≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

科博に行って『古代アンデス文明展』を見てきた。その2

2017-11-26 15:11:03 | 展覧会に行った話
科博に行って『古代アンデス文明展』を見てきた。その1 よりつづく



ネコ科動物の毛皮を模した儀式用ケープ と
ネコ科動物の足をかたどりメッキをほどこし他爪を付けた土製品
どちらもペルー文化省・モチェ神殿群博物館

金属だけじゃなくっていろいろな材料を用いている。 ミクストメディアっていうんですか



上あごの赤みがかったひだ、鋭い牙や見開いた目。
これを背負うとどんな風に見えるのだろうか。



マントを背負う人はこれを手にはめたのだろうか。



しかしわたしは初めて出てきた繊維製品に心奪われたんであった。
鳥の羽も縫い付けていたんだなぁ。
黄色い羽根だ。 金と合わせているんだな。




クモが描かれた土器 ナスカ文化 ペルー文化省・イカ地方博物館「アドルフォ・ペルムデス・ジェンキンス」

色の使い方が今までのものと変わってきた。




持ち手紐のついた織物バッグ(コカ袋?)
ナスカ文化 ペルー文化省・イカ地方博物館「アドルフォ・ペルムデス・ジェンキンス」
コカは貴重品で、特に高地の人々が高山病対策としてよく噛んだが、
この3点のコカ袋は海岸部近くで発見されたもの。
つまり標高の低い地域でもコカの葉をかむ習慣が取り入れられていた証拠である。
 とある。
3点あったうちのひとつ、気に入ったものの写真をアップ。

やった! 染織だ!

綴れの技法だ。 なんていうか丁寧な仕事なんだよなぁ。
モチーフがエキゾチックで、自分じゃ絶対思いつかないような手合い。




幾何学模様の織物ベルト ナスカ文化 ディダクティコ・アントニーニ博物館
幅が狭く長いバンドは、ベルトとして腰に巻くこともあればターバンのように頭に巻くこともあり、
また荷物を運ぶ際に負い紐として使うなど様々な用途に使われた。
 とある。

紋織、でいいのかな? すごく素敵。




刺繍マント パラカス・ネクロポリス期、前300~後200年頃 ペルー文化省・国立考古学人類学歴史学博物館
高位者のミイラ包みで、幾重にもくるんでいたマントのうちの1枚。
「空飛ぶ人間型神話的存在」が描かれ、人間の身体に鳥の翼がつき、
チュニックと王冠を身につけ、両手に鳥を持っている。
 とある。



きゃーっ! これ凄いんですけど!! 素晴らしい仕上がり。
みんな色が違う。



縁にも刺繍されている。 すてき!!




四つの突起のある帽子 ティワナク文化 先コロンブス期貴金属博物館/ボリビア ラパス市
表面にビロードのような豪華な質感を出した四角い帽子。
独特な形状と幾何学的な構造は、南部高地の文化特有のものである。
高い地位にある人物が特別なチュニックと一緒に身につけていたと思われる。
 とある。

ビロウドのような毛羽を出した刺繍? 素材は何なのだろう?
やっぱりアルパカとか? 地の布の素材は木綿?
麻っぽく見えるけどアンデス地方に植物の茎の繊維を使う習慣ってあったっけ?
それにしてもこのモチーフがエキゾチック。
わたしの頭の中からは絶対に出てこない。




ストラップが付いたつづれ織りのバッグ ティワナク文化 国立考古学博物館/ボリビア
コカの葉を入れるために使われたと思われるバッグ。
つづれ織りの布で作られているが、もとはチュニックだった生地を再利用した可能性がある。
 とある。

階段状モチーフがらしいなぁ。




パリティ島で出土した肖像土器 ティワナク文化 国立考古学博物館/ボリビア
非常に写実的な成人男性の肖像土器。男性は円筒形の帽子をかぶり、耳飾りをはめ、
下唇に「テンペタ」と呼ばれる口ピアスに似た装身具をつけ、ネックレスをしていることから、
アマゾン低地の住民である可能性が高い。
 とある。

壺にする理由が思いつかない。




つづれ織りのチュニック ワリ文化 ペルー文化省・国立考古学人類学歴史博物館
世界最高レベルの細かいつづれ織り(時には1cm当たりの糸の数が100本以上)で作られるワリのチュニックは、
たて糸にワタ、よこ糸に染色したラクダ科動物の毛を使い、よこ糸が表に出る織り方で2枚の布を織り、
それを並べて中央を(首穴を残して)縫い合わせて作られる。
 とある。

なんていうか、丁寧で心打たれる。
洒落っ気があって飽きのこないデザイン、っていうんでしょうか。



アップで分かるのは、布の向きが織った方向じゃなくて90度横を向いている、ということ。
えっ?
和服みたいにだいたい腰の幅で布を織って二枚横に継いでいるんじゃなくて、
もしかしてこの布は縦の長さの幅もある広い布を織って継いでいるのか?
肩のところをよおくチェックすることができなかったから、2枚を継いだのかそれとも4枚継いだのか分からない。
一般に、広幅の布の方が技術的に上、ということになっているけど。

西洋のつづれ織りのタピストリーではたいていこのように経糸が横向きになるように飾るから、
糸の重みの関係とか理由があるのかもしれないな。




チュニックの一部(?) ワリ文化 天野プレコロンビアン織物博物館
アンデスの織物伝統の中で、数はさほど多くないが際立った存在のうちのひとつで、
階段状のユニットをかがり合わせて作られている。
この布は男性のチュニックとして作られたのだろう。
 とある。



絞りという染めの技法だ。 くっきり防染できているなぁ。



アップ。 素材は何なのだろう? 発色がいいから獣毛かな?
端の始末も丁寧。 こういうものづくりって心打たれる。




ワリのキープ ワリ文化 ペルー文化省・国立考古学人類学歴史博物館
キープはインカが帝国の行政に利用した記録装置である。
結び目を作った紐に糸をぐるぐると巻き付けた紐を加えている点が、インカのキープとは異なっている。
インカのキープは10進法だが、ワリのキープは5進法の方を好んで使っていたようである。
 とある。

解読できたんでしょうか?




頭を覆う布 チャンカイ文化 天野プレコロンビアン織物博物館
レースのように向こうが透けて見える、ワタの四角い布。女性が頭を覆うために使った。
複雑な構造で非常に繊細である。結び細工とからみ織りを組み合わせて海中の魚を描き、
波のようなうずまきも表現している。
 とある。



今回の展示で最も気に入ったのがコレ。
この布はからみ織りで格子状のベースを作り、そこに結び細工で柄を作り出していったのだろうか?
繊細なんだけれど、遊び心があって見る者の心を浮き立たせる。
また、素材が木綿というところが嬉しい。 一応わたくしワタを紡いでいるもんで。




ええっと、これもキャプション札を写真に撮るのを忘れてしまった。
いわゆるサンプル集みたいな感じ? いやいやどうだろう?



バランスよく継いであるのか、それとも最初から全体を考えながら織って継いだのか、
エキゾチックで、唸るような抽象化で、楽しげで、技術も確かで、かないません。




淡水エビをかたどった金銀製鐙型注口容器 チムー/インカ期 ペルー文化省・国立考古学人類学歴史学博物館
金合金の薄板を手作業で叩いて淡水エビの形を表現している容器。
下部の箱状部分と上部の鐙型注口部は銀合金の薄板で作られている。
 とある。

上にくっついている小さいものはカメレオンだろうか?


ずっと通して見て思ったのが、古いものの方がものが良い、ということ。
古代の中国のものも古い方が圧倒的だし、アンデスでもそうなのに驚いた。
なんでなんだろう?


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いっぱい写真を撮ってアップしてしまって、記事も長くなってしまった。
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。
厳選したつもりでもこの量。 お宝満載の展覧会だった。
写真の整理と記事を書くのも大変になってしまったくらいだよ。
来年の2月18日まで国立科学博物館でやっているので、ぜひお薦めする。



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