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アンナプルナ・ダウラギリ展望紀行(8)
チャンドラゴットの午後
2001年3月25日(日)(つづく)
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←これまで公開したアンナプルナ紀行(1)~(7)の記事を
ご覧になる場合は左の『CATEGORY』欄から『アンナプルナ紀行』
を選んでクリックして下さい。
<美味しいアフタヌーンティー>
■ティーで雑談
散歩から戻ると,突然強い風が吹き,強い雨が降り出す。
15時53分から午後のティータイムの時間になる。ただ,食事テントは,先ほどの強風で飛ばされてしまったので,広場の片隅に建っている狭い小屋の中に集合する。
この小屋の壁は小さな鉄平石を積み重ねて作られている。鉄平石の微妙な色のバラツキが返って綺麗に見える。いわゆる「1/fのゆらぎ」の面白さかもしれない。一同が集まると,現地スタッフがネパールティーを配る。ステンレス製の大きめなカップに,ネパールティーをなみなみと注ぐ。そこに牛乳ではない何かの乳を入れる。ちょっと独特の臭いがある乳である。この乳を出す動物は山羊の一種だというが動物の名前を伺ったがすぐに忘れた。一行の中には,この山羊独特の臭いが気になって,乳抜きのティーを所望する人もいる。私も,最初の一口は,何ともいえない臭いに戸惑ったが,まあまあ飲めないことはない。喉が渇いていたので,たちまちの内に飲んでしまう。惰性で,何となく何杯も,ティーのお代わりをする。
ティーを味わいながら,とりとめのない雑談でノンビリした一時を過ごす。雑談の中で,ガイドから,明日は標高差400メートルほど下った後,900メートル登り返す予定だと聞かされる。明日は,7時30分から歩き出して,宿泊地のガンドルンに14~15時頃到着する予定だという。
<チャンドラコットの食堂兼集会所と3時のティー>
■お湯のサービス
16時30分に,ティータイムはお開きになる。直ぐに,自分のテントに戻る。テントに入って一息ついていると,16時34分に現地スタッフがステンレスの洗面器とお湯を持って,各テントを廻っている。各人に洗面器を渡し,お湯を入れてくれる。このお湯を使って,洗顔をした後,身体を拭く。
お湯のサービスは,毎日,朝夕2回あるという。これは有り難い。
■裏山を散策
夕食は18時30分からである。まだ,まだ時間がある。この時間を利用して,もう少し周辺を散策してみたいと思う。テントを出る。そして,今度は,仙人と連れたって,テント裏の山の方へ行ってみることにする。外では数人の仲間が集まって雑談をしている。私達が散歩に出るというと,皆,一緒に行くという。
テント広場の裏手から,畠の中の細い道を登ってみる(前回の地図参照)。急傾斜の斜面に段々畑が続いている。何か種をまいてあるのかどうか分からないが,一見したところ,ただの荒れ地のように見える。それでも,畠の中に入らないように注意しながらあぜ道を少しずつ登る。すると,だんだんと見晴らしが良くなってくる。
<チャンドラコットテント場からの風景>
※段々畑が続く。左手にはテントが並んでいるのが見える。
谷の向こう側の山並みがそそり立つように見え出す。山裾は断崖になって谷底へ落ち込んでいる。高いところから見下ろすと,平地は殆どなく,大きな山並みが何処までも連なっていることが分かる。やがて,一番高い畑地に達する。そこから上は,深い密林になっていて,とても入ることはできない。仕方なく少し下って,畠の縁に沿って,先へ進む。丁度小学校の真上辺りを先へ進む。やがて,畠が途絶えて行き止まりとなる。
少し高くなった場所に立つと,幾重にも連なる山並みの向こうに,山裾まで真っ白な雪に覆われた大きな山が見える。始めて見る威風堂々の鋭く尖った山を見上げると,だんだんと感激してくる。一同感激しながら素晴らしい風景を写真に収める。後でガイドの確かめると,あの大きな白い山はアンナプルナ南峰のようである。
<チャンドラコットテント場の丘から夕暮れのアンナプルナ南峰が見える>
※数少ない現地の写真である。
<チャンドラコットの夜は更けて>
■美味しい夕食
太陽が西に傾き始めている。私達は尾根から往路をのんびりと引き返して,17時30分頃,自分のテントに戻る。まだ,夕食まで少し時間があるので,テント脇の畠から谷の方を望む風景をノートにスケッチし始める。でも,すぐに雨が降りだしたので,残念ながらスケッチを中断して,仕方なくまたテントに戻る。
テントの中で,ゴソゴソしていると,18時32分に,「ガン,ガン,ガン,・・・」とフライパンを叩く音が聞こえてくる。夕食の合図である。すぐに広場脇の小屋に集合する。
例によって,金属製の大きな皿が配られる。大皿の上にスープと,ボサボサの煎餅のような食べ物が乗っている。私は,お皿を配っている現地コックに,
「これ何ですか? 何という名前ですか?」
と英語で質問する。
「これはライスペーパーを油で揚げたもの・・・バッポッです。」
とコックが答える。「バッポッ」の部分を聞き直すが,どうも上手く聞き取れない・・・が,まあ,そんな名前だろうということにしておく。食べてみると,サクサクにしたお煎餅の揚げ物のような味がする。
スープはポタージュ。ニンジンの微塵切りとエンドウ豆が入っている。なかなか美味である。
おせんべいのようなバッポッを食べ終わると,現地スタッフがトンカツ,チャーハン,野菜サラダ,マカロニなどを,次々に大皿に取り分けてくれる。断らない限り,ドンドン追加して盛りつけてくれる。素晴らしい食事で,大満足である。
最後のモモのデザートがでる。
<チャンドラコットの夕食>
■明日の予定
夕食後,19時10分からツアーリーダのHAさんから,明日のスケジュールと注意事項の説明がある。
明日は6時起床。6時30分朝食。
7時から7時30分頃,歩き出し。
夜の内に荷物を整理して,直ぐに出発できるように注意を受ける。自分で持つ荷物と,現地スタッフの持ってもらう荷物は分けておくこと。
シュラフはたたんでカバーに入れておく。ただしマットはそのままで宜しい・・・明日の昼食はシャウレバサールで摂る・・・等々,細かな説明を受ける。
■現地スタッフと初顔合わせ
次いで,私達をサポートしてくれる現地スタッフの紹介がある。現地スタッフはポーター15名,その他を含めて総勢27名だという。何という贅沢!
ツアー参加者の2倍近い現地スタッフのサポートを受けることになる。
チーフは,今朝名刺交換したデンバノルブさん,51才。
コック長はモハンシンさん,シェルパはドルシェさん他数名。
キッチンボーイはニマバサンさん。キッチンヘルパーはサンシリさん他数名である。
いやはや大変な人数なのに驚くと同時に,簡単にトレッキングというけれども,こんなに沢山の人達の協力がないと成り立たないことを思い知らされた。同時に,こんな贅沢な旅をできるのも,「円」が高いため。つくづく有り難いと思う。
20時少し前に解散となる。すぐに自分のテントに戻り,就寝する。
こうして,トレッキング第2日目は,無事終了した。
(つづく)
アンナプルナ・ダウラギリ展望紀行(8)
チャンドラゴットの午後
2001年3月25日(日)(つづく)
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ご覧になる場合は左の『CATEGORY』欄から『アンナプルナ紀行』
を選んでクリックして下さい。
<美味しいアフタヌーンティー>
■ティーで雑談
散歩から戻ると,突然強い風が吹き,強い雨が降り出す。
15時53分から午後のティータイムの時間になる。ただ,食事テントは,先ほどの強風で飛ばされてしまったので,広場の片隅に建っている狭い小屋の中に集合する。
この小屋の壁は小さな鉄平石を積み重ねて作られている。鉄平石の微妙な色のバラツキが返って綺麗に見える。いわゆる「1/fのゆらぎ」の面白さかもしれない。一同が集まると,現地スタッフがネパールティーを配る。ステンレス製の大きめなカップに,ネパールティーをなみなみと注ぐ。そこに牛乳ではない何かの乳を入れる。ちょっと独特の臭いがある乳である。この乳を出す動物は山羊の一種だというが動物の名前を伺ったがすぐに忘れた。一行の中には,この山羊独特の臭いが気になって,乳抜きのティーを所望する人もいる。私も,最初の一口は,何ともいえない臭いに戸惑ったが,まあまあ飲めないことはない。喉が渇いていたので,たちまちの内に飲んでしまう。惰性で,何となく何杯も,ティーのお代わりをする。
ティーを味わいながら,とりとめのない雑談でノンビリした一時を過ごす。雑談の中で,ガイドから,明日は標高差400メートルほど下った後,900メートル登り返す予定だと聞かされる。明日は,7時30分から歩き出して,宿泊地のガンドルンに14~15時頃到着する予定だという。
<チャンドラコットの食堂兼集会所と3時のティー>
■お湯のサービス
16時30分に,ティータイムはお開きになる。直ぐに,自分のテントに戻る。テントに入って一息ついていると,16時34分に現地スタッフがステンレスの洗面器とお湯を持って,各テントを廻っている。各人に洗面器を渡し,お湯を入れてくれる。このお湯を使って,洗顔をした後,身体を拭く。
お湯のサービスは,毎日,朝夕2回あるという。これは有り難い。
■裏山を散策
夕食は18時30分からである。まだ,まだ時間がある。この時間を利用して,もう少し周辺を散策してみたいと思う。テントを出る。そして,今度は,仙人と連れたって,テント裏の山の方へ行ってみることにする。外では数人の仲間が集まって雑談をしている。私達が散歩に出るというと,皆,一緒に行くという。
テント広場の裏手から,畠の中の細い道を登ってみる(前回の地図参照)。急傾斜の斜面に段々畑が続いている。何か種をまいてあるのかどうか分からないが,一見したところ,ただの荒れ地のように見える。それでも,畠の中に入らないように注意しながらあぜ道を少しずつ登る。すると,だんだんと見晴らしが良くなってくる。
<チャンドラコットテント場からの風景>
※段々畑が続く。左手にはテントが並んでいるのが見える。
谷の向こう側の山並みがそそり立つように見え出す。山裾は断崖になって谷底へ落ち込んでいる。高いところから見下ろすと,平地は殆どなく,大きな山並みが何処までも連なっていることが分かる。やがて,一番高い畑地に達する。そこから上は,深い密林になっていて,とても入ることはできない。仕方なく少し下って,畠の縁に沿って,先へ進む。丁度小学校の真上辺りを先へ進む。やがて,畠が途絶えて行き止まりとなる。
少し高くなった場所に立つと,幾重にも連なる山並みの向こうに,山裾まで真っ白な雪に覆われた大きな山が見える。始めて見る威風堂々の鋭く尖った山を見上げると,だんだんと感激してくる。一同感激しながら素晴らしい風景を写真に収める。後でガイドの確かめると,あの大きな白い山はアンナプルナ南峰のようである。
<チャンドラコットテント場の丘から夕暮れのアンナプルナ南峰が見える>
※数少ない現地の写真である。
<チャンドラコットの夜は更けて>
■美味しい夕食
太陽が西に傾き始めている。私達は尾根から往路をのんびりと引き返して,17時30分頃,自分のテントに戻る。まだ,夕食まで少し時間があるので,テント脇の畠から谷の方を望む風景をノートにスケッチし始める。でも,すぐに雨が降りだしたので,残念ながらスケッチを中断して,仕方なくまたテントに戻る。
テントの中で,ゴソゴソしていると,18時32分に,「ガン,ガン,ガン,・・・」とフライパンを叩く音が聞こえてくる。夕食の合図である。すぐに広場脇の小屋に集合する。
例によって,金属製の大きな皿が配られる。大皿の上にスープと,ボサボサの煎餅のような食べ物が乗っている。私は,お皿を配っている現地コックに,
「これ何ですか? 何という名前ですか?」
と英語で質問する。
「これはライスペーパーを油で揚げたもの・・・バッポッです。」
とコックが答える。「バッポッ」の部分を聞き直すが,どうも上手く聞き取れない・・・が,まあ,そんな名前だろうということにしておく。食べてみると,サクサクにしたお煎餅の揚げ物のような味がする。
スープはポタージュ。ニンジンの微塵切りとエンドウ豆が入っている。なかなか美味である。
おせんべいのようなバッポッを食べ終わると,現地スタッフがトンカツ,チャーハン,野菜サラダ,マカロニなどを,次々に大皿に取り分けてくれる。断らない限り,ドンドン追加して盛りつけてくれる。素晴らしい食事で,大満足である。
最後のモモのデザートがでる。
<チャンドラコットの夕食>
■明日の予定
夕食後,19時10分からツアーリーダのHAさんから,明日のスケジュールと注意事項の説明がある。
明日は6時起床。6時30分朝食。
7時から7時30分頃,歩き出し。
夜の内に荷物を整理して,直ぐに出発できるように注意を受ける。自分で持つ荷物と,現地スタッフの持ってもらう荷物は分けておくこと。
シュラフはたたんでカバーに入れておく。ただしマットはそのままで宜しい・・・明日の昼食はシャウレバサールで摂る・・・等々,細かな説明を受ける。
■現地スタッフと初顔合わせ
次いで,私達をサポートしてくれる現地スタッフの紹介がある。現地スタッフはポーター15名,その他を含めて総勢27名だという。何という贅沢!
ツアー参加者の2倍近い現地スタッフのサポートを受けることになる。
チーフは,今朝名刺交換したデンバノルブさん,51才。
コック長はモハンシンさん,シェルパはドルシェさん他数名。
キッチンボーイはニマバサンさん。キッチンヘルパーはサンシリさん他数名である。
いやはや大変な人数なのに驚くと同時に,簡単にトレッキングというけれども,こんなに沢山の人達の協力がないと成り立たないことを思い知らされた。同時に,こんな贅沢な旅をできるのも,「円」が高いため。つくづく有り難いと思う。
20時少し前に解散となる。すぐに自分のテントに戻り,就寝する。
こうして,トレッキング第2日目は,無事終了した。
(つづく)