群馬の山奥から一発奮起して、上京した。
子供が出来て以来10年以上、独りで外泊なんてことはしたことがなかったので、
すごくドキドキしてしまう。
まず一番目新しそうな、六本木の東京ミッドタウンに行った。
ガラスの天井に水が流れていて、光が和らげられてきれい。
吹き抜けを見上げると、手すりの外側の模様が美しい。
少し、アール・デコが入っている?
すっくと伸びた、竹が印象的だ。
東京ミッドタウンのサントリー美術館に行くのが目的でした。
今やっているのは、「BIONBO/屏風 日本の美」 というものだ。
人が多かった。
でもきっと、国立新美術館でやっているフェルメールの方が混んでいるだろうな。
もしくは東京都庭園美術館でやっている、ティファニーとか。
屏風は美しかった。
群衆が細かく描いてある屏風は面白かった。 ところてんを突いている人とか。
でも、やっぱり、花鳥風月のほうが好きだなぁ。
一番気に入ったのは、韓国国立古宮美術館所蔵の狩野友甫宴信の描いた苅田雁秋草図屏風。
雁が丁寧に描いてある。 飛び立つ姿、飛ぶ姿、着地する姿、歩く姿…。
それらの全体の配置、構図がまたすばらしい。
日本画って、いいですねぇ!!
という勢いで、山種美術館に行こうかとも思ったが、
やはり染織家を目指しているのであるからして、東京国立近代美術館工芸館に行くことにした。
でも、その前に昼食。
気にはなっていたが食べたことのないフォーなるものを食べた。 うーん、まあまあ。
ビーフンの方がすきかも。
なんとなく物足りないので、ケーキも食べた。
A.Lecomte (ルコント) のサントノーレというケーキを食べた。
土台はパイ生地で、その上にシュー生地が焼いてある。
ラズベリーがごろごろ入ったカスタードクリームの上に生クリームが絞ってあって、
その上にもラズベリーが載っている。
そして、ちゃんとカスタードクリームの入ったプチシューにカラメルが円盤状にくっついているものが
横についている、という構造。
なんて、説明が難しいのだろう!
わたしは、柔らかいスポンジに柔らかいクリーム、というただただほわほわしているだけのケーキは
あまり好きではない。
このサントノーレはシュー生地はしっかりしているし、パイはさくさくだし、円盤状のカラメルはガリガリしているし、
ちゃんと用意してくれたナイフがないと食べられないようなケーキで、
ラズベリーの赤と酸味がアクセントで、すごくおいしかった!
ケーキの周囲に巻いてあるテープを外すと、少しぐらりとするような、クリームの柔らかさ!
柔らかいだけのケーキは嫌いだが、そういうケーキは意外とクリームは固く泡立っていたりする。
そうではなくて、生地とクリームと具のコントラストが好きなのだ。
とてもおいしい!すばらしい!! わたしはとてもとても感動いたしました。
ああそれにしても、あのカスタードクリームに加えられた風味はなんだったのだろう!?
ブランディ? ラム酒? 気になるぅ。
と、そこで我に返る。 食べるのに夢中で、写真を撮るのを忘れた…。
お腹がくちくなったところで、竹橋の平山郁夫でにぎわっている東京国立近代美術館の横を素通りし、
東京国立近代美術館工芸館に行った。
建物は、旧近衛師団司令部庁舎を保存活用したものらしい。
特集だれそれ、というような展示内容ではなかったせいか、人はまばら。
ああ、これくらいの方が、心ゆくまでゆっくり鑑賞できる。
染織はあまりなかったが、志村ふくみの着物が一着見れたのがよかった。
あと、北村武資の藍地透文羅裂地が見れたのもよかった。
染織αという雑誌でも見たことのある、小名木陽一「赤い手ぶくろ」の本物も見ることが出来た。
でっかい!!すごい迫力でした。
染織以外では、ジョージナカシマの椅子と黒田辰秋の椅子に座った、ってことかな。
2階に上がる階段の裏側。
こんな星もあった。
そこで竹橋を出て、大手町に行く。
OAZOの丸善で本を買う。
それから少し歩いて、新丸ビルもひやかす。
夕食にお茶漬けを食べ、翌日の朝食を成城石井で調達した。
新しい巨大なビルもはじめは目新しかったが、3軒はしごをすると、段々どうってことなくなってしまう。
いささか疲れた。
過疎すすむ山奥に越したときには、あんなこともこんなことも、すべてがみな疑問に思ったものだった。
それが10年以上経つと、まったく逆に思えてしまうから面白い。
なんでこんなに人が多いんだろう!
なんでこんなに分業化しているのだろう!
地面はどこにあるのだろう!?
実はOAZOにも、新丸ビルにも夫の作った椅子がどこかにあるのだが、
それには眼もくれず、千葉の弟の家に向かったのだった。
↓「千葉に行った。(工房からの風)」に続く。
だけど、慣用句として一発奮起も世間では多用されているようなので、このままで許してください。
やっぱり語感として、うむむむ、という一念より、
えいやっ!という一発の方が、気分が合うのよ。
貴ブログへコメント初投稿にも関わらず、細かいツッコミ失礼致しました。
応援していますので今後も頑張って下さい。
応援してくださるとは心強い!
どうだっ、といえるような作品をどんどん作っていきたいです。
よろしくお願いします。