英語学習は続く・・

英語ドラマや映画を繰り返しみて
そして原書をたくさん読んで☆
声を上げて読む〜☆

怪人二十面相 10

2022-10-14 23:01:25 | 怪人二十面相

「ええ、それがよろしいでしょう。ぼくは腕力にかけては自信があります。帰宅そうそうお役にたてばうれしいと思います。」

"Yes, that's a good idea. I'm confident in fighting. It's my pleasure if I can help."

 たちまち、邸内にげんじゅうな警戒がしかれました。青くなった近藤支配人のさしずで、午後八時というのに、もう表門をはじめ、あらゆる出入り口がピッタリとしめられ、内がわからじょうがおろされました。

 Instantly they put the high security measure on the whole mansion. Mr. Kondou who became pale shut the front gate and all the doors, and locked them all.

「今夜だけは、どんなお客さまでも、おことわりするのだぞ。」
 老人が召使いたちに厳命げんめいしました。

"Tonight we have to keep out any visitors."
He ordered the servants strictly.

 夜をてっして、三人の非番警官と、三人の秘書と、自動車運転手とが、手わけをして、各出入り口をかため、あるいは邸内を巡視する手はずでした。

Three policemen off the duty, three securetaries and the driver were sent to protect all doors or watch whole mansion.

羽柴夫人と早苗さんと壮二君とは、早くから寝室にひきこもるようにいいつけられました。
 大ぜいの使用人たちは、一つの部屋にあつまって、おびえたようにボソボソとささやきあっています。

 Mrs. Hashiba, Sanae and Souji were ordered to stay put in their bed rooms.
 Many servants got together in a room, whispering each other in frightened manner.

 壮太郎氏と壮一君は、洋館の二階の書斎に籠城ろうじょうすることになりました。書斎のテーブルには、サンドイッチとぶどう酒を用意させて、徹夜てつやのかくごです。

 Soutarou and Souichi were going to stay up in the second floor study. They prepared some sandwiches and wine on the table for all night.

 書斎のドアや窓にはみな、外がわからあかぬように、かぎや掛け金がかけられました。ほんとうにアリのはいいるすきまもないわけです。

 All the doors and windows of the study were locked so no one could open them from outside. There were no entrance even for an ant.

 さて、書斎に腰をおろすと、壮太郎氏が苦笑しながらいいました。
「少し用心が大げさすぎたかもしれないね。」

 Now, Soutarou sat down and said with a bitter smile.
"Maybe it was too much of precaution."

「いや、あいつにかかっては、どんな用心だって、大げさすぎることはありますまい。ぼくはさっきから、新聞のとじこみで、『二十面相』の事件を、すっかり研究してみましたが、読めば読むほど、おそろしいやつです。」
 壮一君は真剣な顔で、さも不安らしく答えました。

"No, I think no matter how great we are in guard, it may not enough. I have been studying about the incidents of 'Twenty Faces.' He sounds really awful."
 Souichi answered nervously with a serious expression.

「では、おまえは、これほどげんじゅうな防備をしても、まだ、賊がやってくるかもしれないというのかね。」
「ええ、おくびょうのようですけれど、なんだかそんな気がするのです。」

"Then you mean you think they may be coming into this severe guard?"
"Yes, it sounds timid but I feel so somehow."

「だが、いったいどこから? ……賊が宝石を手に入れるためには、まず、高い塀を乗りこえなければならない。それから、大ぜいの人の目をかすめて、たとえここまで来たとしても、ドアを打ちやぶらなくてはならない。そして、わたしたちふたりとたたかわなければならない。しかも、それでおしまいじゃないのだ。宝石は、ダイヤルの文字のくみあわせを知らなくては、ひらくことのできない金庫の中にはいっているのだよ。いくら二十面相が魔法使いだって、この四重五重の関門かんもんを、どうしてくぐりぬけられるものか。ハハハ……。」

"But from where? To steal the diamonds, he has to climb over the high walls. And even if he could come into here through many guards, he has to break this door. And then he has to win against both of us. Still it's not enough. The gems are in the safe. Even if Twenty Faces were a magician he wouldn't be able to come through these hard barriers."

 

『賊』というのを they とするか he とするか、悩んでいます。一人だと思って話してる感じに思えるんだが。どうなんでしょう。