綿内克幸FSP BLOG

シンガー/ソングライター綿内日記

column vol.7

2005-03-07 21:04:53 | COLUMN
「CONVERSE」

 いきなり匂いそうな写真で申し訳ないが、ウチの下駄箱から引っ張り出した愛用のコンヴァ-スである。今回はこいつらについて書きたい。
 
中1の頃、ファンだった世良公則がトレードマークのように履いていたコンヴァ-スに憧れ、早25年。当時、彼が履いていた厚皮の白地に赤いひとつ星コンヴァ-ス(ワンスター)は高過ぎて手が出ず、僕はやむなく手頃な布製のコンヴァ-ス・オールスターのハイカットを履いていた。悔しかった。いつか100足ぐらいまとめ買いしてやるぞコノヤロと思いながら未だに手に入れていない。いないどころか、布製のオールスターばかりが6足ほど下駄箱にゴロゴロしている。
 
 別にスニーカーマニアでもないし、25年間コンヴァ-ス命であったわけでもない。今から7~8年前に出したシングル、「夏色のおもいで」のプロモヴィデオ撮影用衣装のひとつとして用意されたものを貰ってから、なんだかんだ買ったり貰ったりで少しずつたまっていった。
 その頃の僕はブーツ専門であったから、スタイリストから差し出された、中学生の頃に履いていたものと全く同じ白のコンヴァ-ス・オールスターに少々戸惑ってしまった。「爽やかな青春の1ページ」というプロモのコンセプトも充分恥ずかしかったが、そこにブルージーンズに白のコンヴァ-スである。履いたら即「貧弱な吉田栄作」化してしまうのではないか?それはまずいのではないか?という恐れがあったのだ。というのは半分嘘だが、まあ、眩しくて照れ臭かったのである。家に来たヤクルトおばさんがよく見たら中学の時のガールフレンドだった、みたいなものである。ちょっと違いますね。
 しかし照れ臭いのも最初のうちだけで、やっぱり永遠の定番コンヴァ-ス・オールスターである。どんなジーンズにも合う完璧なデザインに再び魅了されてしまった。だいたいナイキのAIRシリーズはゴテゴテしてガンダムみたいで大嫌いなのだ。自分に似合わないからだけど。とりあえずどちらも同じ米国産とは思えない。
 
 米国といえば、ストロークスなどの昨今のパンク/ロックンロールバンド達、音楽好きの一部の若者以外、もう誰もオールスターなど履いていない。みんなガンダム。何10年も前の米国の学生バスケ部は全員お揃いでオールスターハイカットを履いていたのであるが、ナイキの台頭でコンヴァ-ス社は倒産したか、しかけたかで、ライセンスを売っ払ってしまったのである。だから日本で人気のコンヴァ-スはすべてライセンスを買った日本のメーカーが独自に生産販売しているのである。事実、ネットで米国コンヴァ-スのオリジナルカタログで欲しいものがあっても、「日本からだけは」通販出来ないシステムになっている。昨夏、それでもどうしても欲しいカタログがあって、米国滞在時に通販で購入した。そしたらサイズが小さくて泣いたのである。
 
 たとえば古いソウルミュージック、古いスニーカー・・・。多くの米国人は自分の国の宝物の素晴らしさに対して、鈍感過ぎやしないか?などとコンヴァ-スの紐を通す度にちょっぴり思うのであった。

B.G.M. The Impressions / Sooner Or Later

(写真 綿内)
 


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