残月録

残月がやがて消えていく間にも、私の日常生活の中に何か一瞬の輝きを求めて写真を撮っています.

千早赤阪村、千早振る(1)

2021-06-01 11:37:37 | 日記


大阪の昨日の感染者はやっと百人を下回りました。
しかし緊急事態宣言解除まではまだ時間がかかりそうです。
一部の人を除き、吉村知事の奮闘に協応して大抵の市民は
不要不急の外出を控え自粛しています。

とまぁ、堅い話はこれぐらいで、大阪には
未だ、村があります。南河内郡千早赤阪村です。
現在は大阪では珍しく棚田がありあります。
元々は楠木正成の生誕地で、千早城のあった所です。
後鳥羽上皇に滅私奉公し、千早城に立てこもり
鎌倉幕府軍を引きつけ、敗退させます。
これにより鎌倉幕府に対する反乱を全国に起こすきっかけをつくりました。
楠木正成は蜂起した足利軍勢を京都におびき寄せ兵糧攻めを
上訴しますが、後鳥羽上皇はこれを聞き入れず、
最後は上皇の命により兵庫の海から攻めいる大軍団を
迎えうつことになり、勝ち目のない戦に挑み
神戸の湊川で自害して果てます。
死を悟った正成は息子正行を桜井に呼び寄せて、決別します。
これは「太平記」にも記載されており、以後、能「桜井」、浄瑠璃、
舞台、映画になっています。

唱歌「桜井の決別」
一、 
 青葉茂れる桜井の
 里のわたりの夕まぐれ
 木(こ)の下陰(したかげ)に駒とめて
 世の行く末をつくづくと
 忍ぶ鎧の袖の上に
 散るは涙かはた露か

二、
 正成涙を打ち払い
 我子正行呼び寄せて
 父は兵庫へ赴かん
 彼方の浦にて討死にせん
 汝(いまし)ここまで来(きつ)れども
 とくとく帰れ故郷へ
    
    作詞:落合直文
    作曲:奥山朝恭