<台ヶ原宿を行く>
歩いて巡る甲州道中四十四次(第8回);第1日目(2);台ヶ原宿
(五十三次洛遊会)
2014年4月18日(金)~20日(日)
<ルート地図>
■万休院から台ヶ原種へ
※前掲地図
■台ヶ原宿詳細図
<古道を行く>
■丘の上の大きな石塔
私たちは満開のサクラを愛でながら万休院前から台ヶ原宿を目指して歩いている.
11時42分頃,右手前方の丘の上に高さが2~3メートルもある大きな石塔が立っているのに気が付く.
「あの大きな石塔,何だろう…?」
事前に調べた資料や地図にも,この大きな石塔の記載はない.私は,
“かなり小さな石塔や道祖神なども,どこかの資料には大抵書かれている.それなのにこんなに大きな石塔があるのに何の記述もないのはオカシイ…”
と咄嗟に思う,
私は同好の仲間に,
「あの石塔が一寸気になるので,見てきます…」
とお断りして,標高差10メートルほどの丘に踏み跡道を辿って駆け上る.
下の写真が,丘の上の大きな石塔である.
石塔の廻りの木やヤブは綺麗に取り払われていて,一寸した公園風な広場になっている.石塔には何の刻字や彫刻もなく,どうやら,この辺りは公園風に整備されるらしく,この巨石も,これから彫り込まれるように思われるが,一見の旅人である私には詳しいことは全く分からない.
資料1で紹介されている「古道モニュメント」とは,ひょっとして,この石のことかもしれない.
<丘の上の大きな石塔>
■仲間が元気に歩いている
石塔が立っている場所から下を見ると,仲間が元気に歩いているのが見える.仲間が歩く道の向こうに小さな川が流れているのが見える.
上から見下ろすと何とも野趣豊かな散策路を心地よく歩いているようだ.本当に素晴らしいところである.
<野趣豊かな道を歩いている仲間を見下ろす>
■川沿いの草道
やがて川の左岸沿いの草道に入る.せせらぎの音を聞きながら,実にのんびりと歩く.先へ進むにつれて展望が開ける.
時まさに春.少々寒いが気分は上々である.
「実に良い気分ですね…」
<川沿いの草道を行く>
■台ヶ原宿の石標
11時56分,川沿いの小径は国道20号線と斜めに交差する.この交差点近くに甲州街道台ヶ原宿古道と刻字された石標が立っている.
私たちは,国道20号線を横切って,旧道に入る.いよいよ私たちは台ヶ原宿の中心部に到着したようである.
<台ヶ原宿古道の石標>
■おびただしい数の庚申塔と馬頭観音
交差点近くの道路端に沢山の石塔が並んでいる.石塔群の中央に設置されている案内板を見ると,これらの石塔群は庚申塔と馬頭観音のようである.
なおこの案内板には庚申塔と馬頭観音の一般的な説明が書いてあるが,ここで紹介するのは冗長になるので省略する.
<庚申塔と馬頭観音>
■道祖神跡
12時01分,古道入口の石標の前を通過する.この標識の脇に立っている案内板の記事によると,ここは道祖神跡のようである.
<古道入口の標識> <道祖神跡>
<台原宿に入る>
■台ヶ原宿の概要
江戸から41番目の宿場である,
資料2(p.345)によれば,台ヶ原宿の宿内人口は670人.内,男340人,女330人.宿内惣家数153軒.内,本陣1軒,脇本陣なし,旅籠14軒の規模であった.
■石祠と道祖神
12時03分,石鉾や道祖神などの石塔群の前を通過する.石灯籠に掛けられた注連飾りが目に着く.
手許の資料では,この石塔群がどのような由来のものかは分からない.
<石祠と道祖神>
■立場跡と共同井戸
12時05分,由緒ありげな建物が建ち並ぶ場所に到着する.この辺りには,如何にも宿場らしい雰囲気が漂っている.
直ぐ近くに案内板が立っている.この案内板の記事によると,この辺りに立場と共同井戸があったようである.
<由緒ありげな建物> <立場跡と共同井戸>
■本陣跡と秋葉大権現常夜灯
12時07分,本陣跡に到着する.塀の上に,ここが本陣跡であることを示す説明文が掲示されている.
説明文が掲示されている塀を廻り込むと,立派な秋葉大権現常夜灯と,小松屋右衛門本陣跡という標石がある.
<塀の上の説明文> <常夜灯と本陣跡>
■火の見ヤグラ
12時09分,火の見ヤグラの下に到着する.
火の見ヤグラの下には,台ヶ原宿の石碑などが並んでいる.
<火の見ヤグラ>
<老舗を尋ねる>
■七賢酒造店
12時09分,七賢酒造店に到着する.
資料1によると,寛延2年(1749年)北原家が創業した老舗.遠城主により「竹林七賢」の欄間が贈られたという.は住宅4棟(母屋,奥便所,文庫蔵,文化蔵)が山梨県指定有形文化財に指定されているようである.また,脇本陣も兼ねていたとのこと.
明治13年(1880年),明治天皇巡幸の際行在所になった
<七賢酒造に到着>
■七賢酒造見学
休憩を兼ねて,七賢酒造を見学する.
建物の中に入ると右手に売店がある.売店の中に入って見る.数名の先客が買い物をしている.私は下戸なので端からお酒など買う気はないが,試飲を進められたので,ほんの一口だけ自慢の酒を試してみる,下戸の私でも,美味しいなと思う.
敷地内の奥に入ってみる.
<売店> <構内>
■金精軒
12時19分,七賢酒造店の斜め向にある金精軒を訪れる.
ここは明治35年(1902年)創業の「信玄餅」の老舗である.この店には,何となく往時の雰囲気が漂っている.
同行者の何人かが,土産用の信玄餅を購入している.私は荷物が重くなるので,土産を買うのは差し控えたが,柏餅を1個だけ購入して試食する.美味.
<金精軒> <柏餅>
[参考文献]
資料1;完全踏査街道マップシリーズ「ちゃんと歩ける甲州道中四拾四次」五街道ウォーク事務局
資料2;今井金吾,1998,『今昔三道中独案内 日光・奥州・甲州』日本交通公社
(つづく)
「甲州道中」の前回の記事
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