<幻の単行本の原稿>
ルートバーン(3):まえがき:ニュージーランドにあこがれて
(湘南カラビナ隊)
2005年1月28日(金)~2月6日(日)
***これから連載するのは出版が幻に終わった本の内容である***
まえがき ニュージーランドにあこがれて
本書はニュージーランド南島にあるルートバートラックとマウントクック山麓トレッキングの詳細な報告書である.この報告書を纏めた筆者は,山登りの分野では,全くの素人である.筆者は,中高年になってから,登山を始めたが,いつしか山の魅力に取り憑かれてしまった.その後,素人にしては,随分,頻繁に登山を続けるようになった.これまで登山したどの山にも,その山独特の魅力があることは事実である.そして,ついつい次から次へと,飽きもせずに登山三昧の生活を送っている次第である.
今から2年(2005年起算)ほど前に,たまたま書物で素晴らしい所らしいと知ったミルフォードサウンドトレッキングに参加した.参加してみると,ミルフォードサウンドは,想像以上に素晴らしいところであった.それからは,すっかりニュージーランドの魅力に取り憑かれてしまった.そのときから,チャンスがあったら再びニュージーランドを訪れてみたいと,思い続けてきた.一方,私は3年前から,某登山学校(後述)に通っている.登山学校に通っている内に,だんだんと気心の知れた同級生が増えてきた.そして,これらの気心の知れた仲間と一緒に「湘南カラビナ隊」というグループを作り,今日に至っている.このグループでは,毎月,数回,自分たちだけで,自主的に山行を企画し,実施している.そんな最中,私は無性にルートバーントラックを歩きたくなった.そこで,私は湘南カラビナ隊の皆様に「一緒にルートバーンを歩かないか」と誘ってみた.そして,たちまちの内に8名の同行者が一緒に参加してくれることになった.
このコースの素晴らしさは,正に想像以上であった.素晴しく雄大な自然,気心知れた仲間,素晴らしい晴天,素晴らしい添乗員に恵まれ,正に夢のような毎日を過ごしてきた.そして,瞬く間に,この素晴らしい山行は終わってしまった.
帰国後,日が経つに連れて,この感動を是非記録に残したいという気持ちが湧いてきた.それと同時に,これからニュージーランド観光を企画される方々に,私たちの感動を是非共有して貰いたいという願いが日ごとに強くなってきた.そこで,私は,同行者の了承を得た上で,浅学非才を省みずに,本書を出版することにした.
本文にあだ名で登場する人物の大半は,クラブツーリズム株式会社横浜旅行センターが主催する3年制(現在は1年制)の登山学校「山旅スクール」の第5期生である.同行した方々は,全員が50歳代から70歳代の高年齢者である.高年齢とはいえ,この登山学校で極めて初歩的なレベルかもしれないが,歩行技術の基礎をみっちりと教えていただいた.また,この登山学校のモットーである「安全かつ余裕のある山旅」を続けることができた.
本書を執筆するにあたり,筆者は,これまで類書の切り口で,この素晴らしい体験を一冊の本に纏めてみたかった.すなわち,
(1)できるだけ細かく行動記録を記述する,
(2)登場人物の動静をできるだけ忠実,かつ,客観的に記述する,
(3)旅行中に見聞した地誌,動植物などは,文献,URLで可能な限り
チェックする,
の3点である.しかし,筆者の専門はコンピュータである.地誌や風物の知識に疎い.特に動植物の知識は皆無である.旅行中に,現地のガイドから動植物の説明を受け,懸命にノートに取ったが,浅学のため,これらの説明を正確に理解したとは言い難い.その結果,本書の記述に不適切な部分や,舌足らずの箇所,あるいは思い違いや誤りがあるかもしれない.したがって,本書は,所詮,素人の書いた旅行記に過ぎないかもしれないが,この点はご容赦願いたい.
筆者には本誌に賭ける熱い思いがある.それは,本書がたんにルートバーントラックの紹介に終始するだけでは満足していないことである.むしろ,前項の3点を念頭に置いて,道中で参加者がどんな気持ちで何をしていたか,それぞれが何に感動したかなどを,できるだけ忠実に再現したいと思っている.そして,これから登山を目指す方々に,登山の楽しさを,いささかでも理解いただければ,筆者としては望外の幸せである.
末尾ながら本書の出版にあたり,山旅スクールの恩師,N田ガイド,N方ガイド,およびシニアフレンドリースタッフのI田さん(現在は山岳ガイド),山爺ことY田さんに記して謝意を表する.また,今回のツアーでお世話になったアルパインツアーサービス株式会社のツアーコンダクターのS水さんをはじめ,多くのスタッフの方々に深く謝意を表する.さらに同行の同級生諸氏にも,記事や写真の収集にご協力いただいたことに,深く感謝する次第である.
2005年12月
著者 フラワーヒル
「ルートバーン」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b4bb48e4b5c8858fe2a6d45101c26bde
「ルートバーン」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/802339a57f334a808f9c971585a6360b
2011年3月14日(月)
巨大地震による電力不足の影響で,首都圏の電車は大幅に運行規制される.不要不急の外出は避けるようにとのことである.
我が家でも暖房は当然止めるし,毎回楽しみにしている丹沢塔ノ岳行も,当面中止するつもりである.
今日から計画停電が始まる.
私が住んでいる鎌倉は,計画停電区域グループ1に入っている.朝6時20分から10時頃まで,および16時50分から20時30分までの間,それぞれ3時間ほど停電である.
戦争中の灯火管制から終戦直後の電気が全くない頃,小さな缶に焦げ茶色の固形脂に紙(?)の芯が埋めてあるものに火を点して照明にしていたことを思い出す.5人家族で,この小さな燈明のような明かりが一つ.ちゃぶ台に置いてある.その明かりの周りに車座になって,ジッと座りながら長い夜を過ごしたことを思い出す.それも空襲警報に怯えながら・・・・
暖房もない寒い信州.防空頭巾(ずきん)が温かかった.
あの頃のことを思い出せは,今回の計画停電など何ともないなと,あらかじめ停電の時間が分かっているだけ随分とマシではないと,自分に言い聞かせる.
そして,こんな非常時に,ブログにノコノコとアクセスしていて良いのだろうかと,自責の念に駆られる.
(ぼやき終わり)
最新の画像[もっと見る]
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前
- 精密検査から戻って;長女が老夫婦を日比谷花壇大船フラワーセンターへ招待・・・ 4年前