたま学術博士の学位を持っていることが,どなたかの口から漏れてしまう.黙っていてくれればよいのに.今度は,私が瞬間接着剤を持っていて,靴底が剥がれたときの応急措置ができたことも話題になる,関西の方々のあくどいギャグが連発される.
決して悪意があってギャグを言っているわけではなく,むしろ敬意を払いながら言っていることは,私にも,良く分かる.でも,ギャグ文化に馴染みのない東男の私には,鬱陶しくて仕方がない.私が鬱陶しく迷惑に思っているにもかかわらず,私の意など解さずに,同じようなギャグをウンザリするほど聞かされる.私は内心で腹が立ってくる・・・が,文句を言うのも大人げないので,ぐっと耐える.



■ギャグの連続でイライラしながら就寝
20時30分,漸く長い夕食が終わる.仕方がないことながら,平素,食事に20分程度しか時間を掛けない私は,団体旅行に出掛けると,毎夕食で貴重な1時間あまりをロスしたような気分になる.
レストランから部屋に戻る途中で,ホテルの売店を覗く.一寸買ってみたいなと思う土産物もいくつかあったが,貧乏旅行をしているので,ぐっとこらえて買わずに部屋へ戻る.
21時頃,ベッドに入り,就寝.
目をつむるが,先ほどウンザリするほど聞かされた歯の浮いたようなオダテや,ギャグが,まだ頭の中でむせている.思い出すと堪らなく腹が立ってくる.
「関西の皆さんよ・・・関東の人間に,あまりギャグやオダテを浴びせないで貰いたい・・」
私はイライラする気持ちを抑え込むようにして,ジッと目を瞑る.
こうして,モロッコ滞在9日目は終わった.
(つづく)
「モロッコ訪問記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b500e4738b5c7e957e7a04fe5c9ce34d
「モロッコ訪問記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/63ad61eff7cccaec05b5d5e1c5ebc003
「モロッコ訪問記」の最初の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31b79faa79d02b8fe28dc5177880d2e4
「モロッコ訪問記」の索引
(編集中)
モロッコ訪問記(32):第9日目(4):フェスへ(2)
(アルパインツアー)
2009年6月7日(土)~18日(火)
第9日目:2009年6月15日(月) つづき
<避暑地イフレン>
■ミデルトを出発
オテルカサバアマアのレストランで昼食を済ませた私たちは,13時55分,再び専用バスに乗車,出発する.このホテルのある町,ミデルトはなかなか大きな町である.暫くの間,何となく埃っぽいミデルトの市街地が続く.
14時15分頃,漸くミデルトの郊外に出る.するとまた,赤褐色で単調な風景が続くようになる.振り返ってアトラス山脈の方を見ると,雨雲らしい真っ黒な雲が沸き上がっている.単調な風景を眺めていると,たちまちの内に睡魔に襲われる.私は,また,暫くの間,ウトウトとしながら過ごす.
15時10分頃,強い雨が降り出す.車窓に大粒の雨が叩きつけらる音が激しく聞こえてくる.
■夏の宮殿と素晴らしい森
辺りの風景を見ていると,次第に緑が増えてくる.同時に民家の数もだんだんと増えてくる.どうやら大きな町の郊外に入ったようである.地図で確かめると,イフレン(Ifrane)という町らしい.ガイドブックによると,この町の標高は1650メートル.意外に高い.どうやら有名な避暑地のようである.
やがて,進行方向右手に素晴らしい森が現れる.森の中に綺麗な小川が流れている.所々に制服を着た守衛のような人が立っている.バスは,暫くの間,この森に沿って走る.公園にしては,森の中に人の気配がないので,辺だなと思って,現地ガイドのアブダラさんに,
「・・・この公園みたいな所には,誰も居ないですね・・・」
と聞いてみる.
「ああ・・ここ? ここは公園じゃなくて,王宮ですよ.夏の宮殿です・・・」

■オテルシャモニー
16時05分,私たちはイフレン市内のオテルシャモニーに到着.ここでトイレ休憩.
バスを降りる.涼しい.モロッコらしからぬ所である.
広い歩道に面した目立たないホテルである.ホテルの中に入る.何となく薄暗い感じがする.トイレの側に立っている集金係の男性に1DH支払って,トイレを済ませる.トイレは余り綺麗ではなかった.
どうも長居をするところでもない感じがするので,用事を済ませたら,直ぐに外に出る.

<オテルシャモニーの外観>
<今日の宿泊地:フェズ>
■カンダの露店
16時14分,バスはすぐに出発.イフレンは,それほど大きな街ではなさそうである.直ぐに郊外の草原地帯になる.
15分ほど草原を走り続けると,なだらかな起伏のある緑豊かな所に入る.近くに見える小高い丘は,丘の上まで緑の木々で覆われている.山麓には畑,林が点々と続く,この辺りはモロッコらしからぬ別天地である.
16時38分,私たちのバスは,カンダ(スペル不明)という街を通過する.大きな街路樹の下に沢山の人たちが集まっている.どうやら小さな露店が建ち並んでいるようである.

<カンダの並木道:と天が並び,たくさんの車が駐車している>
■フェズに到着
17時頃,大きな街の郊外らしいところに入る.地図で確かめると,どうやら今日の宿泊地フェズ(Fez)の郊外のようである.車窓から大規模な宅地造成地が続いているのが見える.
アブダラさんの話によると,ヨーロッパの人たちが,明るい太陽を求めて,この辺りの住宅を購入するようである.
やがて街灯が連なる綺麗な街並みに入る.
どこをどう通ったか,地図では追えなかったが,17時24分,今日の宿泊場所であるオテルメンゼザラ(Hotel Menzeh Zalagh)に到着する.
<オテルメンゼザラ>
■ホテルにチェックイン
ホテルは,交通量の多い道路に面して建っている.第一印象で,落ち着かないところだなと思う.
ツアーリーダーのMさんを先頭に,ホテルの中に入る.第一印象とはかけ離れた重厚な雰囲気のロビーである.内装はなかなか凝っている.
現地ガイドのアブダラさんが,チェックインの手続きを行う.
私は,例によって,自称名古屋の百姓Kさんと同室になる.まずは部屋に入る.大きなベッドが2台置いてある.

<オテルメンゼザラにチェックイン:右がアブダラさん,左がMさん>


<ホテルの部屋>
■熱いお湯がたっぷりのバス
同室のKさんとは,毎日,バスを使う順番と.ベッドの位置を交替することにしている.今日は,私が最初にバスに入る順番である.
早速,バスにお湯を張る.今日のホテルは,これまでのホテルと違って,蛇口から熱いお湯が迸るように出てくる.ベリーグッド!
ただ,今日は,終日,バスに揺られていたので,全く汗をかいていない.下着もあえて着替える必要もなさそうである.
ゆっくり入浴した後,荷物と日記帳の整理をする.
■醤油が味を引き立てる夕食
19時25分,1階のレストランに向かう.
例によって,私たちのグループは,レストランの一角にあるテーブルに団体で座らせられる.
型どおりのメニューで食事が始まる.まずは飲み物,下戸の私は,今日のように汗をかかない火にはビールなど飲みたくない.そこで,1人だけコーラを注文する.
メインディッシュはヒラメを油で焼いたもの.料理の正式名称など,田舎者の私には分からない.とにかく,私が持参した醤油を掛けると,天下一品の味に変身する.私の醤油が,参加者全員に大好評である.ついで,豆,細かく切ったジャガイモなど,数種類の野菜を炒めたものが一品.これも醤油が合う.最後がケーキ.
醤油が料理の味を引き立てることが,飲み助どもの話題になる.そして,私がたまたま学術博士の学位を持っていることが,どなたかの口から漏れてしまう.黙っていてくれればよいのに.今度は,私が瞬間接着剤を持っていて,靴底が剥がれたときの応急措置ができたことも話題になる,関西の方々のあくどいギャグが連発される.
決して悪意があってギャグを言っているわけではなく,むしろ敬意を払いながら言っていることは,私にも,良く分かる.でも,ギャグ文化に馴染みのない東男の私には,鬱陶しくて仕方がない.私が鬱陶しく迷惑に思っているにもかかわらず,私の意など解さずに,同じようなギャグをウンザリするほど聞かされる.私は内心で腹が立ってくる・・・が,文句を言うのも大人げないので,ぐっと耐える.



■ギャグの連続でイライラしながら就寝
20時30分,漸く長い夕食が終わる.仕方がないことながら,平素,食事に20分程度しか時間を掛けない私は,団体旅行に出掛けると,毎夕食で貴重な1時間あまりをロスしたような気分になる.
レストランから部屋に戻る途中で,ホテルの売店を覗く.一寸買ってみたいなと思う土産物もいくつかあったが,貧乏旅行をしているので,ぐっとこらえて買わずに部屋へ戻る.
21時頃,ベッドに入り,就寝.
目をつむるが,先ほどウンザリするほど聞かされた歯の浮いたようなオダテや,ギャグが,まだ頭の中でむせている.思い出すと堪らなく腹が立ってくる.
「関西の皆さんよ・・・関東の人間に,あまりギャグやオダテを浴びせないで貰いたい・・」
私はイライラする気持ちを抑え込むようにして,ジッと目を瞑る.
こうして,モロッコ滞在9日目は終わった.
(つづく)
「モロッコ訪問記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b500e4738b5c7e957e7a04fe5c9ce34d
「モロッコ訪問記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/63ad61eff7cccaec05b5d5e1c5ebc003
「モロッコ訪問記」の最初の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31b79faa79d02b8fe28dc5177880d2e4
「モロッコ訪問記」の索引
(編集中)