<塔ノ岳山頂から富士山を望む>
紺碧の空とOさんが戻った丹沢:塔ノ岳(今年1回目)
(単独山行)
2011年1月4日(火)
■平日なのにバスは混雑
昨年末から正月三ヶ日にかけて,可愛い孫達と遊び呆けていたが,グウタラな毎日を過ごす内に,
「・・・このままじゃ~・・オレ,ブロイラーになっちゃうな・・」
と真剣に心配になり始める.
そこで,今日,4日,一念発起して,丹沢塔ノ岳登頂としゃれ込むことにする.
何時ものように,早朝4時に起床する.気のせいか今朝は幾分寒さも和らいでいるようである.でも,やっぱり寒い.冬至はもう過ぎているのに,この頃は夜明けがさらに遅くなっているような気がする.小田原でJRから小田急に乗り換えて,6時40分頃,渋沢に到着する.大倉行1番バスを待っている間に,ようやく辺りが薄明るくなる.
今日はもう平日なのに,1番バスは満席,立ち席が10人ほど,随分混雑している.車内を見回すと,ご顔見知りの常連は,韋駄天のTさんとN村(弟)のお二人だけ.何時もの顔見知りが少ないのが残念である.
■勢いの良い女性
韋駄天のTさんやN村さんが歩き出してから,10分ほど遅い7時10分に,私も大倉から歩き出す.昨年12月28日以来歩いていないので,やっぱり歩き出しの身体は重い.新年を迎えて数え年で○10才になった私は,体調には十分注意しなければいけないなと,絶えず自分に言い聞かせながら,オーバーペースにならないように気を遣う.
克董窯辺りで,私の後ろから,コツコツとストックの音が近付いてくる.私は道端に寄って,ストックの主に先へ行って貰う.中年の女性である.大股で勢いよく登っていく.瞬く間に私との距離が離れる.しかし,この女性の歩く姿を見ると,大股で勢いが良すぎる.
「ははあ・・きっと,どこかでバテるぞ・・」
と予感する.
観音茶屋辺りまで登ると,斜め後ろから日が射し込んでくる.登山道に杉林の陰が重なるように並んでいる.朝日の中を登るのは実に気持ちが良いもの.この気持ちの良さを味わうだけでも,今日出掛けてきた甲斐があった.
<朝日一杯の登山道>
■光る海
7時46分,見晴茶屋に到着する.ここからの眺望がまた素晴らしい.冬の太陽が海に反射して金色に光り輝いている.この冬の時期にしか見られない風景である.ここで暫く立ち止まって,光る海をデジカメに収める.
■見晴茶屋からの急坂
見晴茶屋から堀山に向かう急坂に差し掛かる.坂の遙か上の方に1人の男性が随分とユックリなペースで登っている.こういう姿を見ると,私は,どうしても追い越したくなってしまう.そこを堪えながら,マイペース,マイペース・・・と,自分自身に言い聞かせる.そして,足に疲労が貯まらないように,次の一歩を踏み出している間に,今の一歩の疲労が取れるように意識する.
そして,何時ものように,ときどき脈拍をチェックして,およそ100回/分程度を上回らないように心掛ける.
■6分オーバーで駒止茶屋を通過
日陰に入ると,つい数日前に降った残雪がある.路面は霜柱で凍結している.霜柱を踏みながら登り続ける.靴底から霜柱を踏んだときのグニャッとした感触が伝わってくる.これがまた面白い.
駒止茶屋手前の急坂に差し掛かったときに,前方を歩いていた男性に追いつく.当の私は定速で歩いているだけだが・・
8時16分に駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してから1時間06分経過している.やっぱり今日の私は,全く遅い・・が,仕方がない.身体がついてこないのだから・・つい1年前までは,軽く1時間を切っていたのだが,一旦落ちた体力は,ちょっとやそっとでは,なかなか回復しない.
<駒止茶屋直前の急坂>
■堀山の尾根からの富士山
堀山の尾根からの富士山は文句なしに素晴らしい眺めである.例によって,ここで立ち止まって,何枚かの写真を撮る.
朝日を浴びながら気持ちの良い散策を続ける.そして,8時32分に堀山の家に到着する.今日は小草平からも富士山が良く見えている.当然ここでも何枚かの写真を撮る.
私が写真を撮っていると,後ろの方から,また,コツコツとストックの音が聞こえてくる.先ほどの女性である.私は驚く.
「・・あれ,今日は2回追い抜かれますね・・どこかで休憩していたんですか・・?」
と思わず聞いてしまう.どうやら,駒止茶屋辺りで休憩を取っていたようである.
コツコツ女性は,すごい勢いで,堀山の家からの急坂を登り続ける.私との距離は瞬く間に広がり,私の視界から消える.
■うっすら雪の萱場平
8時45分,戸沢分岐の手前で,2本ストックを巧みに操りながら下ってくるYさんとすれ違う.軽く新年の挨拶を交わす.
8時51分,萱場平で定点観測の写真を撮る.偶然にも,この写真にコツコツ女性の後ろ姿が写っている.コツコツ女性との距離が,意外に縮まっている.
萱場平には僅かだが残雪が見られる.
■富士山が見事な花立山荘
萱場平を過ぎて,長い階段道になる.この辺りでコツコツ女性の歩行速度が極端に遅くなる.申し訳ないが,先に行かせて貰う.それ以後,塔ノ岳山頂に至るまで,コツコツ女性に追い抜かれることはなかった.
花立山荘前の後7分坂は,標準時間通り7分で登る.11時54分,後2分ほど坂を残したところで,下山してくるN村さんとすれ違う・・やっぱり,N村さんは速いな~ぁ・・と感心するばかりである.
9時13分,花立山荘に到着する.大倉から歩き出してから,2時間03分経過している.まだまだ本調子ではない.せめて1時間55分程度で,花立山荘を通過したいものである.
山荘前のベンチでは,沢山の登山者が休憩を取っている.ここからの富士山の眺めは相変わらず素晴らしい.
■花立山
花立山からの眺望も一段と素晴らしい.今日は,特に空気が透明である.遠くの南アルプスもクッキリと見えている.こんな見事な風景を目の前にしたら,当然,写真を撮りまくることになる.
9時25分,金冷シを通過する.この辺りから一段と寒くなる.残雪が次第に増え出す.やっぱり,これからは,4本爪軽アイゼンをリュックに忍ばせておく方が良いなと改めて思う.
金冷シを過ぎて最初の長い登り階段が終わるところで,下山してくる韋駄天のTさんとすれ違う.
■陽光眩しい塔ノ岳山頂
9時40分,塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間30分.やっぱり20分台は無理だったが,まあ,今の私の体調では,やむを得ないだろう.山頂の気温はプラス3.8℃.温かい.それに風も殆ど吹いていないので快適である.
今日の山頂からの眺望は最高.素晴らしい富士山と南アルプスが望める.暫くの間,四方の眺望を楽しむ.風景を眺めながら,
「今日,登ってきて良かったな・・・」
と実感する.
■ネコのんびりの尊仏山荘
暫く山頂で風景を楽しんだ後,尊仏山荘に入る.先客は居ない.オーナーのHさんと奥さん,それにW林さんが小屋番である.まずは新年の挨拶をして,300円也のお茶を戴く.
早速,オーナーのHさんが,
「今日,一番バスの乗客はどうでしたか?」
と私に聞く.混雑していて,10人程立って居ましたよと答えると,ここ2日ばかりは乗客が少なかったという.
「・・普通の人は,(大倉から)3時間半か4時間ですね・・じゃあこれからですね・・」
とHさんが期待を込めるように言う.
私が山荘に入ると,W林さんが,早速,2階からミー君を連れてくる.今日のミー君は穏やかな仕草でユッタリとしている,
「・・此奴,毛並みに少し艶がなくなったかな・・それに,右目が一寸悪いのかな・・目脂が出ていますね・・」
何しろ,ミー君も人間の年に換算すれば,80才近いお年寄りである.
ネコの話題から,病気療養中だったOさんのことが話題になる.
Hさんの話によると,昨年,12月29日に,Oさんが,療養後初めて尊仏山荘まで登ってきたとのことである.私は12月28日に登っているので,その翌日である.
「(Oさんは)登りに5時間半,下りに5時間掛かったと言っていましたよ・・」
とHさんが言う.
「そうでしたか.無事,復帰ですか.長いこと登山しなかったので,5時間半掛かっても仕方がないですね・・私なども,1週間,間を空けると,身体が重くなってしまい,もうダメです・・ところでミー君,Oさんのこと覚えていましたか・・?」
「それが・・・最初,忘れていたようです.何だか様子がおかしかったですよ・・でも,暫くするとOさんのところへ,すり寄っていきましたよ・・」
「へえ~・・,そうでしたか.でも(Oさんのこと)思い出して良かったですね・・・」
Hさんの奥さんが,ミー君の右目の目脂をちり紙で拭き取っている.Hさんはともかく,W林さんや奥さんにも可愛がって戴き,ミー君は幸せ者である.
ちなみに,Oさんは,来週の小屋番担当のようである.
■顔見知りとすれ違いながら下山
大倉発12時22分のバスに乗りたいと思う.所要時間から逆算して,10時07分に尊仏山荘を出発する.
次から次へと登ってくる登山者とすれ違いながら下り続ける.
金冷シの手前で,ローギャー氏(N村さんの兄)とすれ違う.新年の挨拶を交わす.その直後,大きな荷物を背負ったチャンピョンとすれ違う.
同じバスに乗っていた男性グループ3人が登ってくる.私の姿を見ると,
「おや,随分と速いですね.もう下山ですか・・」
とビックリする.でも,ビックリするのは私の方である.
「あなた方が遅すぎるんですよ」
と心の中だけで返事をする.
私も常連の端くれ.常連の中では,私は“遅い,遅い”.何時も,何とかもう少し早く歩けないものかと焦れったい思いをしている.その私が「速い」などと言われると違和感を持ってしまう.
花立山付近で,ARENAオフミで何時も一緒に登山をしている男性とすれ違う.
「おや・・暫く.元気ですか.今日のラップはどの程度になりそうですか・・」
「いや~ぁ・・今日は2時間40分くらいになりそうですね・・」
この男性とは,今月末に沼津アルプスへ同行する予定になっている.
下山途中,景色の良いところで,ついつい道草.時間が押してきたので,見晴山荘から大分飛ばして,12時18分,予定通りの時間に大倉に到着する.
大倉発12時22分のバスに乗車.バスには,登山客はたった2人.空いている.
小田原を経由して,13時50分頃,無事に帰宅.遅めの昼食.そして,熱い風呂に入る.
今日の登山も実に良かったな.大満足の1日だった.
<チャンピョンとローギャー氏>
<ラップタイム>
7:10 大倉歩き出し
7:31 観音茶屋
8:47 見晴茶屋
8:16 駒止茶屋
8:32 堀山の家
9:13 花立山荘
9:25 金冷シ
9:40 塔ノ岳山頂 着(+3.8℃)
===================================================
10:07 塔ノ岳山頂 発
10:21 金冷シ
10:34 花立山荘
11:12 堀山の家
11:27 駒止茶屋
11:50 見晴茶屋
12:06 観音茶屋
12:18 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間
大倉 発 7:10
塔ノ岳 着 9:40
(所要時間) 2時間30分(2.50h)
登攀速度 1269m/2.50h=507.6m/h
■下降所要時間
塔ノ岳 発 10:07
大倉 着 12:18
(所要時間) 2時間11分(2.18h)
下降速度 1269m/2.18h=582.1m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/26f951f2959575b28642bd0b3e912bdf
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2b8d0f9e05fb59c3ec1bf60da4d118c7
紺碧の空とOさんが戻った丹沢:塔ノ岳(今年1回目)
(単独山行)
2011年1月4日(火)
■平日なのにバスは混雑
昨年末から正月三ヶ日にかけて,可愛い孫達と遊び呆けていたが,グウタラな毎日を過ごす内に,
「・・・このままじゃ~・・オレ,ブロイラーになっちゃうな・・」
と真剣に心配になり始める.
そこで,今日,4日,一念発起して,丹沢塔ノ岳登頂としゃれ込むことにする.
何時ものように,早朝4時に起床する.気のせいか今朝は幾分寒さも和らいでいるようである.でも,やっぱり寒い.冬至はもう過ぎているのに,この頃は夜明けがさらに遅くなっているような気がする.小田原でJRから小田急に乗り換えて,6時40分頃,渋沢に到着する.大倉行1番バスを待っている間に,ようやく辺りが薄明るくなる.
今日はもう平日なのに,1番バスは満席,立ち席が10人ほど,随分混雑している.車内を見回すと,ご顔見知りの常連は,韋駄天のTさんとN村(弟)のお二人だけ.何時もの顔見知りが少ないのが残念である.
■勢いの良い女性
韋駄天のTさんやN村さんが歩き出してから,10分ほど遅い7時10分に,私も大倉から歩き出す.昨年12月28日以来歩いていないので,やっぱり歩き出しの身体は重い.新年を迎えて数え年で○10才になった私は,体調には十分注意しなければいけないなと,絶えず自分に言い聞かせながら,オーバーペースにならないように気を遣う.
克董窯辺りで,私の後ろから,コツコツとストックの音が近付いてくる.私は道端に寄って,ストックの主に先へ行って貰う.中年の女性である.大股で勢いよく登っていく.瞬く間に私との距離が離れる.しかし,この女性の歩く姿を見ると,大股で勢いが良すぎる.
「ははあ・・きっと,どこかでバテるぞ・・」
と予感する.
観音茶屋辺りまで登ると,斜め後ろから日が射し込んでくる.登山道に杉林の陰が重なるように並んでいる.朝日の中を登るのは実に気持ちが良いもの.この気持ちの良さを味わうだけでも,今日出掛けてきた甲斐があった.
<朝日一杯の登山道>
■光る海
7時46分,見晴茶屋に到着する.ここからの眺望がまた素晴らしい.冬の太陽が海に反射して金色に光り輝いている.この冬の時期にしか見られない風景である.ここで暫く立ち止まって,光る海をデジカメに収める.
■見晴茶屋からの急坂
見晴茶屋から堀山に向かう急坂に差し掛かる.坂の遙か上の方に1人の男性が随分とユックリなペースで登っている.こういう姿を見ると,私は,どうしても追い越したくなってしまう.そこを堪えながら,マイペース,マイペース・・・と,自分自身に言い聞かせる.そして,足に疲労が貯まらないように,次の一歩を踏み出している間に,今の一歩の疲労が取れるように意識する.
そして,何時ものように,ときどき脈拍をチェックして,およそ100回/分程度を上回らないように心掛ける.
■6分オーバーで駒止茶屋を通過
日陰に入ると,つい数日前に降った残雪がある.路面は霜柱で凍結している.霜柱を踏みながら登り続ける.靴底から霜柱を踏んだときのグニャッとした感触が伝わってくる.これがまた面白い.
駒止茶屋手前の急坂に差し掛かったときに,前方を歩いていた男性に追いつく.当の私は定速で歩いているだけだが・・
8時16分に駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してから1時間06分経過している.やっぱり今日の私は,全く遅い・・が,仕方がない.身体がついてこないのだから・・つい1年前までは,軽く1時間を切っていたのだが,一旦落ちた体力は,ちょっとやそっとでは,なかなか回復しない.
<駒止茶屋直前の急坂>
■堀山の尾根からの富士山
堀山の尾根からの富士山は文句なしに素晴らしい眺めである.例によって,ここで立ち止まって,何枚かの写真を撮る.
朝日を浴びながら気持ちの良い散策を続ける.そして,8時32分に堀山の家に到着する.今日は小草平からも富士山が良く見えている.当然ここでも何枚かの写真を撮る.
私が写真を撮っていると,後ろの方から,また,コツコツとストックの音が聞こえてくる.先ほどの女性である.私は驚く.
「・・あれ,今日は2回追い抜かれますね・・どこかで休憩していたんですか・・?」
と思わず聞いてしまう.どうやら,駒止茶屋辺りで休憩を取っていたようである.
コツコツ女性は,すごい勢いで,堀山の家からの急坂を登り続ける.私との距離は瞬く間に広がり,私の視界から消える.
■うっすら雪の萱場平
8時45分,戸沢分岐の手前で,2本ストックを巧みに操りながら下ってくるYさんとすれ違う.軽く新年の挨拶を交わす.
8時51分,萱場平で定点観測の写真を撮る.偶然にも,この写真にコツコツ女性の後ろ姿が写っている.コツコツ女性との距離が,意外に縮まっている.
萱場平には僅かだが残雪が見られる.
■富士山が見事な花立山荘
萱場平を過ぎて,長い階段道になる.この辺りでコツコツ女性の歩行速度が極端に遅くなる.申し訳ないが,先に行かせて貰う.それ以後,塔ノ岳山頂に至るまで,コツコツ女性に追い抜かれることはなかった.
花立山荘前の後7分坂は,標準時間通り7分で登る.11時54分,後2分ほど坂を残したところで,下山してくるN村さんとすれ違う・・やっぱり,N村さんは速いな~ぁ・・と感心するばかりである.
9時13分,花立山荘に到着する.大倉から歩き出してから,2時間03分経過している.まだまだ本調子ではない.せめて1時間55分程度で,花立山荘を通過したいものである.
山荘前のベンチでは,沢山の登山者が休憩を取っている.ここからの富士山の眺めは相変わらず素晴らしい.
■花立山
花立山からの眺望も一段と素晴らしい.今日は,特に空気が透明である.遠くの南アルプスもクッキリと見えている.こんな見事な風景を目の前にしたら,当然,写真を撮りまくることになる.
9時25分,金冷シを通過する.この辺りから一段と寒くなる.残雪が次第に増え出す.やっぱり,これからは,4本爪軽アイゼンをリュックに忍ばせておく方が良いなと改めて思う.
金冷シを過ぎて最初の長い登り階段が終わるところで,下山してくる韋駄天のTさんとすれ違う.
■陽光眩しい塔ノ岳山頂
9時40分,塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間30分.やっぱり20分台は無理だったが,まあ,今の私の体調では,やむを得ないだろう.山頂の気温はプラス3.8℃.温かい.それに風も殆ど吹いていないので快適である.
今日の山頂からの眺望は最高.素晴らしい富士山と南アルプスが望める.暫くの間,四方の眺望を楽しむ.風景を眺めながら,
「今日,登ってきて良かったな・・・」
と実感する.
■ネコのんびりの尊仏山荘
暫く山頂で風景を楽しんだ後,尊仏山荘に入る.先客は居ない.オーナーのHさんと奥さん,それにW林さんが小屋番である.まずは新年の挨拶をして,300円也のお茶を戴く.
早速,オーナーのHさんが,
「今日,一番バスの乗客はどうでしたか?」
と私に聞く.混雑していて,10人程立って居ましたよと答えると,ここ2日ばかりは乗客が少なかったという.
「・・普通の人は,(大倉から)3時間半か4時間ですね・・じゃあこれからですね・・」
とHさんが期待を込めるように言う.
私が山荘に入ると,W林さんが,早速,2階からミー君を連れてくる.今日のミー君は穏やかな仕草でユッタリとしている,
「・・此奴,毛並みに少し艶がなくなったかな・・それに,右目が一寸悪いのかな・・目脂が出ていますね・・」
何しろ,ミー君も人間の年に換算すれば,80才近いお年寄りである.
ネコの話題から,病気療養中だったOさんのことが話題になる.
Hさんの話によると,昨年,12月29日に,Oさんが,療養後初めて尊仏山荘まで登ってきたとのことである.私は12月28日に登っているので,その翌日である.
「(Oさんは)登りに5時間半,下りに5時間掛かったと言っていましたよ・・」
とHさんが言う.
「そうでしたか.無事,復帰ですか.長いこと登山しなかったので,5時間半掛かっても仕方がないですね・・私なども,1週間,間を空けると,身体が重くなってしまい,もうダメです・・ところでミー君,Oさんのこと覚えていましたか・・?」
「それが・・・最初,忘れていたようです.何だか様子がおかしかったですよ・・でも,暫くするとOさんのところへ,すり寄っていきましたよ・・」
「へえ~・・,そうでしたか.でも(Oさんのこと)思い出して良かったですね・・・」
Hさんの奥さんが,ミー君の右目の目脂をちり紙で拭き取っている.Hさんはともかく,W林さんや奥さんにも可愛がって戴き,ミー君は幸せ者である.
ちなみに,Oさんは,来週の小屋番担当のようである.
■顔見知りとすれ違いながら下山
大倉発12時22分のバスに乗りたいと思う.所要時間から逆算して,10時07分に尊仏山荘を出発する.
次から次へと登ってくる登山者とすれ違いながら下り続ける.
金冷シの手前で,ローギャー氏(N村さんの兄)とすれ違う.新年の挨拶を交わす.その直後,大きな荷物を背負ったチャンピョンとすれ違う.
同じバスに乗っていた男性グループ3人が登ってくる.私の姿を見ると,
「おや,随分と速いですね.もう下山ですか・・」
とビックリする.でも,ビックリするのは私の方である.
「あなた方が遅すぎるんですよ」
と心の中だけで返事をする.
私も常連の端くれ.常連の中では,私は“遅い,遅い”.何時も,何とかもう少し早く歩けないものかと焦れったい思いをしている.その私が「速い」などと言われると違和感を持ってしまう.
花立山付近で,ARENAオフミで何時も一緒に登山をしている男性とすれ違う.
「おや・・暫く.元気ですか.今日のラップはどの程度になりそうですか・・」
「いや~ぁ・・今日は2時間40分くらいになりそうですね・・」
この男性とは,今月末に沼津アルプスへ同行する予定になっている.
下山途中,景色の良いところで,ついつい道草.時間が押してきたので,見晴山荘から大分飛ばして,12時18分,予定通りの時間に大倉に到着する.
大倉発12時22分のバスに乗車.バスには,登山客はたった2人.空いている.
小田原を経由して,13時50分頃,無事に帰宅.遅めの昼食.そして,熱い風呂に入る.
今日の登山も実に良かったな.大満足の1日だった.
<チャンピョンとローギャー氏>
<ラップタイム>
7:10 大倉歩き出し
7:31 観音茶屋
8:47 見晴茶屋
8:16 駒止茶屋
8:32 堀山の家
9:13 花立山荘
9:25 金冷シ
9:40 塔ノ岳山頂 着(+3.8℃)
===================================================
10:07 塔ノ岳山頂 発
10:21 金冷シ
10:34 花立山荘
11:12 堀山の家
11:27 駒止茶屋
11:50 見晴茶屋
12:06 観音茶屋
12:18 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間
大倉 発 7:10
塔ノ岳 着 9:40
(所要時間) 2時間30分(2.50h)
登攀速度 1269m/2.50h=507.6m/h
■下降所要時間
塔ノ岳 発 10:07
大倉 着 12:18
(所要時間) 2時間11分(2.18h)
下降速度 1269m/2.18h=582.1m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/26f951f2959575b28642bd0b3e912bdf
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