ferrari 365GTB/4 Daytona レストア記録No 6
朝の散歩途中に田んぼを見れば稲穂が黄色く色づき始めて、少し秋の気配を感じますが、
まだまだ暑い日が続いていまね。
60年代の車にとっては、今日の様な猛暑は想定していませんでしたので、ドライブは秋までお休み
と言う方が多いと思いますが、もう少し辛抱です…後半月も過ぎれば思う存分楽しめる季節がやってきます。
デイトナの記録も夏季休暇が入り久しぶりの更新ですが、今回はシートウレタンの製作記録となります。
レストア作業で大事なのは 面と線ですが、流石に製造から40~50年も経ちますと面も線も崩れて
きますし、ウレタンの特性として、ウレタンスポンジは新車から3年位で初期風化が始まります。
たとえ乗っていなくてもウレタンは風化していきますから、よくお問い合わせで、
『エアコン付きのガレージで保管しているのですが、ルーフが下がってしまいました』
或いは『シートのセンターが凹んできました』とか
ご質問が来ますが、これも自然風化の現象です。
特にヨーロッパ車が多いですね、これはウレタン原料の違いによる物ですが、一般にウレタン原料
はエーテル系とエステル系に分かれます 各々特性がありましてどちらが正解と言う事では有りませんが、
風化現象は液体に戻るのと、粉状になるのとの違いで判断できます。
良く風化したシート下から粉状の物が落ちてきますね…あれですね。
又内張りを剥がすとベトベトに溶けたウレタンが有りますがその現象もウレタンが液体に戻る現象です。
話をデイトナシートに戻しますが、60年代のferrariのシートはラバー系のスポンジを使用しています。
製造はタイヤで有名なピレリー製になります。
ラバースポンジは前期のウレタンの特性とは少し違いますが、やはり風化は致します 現象としては
粉とか液体還元では無く ボロボロに崩れていきます。
デイトナシートを復元しますには 大別して センター部分をサイド部分に分けられます。
サイド部分になりますが、一見1ピースみたいに見えますが、実は異なる8個の形のウレタンを接着で
形成して、1ピースに組み上げています。
現在では噴出成形で複雑な形も瞬時に製作できますが、この年代でしかも少量生産では8個のウレタンを
接着するのが最善の方法だったのでしょう。
センター部分は背面から座面まで一枚のウレタンで出来ています。
先ずはサイド部分を形成している8個の個体に分けて計測してデーターを出します。
そのデーターで現寸モデルを製作して行きます。
セクション板の間に硬質ウレタンを埋めて面を整えて行きます。
硬質ウレタンの上から樹脂を散布して表面にパテが載る様に加工した後に、パテで最終面調整を行います。
その他7個の型も同じ作業を繰り返し成形します。
センター部分も同じですね。
次の写真はウレタン製品の様に見えますが、これが最終面出しを終えたマスター型です。
弊社での作業は此処までで、次にウレタン工場に行きマスター型から噴出成形型を製作して
出来上がった型に、ウレタン原料を高圧で注入して製品が出来上がります。
出来が立ったウレタン製品です 各パーツを接着して、初めてシートのウレタンと使用できます。
前号のセンターシートフレームに、出来上がったセンターウレタンフォームを接着します。
この様に、面と線を復元するには、大変な時間と労力を必要とします。
最近外国のパーツ販売店をウレタンを復元してリプロ製品として、販売している広告を
目に致しますが、注意して下さいね。
彼らのパーツは似て非なる物です 決してそのまま使用できると思わないでください。
あれは素材ですのでので、取り付ける際には 切ったり・張ったり、加工しなくてはとても使用できません。
これがシート表皮を張り込む前の ウレタン姿です。
今回は此処までです。
早く涼しくなり 名車たちが元気よく走れる季節がくると良いですね。
次回はいよい特徴的なデイトナシートの表皮編です。
現在のferrariでもデイトナタイプとかデイトナシートとかいいますが、その元祖がデイトナなのです。
色々な方法で人生をエンジョイ出来る自動車って本当にステキですね。
ではまた次回
自動車内装 及びレザー製品のご相談はhttp://www.foxhead.co.jp 又はinfo@foxhead.co.jpまでお気軽にご相談ください。
朝の散歩途中に田んぼを見れば稲穂が黄色く色づき始めて、少し秋の気配を感じますが、
まだまだ暑い日が続いていまね。
60年代の車にとっては、今日の様な猛暑は想定していませんでしたので、ドライブは秋までお休み
と言う方が多いと思いますが、もう少し辛抱です…後半月も過ぎれば思う存分楽しめる季節がやってきます。
デイトナの記録も夏季休暇が入り久しぶりの更新ですが、今回はシートウレタンの製作記録となります。
レストア作業で大事なのは 面と線ですが、流石に製造から40~50年も経ちますと面も線も崩れて
きますし、ウレタンの特性として、ウレタンスポンジは新車から3年位で初期風化が始まります。
たとえ乗っていなくてもウレタンは風化していきますから、よくお問い合わせで、
『エアコン付きのガレージで保管しているのですが、ルーフが下がってしまいました』
或いは『シートのセンターが凹んできました』とか
ご質問が来ますが、これも自然風化の現象です。
特にヨーロッパ車が多いですね、これはウレタン原料の違いによる物ですが、一般にウレタン原料
はエーテル系とエステル系に分かれます 各々特性がありましてどちらが正解と言う事では有りませんが、
風化現象は液体に戻るのと、粉状になるのとの違いで判断できます。
良く風化したシート下から粉状の物が落ちてきますね…あれですね。
又内張りを剥がすとベトベトに溶けたウレタンが有りますがその現象もウレタンが液体に戻る現象です。
話をデイトナシートに戻しますが、60年代のferrariのシートはラバー系のスポンジを使用しています。
製造はタイヤで有名なピレリー製になります。
ラバースポンジは前期のウレタンの特性とは少し違いますが、やはり風化は致します 現象としては
粉とか液体還元では無く ボロボロに崩れていきます。
デイトナシートを復元しますには 大別して センター部分をサイド部分に分けられます。
サイド部分になりますが、一見1ピースみたいに見えますが、実は異なる8個の形のウレタンを接着で
形成して、1ピースに組み上げています。
現在では噴出成形で複雑な形も瞬時に製作できますが、この年代でしかも少量生産では8個のウレタンを
接着するのが最善の方法だったのでしょう。
センター部分は背面から座面まで一枚のウレタンで出来ています。
先ずはサイド部分を形成している8個の個体に分けて計測してデーターを出します。
そのデーターで現寸モデルを製作して行きます。
セクション板の間に硬質ウレタンを埋めて面を整えて行きます。
硬質ウレタンの上から樹脂を散布して表面にパテが載る様に加工した後に、パテで最終面調整を行います。
その他7個の型も同じ作業を繰り返し成形します。
センター部分も同じですね。
次の写真はウレタン製品の様に見えますが、これが最終面出しを終えたマスター型です。
弊社での作業は此処までで、次にウレタン工場に行きマスター型から噴出成形型を製作して
出来上がった型に、ウレタン原料を高圧で注入して製品が出来上がります。
出来が立ったウレタン製品です 各パーツを接着して、初めてシートのウレタンと使用できます。
前号のセンターシートフレームに、出来上がったセンターウレタンフォームを接着します。
この様に、面と線を復元するには、大変な時間と労力を必要とします。
最近外国のパーツ販売店をウレタンを復元してリプロ製品として、販売している広告を
目に致しますが、注意して下さいね。
彼らのパーツは似て非なる物です 決してそのまま使用できると思わないでください。
あれは素材ですのでので、取り付ける際には 切ったり・張ったり、加工しなくてはとても使用できません。
これがシート表皮を張り込む前の ウレタン姿です。
今回は此処までです。
早く涼しくなり 名車たちが元気よく走れる季節がくると良いですね。
次回はいよい特徴的なデイトナシートの表皮編です。
現在のferrariでもデイトナタイプとかデイトナシートとかいいますが、その元祖がデイトナなのです。
色々な方法で人生をエンジョイ出来る自動車って本当にステキですね。
ではまた次回
自動車内装 及びレザー製品のご相談はhttp://www.foxhead.co.jp 又はinfo@foxhead.co.jpまでお気軽にご相談ください。