旧知の音楽ライターさんである能地祐子さんがお客さんとしてイベントを観に来て下さって、尚且つこんな素敵な感想文をSNS内で投稿してくれたので転載します。SNSが苦手な人だってまだまだいるもんね。
『昨夜は、『POP HEADZ♯1』@真昼の月夜の太陽
《柴山一幸&Beautiful Days、EXPOS(河野薫+青木孝明)、綿内克幸+中野トオル+三沢泉》という、今いちばんライブが観たい3組の対バンという素晴らしい企画。
「あの子カワイイよね」というのと同じように、「ポップ」という概念もいろいろと価値観と定義があるので説明が難しい。でも、同じような時代を生きて、同じような音楽を聴いて育ってきた者どうしの暗黙の了解みたいな「ポップ」というのは確実にあるわけで、私にとって昨夜のライブは、まさに真ん中ずばりのポップ博覧会みたいなもので、自分が好きで聴いてきた音楽をすべて肯定してくれるような素晴らしいものだった。
言うまでも柴山、青木、綿内というのはメトロトロン・レーベル出身で、最近よく思うんだけど、メトロトロンというのは組織としてミュージシャンを「縛る」というところはまったくないのに(なさすぎる、とも言える)、たとえ短い在籍期間でも、所属したミュージシャンにはみんな、世俗の中での音楽のありかた、音楽家としての自らの魂の連れて行き方みたいなものをしっかり刻み込むような不思議な場だなぁと。表層的な音楽性のことではなくて、もしくは、職業としてのバンドマンの心得みたいな薄っぺらい精神論でもなくて、なんというか、いちどミュージシャンになった者は自分がどう考えようと死ぬまでミュージシャンであり続けるものだということを、メトロトロン出身のミュージシャンはみんな体現してるように思う。
自分も歳を重ねてくると、音楽を作る時だけ別人格になるような音楽というのはどうも、たまにホテルでお食事する時だけお洒落してる人みたいな不格好さばかりが気になるようになってしまって、かといって、やたら生活臭だけを見せつけられる音楽も「ポップ」としての興味をそそらないわけで。生活の中からひょいと出してくる「ポップ」のカッコよさ、生活の中にあるのに生活の中にないもの……というのが、私が今いちばん聴きたいものなんだけど。なかなかね、そういうのは難しい。でも、昨日の3組はみんなあたりまえのようにそういう音楽を見せてくれた。
ふらっと突然あらわれたそうなのだが、昨日はメトロトロン社主ハクブンさんがやってきて後方でずっとにこにこしていた。素晴らしかったですねと言ったら、社主は「うん、みんなシンシでね」と答えた。それが「真摯」なのか「紳士」なのか、一瞬、訊きかえしたくなったし、訊いたら答えてくれたはずなんだけど、訊くのをやめた。答えを知ってしまったら野暮というか、それ以上に、その言葉が連れてきた魔法が解けてしまう気がした。
「真摯」でもあるし「紳士」でもある。
ふーちゃんの、詩人の言霊はやっぱりすごいや。
すごいと言えば、三沢泉すげーや!本当にすごい!いずみちゃんカッコよすぎる!
パーカッションという楽器が、こんなにも歌を輝かせるのかと。おっさんから女子まで、みんなが泉ちゃんと共演したがるのはよくわかる。いずみラブ!』
『昨夜は、『POP HEADZ♯1』@真昼の月夜の太陽
《柴山一幸&Beautiful Days、EXPOS(河野薫+青木孝明)、綿内克幸+中野トオル+三沢泉》という、今いちばんライブが観たい3組の対バンという素晴らしい企画。
「あの子カワイイよね」というのと同じように、「ポップ」という概念もいろいろと価値観と定義があるので説明が難しい。でも、同じような時代を生きて、同じような音楽を聴いて育ってきた者どうしの暗黙の了解みたいな「ポップ」というのは確実にあるわけで、私にとって昨夜のライブは、まさに真ん中ずばりのポップ博覧会みたいなもので、自分が好きで聴いてきた音楽をすべて肯定してくれるような素晴らしいものだった。
言うまでも柴山、青木、綿内というのはメトロトロン・レーベル出身で、最近よく思うんだけど、メトロトロンというのは組織としてミュージシャンを「縛る」というところはまったくないのに(なさすぎる、とも言える)、たとえ短い在籍期間でも、所属したミュージシャンにはみんな、世俗の中での音楽のありかた、音楽家としての自らの魂の連れて行き方みたいなものをしっかり刻み込むような不思議な場だなぁと。表層的な音楽性のことではなくて、もしくは、職業としてのバンドマンの心得みたいな薄っぺらい精神論でもなくて、なんというか、いちどミュージシャンになった者は自分がどう考えようと死ぬまでミュージシャンであり続けるものだということを、メトロトロン出身のミュージシャンはみんな体現してるように思う。
自分も歳を重ねてくると、音楽を作る時だけ別人格になるような音楽というのはどうも、たまにホテルでお食事する時だけお洒落してる人みたいな不格好さばかりが気になるようになってしまって、かといって、やたら生活臭だけを見せつけられる音楽も「ポップ」としての興味をそそらないわけで。生活の中からひょいと出してくる「ポップ」のカッコよさ、生活の中にあるのに生活の中にないもの……というのが、私が今いちばん聴きたいものなんだけど。なかなかね、そういうのは難しい。でも、昨日の3組はみんなあたりまえのようにそういう音楽を見せてくれた。
ふらっと突然あらわれたそうなのだが、昨日はメトロトロン社主ハクブンさんがやってきて後方でずっとにこにこしていた。素晴らしかったですねと言ったら、社主は「うん、みんなシンシでね」と答えた。それが「真摯」なのか「紳士」なのか、一瞬、訊きかえしたくなったし、訊いたら答えてくれたはずなんだけど、訊くのをやめた。答えを知ってしまったら野暮というか、それ以上に、その言葉が連れてきた魔法が解けてしまう気がした。
「真摯」でもあるし「紳士」でもある。
ふーちゃんの、詩人の言霊はやっぱりすごいや。
すごいと言えば、三沢泉すげーや!本当にすごい!いずみちゃんカッコよすぎる!
パーカッションという楽器が、こんなにも歌を輝かせるのかと。おっさんから女子まで、みんなが泉ちゃんと共演したがるのはよくわかる。いずみラブ!』